アカデミー賞11部門ノミネートだし、「女王陛下のお気に入り」のヨルゴス・ランティモス監督作品だし、18禁だし、ドキッとさせてくれるかなあと思って観たんだが・・・。「女王陛下のお気に入り」の3人の女より迫力ないなあ。
映像はファンタジー感満載で、ベラの衣装もミニスカート含め可愛いい。クルーズ船もリスボンの街並みもなかなかのSF感。
だが原題:Poor Thingsだからか、なんかPoor感が凄くて。パリの娼館あたりで飽きてきた。もう大人なので、セッ〇スシーンを見ても、(おおっ、頑張ってるなあ)位しか思わんし。出てくる男どもが、特にマーク・ラファロ演じる弁護士ダンカンと、ベラの元夫があまりにもPoorでさあ。何か観てて、本当に「哀れ」なんだもん。
エマ・ストーンはあれだけ全裸で頑張っているので、アカデミー賞主演女優賞取るんだろうなあ。満足に歩けなくて、お漏らししていた移殖直後から、知的好奇心にあふれ社会を変えようとするまでの、ベラの成長ぶりを見事に演じてたし。
この狂った登場人物の中で、個人的に一番凄いなと思ったのは、バクスター家の家政婦さんだ。科学者のゴドウィン・バクスター博士(ウィレム・デフォー)の脳移殖の手術助手も淡々とこなす。ベラと、2代目ベラのフェリシティの育児もする。そして、家政婦としても仕事をしてる。ええっ!どんだけ!!!働くんだあ! この女性こそ、この映画の世界で独立して完成された女性ではないだろうか。最後、バクスター家の一員として、普段着で庭でジンを飲んでるんだが、この家政婦さんが一番努力とその成果としての成長をしたんじゃないだろうかと。
あと、映画を観ていた観客も偉かったよ。エンドロール途中で退席するかと思ったら、皆、明るくなるまで席にいたもの。
リスボンのエッグタルトは、なるほど、卵の黄身の有効活用だったのかあ。勉強になった。
フェリシティ、ヴィクトリア朝の美女(フローレンス=アルマ・タデマの描く絵みたいな)を演じてたらマーガレット・クアリーなんだが、調べたらお母さんがアンディ・マクダウェルだった。ビックリ! もう娘が活躍する世代なのねえ。