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OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

素敵な二人連れ

2006-12-11 18:09:56 | Weblog

9日には久々にエリック・クラプトンのライブに行ってきました。

そこで、いろいろと書きたいことがあるんですが、とりあえず一番印象的だったのは、私のような中年者がメインの客層の中で、若い娘と一緒のカップルが目立ったことです。

それは、あぁ、援交、丸見えだなぁ……、と羨ましがっていたら、実は親子連れという真相が、ほとんどのようでした……。

う~ん、ギターの神様も、時が流れて素敵な親子関係をサポートする立場になったのかぁ……♪

なんか、ますます羨ましくなったところで、本日の1枚は――

Like Someone In Love / Art Blekey & The Jazz Messengers (Blue Note)

リー・モーガンとウェイン・ショーターという、メッセンジャーズ史上最高のスタア2人を徹底的に看板にした作品です。

と言っても、これは録音当時のリアルタイムで発売されたわけでもありませんし、セッション企画時から、それを目論んでいたわけでも無いと思います。ネタを明かせば、お蔵入りしていた音源を、それなりに集めて仕立て上げたアルバムなのですが、やはり上昇期の勢いとか熱気が、演奏の音以外のプラスアルファ的要素として、録音テープに残されたという奇跡の一瞬が楽しめるのです。

録音は1960年8月7&14日、つまり名盤「チェニジアの夜」と同日のセッションですねっ♪ もちろんメンバーはリー・モーガン(tp)、ウェイン・ショーター(ts)、ボビー・ティモンズ(p)、ジミー・メリット(b)、アート・ブレイキー(ds) という、最高のレギュラー陣が揃い踏みです――

A-1 Like Someone In Love (1960年8月14日録音)
 ジャズでは定番スタンダードなので、幾多の名演が残されていますが、このバージョンも間違いなく、そのひとつです。
 まずホビー・ティモンズが作るイントロ、そしてリズム隊のさりげなくアレンジされたグループ表現が秀逸で、忽ち惹き込まれてしまいます。しかも続くリー・モーガンのテーマ吹奏が、ソフトな歌心に満ちていて、もう最高です♪
 あぁ、このミディアムテンポでグルーヴィな雰囲気といい、ウェイン・ショーターが彩るハーモニーの妙といい、これは全く、それまでジャズメッセンジャーズがウリにしていた「ゴルソンハーモニー」の進化系! というか「ショーター・ハーモニー」でしょうか♪
 もちろんリー・モーガンも力演で、アドリブパートで徐々に力感を増してファンキー感覚を打ち出していくあたりは、トリハダ♪
 またボビー・ティモンズも必要以上にワルノリせず、じっくりと構えてゴスペル風味をつけていく好演だと思います。
 ただし残念なのはウェイン・ショーターのアドリブが出ないことで、しかし実は、それゆえにテーマ部分のハーモニーが輝くのだっ! と買被ることになるのですが……。

A-2 Johnny's Blue (1960年8月14日録音)
 リー・モーガンが書いた熱いハードバップです。
 そこには初っ端から、リズム隊のズンドコ&ドドンパ系のビートに煽られたエキゾチックな雰囲気が横溢し、そのまんま突入していくアドリブパートでは、忽ち激烈な4ビートという展開が痛快至極です。
 とにかくリー・モーガンは、十八番のアドリブメロディをテンコ盛りで聴かせてくれますし、ウェイン・ショーターは自由奔放に奇怪なフレーズばかりを吹きまくりです。独特の音色も個人的には大好き♪
 またリズム隊では大波のようなジミー・メリットのウォーキングベースが素晴らしく、それゆえにアート・ブレイキーの暴れが足りないように感じるのは贅沢でしょうか……。ボビー・ティモンズは可も無し不可も無しとは言え、ファンキー・グルーヴは健在です。

B-1 Noide In The Attic (1960年8月7日録音)
 これが烈しいモード系ハードバップの極みつきという快演です。
 作曲はウェイン・ショーターですが、アドリブ先発のリー・モーガンは、その真意を充分に汲み取ったツッコミで、唖然とさせられます! あぁ、この瞬発力こそ、モダンジャズ全盛期の証に他なりません!
 そして、いよいよ登場するウェイン・ショーターも、全く期待以上の弾けっぷりです♪ バックで煽るアート・ブレイキーのドラムスが霞んでしまうほどのブッ飛び方は、当時はおろか、現代でも常軌を逸していると思いますねぇ~! 3分44秒目あたりからの烈しいスタッカートの連発は、本当に強烈です。
 さらにボビー・ティモンズのパートでは、リズム隊が一丸となったようなグルーヴの大嵐ですから、締めのアート・ブレイキーのドラムソロまで、緊張感がいっぱいです。

B-2 Sleeping Dancer Sleep On (1960年8月7日録音)
 これも名曲・名演の極みつき♪ というか作者のウェイン・ショーターとしても会心のオリジナルではないでしょうか。スローで優しい美メロのテーマと力強いリズム隊が渾然一体になったところから、フゥ~、と抜け出していくリー・モーガンのトランペットが、本当に爽快です♪
 もちろんアドリブパートでは、これぞリー・モーガンというアクの強いフレーズが、これでもかと楽しめますし、続くウェイン・ショーターは言わずもがなの完璧さ! 神秘性と和み、その深遠なメロディ感覚は、私の感性にはジャストミートの一撃ですねぇ~♪ 本当に何時までも聴いていたい名演です。
 またボビー・ティモンズが、ちょっとビル・エバンス風というアプローチで、意表を突かれますが、これはこれで、良いんです。あぁ、名演!

