もみさんの一日一冊遊書録( 2011年9月1日 スタート!: メメント・モリ ) ~たゆたえど沈まず~

年とともに人生はクロノロジー(年代記)からパースペクティブ(遠近法)になり、最後は一枚のピクチュア(絵)になる

150215 衆参両院の「テロ非難決議」を非難する!「テロの本質」を真面目に語る政治家はいないのか!

 真面目に「テロの本質」を考えれば、その原因が、決して宗教の違いにあるのではなく、世界的に広がる富の偏在、極端な格差拡大、差別構造の継承、及びパレスチナ問題、それらによる<若者たちの絶望>にあることは、実は誰もがわかっていることだろう! それを「世界には凶悪なテロリストが大勢いて、こいつらを叩き潰せばテロが無くなる」なんて話に無理やりすり替えている。誰も、「テロの本質が、日本・世界の社会構造が抱える富の偏在・格差の拡大及びパレスチナ問題の<野放し状態>にこそある」という本質を語らないし、見させようとしない。そして、凶悪なテロリストへの恐怖ばかりを煽りたてている。これはまさにオーウェルの「一九八四年」の世界と同じだ。今回の国会の「テロ非難決議」に社民党・共産党まで加わっていたのには、あきれ果てた。「誰も本質を見ようとしない。」「武力で世界中の<絶望した若者たち>を封じ込めるべきではないし、不可能だ!」

秋原葉月さん「Afternoon Cafe」ブログから

※(1)「もちろん、普通の人間は戦争を望まない。しかし、国民を戦争に参加させるのは、つねに簡単なことだ。とても単純だ。国民には攻撃されつつあると言い、平和主義者を愛国心に欠けていると非難し、国を危険にさらしていると主張する以外には、何もする必要がない。この方法はどんな国でも有効だ」byヘルマン・ゲーリング ※(2)いつの時代も大衆をファシズムに煽動する手口は同じ。なのに同じ手口に何度も騙されるのは過去に学んでいないから。格差を広げ、セイフティネットを破壊し、冷徹な自己責任論が横行する社会を継続させるのは簡単だ。今よりもっと格差を広げ、セイフティネットを破壊する政策をとればよい。そうすれば人々に自己責任論がもっと浸透し、草の根から勝手に右傾化してくれる。

辺見庸さんのブログから

・権力をあまりに人格的にとらえるのはどうかとおもう。口にするのもおぞましいドブの目をしたあの男を、ヒステリックに名指しでののしれば、反権力的そぶりになるとかんがえるのは、ドブの目をしたあの男とあまり変わらない、低い知性のあらわれである。権力の空間は、じつのところ、非人格的なのだ。だからてごわい。中心はドブの目をしたあの男=安倍晋三であるかにみえて、そうではない。ドブの目をしたあの男はひとつの(倒錯的な)社会心理学的な表象ではありえても、それを斃せば事態が革命的に変化するようなシロモノではない。権力には固定的な中心はなく、かくじつに「われわれ」をふくむ周縁があるだけだ。ドブの目をしたあの男は、陋劣な知性とふるまいで「われわれ」をいらだたせ、怒らせるとともに、「われわれ」をして社会心理学的に(かれを)蔑視せしめ、またそのことにより、「われわれ」が「われわれ」であることに無意識に満足もさせているのかもしれない。ところで、「われわれ」の内面には、濃淡の差こそあれ、ドブの目をしたあの男の貧寒とした影が棲んでいるのだ。戦争は、むろん、そう遠くない。そう切実にかんじられるかどうか。いざ戦争がはじまったら、反戦運動が愛国運動化する公算が大である。そう切実に予感できるかどうか。研ぎすまされた感性がいる。せむしの侏儒との「ふるいつきあい」がベンヤミンのなにかを決定した。そう直観できたアレントほどするどくはなくても、研ぎすまされた感性がいる。けふコビトがきた。ミスドにいった。(2015/11/11)

7 075 養老孟司「自分の壁」(新潮新書:2014)感想5

2018年07月20日 01時56分55秒 | 一日一冊読書開始
7月19日(木):    

223ページ     所要時間3:35     古本市場86円

著者77歳(1937生まれ)。神奈川県鎌倉市生まれ。1962年東京大学医学部卒業後、解剖学教室に入る。1995年東京大学医学部教授を退官し、2017年11月現在東京大学名誉教授。著書に『からだの見方』『形を読む』『唯脳論』『バカの壁』『養老孟司の大言論I〜III』など多数。

