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いわき鹿島の極楽蜻蛉庵

いわき市鹿島町の歴史と情報。
それに周辺の話題。
時折、プライベートも少々。

いわき鹿島の昔ばなし36

2013-05-21 07:01:20 | Weblog
                                            分類:歴
       蛇聟 (へびむこ) 入り

 昔話というのは語りの始めに「昔々、あったとさ」とか「昔々、ある所に」とか、時代や場所を決め付けないのが特徴だから日本の各地で似たような物語が出来上がっているのは仕方がない。

 鹿島でも、明治生まれの人がまだ子供だった頃に聞かされたという「昔ばなし」を、昭和の後半に直接本人(・名前・生年月日まで明記してある)たちから聞き集めたという記録があるが、持ち合わせの資料に調査した人物が判明できないのが残念に思っている。
 当時、高齢者からの聞き取りということもあって、話の内容には既に原型をそこなっていることが多く、筋の脱落、混同によって曖昧な点を指摘されるのは否めないが、それら幾つかの昔話を、一編ずつ日を追って紹介してみたい。
             

 昔々、ある所に若い娘っこがいたんだと。
 ところでその娘っこが年頃になって色気が出てきたのはいいんだけっども、何しろ箱入り娘だから何処さも出ることが出来ねかった。
 ところが或る日、男が通い始めたそうなんだ。そうしてだんだんとその交際が深くなってきて、とうとう身篭ってしまったと。
 その時、その相手が言うのには「自分の子供を懐胎したときは絶対に菖蒲の湯に入ってはいけねかんな」と言ったんだと。
 その内に段々臨月になると、懐胎したことが親達にも判ってしまった。
 それで親達は色々と話を聞いていくうちに、相手が菖蒲の湯に入ってはいけねえと言ったことが分かったもんだから不思議に思って、菖蒲と蓬を丸めて湯につけ、その娘を湯さ入れさせたところ、俄かに産気付いて湯の中に子供を産んだ。
 その子供はみんな蛇の子だったっちゅう話だ。
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