B-3 Giantis (1960年8月14日録音)
 この曲もまた、如何にもウェイン・ショーター的なオリジナルで、ちょっと幾何学的なテーマがクセになるハードバップです。
 アドリブ先発は、もちろん作者自身が、お手本を聴かせるようなウネウネと複雑怪奇なフレーズを連発して、聴き手を心地良い迷路に誘い込むのですが、続くリー・モーガンが、それを颯爽と振り切ってハードバップの灼熱地獄を展開するあたりが、当時のバンドの勢いというところでしょうか。本当に最高ですねっ♪

ということで、A面がモーガン・サイド、B面がショーター・サイドという括り正解かと思いますが、どちらも最高なんですから、たまりません♪

ちなみに、このアルバムは1960年代後半に発売されたことから、アウトテイクの寄せ集め的な位置付けと思われがちですが、製作サイドとしては、内容的にリアルタイムでは難解と判断した結果だと推察しています。

実際、B面収録曲は、現代の新録作品としても充分に通用するでしょう。

またA面もジャズの本質に根ざした永遠の輝きとして間違い無いところですから、機会があれば、皆様には、ぜひとも聴いていただきたい名盤だと思います。

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たまには苦行も必要

2006-12-10 18:13:11 | Weblog

いよいよ寒くなってきましたですね。

明日からは年末年始にかけて仕事地獄が待ち構えていますので、心の準備も必要です。

そこで――

Three Quartets / Chick Corea (Warner Brs. / Stretch)

ジャズがフュージョンを通過して4ビートに回帰した1980年前後は、あたかもブームのように登場してきた新伝承派と呼ばれた若手に対し、実際にフュージョンどっぷりだった現役世代が意地を聴かせた作品を続々と発表した、良い時代でした。

例えば本日の1枚は、その中でも特にハードで妥協の無い演奏がぎっしり詰まった作品で、それゆえに、やや感情移入が難しい欠点もありますが、聴かず嫌いが許されないブツだと思います。

録音は1981年1&2月、メンバーはマイケル・ブレッカー(ts)、チック・コリア(p)、エディ・ゴメス(b)、スティーヴ・ガッド(ds) という、恐い人選になっています――

A-1 Quartete No.1
 チック・コリアが弾き出す不気味なイントロからバリバリにハードコアな演奏が展開されます。
 それは決して4ビートだけで無く、ロックビートまでも導入した怖ろしいもので、まずマイケル・ブレッカーがツッコミの烈しいブローを聴かせてくれますが、その十八番とも言える因数分解フレーズには打ちのめされてしまいます。
 もちろんバックのリズム隊も容赦無く攻めてきますが、やや消化不良のような……。多分、どこまでジャズに拘ったら良いか、特にエディ・ゴメスが困ったような按配……。
 ですから、リズム隊だけのパートになると、スティーヴ・ガッドがブラシで4ビート主体に方針転換! するとエディ・ゴメスも生き返ったかのように、なかなかのベースソロを聴かせてくれます。
 さらにチック・コリアがリリカルな一面を強調した神秘性を発揮♪ ここでもスティーヴ・ガッドが地味に良いですねぇ~♪ フッと気がつくと、いつしかラストテーマが始まっているという心地良さ!
 つまり前半の動、後半の静が上手く組み合わされているのでした。

A-2 Quartete No.3
 これも不気味な展開で、和めない曲です。
 スローでドロドロしたテーマから、チック・コリアが無伴奏でピアノを弾きまくると思いきや、再びマイケル・ブレッカー主導のハードコア路線! なんだか分からないうちに高速4ビートの嵐に引き込まれてしまいます。疲れるなぁ……。
 またチック・コリアとエディ・ゴメスも右倣え的な態度に終始するのですが、聴いていて、ちっとも楽しくないし、熱くもなりません。
 こんな苦行もジャズの魅力なんでしょうか?
 
B-1 Quartete No.2
     part 1 (デューク・エリントンに捧ぐ)
     part 2 (ジョン・コルトレーンに捧ぐ)
 B面は1曲だけの長尺演奏ながら、一応、2つのパートに分かれています。
 まず前半はチック・コリアがスローで優しさに満ちたソロ・ピアノを聴かせて、雰囲気を設定していきますが、良いですねっ♪ ジャズ喫茶全盛期の響きが感じられます。
 そして続くマイケル・ブレッカーがソフト&メローという趣から、精神性の強い部分へシフトしていく展開で熱演です。一応、チック・コリアとのデュオという演奏になっているのもニクイところです。
 さらにエディ・ゴメスとスティーヴ・ガッドが参入してのピアノトリオになると、別の意味で和みと凄みの二重奏♪ う~ん、スティーヴ・ガッドのブラシが、こんなに良いなんてっ!
 さて後半は、そのスティーヴ・ガッドが重いビートを敲き出してのハードな演奏になります。曲調も当にジョン・コルトレーンに捧げた雰囲気ですし、アドリブパートでの烈しい4ビートは、チック・コリアにしても、マイケル・ブレッカーにしても望むところでしょう。なにしろアドリブフレーズに「至上の愛」や「朝日のごとく~」が出たりします♪
 そんな中でエディ・ゴメスはマイペースなのが???ですが、マイケル・ブレッカーは期待通りの爆裂テナーサックスで大暴れです! もちろんジョン・コルトレーンとは違う、マイケル・ブレッカーの「節」ばっかりですが、要所では、ついモード全盛期のフリー突入寸前の雰囲気を再現してくれる大サービスです。
 ただし、それゆえに物足りないんですが……。

ということで、これは発売当時、ジャズ喫茶で鳴りまくった1枚です。

それが今日、CD復刻に際して、ボーナストラックが4曲ついており、それがなかなか良いんです♪

明るい雰囲気の「Folk Song」、正統派の「hairy Canary」と「Slippery When Wet」、お馴染みのビバップ曲「Confirmation」は、いずれも気楽にスイングして凄くなってしまった雰囲気が横溢しています。つまり明らかに本篇とは異質の演奏なので、アルバムには入れなかったのでしょう。