著者の著作には、その冷静過ぎる(?)語り口に対して「あなたがきちんと整理して語るほどには読者の俺は今の社会を冷静に距離をとって眺めてられないんだ。こちとらもっと切実なんだ」という違和感と反発を覚えながら、一方でその学識の高さに承服せざるを得ない現実で揺れながら、「まあ頭を下げきることは出来ないが、認めざるを得ないということで、感想4ってとこかな。」というのを繰り返してきた。

本書でも、半ば過ぎまで感想4の予定だったが、4+になり、最後まで読み通した段階で感想5・テキストの評価以外付けられなくなった。本書に関しては、著者の学識に捻じ伏せられた形である。もちろんすべての論に対して同意とはいかないが、喧嘩ではないので、捻じ伏せられるような読書体験ができたことは、俺にとって有意義であり、著者に感謝の念を覚えている。

本書は、著者という大知識人で大常識人によって真理と本音(ほんね)が正直に語られたテキストである。著者は、内田樹『日本辺境論』を「本そのものが著者自身の考えたビッグピクチャーだった(略)。そういう大きな捉え方(枠組み)を自ら作って提示した」(133ページ)と称揚する。スケールの大きな視野から観た上で、善悪二元論を排し、物事に対して《加減》を大事にする人だ、と思う。行き過ぎもダメだし、やらな過ぎもダメなのだ。案外、ここの《塩梅》に論を踏み込める人は少ない。たくさんの付箋をしたのでまた読み返そうと思う。

【目次】まえがき
第1章 「自分」は矢印に過ぎない :自分よりも他人を知ったほうがいい/理想像を持ったことがない/地図の中の矢印/溶けていく自分/臨死体験はなぜ気持ちいいのか/意識は自分をえこひいきする/生首はなぜ怖い/誰もが幽体離脱可能/どっちでもいい
第2章 本当の自分は最後に残る :弟子は師匠になれない/オリジナリティと学問/恋をしていた「自分」は別人/世間の本質は変わらない/思想は自由/脳は顔色をうかがう
第3章 私の体は私だけのものではない :体内の他者/チョウと幼虫は同じ生きものか/体内はウイルスだらけ/共生の強み/シロアリとアメーバ/私は環境の一部/田んぼは私
第4章 エネルギー問題は自分自身の問題 :原発も世界の一部/エネルギーは一長一短/成長を疑う/エネルギーの限界/長期的な議論をする場が必要
第5章 日本のシステムは生きている :デモをどう考えるか/デモへの違和感/連帯は怪しい/馴染めないから考える/政治問題化の弊害/安保の頃/思想は無意識の中にある/世間の暗黙のルール/江戸の不思議な人材登用/変人もまたよい/日本の自殺は多いか/世間といじめ
第6章 絆には良し悪しがある :絆のいい面を見る/個人主義は馴染まない/不信は高くつく/橋下市長を信用するか/あこぎはできない
第7章 政治は現実を動かさない :選挙はおまじないである/世界はオレオレ詐欺だらけ/言葉は現実を動かさない/「やったつもり」でことを進める/やはり参勤交代/官僚の頭を変える/知的生産とはホラの集積である/医学は科学か/闇雲に動く意味/政治は生活と関係ない/無関心もまたよし/リーダー次第ではない/フラフラしていていい
第8章 「自分」以外の存在を意識する :ゼンメルワイスの発見/「がんと闘わない」は正解か/小渕首相の賭け/待機的が正解とは限らない/身内の問題/臨終間際の治療は不要か/「私の死」は存在しない/親孝行の本当の意味/福沢諭吉の勘違い/「我」はいらない/意識外を意識せよ
第9章 あふれる情報に左右されないために :純粋さの危うさ/排外デモの純粋さ/情報過多の問題/メタメッセージの怖さ/医学の勘違い/なぜ政治が一面なのか/軍国主義の誕生/生きていることは危ないこと/テヘランの死神/柳の下にいつもドジョウはいない/鎖国の効能/適切な情報量とは/ツールは面倒くさい/地に足をつけよ
第10章 自信は「自分」で育てるもの :一次産業と情報/脳は楽をしたがる/厄介だから生きている/仕事は状況込みのもの/人生はゴツゴツしたもの/自分の胃袋を知る/自信を育てるのは自分
あとがき

【内容紹介】「自分探し」なんてムダなこと。「本当の自分」を探すよりも、「本物の自信」を育てたほうがいい。脳、人生、医療、死、情報、仕事など、あらゆるテーマについて、頭の中にある「壁」を超えたときに、新たな思考の次元が見えてくる。「自分とは地図の中の矢印である」「自分以外の存在を意識せよ」「仕事とは厄介な状況ごと背負うこと」――『バカの壁』から十一年、最初から最後まで目からウロコの指摘が詰まった一冊。
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180716 一年前:170713 蓮舫の「無責任な戸籍公開」に絶対反対。自分の立場を救うために「差別助長の前例」を作るつもりか!?

