goo blog サービス終了のお知らせ 

OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

憧れのジェームズ・ボンド

2013-02-27 15:09:54 | Soundtrack

ロシアより愛をこめて / Matt Monro c/w
                                007のテーマ / John Barry (Odeon / 東芝)

最近のジェームス・ボンド映画、つまり「007シリーズ」は、何だか煮詰まった筋立てや妙な人間関係の描写が強く、サイケおやじはイマイチ楽しめません。

まあ、同シリーズはSFっぽい破天荒さが初回作からのひとつのウリでしたから、あまりシリアスになる事そのものに十人十色の賛否があるのでしょう。

それでもサイケおやじが最も好きなシリーズ作品は、1963年制作の第二弾「危機一発 / From Ruddia With Love」という、なかなかのシリアス路線作なんですから、ハチャメチャな展開を求めつつ、自己矛盾は隠せないわけですが……。

ご存じのとおり、これは当時冷戦下のソビエト情報機関が西側への心理的(?)な打撃を企図し、その生贄が英国情報部員の007、つまりジェームズ・ボンドの暗殺という「お約束」が物語のメインテーマであって、その囮役が美人スパイのタチアナ・ロマノーヴァ♪♪~♪

そして彼女が機密扱いの暗号解読機を携え、西側に亡命を望んでいるという罠に挑むのがジェームス・ボンドであり、襲いかかる様々な危機から、果たして二人は!?

という展開がシンプルにして、最高のスリルを提供してくれました。

もちろん劇中には偽装夫婦のラブシーン、それが何時しか本気モードになるという人情の機微が流石の原作&脚本の上手さです。

いゃ~、詳細は省きますが、この作品は何度見ても飽きないわけで、特にサイケおやじがタチアナ・ロマノーヴァを演じたダニエラ・ビアンキを大好きになった事は言うまでもありません。

また劇伴サントラ音源も素晴らしく、マット・モンローが歌ったメインテーマ「ロシアから愛をこめて / From Ruddia With Love」は特に我国で大ヒット! 確かリアルタイムの洋楽チャートでは年間一位と認定したラジオ局もあったと記憶しています。

そこで掲載したシングル盤は後に中古ゲットした再発物ですが、どうです、やっぱり個人的にはダニエラ・ビアンキのスチールを用いたジャケ写が高得点♪♪~♪

しかもB面には今も不滅のワクワクインスト「007のテーマ / James Bond Theme」が入っているんですから、たまりません。う~ん、この低音弦弾きのエレキギターはちょい聞きには簡単そうに思えますが、これがなかなか難物なんですよっ!

もしも出来得るならば、サイケおやじはフルバンをバックに、これを弾きたいっ!

そう、思い続けて幾年月、それは未だ捨てきれない夢であります。

ということで、連日の嘆き節を反省しつつ、それでも何とかやっていられるのは、それなりに憂さ晴らしが出来ている、幸せな環境があるからでしょう。

昨日も書いたとおり、現在のサイケおやじの隠れ家(?)は自分の車の中が最良で、そこには好きな音楽しか積載していない中にあって、自ら選んだ往年の映画サントラ音源を流しながら、すっかり「その気」になる事が、ハードボイルドなジコマンというわけです。

周囲にしてみれば、きっと失笑にちがいありませんが、まあ、いいか……。

助手席にダニエラ・ビアンキのような美女がいないのが、悔しいだけです。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

反逆を思い続けて

2013-02-26 16:28:41 | Soundtrack

■反逆のテーマ / Rhythm Heritage (abc / 日本コロムビア)

所謂はらたわが煮えくりかえる思いをしたとて、それが仕事の現場であれぱ、簡単にブチキレたり、ちゃぶ台返しをやらかすわけにもいきませんので、古くはウォークマンの時代から、サイケおやじはそうした暴発しそうなエネルギーを良い方向へ発散するような音楽を持ち歩いています。

例えば本日掲載のシングル盤A面曲「反逆のテーマ」は、その邦題に偽り無しと思えるほどの湧き立つリズムと胸騒ぎのメロディラインが痛快なインスト演奏の決定版!

実は原盤タイトルは「Theme From S.W.A.T.」であって、これは昭和51(1976)年当時の日本でも放送され、人気を集めていたアメリカのテレビアクションドラマ「特別狙撃隊SWAT(スワット)」のメインタイトル曲でしたから、何故に「反逆」なのか意図不明……。

ところが聴けば一発、まさに「反逆」としか形容のしようが無いほどのエネルギーが演奏全体、随所から溢れ出て来るんですねぇ~~~♪

実際、サイケおやじはリアルタイムで件の番組を鑑賞していましたが、良く出来た物語本篇と共に劇伴サントラ音源のカッコ良さにもシビれまくり、しかも同時期のラジオでも、そのテーマ曲が流行っていましたから、速攻でレコード屋を襲撃して吃驚仰天!