現代では体調が良くないと疲労困憊する作品かもしれませんので、ご注意願います。

ただし、このハードな雰囲気に馴染んでしまうと、日常の仕事地獄にも光明が差すというもんです。

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サルのマクリーンの秘密

2006-12-09 18:19:23 | Weblog

昼間、顔を出したパーティで、疲れ果てました。

気疲れってやつですね……。お偉い方々が大勢いらっしゃって……。

どうも、こういう席は苦手です。世間話が金の話になったりして……。

隙をみてフェードアウトし、久々にジャズ喫茶で、これをリクエストしてきました――

Capuchin Swing / Jackie McLean (Blue Note)

モダンジャズは所詮、個人技の競い合いなので、発売アルバムには参加メンバーの記載が必須です。そしてジャズ者は、未聴でも、そのメンツに期待してお目当てのブツをレジへ運ぶわけですが、私にとっては、このアルバムこそ、その最たるものでした。

録音は1960年4月17日、メンバーはブルー・ミッチェル(tp)、ジャッキー・マクリーン(as)、ウォルター・ビショップ Jr.(p)、ポール・チェンバース(b)、アート・テイラー(ds)という、大変に魅力的ラインナップですが、私の期待は、スバリ、ウォルター・ビショップ Jr. でした。

何故ならば、この人には説明不要の「スピーク・ロウ(Jazztime)」という大名盤が有り、その録音日が翌年の3月14日、つまり、このセッションから約1年後ということで、同質の演奏が聴けると当りをつけたわけです。そして――

A-1 Farncisco
 初っ端からアップテンポでブッ飛ばしていくモード系の曲で、叩きつけるようなアート・テイラーのドラムスが痛快ですが、作曲したジャッキー・マクリーンも、何時に無くウェイン・ショーター風のアプローチを展開するあたりが聴きところでしょうか。なかなかにテンションが高く、興奮させられます。
 またブルー・ミッチェルは、十八番の分かり易いフレーズを積み重ね、親しみが持てないテーマ曲を楽しい方向に導いて行きいます。
 そしてお目当てのウォルター・ビショップ Jr. は、刺激の強いコード弾きの伴奏からアドリブソロで、おぉ♪ 歌心が発揮しにくい曲調でありながら、烈しい中にも絶妙の「泣き」が入った流麗なところを聴かせてくれます。このリズム隊だけのピアノトリオの部分も、テンションが高い好演だと思います。
 ベースとドラムスは、もちろん素晴らしいかぎりです♪

A-2 Just For Now
 そのウォルター・ビショップ Jr. が書いた、そこはかとない哀愁曲です。
 ジャッキー・マクリーンは、そのムードを壊さないようにミディアムテンポでギスギスと吹いてくれますが、ブルー・ミッチェルは、やや不調か……?
 そしてウォルター・ビショップ Jr. は、全体的に同じ様なフレーズばかり弾いているような雰囲気で???……? これで良いのか……? しかしそれは、十八番のフレーズばっかりなんでしょうねぇ……。
 どうやら曲調に、それしか出来ないようなシバリがあるのかもしれません……。なんでかなぁ……。けっこう魅力的な曲なんですが……。

A-3 Don't Blame Me
 お馴染みのスタンダード曲が、ここでは意表をついて、通常よりも早いテンポで演奏されています。しかもリズム隊だけのトリオセッション!
 まずテーマから最初のアドリブパートにかけて、ウォルター・ビショップ Jr. が本領発揮のハードな歌心を綴れば、アート・テイラーは絶妙のブラシでサポート♪ ポール・チェンバースもブンブン唸っています。
 もちろん、はっきり言って、前述した「スピーク・ロウ」には負けていますが、それなりに同様の味が楽しめるのでした。

B-1 Condition Blue
 ジャッキー・マクリーン作曲による快適なハードバップです♪
 そしてこういう曲調ならば、俺にまかせろ! ブルー・ミッチェルが素晴らしい快演で、私は完全にノセられてしまいますねぇ~♪ ポール・チェンバースも最高です。
 そしてジャッキー・マクリーンがブレイクからアドリブしていくあたりは、本当にジャズを聴く喜びに感涙する瞬間で、ワザとらしいアウト感覚も憎めません。背後で時折聴こえる唸り声は、本人のものでしょうか、これも結果オーライです♪
 さらにウォルター・ビショップ Jr. は、手クセ全開のアドリブで嬉しくなります。

B-2 Capuchin Swing
 これもジャッキー・マクリーンのオリジナル曲ですが、やや考えすぎたような雰囲気になっています。まあ、時代がモード地獄へ突入していた頃ですから……。
 したがって聴いていて、ちっとも楽しくありません。アート・テイラーもラテンビートまで叩いて盛り上げようと奮戦しているんですが……。
 もちろんメンバーのアドリブソロは淀みなく情熱を吐露しています。しかしそれで名演とならないのが、ジャズ難しいところかもしれません。

B-3 On The Lion
 しかしオーラスはウォルター・ビショップ Jr. が書いた颯爽としたハードバップなんで、前曲のイライラは解消されます。
 まず先発のウォルター・ビショップ Jr. が、かなりエグ味のあるフレーズと手クセでアンバランスな面白さを聴かせてくれれば、続くジャッキー・マクリーンは「泣き」と「唸り」のマクリーン節をたっぷりと出しています。
 もちろんブルー・ミッチェルは安定感がありますし、ポール・チェンバースの伴奏はかなり好き放題やっているように感じます。

ということで、とても名盤とは認定出来ない、はっきり言えば、中途半端な作品です。ウォルター・ビショップ Jr. が参加していなかったら、私は買う事も無かったでしょう。ジャズ喫茶で鳴っていた記憶も無い有様です。