2018年07月16日 22時32分18秒 | 一年前
7月16日(月):
170713 蓮舫の「無責任な戸籍公開」に絶対反対。自分の立場を救うために「差別助長の前例」を作るつもりか!?
7月13日(木):蓮舫の政治家としてのこの意気地の無さはどうしたことか。なぜ党内の間違った要求に毅然とした態度で拒否できないのか。公党の代表たる者が「無責任な戸籍公開(戸籍謄本......

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180713 映画「殿、利息でござる!」(2016)を観た。感想5

2018年07月14日 02時22分29秒 | 映画・映像
7月13日(金):     

原作、磯田道史「無私の日本人」(2012)。最後まで観てしまった。江戸時代後期、明和年間、仙台藩吉岡宿の伝馬役負担を解決するために殿様に資金を貸し、年利1割の利息で吉岡宿の人々を救おうとする試み。実際にあった江戸時代の話である。史実に基づく存在価値のある作品である。
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180713 一年前:6 082 中村哲・澤地久枝「人は愛するに足り、真心は信ずるに足る アフガンとの約束」(岩波書店:2010)感想5

2018年07月14日 01時22分22秒 | 一年前
7月13日(金):
6 082 中村哲・澤地久枝「人は愛するに足り、真心は信ずるに足る アフガンとの約束」(岩波書店:2010)感想5
7月11日(火):  242ページ    所要時間8:25     アマゾン258円(1+257)中村哲 64歳(1946生まれ)。医師。PMS(ペシャワール会医療サービス......
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180713 一年前:170711 敢えて言う!。党首の蓮舫の二重国籍?を問題視する感覚が民進党を古臭い安倍自民党と同質視させ支持率を失わせているのだ!気が付けよ、バカたれ!

2018年07月14日 01時20分23秒 | 一年前
7月13日(金):
170711 敢えて言う!。党首の蓮舫の二重国籍?を問題視する感覚が民進党を古臭い安倍自民党と同質視させ支持率を失わせているのだ!気が付けよ、バカたれ!

7月11日(火):敢えて言う!。党首の蓮舫の二重国籍?を今さら問題視するせこい感覚が民進党を古臭い稚拙な安倍自民党と同質視させ信頼と支持を失わせているのだ!気が付けよ、バカたれ......

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7 074 養老孟司「養老訓」(新潮文庫:2007)感想3+

2018年07月13日 00時58分45秒 | 一日一冊読書開始
7月12日(木):  

196ページ     所要時間2:40      ブックオフ108円

著者70歳(1937生まれ)。鎌倉生れ。解剖学者。東京大学医学部卒。東京大学名誉教授。心の問題や社会現象を、脳科学や解剖学などの知識を交えながら解説し、多くの読者を得た。’89(平成元)年『からだの見方』でサントリー学芸賞受賞。新潮新書『バカの壁』は大ヒットし2003年のベストセラー第1位、また新語・流行語大賞、毎日出版文化賞特別賞を受賞した。大の虫好きとして知られ、現在も昆虫採集・標本作成を続けている。

昨日読んだ本の50代から起業して働け!、死ぬまで生き生きと働け!という論調とは、対照的な印象を受けた。しかし、あまり愉快な読書でもなかった。

著者からすれば鼻歌のような気分で書かれたものだと思う。歯に衣着せず耳の痛いことも平気で語り下ろしている。全体としてみれば、気兼ねせずに常識的事実を伝えようとしている。著者が、戦前生まれであることも手伝い、世の中の<枠組み>をあまり信用せず、自分自身の感覚を重視するべきである。憲法論議も、あまり向きになる必要がない、という論調だったが、今のアベ・アソウ・創価学会政権による戦後体制の破壊を前提とすれば、少しは論調が変わっただろう。

