OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

由美かおるがワンダーウーマンだったなら

2017-01-11 17:40:58 | 歌謡曲
愛の冒険者 / 由美かおる (日本コロムビア)

最近はネタ切れも著しい映画界、殊更アメリカの製作現場は深刻なようで、苦し紛れとも受け取れるリメイクや海外作品の翻案に勤しむ現状は賛否両論かと思います。

しかし、それがヒットしてしまうのであれば、需要はあると確信するしかなく、中でも所謂アメコミの実写化作品が盛況なのは、その証かもしれません。

そこでサイケおやじが、今一度望みたいのが、1940年代にDCコミックスで掲載されていたウィリアム・モールトン・マーストン原作の「ワンダー・ウーマン」であります。

もちろん、皆様ご存じのとおり、「ワンダー・ウーマン」は1970年代になってからリンダ・カーターが主演するテレビシリーズとして相当な本数が作られ、我が国でも吹替版が放送されており、その奇想天外というよりも、破天荒なオトボケやご都合主義の心地良さがリンダ・カーターのセクシーな佇まい共々に当時の野郎どもを楽しませてくれたのですから、これがリメイクされないのは、何らかの深い(?)の理由があるにちがいない!?

なぁ~んていう無粋な推察も、各方面で論じられているところです。

ちなみにワンダー・ウーマンの正体はバミューダトライアングルに存在する謎の島=パラダイス・アイランドに住むプリンセス・ダイアナであり、その不老不死の美女が様々な超能力や超科学兵器を用いてアメリカの諜報機関を助けるという、なかなか片寄った愛国心と正義を貫く物語にはジャストミートのヒロインなもんですから、その変身後の衣装にしても、ピッチピチの短パンやレオタードに星条旗のマント!

なぁ~んていう徹底ぶりは、キャプテン・アメリカも真っ青でしょう。

実際、最初の劇中設定では、活躍の時代が第二次世界大戦中であり、必然的に敵役がナチスドイツや大日本帝国でしたし、後半には不老不死という彼女の特殊能力を利用して、現代における物語に路線変更され、所謂スパイアクションに加えて、なかなかSFっぽいストーリーもありました。

それでもワンダー・ウーマンの基本的個性は変わる事なく、人間社会での平素におけるルックスはダサいファッションに野暮ったいメイク、それが変身すれば、既に述べたとおり、当時のテレビ番組としては露出度の高さも嬉しいほどのコスチュームで暴れる(?)のですから、たまりませんでしたよ♪♪~♪

ただし、シリーズも最終版になってくると、彼女の日常的な着こなしが洗練された最新モードになってしまい、それが人気凋落の要因のひとつだったような気もしています。

さて、そこで本日掲載したのは、その「ワンダー・ウーマン」が日本で放送されていた時の主題歌として、主役のリンダ・カーターの吹替えを担当していた由美かおるが歌ったテーマ曲「愛の冒険者」をA面に入れたシングル盤で、実は本国アメリカでは1970年代後半にオンエアされていたものが、我が国では昭和55(1980)年から翌年にかけての放送だった事もあり、必然的に由美かおるの歌ったテーマ曲「愛の冒険者」も、時代にマッチしたフュージョン歌謡に仕上がっているのが高得点♪♪~♪

なにしろ作詞:竜真知子&作曲:佐藤健、そして編曲:井上鑑という制作陣の提供であれば、都会的でスピード感に満ちた歌と演奏はお約束以上!

あぁ~、このカラオケは永久保存したくなるほどカッコイイですねぇ~♪

そして肝心の由美かおるのボーカルも、決して凄いとは申しませんが、溌溂とした中にも持ち味の「甘え節」を微妙に滲ませるという、それも彼女ならではのテクニックでありましょうか、サイケおやじは好きです♪♪~♪

ところで、実は我が国で放送されていた同番組の吹替えは由美かおるだけではなく、その前任者として名前は失念してしまったんですが、別の声優さんが担当していました。

それが前述した第二次世界大戦中の物語だった「空飛ぶ鉄腕美女・ワンダーウーマン」であり、由美かおるが吹替えたのは現代を舞台にした「紅い旋風・ワンダーウーマン」だったんですが、あえて由美かおるを起用したのも、何か彼女自身による日本版ワンダーウーマンを妄想させたいという、なかなか嬉しい企図があったように思うんですが、いかがなものでしょう。

説明不要ではありますが、ここから数年後の由美かおるはテレビ時代劇「水戸黄門」における女忍者のお銀として、江戸時代らしからぬ網タイツやレオタード系の衣装で派手なアクションを演じ、さらには毎回の嬉しいプレゼントであった入浴シーンの大サービスまで、まさに自らの特質と個性を存分に発揮してくれましたからねぇ~~♪

後は言わずもがなでありましょう。

ということで、既に企画制作に入っているという話も耳にするところではありますが、アメリカの次期大統領トランプ氏にしても、ワンダー・ウーマンみたいな愛国者は好きそうな人物のように見受けられますので、一丁お願いしますよぉ~~~~♪

あっ、それと日本でも放送されていたテレビ版のパッケージソフト化も、当時の吹替を収録して、ぜひともお願い致します。

うむ、欲望は尽きないなぁ~~。
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これも出初式?

2017-01-10 18:04:07 | Weblog

いきなりトラブった仕事の火消しに追われています。

本日の!枚の休載、ご理解下さいませ。

是が非でも、今夜中に鎮火鎮圧させる覚悟でございます(__)

 

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冬は山口百恵の色

2017-01-09 18:12:56 | 歌謡曲
冬の色 / 山口百恵 (CBSソニー)

夥しく残れさている「冬の歌」の中でも、山口百恵が昭和49(1974)年末から翌年にかけて大ヒットさせた本日掲載のシングル盤A面収録「冬の色」は、なかなかサイケおやじが好きな名曲です。

皆様ご存じのとおり、当時の山口百恵はテレビドラマ「赤いシリーズ」諸作に主演しての大ブレイクと同時に所期の目的であったアイドル路線の歌手活動でもヒットを連発していた上昇期だったわけですが、告白すればサイケおやじは、そんな山口百恵は決して夢中になれる対象ではありませんでした。

そりゃ~、確かにちょっぴりツッパリ気味に思わせぶりなキワドイ歌詞を懸命(?)に熱唱していた「禁じられた遊び」や「ひと夏の経験」等々には、それなりに気持ちを惹かれてはいましたが、所詮は背伸びした少女の歌の世界、なぁ~んていう不遜な先入観があったもんですから、もちろんレコードを買う事も無く、漫然とテレビで接していただけの……。

ところが、この「冬の色」に関しては、一聴して即っ! 足はレコード屋へ!!

それほどに伝わって来る「山口百恵の歌の世界」があったんですねぇ~~♪

しかもレコード屋の店頭で邂逅した件のシングル盤ジャケットには、掲載したとおり、なんともアイドルらしくない彼女のポートレートが用いられていたのですから、本気で驚きましたですよっ!

極言すれば、こりゃ~、歌謡フォークとかニューミュージック系のレコードというイメージすら企図されていたように思います。

そして肝心の「冬の色」は作詞:千家和也&作曲:都倉俊一、そして編曲:馬飼野康二という、山口百恵をデビュー以来から担当しているソングライター陣からの提供ですから、彼女の個性や資質を活かす術は薬篭中のものなんでしょうが、それにしても、ある意味では衝撃のイメチェンというか、ここまでしっとりとした情感溢れるミディアムテンポの歌を披露してくれるなんて事は、サイケおやじには予想も出来かねる、まさに嬉しい誤算と書けば顰蹙でしょうか。

しかし実際、如何にもドラマチックな予感を漂わせるイントロからボサロック調のリズムを用いたマイナーキーのメロディ展開はニクイばかりですし、また千家和也の綴った歌詞が、これまた深いんですよねぇ~~♪