ちなみにウォルター・ビショップ Jr. は、何故か前述の名盤「スピーク・ロウ」で聴かせた最高の歌心が、他では全くと言っていいほど、発揮されていません。ジャズ界の七不思議のひとつ、と断定しても良いと思うほどです! 当に一期一会、奇跡の出来だったのでしょうか……。

それゆえ、一度でも「スピーク・ロウ」を聴いたジャズ者は、同じ夢を追って、ウォルター・ビショップ Jr. を聴き続けるわけです。

そしてそれが、ジャズ地獄の一丁目! これはその奥の細道の入口に佇む傑作盤としておきましょう。

通称は「サルのマクリーン」です♪

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ニューアクション・モード

2006-12-08 17:12:55 | Weblog

さてさて、ついに「野良猫ロック」の復刻DVDが発売されましたねっ♪

昭和に浸りたい皆様は、万難を排して入手致しましょう。

そこで私は、これです――

ワイルドサイケを歩け (eastwest)

本日も日活ニューアクション・モードの真っ只中です♪

「日活ニューアクション」って、なんか、せつないですよ……。とにかく登場人物が皆、やるせないし、不幸だし、結末も不幸にしかならないのが、ほとんどです。

なにせ主役も脇役も、まあ社会の落ちこぼれや反逆者ですから、あたりまえかもしれませんが、成り上がりも結局は虚しいというオチが……。

でも、アクションのカタルシスは最高です!

それと劇伴♪ いわゆるサントラってやつが、素晴らしく素敵です♪

ジャズもロックもボサノバもクラシックまでもが、昭和歌謡曲のモードで煮しめられています。でもダサくは無いです! むしろカッコイイ!

モダンジャズは、どうしてこういう方向に行かなかったのか、不思議になるほど、泣けてくる演奏が多いです。

このCDは、その中から、極一部しか入れられない……、という苦悩が滲む労作盤です――

01「野獣を消せ」~ワイルド・クライ(歌:尾藤イサオ) 
02「野良猫ロック マシンアニマル」~KIDS ARE ALRIGHT (演奏:ピーターパン) 
03「八月の濡れた砂」~CRYING SAND 
04「野獣を消せ」~LET BEAST DIE 
05「野良猫ロック マシンアニマル」~WILD & HONEY 
06「野良猫ロック マシンアニマル」~DO the DANCE,HONEY! 
07「恋に目覚める頃」~LOVE AWAKEN 
08「不良少女魔子」~DIRTY GIRLIE 
09「女番長 野良猫ロック」~男と女のロック
(歌:和田アキ子) 
10「野良猫ロック マシンアニマル」~ひとりの悲しみ(歌・演奏:ズー・ニー・ヴー) 
11「白昼の襲撃」~スネイク・ヒップ(日野皓正) 
12「白昼の襲撃」~白昼の襲撃のテーマ(日野皓正) 
13「反逆のメロディ」~REBEL YELL 
14「野良猫ロック マシンアニマル」~明日を賭けよう
(歌:梶芽衣子) 
15「反逆のメロディ」~SYMPATHY FOR THE REBEL 
16「ネオン警察 ジャックの刺青」~LAST TATOO 
17「野良猫ロック マシンアニマル」~JET SCREAMING MACHINE 
18「放課後」~TRIP ROCK 
19「放課後」~AFTER HOURS 
20「女子学園 悪い遊び」~CHERRY BLUE 
21「放課後」~KEY OF THE ROCK-SCHOOL 
22「炎の肖像」~FLAMING PORTRAIT
 
23「雨のアムステルダム」~HAVE YOU EVER SEEN THE RAIN IN AMSTERDAM 
24「反逆のメロディ」~FINAL FIGHT FOR ROCKS

演目の英語タイトルは、コンピレーションした人が勝手につけたんでしょうが、可もなし不可も無し……。それよりも日活以外の作品から同系統の音源を入れているところに注目です。

例えばトラック「18」&「19」は東宝作品で、音楽担当はモップスの星勝!

また日野晧正ということで、ジャズ者にとって気になるトラック「11」&「12」は、最高に強烈な、サイケジャズロックです♪ もちろんこれも東宝作品ですねっ!

肝心の日活作品では、なんと言ってもド頭で烈しく唸る尾藤イサオが、良いです♪ 本篇の「野獣を消せ」は、「野良猫ロック・セックスハンター」の前触れ的な傑作ですし、映像と音楽の両面が楽しめてこそ、本望なのです。

他にもグイノリのロックとか泣きのR&Bそしてソウル歌謡曲……等々が満載!

現在は廃盤みたいですが、見つけたら即ゲットをオススメ致します。

私はカーステレオの常備盤として、渡哲也になった気分に浸っています。う~ん、松原智恵子が側にいないのが……。

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外道な女優

2006-12-07 17:13:51 | Weblog

某女優が、告白暴露本を出した。

ウリは自らの恋愛体験で、相手の実名を明かしている事!

う~ん、いくら名前が売れてナンボの芸能界でも、これでは相手がたまらん!

昔は昔、今は今でしょう。人間である以上、真っ白な過去なんて、あるわけが無いんです。

はっきり言って、非常に気分が悪い騒動です。こんな女は許しておくべきではないし、スタッフのバカさ加減にも、呆れるばかり……。

本人はしばらく休業していて、本格的復帰に伴う話題作りなんでしょうが、こんな脈絡の無い暴露なんて、これ以降、危なくて誰も彼女を使わないでしょう。

女の本質は恐いものですが、この人の今回の行動・言動には、とことん、気分を害されて、今日は終日、不愉快でした。

よって、本日の1枚は休止というか、こんな気分で何か聴いたって、演奏者に失礼だと、自分で勝手に決めました。

本日は鬼畜な小説でも読んで、癒しモードに入りたいと思います。

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復刻♪ アール・ボスティックのジャズ!