「国で言えば国土、個人ならば感覚を基本に考える」(183ページ)というように、著者は基本的に捉われない生き方を主張するが、強いて言えば自然環境に対するこだわりを見せている。

期待したほどではなかったが、やはり著者のレベルの高さを思わせる言葉がところどころで見られた。

夜寝るとき、昼寝するとき、必ず意識が切れます。毎日毎日無意識状態を経験しています。/死ぬということは最後に意識が切れてもう戻ってこない状態です。その戻ってこないことを、皆さん心配しておられるようです。略。/「また帰ってくるかも、しれない」くらいに思っておけば、死ぬことはそんなに恐くないのです。今までと別に変りないでしょう。/心の持ち方として、寝るときと同じくらいに考えておけばいい。どうせ死ぬということは、よくわからないことなのです。178ページ

【目次】訓の1 不機嫌なじいさんにならない/訓の2 感覚的に生きる/訓の3 夫婦は向かい合わないほうがいい/訓の4 面白がって生きる/訓の5 一本足で立たない/訓の6 こんな年寄りにはならないように/訓の7 年金を考えない/訓の8 決まりごとに束縛されない/訓の9 人生は点線である

【内容情報】日本には、不機嫌で笑わない年寄りが多い気がします。しかし人生において、年をとったからこそ良かったと思えることはたくさんあります。私もいい年こいたじいさんですから年寄りの立場から、こんな考え方をすればもう少し機嫌よく人生を過ごせるんじゃないか、ということを言っておきたくなりましたー著者の七〇歳を記念して刊行された、大人のための笑って過ごす生き方の知恵。
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7 073 出口治明「「働き方」の教科書 人生と仕事とお金の基本」(新潮文庫:2014/2017)感想4

2018年07月12日 01時34分39秒 | 一日一冊読書開始
7月11日(水):  

318ページ    所要時間3:40     ブックオフ108円

著者66歳/69歳(1948生まれ)。三重県美杉村生れ。ライフネット生命保険株式会社会長。京都大学法学部を卒業後、’72年日本生命保険相互会社入社。企画部や財務企画部にて経営企画を担当する。ロンドン現地法人社長、国際事業部長などを経て2006(平成18)年に退職。同年、ネットライフ企画株式会社を設立し、代表取締役社長に就任。’08年4月、生命保険業免許取得に伴い現社名に変更。’13年より現職。歴史への造詣が深く、京都大学の「国際人のグローバル・リテラシー」特別講義では歴史の講座を受け持った

著者については、以前NHKの番組で女優のミムラさんとの対談が楽しくてよい印象を持っていた。ほぼ新刊の本書をブックオフで見つけた時には、少し信じられない思いだった。

著者の考え方のベースは、「ものは考えようである」「物事は見方・考え方を工夫することによって、全く違って見えてくる」ということ。時にそれがご都合主義的に感じられるときに違和感を覚える。

内容については、概ね「正しいことを言ってるんだろうな」と信用しつつも、良薬は口に苦し、真実は耳に痛い、という感じだった。特に、長年日本生命という保険会社に勤めていた専門性を含んだ社会への目線は、俺自身が持つ価値観からするとややずれた位置関係にあって違和感をぬぐえなかった。文章自体は、わかりやすく書かれているのだが根っこの視線が今の俺には少し受け入れがたかった。

だからと言って、反発するわけではなく、どちらかといえば信用していた人?から耳の痛い正論を聞かされて、「だけど、それは…」と、戸惑っている感覚に近い。消費税を最も公平な社会保障の財源とするのも、ちょっと…。特に「第六章 あなたが生きるこれから三〇年の世界」は重かった気がする。50代の起業をしきりに勧めるなどのポジティブシンキングは、「俺、今の仕事で十分すぎるぐらいくたびれてるぞ」と少しうっとうしく感じた。

著者の吐く正論が、質の悪い自民党その他の政治屋らと結びついた場合には、悪用されやすいだろうなと思った。著者の正論は、あくまでも立派な政治家と国民の意志がうまくかみ合った時には、日本の未来を切り開く原動力になる。

ライフネット証券を起業したことを語りながら、今は立命館APUの学長をしている文脈がなかったのが、少し腑に落ちない。

【目次】序章 人生は「悔いなし、遺産なし」/第1章 人間と人生をどう考えるか/第2章 仕事と人生の関係/第3章 二〇代の人に伝えたいこと/第4章 三〇代、四〇代のうちにやっておくべきこと/第5章 五〇代になったら何をするか/第6章 あなたが生きるこれから三〇年の世界/終章 世界経営計画のサブシステムを担って生きる/文庫特別対談 朝井リョウ×出口治明ー「年齢フリー社会」の仕事と働き方