 あなたかぁ~ら 許されたぁ~ 口紅の色はぁ~~
 からたちのぉ~ 花よりもぉ~ 薄い 匂いですぅ~~

とにかく、この最初の一節だけで、グッと心を鷲掴みにされるというか、続けて以降歌われていく純情な乙女の心情が、せつなく追いつめられていく様を表現する山口百恵の抑えた節回しは本当に素晴らしいと思いますねぇ~~♪

もちろん、そこには彼女の個性でもあったアルトの声質と未だ狭かったボーカル音域の所為で、高音部が苦しくなるという特性(?)を逆手に活かす製作陣の狙いがあったのかもしれません。

とすれば、マイナーキーでここまで穏やかにグルーヴ出来るメロディを書いた都倉俊一、そしてストリングスとホーンセクションを大々的に用いながら、例えばギターによる細やかな彩となるリズムプレイ等々のアレンジを提供した馬飼野康二という、両者の天才性も聴き逃せないプロの手際でしょう。

ということで、以前にも書いたかもしれませんが、「歌謡曲」というジャンルが起承転結の曖昧なデジタルモードの「J-Pop」なぁ~ていう、サイケおやじにとってはちっとも面白くないものに変質してしまったのは山口百恵が引退して以降、つまり山口百恵の様に歌えるボーカリストが消えてしまったからじゃ~ないのかっ!?

そんなお叱りを覚悟の気持さえ吐露したくなるんですが、いかがなものでしょう。

当然ながら、そんな思いを抱くようになった、その契機が「冬の色」という名曲名唱なのでした。
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涼川真里の小悪魔グルーヴ

2017-01-08 19:19:36 | 歌謡曲
白いシャム猫 / 涼川真里 (テイチク)

昭和の歌謡界が活況を呈していただけに、「幻」の冠も眩しい美人歌手のひとりが、近年の人気沸騰も著しい涼川真里です。

なにしろ残したシングル音源がきっちりとCD化されているという嬉しい現実は、何か夢の様に思えるほどで、しかし、だからこそオリジナルのアナログ盤が欲しくなるのはサイケおやじだけではないはずです。

それは僅かしか残されなかったとはいえ、彼女のレコードは収録楽曲共々に何れもジャケットが魅力的ですからっ!

で、本日掲載したのは昭和46(1971)年に発売された、作詞:二条冬詩夫&作曲:中山京、そして編曲:山倉たかしが提供したA面曲「白いシャム猫」が素敵な1枚!

とにかくそれはキュートなイエイエグルーヴの名曲名唱で、アップテンポの演奏パートにはドライヴしまくったエレキベースやイカシた合の手フレーズを入れるギター、さらにはキャッチーなホーンリフがテンコ盛り♪♪~♪

そしてもちろん涼川真里の節回しは小悪魔モードとでも申しましょうか、軽快なリズムとビートにノリノリのところからサビではニクイばかりの泣き節を聞かせてくれるんですから、たまりません♪♪~♪

あぁ~、この絶妙な隠し味的コブシの妙とイヤミの無いセクシーなブレスは、クセになりますよっ!

本当に全然古くなっている感じがしませんから、ちょっぴり今風のサウンド作りを取り入れたら、リメイクヒットの資格は絶対だと思うんですが、いかがなものでしょう。

ただし、現代にこれを涼川真里と同じグルーヴや雰囲気を壊さないで歌えるシンガーが存在しているかは、まあ、別の問題なんですけどねぇ……。

ということで、こ~ゆ~素敵なレコードが日常的に制作発売されていた昭和の歌謡界には、まだまだ埋もれた秘宝がどっさり残されているはずです。

そういうお宝に回り逢えますよう、本年も精進を積み重ねる所存でございます。
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折鶴は昭和歌謡のスタンダードになって欲しい