2006-12-06 17:16:00 | Weblog

最近、ヤフオクで一喜一憂していますが、外国ではジミヘンのギターが1900万円以上で落札したとか! 私もお金があれば参入したいところですがねぇ~。深入りすると怖ろしい世界ですから……。

私は、こんな復刻盤で歓喜しています――

Complete Quintet Rceordings / Earl Bostic (Lonehill Jazz)

アール・ボスティックはR&B畑のサックス奏者という認識で間違いは無く、ジャズ者にとっては、自分のバンドに駆け出し時代のジョン・コルトレーンを雇っていた事で有名な存在でしょう。

しかしその前はライオネル・ハンプトン楽団の看板プレイヤーであり、ビバップ系のアドリブも得意としていた、ある意味では黒人音楽の最先端でブッ飛んでいた人です。

また独立後の自分のバンドにはベニー・ゴルソン(ts) やスタンリー・タレンタイン(ts) 等々を雇い入れており、その他にも多くのタフテナー人脈を育てています。

で、このCDは1960年代前半にキングレーベルから発売された「Jazz As I Feel It」と「A New Sound」という2枚のLP音源を復刻したもので、内容は普通のジャズにとても近くなっています。

それはセッション参加メンバーにも秘密があり、なんとリチャード・グルーヴ・ホルムスとジョー・パスが全面的に参加しているのです! もう、この事実だけで、私は昔っから聴きたくてたまらなかったアルパムでした。

CDタイトルの「Complete Quintet Rceordings」も、つまりはボスティック、ホルムス&パスの3者が揃い踏みしたクインテット・セッションを網羅したものという意味でしょう――

01 Don't Do It Please 
02 Ten Out 
03 Telstar Drive 
04 Taste Of Fresh Air 
05 Hunt & Peck 
06 Fast Track 
07 Apple Cake

以上の7曲は「Jazz As I Feel It」からの復刻音源で、愕くなかれ、リアルステレオのマスターが使われています

録音は1963年8月13&14日、メンバーはアール・ボスティック(as)、リチャード・グルーヴ・ホルムス(org)、ジョー・パス(g)、ヒューバート・グレゴリー(b)、ジミー・ボンド(b)、シェリー・マン(ds)、チャールズ・ブラックウェル(ds) という、本格派揃いです。

演奏では、まずド頭の「Don't Do It Please」がアップテンポで物凄い熱さです。痺れるような感覚のアール・ボスティックのアルトは、「力み」もほどほどですが、そのシャープなブローは、間違いなくチャーリー・バーカー直系のスピードに満ち溢れています。

またジャズっぽさで言えば、2分32秒目からのドラムスとの対決で激しさは頂点となり、終いにはアルト対ドラムスの直接対決という過激な展開になっていきます。

他にも「Telstar Drive」や「Taste Of Fresh Air」の猛烈な勢いは明らかなスピード違反ですし、「Apple Cake」のグルーヴィな雰囲気も最高です。

そしてもちろん、「Ten Out」や「Hunt & Peck」におけるキャバレー&ナイトクラブ風のノリは、現代のクラブシーンでも充分に使えるのではないでしょうか♪

気になるリズム隊の組み合わせは、トラック1、4&5がジミー・ボンドとチャールズ・ブラックウェルのコンビで、他がヒューバート・グレゴリー&シェリーマン組になっています。

そしてジョー・パスの上手さは、この頃から普遍というか、厚みのあるコード弾きの伴奏、オクターブ奏法や細かいオカズの入れ方等々、素晴らしいと思います。さらにリチャード・ホルムスもR&Bとジャズの中間を行くスタイルで熱演しています。

個人的には熱っぽい「Fast Track」が最高に好きですが、全篇にアール・ボスティックの浮かされたような熱気が充満していますよ♪

08 Blues For The Ivy League 
09 Touchstone 
10 Que Jay 
11 Woodchuck 
12 Chicken Little 
13 Nina 
14 Inquiry 
15 Karen 
16 Empathy 
17 Wednesday's Child

上記の10曲が「A New Sound」の復刻で、こちらはモノラル仕様ですが、多分、初CD化でしょう。

録音は1963年9月、メンバーはアール・ボスティック(as)、リチャード・グルーヴ・ホルムス(org)、ジョー・パス(g)、アル・マッキボン(b)、ジミー・ボンド(b)、アール・パーマー(ds) という、こちらも錚々たるメンツです。

演奏内容は、よりハードバップ色を強くなり、加えて何故か、西海岸風の洒落た感覚もあるという、摩訶不思議な仕上がりになっています。

その所為か、ジョー・パスのハッスルぶりが凄く、またリチャード・ホルムスのオルガンも涼しくなったり熱くなったりの変幻自在ぶり! アール・パーマーのドラムスもニューオリンズのビートを入れたりして快適です。ちなみにこの人は、当時のスタジオ系ドラマーではトップだった名手ですから、要注意です。

肝心のアール・ボスティックは、前のセッションに比べて軽めの音色とノリですが、逆にジャズメンとしての真価というか、正統派ビバッパーとしての実力を発揮しています。

ということで、2つのセッションは色合が違いますが、個人的には前半の7曲が絶対のオススメです。もちろん後者も捨てがたいのですが……。まあ、このあたりは、その日の気分しだいかもしれません。「Inquiry」あたりの軽快でありながら、段々と脂っ濃く吹いてしまうところなどは、憎めませんねぇ~♪

ジョー・パスのファンにも激オススメの1枚です。リマスターも良好♪

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デクスターの変わらぬ凄さ

2006-12-05 18:04:35 | Weblog

あ~ぁ、忘年会のシーズン到来ということで、若い者のパーティに景品を出してくれるように無心されています。

毎年のことですが、今年は「ロマンポルノ」か「野良猫ロック」のDVDにするつもりです。

とはいえ、自分自身の物欲に煩悩が疼くわけですが……。

ということで、本日は――

A Swingin' Affair / Dexter Gordon (Blue Note)

デクスター・ゴードンの凄さを、私は本当に分かっているのか?