【内容情報】人生に占める仕事の時間は3割程度。だからこそ自由に、勇気をもって仕事をしようー。60歳で起業した異色の実業家にして当代随一の読書名人が語る、ふつうだけど大事なこと。「仕事は人生のすべてじゃない」「失敗して当たり前なのだから恐れることはない」「自分が楽しく働くことこそがお客さまのためになる」。読めば20代から50代まで、各々の世代でやっておきたいことが見えてきます。
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180710 140万PV超:

2018年07月11日 22時51分49秒 | 閲覧数 記録
7月10日(火): 記録ですm(_ _)m。ブログの開設から2467日。

アクセス:閲覧 1,372PV/訪問者 261IP

トータル:閲覧 1,400,988PV/訪問者 356,322IP

ランキング:4,398位 / 2,831,569ブログ中   週別 4,446位
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7 072 ニコラ・デイビス文/ニール・レイトン絵「Poo うんち -この謎に満ちたすばらしきもの- (唐沢則幸訳)」(フレーベル館:2004)感想4

2018年07月10日 01時07分02秒 | 一日一冊読書開始
7月9日(月):  

58ページ     所要時間1:30      図書館

知らないことを知ることができた。それは楽しい知見だった。知っていたけど忘れていた考え方を再自覚できた。読んだ後、確かに世界の見え方が変わった。なかなかの名著である。

ウサギは自分の糞(フン)を食べて消化し直す。象やコアラは、消化を助ける腸内細菌を持たない赤ちゃんに母親の糞を食べさせる。その糞にはサナダムシや回虫などの寄生虫の卵も便乗する。シロアリは、消化しにくい木をバリバリと食い、巣で糞をし、その糞でキノコを育てて食べる。

動物にとって、糞のにおいは様々な情報を伝える伝言板であり、目印である。

世の中が、動物の糞の海に沈まないのは、これを食する多くの生き物が存在するからである。オーストラリアに乳牛が持ち込まれたとき、それを処理できるフンコロガシがいなくて、ウンコだらけに成り、ハエが大発生、呼吸もしにくい状況になったが、1969年昆虫学者が、大きな糞を処理できるフンコロガシを他の大陸から持ち込んだことで一気に解決した。

鳥や動物の糞は植物の種を播き広げる機能を持つ。ヤドリギの実の糞はねばついて鳥の肛門に付着する。それを鳥は、気にこすりつけて取り除くがそれがヤドリギの種を最もよい環境に植え付けることになる。
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180708 大河ドラマ「軍司官兵衛」(2014)コンプリート!感想5 痛快の一語に尽きる!

2018年07月08日 22時35分30秒 | 日記
7月8日(日):   

この数日、大河ドラマ「軍司官兵衛」(2014)の録画DVDを延々と見続けていた。何度目かのはずだが、まったく新たに観た気分だった。織田信長、荒木村重、清水宗治、秀吉の中国大返し、小早川隆景、」という言葉「酒は飲め飲め、飲むならば」母里太兵衛と天下の名槍「日本号」。関ケ原の戦いでの、同時期の九州での黒田如水の動きには、漢楚の戦いにおける韓信を髣髴とさせられた。

黒田長政に対する「その時、お前の左手は何をしておった。」という言葉、家康の「天下は天下の天下なり。」という言葉など、知ってた知識ではあるが、新鮮で痛快であった!
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180708 【悩みのるつぼ】ある政治家のせいで情報に疎い ○回答者 歌手・俳優、美輪明宏

2018年07月08日 14時16分12秒 | 時代の記憶
7月8日(日):  

この世襲政治屋は、1911年の大逆事件に匹敵する多数の死刑を一斉強行して国内だけでなく国際的にも強い批判を受けている。そして、観測史上例のない連日の異常な大雨によって全国で140人を超す死亡・安否不明者が出ているというのに、嬉々として開会中の国会から逃亡して外”遊”に出かけようとしている。