2017-01-08 19:18:25 | 歌謡曲
折鶴 / 千葉紘子 (キングレコード)
 
小柳ルミ子、南沙織、そして天地真理の所謂三人娘が上昇期だった昭和47(1972)年には、そのフォロワーが次々に登場していたという実情は昨日書いたとおりですが、千葉紘子が出した本日掲載のシングル盤A曲「折鶴」も同年秋に大ヒットした、まさに「ルミ子モード」の人気作です。

そこには、しっとりとした和風のイメージにポップス調のアレンジを組み合わせるという狙いがきっちりと感じられ、作詞:安井かずみ&作曲:浜圭介、そして編曲:森岡賢一郎の仕事は、まさにプロの手際の決定版でしょう。

もちろん、千葉紘子の歌いっぷりも程好い哀愁と情熱のコンビネーション(?)が素晴らしくて、特にサビに入ってからの盛り上げは何度聴いても、せつないですよねぇ~~♪

これも本当に昭和歌謡の名曲名唱と思うばかりで、他の歌手によるカバー作も幾つか出ているはずですが、小柳ルミ子本人のバージョンがあったら、それも興味津津!?

実はこの「折鶴」の大ヒットから約1年後の昭和48(1973)年秋には、製作に関わった同じ顔触れのヒットメーカートリオが提供した「十五夜の君」という小柳ルミ子名義のシングル曲が発表されているのですから、様々な妄想や当て推量を持って聴き比べるのも一興だと思います。

また、千葉紘子は、これだけの歌唱力がありながら、極言すれば、「折鶴」だけの「一発屋」という現実が……。

だからこそ、懐メロ番組への出演価値も高い彼女ですが、何時の間にか芸能界から社会福祉活動というか、刑法犯の更生に尽力する保護司に転身し、刑務所や少年院あたりへの慰問もやっておられるという近況に以前テレビで接したサイケおやじは、そこでも「折鶴」を歌っていた千葉紘子に、ちょっぴりウルっとさせられましたですよ。

ということで、今夜はこれから新年の宴会に嬉しいお誘いがありまして、もちろん本音は二次会へ流れた後にたっぷりと吐き出す心づもりです。

結論なんかは出るはずも無いし、そんなものに希望も期待もしていませんが、せめて歌の上手いホステスさんがいるような店へでも、連れてって欲しいなぁ~~♪

もしも、そ~なったら、この「折鶴」を歌ってもらおうっと♪♪~♪
 
 
※追記:Jan. 08, 2017
 名無しの権平様、秀和様からのコメントにより、この「折鶴」が小柳ルミ子のオリジナルであったち事が判明致しました。
 それは昭和47(1972)年8月に発売された彼女のLP「京のにわか雨」に収録されており、楽曲それ自体もCD化されているそうです。
 貴重な情報、ありがとうございました。
 サイケおやじは速攻で、それらのブツを聴く努力をさせていただきます。
 感謝♪
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何を歌っても素敵な川辺妙子

2017-01-06 18:24:35 | 歌謡曲
あなたは木枯し / 川辺妙子 (フィリップス)

昨日は失礼致しました。

しかし、流石は小寒、風が冷たいですねぇ~~~。

そこで本日のご紹介は、昭和歌謡曲の美人歌手と言えば絶対に外せない川辺妙子が昭和47(1972)年に出したシングル盤A面曲「あなたは木枯し」であります。

皆様ご存じのとおり、その頃の我が国歌謡界は小柳ルミ子、南沙織、そして天地真理という所謂三人娘が若手女性歌手のトップを競っていた時期で、そこに大御所やそれなりのキャリアを積んでいた中堅スタア、さらには一発ヒット組、おまけに毎月大勢の新人がデビューしていたという、今では夢の様な歌謡曲景気の真っ只中!

ですから必然として前述の三人娘の路線に後追いした楽曲もどっさり制作され、つまりはその本家本元を書いていた平尾昌晃、筒美京平、森田公一あたりの作曲家が提供した「三人娘モード」の歌が様々な歌手によってレコード化されいたわけで、この「あなたは木枯し」にしても作詞:茜まさお&作曲:平尾昌晃、そして編曲:竜崎孝路が提供したのはスバリ!

小柳ルミ子路線の哀愁歌謡♪♪~♪

いゃ~、とにかくミディアムテンポの強いビート感も好ましく、メロディラインの要所をキメるフックが完全に小柳ルミ子の「私の城下町」とか、あの味わいが滲みまくりなんですねぇ~~♪

と同時にアレンジがなかなかオシャレでして、演歌モードを洋楽ポップスに繋ぎとめるシロフォンやハープシコードの彩、疑似ニューソウルなストリングスの響きも面白く、それゆえに棄てられた女の悲しみが必要以上に恨みがましく滲んでこないのは賛否両論かもしれません。

実際、ヒットしたとは言い難い結果だったと記憶するばかりなんですが、ところが川辺妙子の歌う「あなたは木枯し」がそれでも魅力的なのは、ハスキー系の彼女の声質とナチュラルなフェロモンを感じさせる節回しの美味さであって、もしもこれを他の歌手が吹き込んでいたら、失礼ながら凡作に……。

さらに穿った事を述べさせていただければ、楽曲そのものが、もしかしたら小柳ルミ子のプロジェクト用に書かれていた可能性だって、あるんじゃ~なかろうか?

そして、もしもそうだったとしても、小柳ルミ子に果たして川辺妙子のような、ちょっぴり荒んだような哀愁が表現出来ていたかは、なかなか多種多様な論争を呼ぶかもしれません。

ということで、川辺妙子の魅力は決して天性の美貌だけじゃ~なく、歌手として何よりも求められる声質の個性や節回しのジャストミート感、歌詞とメロディラインを解釈していく中での所謂「歌の上手さ」を併せ持った稀有の存在だったと、サイケおやじは今にして痛感させられる事が度々あります。

願わくば決定的な川辺妙子のアンソロジーが編まれ、もちろんそこには彼女の動画やグラビアショットも加えられたブツを望みたいですよぉ~~~~。
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新年早々

2017-01-05 18:13:24 | Weblog

年始回りで関西方面へ出かけたら、案の定、段取りが狂って……。

現在移動中なので、本日はこれにて失礼させていただきます。

明日は通常掲載を目指しますねっ!

 

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このミニスカにして、演技もOK!

2017-01-04 19:31:24 | 歌謡曲
汽笛が泣いている c/w 太陽が沈むまで / 加納エリ子 (ワーナーパイオニア)

昭和40年代末頃からの東映プログラムピクチャーに親しんでいた皆様ならば、例え記憶の片隅であっても橘真紀、あるいは橘麻紀の芸名で諸作に出演していた女優さんを覚えておられるんじゃ~なかろうかと推察しておりますが、その彼女の前身こそが本日掲載のシングル盤で昭和47(1972)年にデビューした加納エリ子だと言われています。

と、些か曖昧な書き方をしてしまったのは、サイケおやじがリアルタイムでは歌手としての加納エリ子に全く接していないからでして、この私有盤にしても、当然ながら前述した履歴を知り得てからの後追いゲットなのです。

しかし、それにしてもジャケ写に登場している加納エリ子のフェロモンが滲み出た存在感は素晴らしいですよねぇ~~♪

つまりはジャケ買い趣味、そしてミニスカマニアをも虜にする魅惑のブツなんですが、肝心の中身もなかなか楽しめる仕上がりで、まずは作詞:千家和也&作編曲:都倉俊一が提供のA面曲「汽笛が泣いている」がアップテンポの歌謡ポップスという、如何にもこの当時の流行だった山本リンダ安西マリア、そして夏木マリあたりの路線を狙ったものでして、そこにはセクシーアクション系の振付が絶対的に必要とされるに違いないという確信犯!?

