1月26日(土):
271ページ 所要時間5:00 アマゾン757円(500+257)
著者61歳(1955生まれ)。
2度目である。しかも、昨年の10月9日(火)に今年度12冊目として読んだものを再読したのだ。図書館で借りた本ではあったが、多くの付箋をした本書を返却するのがどうにももったいなくなった。何とか古本で安く手に入らないものかと努めたのだが、本書は、なかなか値崩れしない。
本書の感想は、前回の通りなのだが、手放したくないという思いとの板挟みで苦しんだ。それなりに覚えておきたい、手元に置いて折にふれて流し読みをして確認したい内容が随所にあったのだ。結局、「ちょっと納得できないが、上記の値段(定価の半額)で妥協することにした。
図書館の本から付箋を移して、改めて時間をかけて読み直した。著者に対する印象は前回と全く変わらないが、やはり勝手手元に置くことができてよかったと思っている。感想が3+から4に上がっているのは、十分な時間をかけて読んだからである。これより高い評価は付けづらいが、大体4~4+のレベルをキープするのが著者の実力なのだろう。そして、前回紹介した
『建てどき』(情報センター出版局:2001)評価5のような非常に実用的で役に立った著作もあるのである。
8 012 藤原和博「本を読む人だけが手にするもの」(日本実業出版社:2016)感想3+
2018年10月09日 21時51分15秒 | 一日一冊読書開始
(2018年)10月9日(火):
271ページ 所要時間2:30 図書館
著者61歳(1955生まれ)。『日経ビジネス』で8年間にわたって書評を執筆。講演会が1000回を超える人気講師でもある。
著者を俺はそれほど好きではない。著者が櫻井よしこや百田尚樹の著作を平気で推奨するところなど正直「こいつ、どうかしている」と感じる。俺とは相容れない感性の持ち主だ。頭は良いので、意識的ノンポリを演じてるのだろうが、俺はそこがいやなのだ。
一方で、著者の著作は内容的に軽い分、読み飛ばしやすい。そして、一概に否定しきれない実用性を持っている。国語学者の齋藤孝に対する印象に近い。常にある水準をキープし、(俺にとっての)ヒット作も出ているのだ。例えば、注文住宅で今の家を建てた時には、著者の本を何度も何度も熟読して建てた。そして、俺は今の家に満足している。
1980年代までの成長社会の「みんな一緒」で情報処理能力が重視されたが、長く経済停滞が続く現代は成熟社会の「それぞれ一人ひとり」で情報編集力が必要である。そのためには読書が大事である。とのたまうのだが、「読書が大事」という理由付けは何を言っても可能だと思うので、この時代認識自体に大した意味はない。
ただ「読書は大事」という事実の確認本の一冊としての価値は認める。「読書によって、人生の<鳥観図>を獲得する」「量は質に転化する-300冊のブレイクスルー」など気の利いた言葉、指摘も随所に出てくる。
【目次】
序章 成熟社会では本を読まない人は生き残れない :現在は、「本を読む習慣がある人」と「そうでない人」に二分される階層社会になりつつあると警告。
第1章 本を読むと、何が得か? :「読書と収入の密接な関係」「読書によって身につく、人生で大切な2つの力」など、ズバリ、読書のメリットを答えていきます。
第2章 読書とは「他人の脳のかけら」を自分の脳につなげること :「1冊の本にはどれほどの価値があるのか」「本を読むことは、2つの『みかた』を増やすこと」/「脳をつなげて未来を予測する」など、本を読むことの本質に迫っていきます。
第3章 読書は私の人生にこんな風に役立った :「人生を変える本との出合い方」「自分の意見を述べるための読書」「読書で人生の鳥瞰図を獲得する」など、人生と読書との関連性がリアルに綴られています。
第4章 正解のない時代を切り拓く読書 :21世紀の成熟社会に不可欠な「情報編集力」とそれを構成する5つのリテラシー「コミュニケーションする力」「ロジックする力」「シュミレーションする力」「ロールプレイングする力」「プレゼンテーションする力」を、いかに読書で磨いていくか解説していきます。
第5章 本嫌いの人でも読書習慣が身につく方法 :読書嫌いの子も少なくなかった中学校の校長時代の経験なども踏まえ、いかに読書を習慣化させるかを現実的な側面からポイントを押さえていきます。
巻末――「ビジネスパーソンが読むべき11冊」「小中高生を持つ親に読んでほしい本」 :「親が子どもに読ませたい10冊」という著者のおすすめ本も紹介します。