朝日新聞【悩みのるつぼ】ある政治家のせいで情報に疎い 2018年7月7日03時30分
●相談者 男性 40代
  私は、ある有力政治家のことを、生理的に拒否反応を示すほど受け入れられません。
  彼の打ち出す政策が相いれないという理由はあるのですが、何というか、学生時代の「全く話の合わないクラスメート」のような感じがしています。
  そういうクラスメートに対しては、自分の気分が悪くならないよう、できるだけ近くに寄らないようにしたり、話さなくていいよう距離を保つ位置取りをしたりして、自分のペースを乱されないよう生きてきました。
  今、私はいい年をした社会人ですが、こういった考え方は、世間を生き抜くための人生の知恵のようにも思います。
  具体的には、彼が画面に映ると、私は瞬時にテレビを消します。新聞で彼の何らかのコメントが掲載されたり、写真を目にしたりすると、その他の記事も読む気が失せます。こういった時、自分はひどいしかめっ面をしていると思います。
  ただ、ニュースや新聞に遠ざかってきたせいで、世の中の情報に疎くなってきているのは間違いありません。家族に「お父さん、こんな大きなニュースなのに知らないの?」と言われることが度々あります。あの政治家が、私に必要な情報をブロックしているのです。一方、「彼がどうあろうと、世の中のことには関心を持って生きていくべきだ」という自分もいて、どうすべきか悩んでいます。
○回答者 歌手・俳優、美輪明宏 嫌いでもニュースを追うこと
  まず第一に申し上げておきたいのは、「その政治家」に対して、そういった感情をお持ちになるのは、何もあなたばかりじゃありません、ということです。
  そのうえで付け加えますが、「顔も見たくない」「生理的に受け付けない」とはいえ、政治や社会、国際問題について、「取るに足らない毒人間」のために知識を深めるのを邪魔されるというのはもったいないと思いませんか? そんな政治家のせいで、家族にまで馬鹿にされるというのは損ですし、情けないことです。
  それよりも、冷静に世の中を見つめた方が得策です。多くの人が嫌う政治家だって、支持者がいるからこそ選挙に通り、政治家たりえるのです。それはなぜか。多くの場合は、組織票です。企業や団体の便宜を図ることで支えられているのです。つまり、利害関係ですよね。「投票はしたけれど、本当は嫌い」という人も結構いると思います。
  毒蛇や毒を持つ植物など、自然界は毒だらけ。不気味な動植物はたくさん存在するんです。人間も同じで猛毒の人はいます。しかも、毒のある人間が支持されて、権力を持つということだって、歴史上珍しくはありません。ですから繰り返しますが、相談者の方が抱く嫌悪感というのは正常だと思います。
  しかし、ご自身の人生のためにも、報道はご覧になった方がいいです。アメリカでもトランプ大統領に対して、ものすごく憎しみを抱いている人と、猛烈に支持をする人に二極化していて、現在の世界情勢は、色んな国で似通っているのかもしれません。ただ、嫌いであっても自分の国に影響を与える人のことは直視するべきなのです。
  ニュースを見ないと分析もできません。しっかりと見て、分析をすれば、その嫌いな政治家のことを「哀れな人だな」とさえ思えることだってあるでしょう。相手がまともな人間で、ある程度の品位を持っているという前提で考えるから腹が立つのかもしれませんが、ニュースをしっかり追えば「政治家以前に、人としてもダメな人」と痛感することだってあります。そうすれば、「彼」を突き放して見られるのではないですか。
  どんな政治家であれ、支持している国民に責任があるということは忘れてはなりませんが、うそやパフォーマンスなどの言動を見逃さず覚えておくためにも、科学者的なクールな目線で「毒人間」の生態系を観察すべきでしょう。
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180707 一年前:6 079 中村哲「天、共に在り アフガニスタン三十年の闘い」(NHK出版:2013)感想特5

2018年07月08日 01時59分14秒 | 一年前
7月7日(土):
6 079 中村哲「天、共に在り アフガニスタン三十年の闘い」(NHK出版:2013)感想特5
7月4日(火):         254ページ   所要時間9:45      図書館→途中でAmazon発注1568円(1311+257)著者のサイン入り本だった。嬉しい!......