とにかく演奏パートのベース&ドラムスのグルーヴがたまらなく最高でして、曲メロからは西部劇のテーマっぽい雰囲気が滲み出ているあたりも、これは賛否両論かもしれませんが、サイケおやじは好きです。

ところが何故か加納エリ子の歌いっぷりに押出しが足りないという感じが否めず、かなりの歌唱力があるだけに勿体無いとしか……。

それは同じソングライターコンビによるB面曲「太陽が沈むまで」においても同様の感があり、こちらはソフトロックな歌謡ポップス、極言すればなんとなく「サインはV」を思い出してしまうほどの素敵な楽曲は、もしも加納エリ子がアイドル路線に踏み込んでいたら?

なぁ~んていう妄想さえも誘発する仕上がりですので、どっちがウリだったのか、今となっては中途半端な状況に、サイケおやじは口惜しさを覚えるばかりです。

ちなみに今や伝説の逸話として、このデビュー当時「彼女の美脚に1億円の保険」というプロモーションが展開されたのですから、やはり歌手としてよりは女優としての資質を大きく認められたのも当然が必然でありましょう。

そして冒頭に述べたとおり、橘真紀に改名し、東映で様々な作品に出演していくのですが、主にヤクザ映画、ピンキーアクション作品、バイオレンス物等々、如何にも東映どっぷりなスクリーンの中で、ヌードさえも披露する等々、かなり印象的な脇役としての発揮された個性は、現在でもパッケージソフト化されていますので、存分にご覧いただけますよ♪♪~♪

ただし、お叱りを覚悟で書かせていただきますが、サイケおやじとしては、そ~した彼女の熱演は充分に楽しめる反面、もうひとつ押しが足りないような気がしてなりません。

それはご紹介したシングル盤に収録の彼女の歌の仕上がりとも共通する様な感じでして、例えば橘麻紀と改名しての主演級作品となった「好色元禄(秘)物語」にしても、ひし美ゆり子の妖艶にして生臭みの感じられないナチュラルなエロスに押されていたのは……。

う~ん、確かにそ~ゆ~いまひとつのスリル&エロスに欠けるところが彼女の魅力なのかもしれませんし、コテコテやドロドロは明らかに似合わないのが決定的な個性なのでしょう。

ということで、加納エリ子~橘真紀~橘麻紀について、失礼な事を書き連ねてしまいましたが、しかしサイケおやじは決して彼女が嫌いじゃ~なくて、むしろ大好きなんですよっ!

特に出演作品中では無慈悲に殺されたりする役も少なくないんですが、その時の彼女の殺されっぷりには妙に惹きつけられるものがありますし、慎みと本能の刹那を演じてくれる濡れ場の素晴らしさは言うまでもありません。

ですから、僅かしか残されなかった彼女の歌手としての活動履歴が、もっともっと世に出てくる事も強く望んでいるのでした。
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ソウル歌謡でお正月

2017-01-03 17:52:07 | 歌謡曲
ヨコハマの女 / 加島美抄 (日本ビクター)

昭和歌謡曲と黒人ソウルサウンド、そして所謂ご当地ソングという三竦みの相性の良さは今更論を待つべくも無く、数多くの名作が残されてきましたが、加島美抄が昭和45(1970)年に出した本日掲載のシングル盤A面曲「ヨコハマの女」は幻の名唱という域を越え、今やCD復刻も成されているほどの魅力は絶大!