聴く度に、自問自答する、今日この頃です。

豪快で重厚なテナーサックスを吹かせたら唯一無二の存在であり、晩年は俳優としても評価され、さらに最高にお洒落な服装センス♪

もちろん若い頃には、いけないクスリに手を出して、ハードバップ全盛期に活動出来なかった悔いもあるでしょうが、やはりカッコイイ男として人生を終えたその姿は、羨ましくもあります。

さて、このアルバムはモダンジャズが自意識過剰の独り善がりに傾斜していく時代の、その狭間に吹き込まれた傑作盤ですが、明らかにモードやフリーといった尖がった手法よりも、自らが信じる王道ハードパップに拘り貫いた潔さが魅力です。

録音は1962年8月29日、メンバーはデクスター・ゴードン(ts)、ソニー・クラーク(p)、ブッチ・ウォーレン(b)、ビリー・ヒギンズ(ds) というワンホーン編成です――

A-1 Soy Califa
 いきなり「ソイ~、カリ~ファ~」という掛声♪ 誰でしょうねぇ、デクスター・ゴードンでしょうか?
 で、演奏はビリー・ヒギンズの軽快なラテンリズムに乗せられて、楽しいテーマが奏でられる、あぁ、ここだけで気分はウキウキしてきますねぇ~♪ こういうカリプソ系のジャズはソニー・ロリンズ(ts) が十八番にしていますが、デクスター・ゴードンも負けていません♪
 リズム隊も最高にグルーヴィですし、ラテンビートと4ビートの交錯がたまりません! もちろん、お目当てのソニー・クラークはソロに伴奏にキラリと輝くフレーズのテンコ盛りです。ビリー・ヒギンズのビシビシとキメまくりのドラムスが、また快感です。

A-2 Don't Explain
 一転して、ムード満点の大人の世界という、デクスター・ゴードンならではのスローバラードの至芸が披露されます。う~ん、このサブトーンのほど良さとハードボイルドなテナーサックスの音色だけで、KOされますねぇ♪ もちろんテーマを変奏していく歌心のアドリブも最高級です。
 「歌詞を忘れたから、吹けない……」は主演映画「ラウンド・ミッドナイト」の中でデクスター・ゴードン本人が自然と口に出たかのような永遠の名台詞ですが、この演奏を聴いていると、肯けます。
 そしてソニー・クラークが、また素晴らしいです。仄かなマイナー性と奥深い歌心が、短いソロの中に凝縮されているような名演だと思います。

A-3 You Stepped Out Of A Dream
 有名スタンダードが軽快に演奏され、当にハードバップの醍醐味が満喫出来ます。
 まずソニー・クラークのイントロがイカシていますし、デクスター・ゴードンのテーマ吹奏からアドリブ、その全てにおいて徹底的にスイングしていく様は楽しく、痛快です。
 それは、ちょっと遅れていながら、ケツがビシッと合っているというか、そんな雰囲気の驚異のノリが、凄いところだと思います。いや、逆に合っていないからこそ、凄いのか……?

B-1 The Backborn
 ブッチ・ウォーレンのベースがイントロから弾けています! なにせ、本人の作曲ですからねぇ~♪
 デクスター・ゴードンも、それにちゃ~んと付き合っているところが憎めませんし、かなりビンビンのリズム隊を逆に煽るかのような過激なフレーズまでも吹いています。
 そしてソニー・クラークが、さらに過激というか、ワザとらしさ寸前の外しの伴奏とか、ビリー・ヒギンズの容赦無いステックさばきが怖ろしいところ! もちろん一番凄いのは、全く唯我独尊のデクスター・ゴードンではありますがっ!

B-2 Until The Real Thing Comes Along
 これもスタンダード曲の大ムード大会ですが、決して甘さに流れないデクスター・ゴードンの凄さが、存分に味わえます。
 それは、もどかしいばかりの歌心とでも申しましょうか、言いたいことをズバリと言えない男のダンディズムかもしれず、まあ、秘すれば花という……。
 逆にリズム隊は、かなり力強く、スローな展開の中で黒っぽさとハードなノリを追求していて侮れませんし、ソニー・クラークは魅力全開です♪

B-3 McSplivens
 オーラスはデクスター・ゴードンが十八番の、ノリノリのリフで作ったオリジナル曲ですから、演奏は自然発生的に盛り上がっていきます。
 特にリズム隊は絶好調ですから、デクスター・ゴードンも気を抜けない雰囲気で、しかもリラックスしているのですから、これはもう、名人の証でしょう。ついグイグイとボリュームを上げてしまいます。

ということで、決して歴史的名盤とは言えないアルバムかもしれませんが、こういうブツが鳴り出したりすると、お客さんの顔が一斉に飾ってあるジャケットの方を向くという、当に集団即興のような場面が、1970年代のジャズ喫茶でした。

それは、ある種の普遍性というか、ハードバップという最もジャズっぽいジャズが記録されているからで、モードやフリーやフュージョンに毒されていた当時の業界が、やはりツッパリであったことの証明でした。

そして時代はハードバップのリバイバルが根強く続き、その中心人物がデクスター・ゴードンだったというわけです。

これで私は、本当に分かっているのでしょうか……?

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雪のハードバップ

2006-12-04 18:22:34 | Weblog

ついに雪が……!