それは掲載のジャケ写にもきっちりクレジットされているとおり、編曲&指揮がマイケル・オマーティアン、さらにはプロデュースにスティーヴ・バリが関わっているのですから、予測はついていたものの、リズム・ヘリティジと名乗る演奏グループはハリウッド派のセッションミュージシャン集団がその正体であろう推察は易いわけですよ♪♪~♪

つまりスティーヴ・バリは往年のダンヒルレコード、特にヒットメーカーだったグラス・ルーツの影の立役者という履歴が有名な仕掛人であり、マイケル・オマーティアンはスタジオセッションで重宝されていた助っ人の第一人者として、1970年代前半からメキメキと売り出していた才人でしたから、サイケおやじが両者の大ファンであれば、この「反逆のテーマ / Theme From S.W.A.T.」を気に入るのは必然でした。

そこであらためてリズム・ヘリティジの主要メンバーを探ってみると、エド・グリーン(ds)、スコット・エドワーズ(b)、マイケル・オマーティアン(key,arr)、レイ・パーカーJr.(g)、ヴィクター・フェルドマン(per,key)、トム・スコット(sax) 等々、まさに当時のハリウッド芸能界を支えていた面々がガチンコで作っていたんですねぇ~♪ まさにウケて当然、ハズレたらバチアタリでしょう。

ですから、アメリカではヒットチャートのトップに輝き、我国でも後々までバラエティ番組のジングルに使われるほどだった事は、皆様もご存じのとおりです。

ということで、昨夜から本日も、サイケおやじの車の中は、こうした音楽で満たされているほど、仕事は面従腹背!?

お偉方の前で心にも無い事を言ってしまい、現場では弱い者イジメの如き、鬼の様な仕打ちをやっている自分に対し、居直る気分が情けない……。

まあ、それとて今に始まった事ではないんですから、せめて何時かは「反逆」出来ればなぁ~、と思うばかりなのでした。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

サントラ「黄金の犬」の嬉しい復刻

2010-09-17 16:56:09 | Soundtrack

黄金の犬 / 大野雄二 (徳間 / 富士キネマ = CD)

とても嬉しい復刻があったので、ご紹介致します。

それは昭和54(1979)年初夏に公開された映画「黄金の犬(山根成之監督)」のサントラ盤で、今日では「ルパン三世」が代名詞となった大野雄二の隠れ傑作!

もちろんリアルタイムでのLP発売はありましたが、当時はほとんど売れていなかった所為で、幻の名盤化していたアルバムです。

それがなんとリマスター&紙ジャケット仕様でのCD復刻となれば、サイケおやじは先日発見した瞬間、即ゲット!!! 音質も期待を裏切らぬものでした。

 01 「黄金の犬」タイトルテーマ (A-1)
 02 彷徨の日々 (A-2)
 03 非情のチェスカ (A-3)
 04 傷だらけの愛 (A-4)
 05 追いつめる (A-5)
 06 天使の墓標 ~インストゥルメンタル~ (A-6)
 07 偽りへの挑戦 (B-1)
 08 帰らざる愛 (B-2)
 09 大いなる孤独 (B-3)
 10 闇の中の眼 (B-4)
 11 たそがれの向こうに (B-5)
 12 天使の墓標 ~主題歌~ 歌 / 長瀬晴美 (B-6)

上記収録トラックは、いずれも大野雄二らしいジャズテイストに溢れたお洒落メロディのフュージョンや泣きのパラード、さらにソウルフルなボーカルが嬉しい主題歌等々、LP片面が飽きない構成にまで拘った素晴らしい流れで楽しめますが、それに触れるまえに、まずは映画そのものについて、サイケおやじの独り善がりを書きたい思いますので、例によってクドイと思われる皆様は、以下をパスされるのも必然かと、ご容赦を願うのみです。

で、映画「黄金の犬」は、徳間書店25周年記念として企画され、徳間康快社長が自ら制作総指揮という、徳間コミュニケーションズ第1回作品でした。

そして実質的な現場は大映、配給は松竹という体制による邦画大作として封切られたのですが、その原作は当時、大衆小説界ではハードなバイオレンス描写と人間の情念や宿業を主題とした諸作が人気の西村寿行! もちろん、作品タイトルからもご推察のとおり、この巨匠のもうひとつのメインテーマであった自然や動物と人間社会の繋がりや関わりを扱っている事は、ご存じのとおりです。

それが徳間書店の「アサヒ芸能」に連載中だった「黄金の犬」で、不慮の事故により飼い主とはぐれてしまった猟犬のゴロが、自宅へ戻るために北海道から東京へ独り向かう旅の途中、様々な人間模様やトラブルに遭遇するというのが基本の設定ながら、そこは西村寿行ですから、日常生活の裏側に潜む波乱万丈な物語の中で、暴力とセックス、陰謀と裏切り、さらに不条理な人情話や社会批判等々がテンコ盛り!