極言すれば、失礼ながら大きなブレイクも無かった加島美抄というシンガーが、それでも忘れられない存在となり、今でも再発見され続けているのは、この「ヨコハマの女」を残しているからでしょう。

実際、サイケおやじにしても、リアルタイムでは彼女を知っていた記憶が無く、昭和50年代末頃の所謂廃盤ブームの折に某中古屋の店先で聴かせてもらったのが最初の出会いであり、そこで忽ち虜になって幾年月、CD音源はゲットしていたものの、正規のアナログ盤は2年ほど前のようやく入手出来たという、これがなかなか嬉しい1枚♪♪~♪

とにかく作詞:川内康範&作曲:チャーリー石黒、そして編曲:森岡賢一郎が狙ったR&B歌謡がど真ん中の仕上がりは、ディープソウルな彼女の声質と節回しがあればこそ、演歌系のコブシが黒人ソウルの世界をしっかりと手繰り寄せていると感じます。

そこには粋なピアノ、ドライヴしまくったベース、重心の低いドラムス、さらには如何にもソウルミュージックホーンセクションが強く存在しているのですから、それに負けないボーカルを披露する加島美抄の実力は半端ではありません。

既に述べたとおり、サイケおやじは本人の動くお姿には接した事がありませんが、ミニスカで登場しているジャケ写を見れば、いしだあゆみ平山三紀をミックスさせたようなルックスは、これまたサイケおやじが大いに好むところです。

うむ、これはCDよりも、絶対にレコード盤で持っていたいっ!

なぁ~んていう言い訳も充分に成り立ちますが、いやいや、やっぱり加島美抄が歌ってくれる「ヨコハマの女」、そのものの魅力は永久の不滅と確信するばかりです。

ということで、今日は来客が多く、アッという間に正月も終わってしまいました。

幸いにも、覚悟していたよりはずぅ~~っと気楽に過ごせたので、明日からの気分も一新されれるはずと、自分に言い聞かせているのでした。
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新春はエレキとビートで歌謡曲

2017-01-02 19:59:02 | 歌謡曲
恋は宝 / 木の実ナナ (キングレコード)
 
やっぱり今年もトホホなスタートと自覚させられたのが本日の事件?
 
というには大袈裟ではありますが、新春買初めに出かけたサイケおやじが所期の目的を達成し、車に戻ってみると、うっ!?!
 
キーが無い! 確かにバッグの中に入れたはずが!?
 
いきなり焦りまくって、着衣のポケット全てを捜しまくり、いよいよダメで助けを呼ぼうと決断した瞬間、スマホに連絡がっ!
 
なんとっ!
 
一緒に買い物に来て、別行動に移っていた義弟がサイケおやじの車のキーを持っていたという強烈なオチがあったんですねぇ~~!?
 
まあ、原因は様々にあるんですが、結局はサイケおやじの思い違いであって、う~ん、こりゃ~~、ボケの始まりなのか……?
 
と、新年早々に些か落ち込みモードに入っていたところで、これじゃ~~、ダメよねぇ~~!
 
そこで帰宅後、早速掲載のシングル盤を取り出し、サイケおやじが闇雲に若かった昭和42(1967)年のエレキ&ビート歌謡の傑作である木の実ナナの「恋は宝」に針を落としました。
 
あぁ~~、これは何時如何なる時に聴いても、グッとシビレが止まらなくなる名曲名唱ですよ♪♪~♪
 
とにかく作詞:橋本淳&作編曲:鈴木邦彦が企図提供したのは、イントロから曲メロの流れ全篇に哀愁が滲み出ており、木の実ナナの歌いっぷりにはコブシ&唸りも程好いグルーヴィな雰囲気が横溢しているんですねぇ~~♪
 
そして当然ながら、そのサウンドの作りにしても、テキパキしたエレキギターにドカドカのドラムス、さらにはオルガンのベーシックな彩共々、アップテンポのアレンジの勢いが流石の仕上がりですから、彼女の節回しも野太い感じというか、なかなかに歌謡ロックがど真ん中!
 
真っ赤なブーツ&ミニスカ姿でポーズをキメる木の実ナナの魅力が、これでもかと堪能出来るというわけです。
 
ということで、何事もすんなりとはいかないのが日常の理だとすれば、そのバランスを保つ作業としての趣味は絶対に必要でしょう。
 
楽しい事を作っていくのが人生だと思っているサイケおやじは、今年も素直に趣味の世界に没頭出来る事を願っているのでした。
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