まあ、雪国なんで、不思議では無いんですが、やはり、ねぇ……。

早いもので、雪国の冬も4回目かぁ……。

ということで、本日は――

Watkins At Large / Doug Watkins (Transition)

ベーシストには、例えばスコット・ラファロやレイ・ブラウン、ポール・チェンバースのように、積極的に花形になった人もいれば、がっしりと土台を支えていくタイプの人がいて、本日の主役であるダグ・ワトキンスは、どちらかと言えば後者でしょう。

しかし立派な家を見ると土台が気になるように、ダグ・ワトキンスのベースは、常に大黒柱的な存在感で、演奏をブリブリとドライヴさせて行くという、それはハードバップの根幹を成すものでした。

その録音上のキャリアは、いきなりホレス・シルバー(p) やハンク・モブレー(ts)、そしてアート・ブレイキー(ds) といった、ジャズメッセンジャーズ人脈のセッションからスタートしており、もちろんジャズメッセンジャーズの栄光ある初代ベーシストも、この人でした。

そしてハードバップの中心人物としてポール・チェンバースと双璧の存在となりますが、交通事故で1962年に早世しています。享年27歳でした。ちなみに、この2人は従兄であり、ともに若死にしているという因縁もありますが……。

で、このアルバムは数少ないリーダー盤のひとつであり、ハードバップの名作として歴史に屹立する1枚です。

録音は1956年12月8日、メンバーとドナルド・バード(tp)、ハンク・モブレー(ts)、ケニー・バレル(g)、デューク・ジョーダン(p)、ダグ・ワトキンス(b)、アート・テイラー(ds) という、言う事なしの凄腕が揃い踏み――

A-1 Return To Paradise
 ケニー・バレルのコード弾きのイントロが雰囲気を設定し、ドナルド・バードが優しくテーマを吹奏しただけで、気分は完全にハードバップですが、それはもちろん、ダク・ワトキンスのベースが背後から図太いドライブ感を演出しているからでしょう。
 そんなムードの中でスラスラ~っとアドリブに入っていくハンク・モブレーも素晴らしく、途中の独り倍テンポ吹きから、全く唯我独尊のモタレまで、モブレー節が全開です。
 そして続くドナルド・バードが、また素晴らしく、柔らかな歌心が楽しめますし、ケニー・バレルも安定感があります。さらにデューク・ジョーダンのピアノが仄かなマイナー性で、本当に泣けてきますねぇ~♪
 全体がミディアム・テンポで、ひとつ間違うとダレる危険性がある長尺演奏ながら、タイトなアート・テイラーのドラムスとダグ・ワトキンスのずっしりと思いベースによって、グルーヴィな雰囲気が横溢した名演だと思います。
 何よりも自然体というか、気負いの無いところが、逆に凄みではないでしょうか?

A-2 Phinupi
 一転してアップテンポの強烈なハードバップです。
 テーマの中から強烈に絡み合うメンバーの存在感は、アドリブパートでも意地の張り合いというような雰囲気で、最高です。
 中でもハンク・モブレーは何時よりはツッコミが鋭く、ドナルド・バードもハッスルし過ぎて加熱気味! ケニー・バレルもパキパキのピッキングで迫っています。
 さらにデューク・ジョーダンのピアノソロのバックでは、ダグ・ワトキンスのウォーキングベースが強烈なウネリで目立ちまくり! そしてそのまんま、リズム隊だけのグルーヴを聴かせてくれるのですから、たまりません♪ ジャズの最もジャズらしいエッセンスが、ここだと思います。
 あぁ、リズム的興奮! アート・テイラーも恐いほどです。

B-1 Phil T. McNsaty's Blues
 このアルバムの目玉演奏という、スローなブルースです。
 まず、イントロからデューク・ジョーダンとダグ・ワトキンスが絶妙の黒~い雰囲気を作り出し、ドナルド・バードがグサリっとキメのフレーズを入れてくるのですから、これこそモダンジャズ王道の響きです。
 またケニー・バレルが雰囲気満点♪ 決して派手なフレーズは弾いていませんが、選び抜かれた単音弾きからダク・ワトキンスのベースソロに受け渡し、バックでコードを付けていくあたりは、最高です。
 そしてハンク・モブレー! この人も独特のタメとモタレで演奏を締めてくれるのでした。何回聴いても、シビレます♪

B-2 More Of The Same
 そして、続くこの曲の快適さがクセになります。
 テーマに仕込まれたキメのリフが最高ですし、ドナルド・バードのトランペットとケニー・バレルのギターが交互に出るあたりは、歓喜悶絶です♪ とにかくカッコイイ! ケニー・バレルにしても畢生の名演でしょう。
 またデューク・ジョーダンが、これまた最高なんですねぇ~♪ つい「第三の男」を弾いてしまうノリの良さから、十八番のフレーズを連発してくれます。もちろん背後ではダグ・ワトキンスがビシッとキメを入れ、アート・テイラーが応える呼吸もバッチリです。
 さらにハンク・モブレーが、モタレまくりの快演! この味はモブレーマニアには快感以外の何物でもないでしょう♪ もちろんドナルド・バードも負けていません。なかなか丁寧にフレーズを綴りつつ、要所で弾ける若さが魅力です。
 う~ん、これも名演中の名演でしょうねぇ♪ 個人的にはアドリブレーズを覚えているほどに、聴きまくったトラックです。
 
B-3 Panonica
 オーラスはデューク・ジョーダン作曲の哀愁演奏♪
 ドナルド・バードが魅惑のテーマを吹いてくれるだけで、シンミリしてまいります。短い演奏ですが、いつまでも心に残る名演だと思います。

ということで、実はこのアルバムはマイナーレーベル製作ゆえに、1970年代までは幻の名盤の筆頭格でした。もちろんジャズ喫茶の中には、このアルバムを看板にしていた店もあり、そして日本盤が出る時には、ちょっとした騒ぎにもなったほどです。