しかも大自然の中の小さな生命力の尊さも、強く主張されている凄みがあるのです。

そこを映画では特に第1部を中心に改変し、大企業と政官癒着の汚職事件を巡って悪徳記者やクールで熱いベテラン刑事、陰湿な殺し屋、ずる賢い政治家、様々な事情を抱えた美女達が、それぞれに刹那の人間模様を展開するという、なかなか一筋縄ではいかない作品になっています。

そして出演が鶴田浩二、夏木勲(=夏八木勲)、地井武男、待田京介、ハナ肇、森田健作、小沢栄太郎、平田昭彦、岡田英次、等々の個性派男優に加え、島田陽子、宮下順子、三田佳子、池玲子、ひし美ゆり子、等々といった超豪華メンバー!

もちろん西村寿行の原作ですから、前述の女優さん達が様々に美味しいサービス場面を披露しているであろう事は、既に制作段階から大きな話題となって、邦画ファンの期待を集めていたんですが、中でも当時は未だ清純派だった島田陽子のセミヌードは、マスコミでも存分に煽られていましたですねぇ~♪

それと個人的に嬉しかったのは、諸事情からセミリタイア状態だった、ひし美ゆり子が久々の銀幕復帰♪♪~♪

実は、もしかしたら……!?

という期待があったのですが、結論から言えば、脱いでいません。

ところが、これはひし美ゆり子ファンは必見の作品です!

それは彼女が当時、銀座六丁目で経営されていた「パブ・サラレジャン」が撮影に使われているからで、ひし美ゆり子は現実と虚構が一致したというか、その店のママの役で出演されているんですねぇ~♪

現在では、ファンにとっての幻の聖地といったところでしょう。

それがきっちり、映像に残されているだけでも、これは「お宝」です。

と、まあ、些か話がそれてきたところで、肝心のサントラ音源は、既に述べたように大野雄二が十八番のメロディとリズム&ビートを存分に楽しめますが、ご推察のとおり、そこには以前に手掛けた松田優作の「遊戯シリーズ」やアニメの「ルパン三世」で耳に馴染んだ世界が集大成の趣で纏められています。

例えば冒頭「タイトルテーマ」は否定出来ないほど「ルパン三世」していますし、続く「彷徨の日々」は「遊戯シリーズ」で散々使い回されたスローなハードボイルドメロディの変奏としか言えません。

ところが、これはアルバム全篇で感じられることなんですが、それよりもアダルトなムードが強く打ち出されているのは流石だと思います。

おそらくは強い影響を受けているに違いないデイヴ・グルーシンあたりのフュージョン系アレンジや曲構成の妙が、大野雄二特有の胸キュン感覚で再構築されたと言っては不遜でしょう。

それでも随所に滲む涙っぽいフィーリングは、まさに和製フュージョンの証明でもあり、また新感覚の歌謡曲かもしれません。

そしてクレジットはありませんが、凄腕ミュージャンによるタイトな演奏は、アドリブパートの充実も含めて、グッとハードボイルドな雰囲気を増幅させるものばかり♪♪~♪ まさにジャズファンクからソウル歌謡までも包括した音源は、そのまま聴いても楽しめますが、車の中で流していれば、自分が映画の登場人物になった気分に浸れますよ。

告白すれば、サイケおやじがこの復刻CDをゲットしたのは、それが大きな目的でした。いゃ~、ハードボイルドに自己陶酔するわけではないんですが、こんな独り善がりも音楽の力ってやつじゃないでしょうか。

その意味でオーラスに収められたボーカルバージョンの主題歌「天使の墓標」は、ほどよい暑苦しさが独得の持ち味で、その長瀬晴美が会心の歌いっぷりは心に染みます。

ということで、映画本篇も既にDVD化されていますので、どちらを先に楽しんでもOKなんですが、やはりそうなると欲しくなるのが、この音源集!

ちなみに収められた各トラックの演奏は、映画本篇の様々なシーンで、丸ごと使われているわけでは、決してありません。現実的には、その断片であったり、時には一瞬のイメージとしてブレイク的な使われ方も当然なのが、フィルムの世界なのです。

しかし、例えそれであっても、この「黄金の犬」は一般作品とは思えないほどのエグイ描写やエピソードが積み重なっていますから、それを尚更に強烈な印象へと導いたり、あるいは和らげたりする効果にはジャストミートしているはず!?

そして耳と目に焼きつけられた映画本篇の余韻に浸る時、こういうサントラ音源集は必須の楽しみとなるのです。

もちろん、大野雄二ファンにはマストアイテムでしょうし、この手のソウルジャズフュージョンに興味を抱かれる皆様には、絶対に満足の復刻でしょう。

既にサイケおやじは、車の中に常備の1枚になっているのでした。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする