■バッカジャナカロカ・ルンバ / 中園ナナ (キングレコード)
夏と云えば「キューバ」産の大衆音楽も欠かせないほど世界中に浸透しておりますが、そこにはウキウキさせられるリズム的興奮があればこそ、ダンスミュージックとしての実用性も鑑みれて、例えば「ルンバ」は、その代表格になりましょうか。
ですから、基本的に雑食性が強い我が国の歌謡曲には、そんなこんなのキューバ系(?)が数多く制作され、その何れもが楽しさと一抹の哀愁を滲ませたキャッチーなスタイルということで、本日ご紹介させていただくのは昭和47(1972)年に発売されたとする中園ナナのシングル盤A面曲「バッカジャナカロカ・ルンバ」です。
歌っている中園ナナについては、例によってサイケおやじには「この人」シリーズの女性歌手ではありますが、楽曲そのものは、一聴瞭然!
あのルンバの有名曲「マイアミ・ビーチ・ルンバ」をアップテンポに焼き直し、ノベルティなコミックソングに仕立てたという、所謂キワモノの誹りも免れないトラックではありますが、それでもアービング・フィールダーズ&アルバート・ガムジーが書いたオリジナルを時代に即応した編曲で歌謡曲化した馬飼野康二の手腕は流石であり、しかも……、かもまさるが附した日本語の歌詞の世界が、あの尾崎紅葉の「金色夜叉」、つまりは寛一・お宮の熱海の海岸における愁嘆場と後の復讐劇なんですから、たまりません (^^;
実は、こ~ゆ~「金色夜叉」ソングは歌謡曲では度々題材になっているみたいですが、昭和元禄以降はギャグネタに近いレコードも作られ、拙ブログでも以前ご紹介した「お宮さん / ザ・トーイズ」という傑作もある中で、この中園ナナの「バッカジャナカロカ・ルンバ」は所謂「金の亡者」を笑い飛ばしつつ、「お金の魔力」に含みを持たせるあたりは、なかなか楽しいものがあります (^^;
なにしろ、それはイントロからの下世話なドラムスに重なって入るアフロキューバン伝来のリズムと情熱のブラス、そしてハッチャキなラテン系のコール&レスポンスは言わずもがな、グッと粘っこさも好ましい中園ナナのグイノリ歌唱がイイ感じ♪♪~♪
もちろん、例えばザビア・クガート・オーケストラ等々の正統派(?)バージョンの味わいを大切にしつつも、ここでのアップテンポのツッコミとか、日本語の歌詞とラテン系の合いの手の語感の楽しさは、完全なる楽しさ優先モードじゃ~あぁ~りませんかっ!
いゃ~~、ルンバって、楽しいですねぇ~~、何が歌われていようともっ!
もちろん、社交ダンスの世界では、アクション系のダンスの定番が「ルンバ」ということもあり、露出度の高い衣装で派手に美脚を振り上げるハイキックなポーズとか、そ~ゆ~ところを鑑賞するのもサイケおやじは大好き (^^♪
うむ、全く熱くさせられるのが、ルンバの魅力と思うばかりでございます (^^)