ちなみにオリジナル盤には、ここに掲載したのと逆の構成、つまりAB面が反対のブツもあると言われていますが、真相は定かではありません。

現在ではCD化もされており、それはリマスターも素晴らしく、ベースの軋み、シンバルの炸裂音が特にハードバッブ味満点になっています。

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冬のドライブ・日活篇

2006-12-03 17:34:16 | Weblog

新車がまだ納車にならず、相変わらずボロ車で移動しています。

楽しみは長い方が幸せですが、運転中は心おきなくも、いろんな音楽も聴けますから♪

これも、その1枚です――

日活ニューアクションの世界: 無頼 ・殺せ1968-1971

やっぱり映画は、カッコイイ役者が出ていないと成り立たないし、その中でアメリカン・ニューシネマあたりは、カッコワルイ奴が逆にカッコイイとか、そんな禁じ手を沢山使っていたわけですが、それを昭和の日本でもうひとつカッコイイ雰囲気で作ったのが、今日、日活ニューアクションと呼ばれている作品群だと思います。

それは渡哲也とか梶芽衣子、藤竜也、原田芳雄……、等々がグッとブレイクしていったシリーズなんですが、そこで使われていた音楽も、極めて素敵な曲ばかりでした。

このCDは、そんなフィルム音源を集めた1枚で、何よりも車の中で聴いていて、すっかり自分がその気になってしまうという、やや自嘲の意識過剰盤です――

01 君恋し / 唄:フラワーズ(「無頼・殺(バラ)せ」) 
02 I Am Just A Mops / 唄:モップス(「斬り込み」) 
03 Final Fight For Rocks Take 1 / 音楽:玉木宏樹(「反逆のメロディー」) 
04 ワイルド・クライ Take 3 / 音楽:坂田晃一(「野獣を消せ」) 
05 大幹部・ケリをつけろ / 音楽:小杉太一郎(「大幹部・ケリをつけろ」) 
06 流血の抗争テーマ / 音楽:鏑木創(「流血の抗争」) 
07 In My World / 唄:沢村和子とピーターパン(「不良少女魔子」) 
08 野獣を消せのテーマ / 音楽:坂田晃一(「野獣を消せ」) 
09 無頼のテーマ~哀愁ヴァージョン / 音楽:伊部晴美(「無頼・人斬り五郎」) 
10 そよ風のバラード / 唄:スウィング・ウエスト(「前科ドス嵐」) 
11 関東幹部会 / 音楽:玉木宏樹(「関東幹部会」) 
12 反逆のメロディーテーマ / 音楽:玉木宏樹(「反逆のメロディー」
13 上海帰りのリル / 唄:青江三奈(「無頼より・大幹部」) 
14 新宿アウトロー / 音楽:玉木宏樹(「新宿アウトロー」) 
15 からだの中を風が吹く / 唄:水原弘(「関東流れ者」) 
16 無頼のテーマ / 音楽:伊部晴美(「無頼より・大幹部」)

上記演目をご覧になれば、いろいろとご不満はございましょうが、見事に「昭和歌謡グルーヴ」が流れてくるという訳です。

各々の曲についても、映画本篇を鑑賞されるのが、本当は一番良いのですが、このサントラ音源を契機として、興味を抱いていただければ幸いです。

個人的には、最近、これ無しには車の運転が出来なくなっているのでした。

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怠惰に聴く

2006-12-02 18:22:51 | Weblog

任天堂の新ゲーム機をプレイしたら、肩が痛くなってきました。

全身運動にもなるという、まあ画期的なものかもしれませんが……。

ということで、午後からは怠惰にワインをがぶ飲みしつつ、こんなブツを聴きました――

Donald Byrd Au Chat Qui Peche (Jazz O.P. / Fresh Sound)

正統派ハードバップから、後年はブラックファンクまで、とにかく黒くて熱く、そしてどこから知的な演奏を得意としたトランペッターのドナルド・バードが、1958年に敢行したフランス巡業で録音された音源です。

もちろんオフィシャルなものではないでしょう。クラブでのライブセッションですから、ジャケ写のような狭いステージでは、音質はそれなりです。

ちなみに、これは以前、アナログ盤LP2枚組として発売されていたもののCD復刻なので、リマスターに期待していたのですが……。

録音は1958年10月29日、メンバーはドナルド・バード(tp)、ボビー・ジャスパー(ts,fl)、ウォルター・デイビス(b)、ダグ・ワトキンス(b)、アート・テイラー(ds) という物凄さ! 演目は以下のとおりです――

01 All The Things You Are
02 It Might As Well Be Spring
03 Parisian Thoroughfare
04 My Funny Valentine
05 Off Minor
06 Down
07 All This Time
08 Stella By Starlight
09 52nd Street Theme

さて、同時期のドナルド・バードの演奏は、既にパリでのライブ盤が残されていますが、それは若干、ヨソ行きの雰囲気がありました。つまり無難な雰囲気が濃厚だと、私は感じています。

ところがこの音源は、狭い小屋ということもありましょうが、リラックスしすぎてダレる寸前の演奏ばかりです。

初っ端の音合わせから何気なくスタートする「All The Things You Are」から、その雰囲気は満点で、ドナルド・バードのトランペットは何時もの溌剌としたものよりも、気安い仲間との会話のような、安心があります。

しかも録音がリズム隊中心に録れているので、如何にもというグルーヴが心地良く、クセになります。店内のザワメキとか会話のアレコレも妙に雰囲気があります♪

そして実は、私のお目当てはベルギー人のボビー・ジャスパーなんですが、そのズート・シムズ系のテナーサックスは、ここでも緩やかな熱気をはらんで健闘しています。ただし、どこかネジが弛んでいるというか、ぬるま湯なんですねぇ~。

まあ、こういう演奏が最後まで続きます。間違っても熱気ムンムンのライブを期待してはなりません。

ウォルター・デイビスなんか、もう、流れに逆らわない演奏に終始しているほどです。

ですから、万人にはオススメ出来ませんが、これも不思議な魅力溢れる1枚ということで、ご紹介致しました。

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