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180702 139万PV超:(政治断簡)風鈴りんりん、あらあらかしこ 編集委員・高橋純子

2018年07月04日 00時31分36秒 | 閲覧数 記録
7月2日(月): 記録ですm(_ _)m。ブログの開設から2460日。   

アクセス:閲覧 1,195PV/訪問者 230IP

トータル:閲覧 1,390,019PV/訪問者 354,274IP

ランキング:5,972位 / 2,828,185+@ブログ中   週別 3,547位

朝日新聞(政治断簡)風鈴りんりん、あらあらかしこ 編集委員・高橋純子  2018年7月2日05時00分
  前略 当欄を担当するようになってしばらくは、バカアホマヌケとたくさんの匿名かつ罵倒系お便りを頂いた――みなさまお元気ですか? しかし、最近はもう飽きられちゃったのか、「新聞読まない人は、全部自民党」(麻生太郎副総理)ってことなのか、匿名で悪罵されることはめっきり減った――私はすこぶる元気です。あ、そうそう。先日帰省した折、母に注意を受けました。前々回ご紹介した「あっそうなのデベソなの」には続きがあるのだそう。いわく。「いつになったら引っ込むの」 あらあらかしこ
  そんな私に月に1、2度、東北地方の郵便番号に「朝日新聞読者」とだけ記された、匿名の女性からお便りが届く。
  官製はがき、横書き、黒のボールペン。社会や政治のことを知りたい、自分なりに考えたいという思いから、赤ペン片手に丹念に新聞を読んでくださっている様子が文面から伝わってくる。先日届いた一葉には、「『うた』をお届けします」とあった。
  「風鈴の澄みし鈴の音この夏も 微風をさえもきいてもらさず」
  埋もれそうな小さな声にも耳を傾け、澄んだ音を鳴らす記者でいてほしいというエールだと感じた。「膿(うみ)を出し切る」という空疎な言葉にグサッとやられ、膿(う)んで熱を持っていた私の胸の内にさあっと風が吹き抜けた。
  チリンチリン。
     *
  さて風鈴と聞いて思い出すのは、親馬鹿ちゃんリンそば屋の風鈴――落語「時そば」のまくら。時刻を聞いてそば代をごまかし、1文得をする男と、それを聞いてまねた男が逆に損する話だ。
  「一(ひ)、二(ふ)、三(み)、四(よ)、五(いつ)、六(む)、七(なな)、八(や)、いま何時だい?」
 「九つです」
 「十、十一……十六」
  今国会、たとえば働き方改革関連法をめぐっては、こんな落語みたいな、でも全然笑えない、寒気すらするやりとりが横行した。参院の定数をええっ6増?なんで6増?する公職選挙法改正案も成立が確実視されている。
  いったい誰のため、何のための改革なんだろう。
  政治家だって本来はチリリン、風鈴のごとくあるべきなのだ。ところがどうだ。
  「質問は簡潔にお願いします」と、記者の質問中に事務方が連呼して威圧する官房長官会見。先日の党首討論、まさに岡田克也氏が質問を続けている中において、時間が終了したとして背を向け、退出しようとした首相。そんな背中を見ながらすくすくと育った自民党3回生議員は、国会に招いた参考人に「いい加減にしろ」、恫喝(どうかつ)まがいのヤジを飛ばしましたとさ。
  自民党はもはや、個々の風鈴を溶かして鋳造し直したでっかい鐘だ。風ごときで鳴るはずもなく、どまぐれ気まぐれどさくさまぎれ、都合の悪いことを聞かれたらゴーン、疑惑から関心をそらせるためにゴーン。やかましいわ。
     *
  今日も鐘が鳴る。怒りがわく。なのに身の内にぽとり虚無の種が落ちた感触がある。
  それでも風は吹いている。チリンチリンと私が鳴る。届くかな、あの人に。
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180630 延々と続く単純なデータ打ち込み作業のBGMとして大河ドラマ「花神(1977年)」総集編全5巻(8:30)を全部見直すことができた。

2018年07月01日 00時18分39秒 | 日記
6月30日(土):    

昨夜、持ち帰りの仕事で徹夜し、朝5:30頃寝た。今日は、昼過ぎに起きて、さらに昨日の続きの仕事を延々と続けた。明日は別の用事で休日返上になる。ちょっと働き過ぎで嫌な気分だが、持ち帰り仕事はほぼ完成した。年齢的に持ち帰り仕事は厳しいが、今回は仕方がなかった。

おかげで延々と続く単純なデータ打ち込み作業のBGMとして大河ドラマ「花神(1977年)」総集編全5巻(8:30)を全部見直すことができた。俺の人生に決定的な影響を与えた作品である。数えきれないほど見直してきた。原作の司馬遼太郎「花神」3巻、「世に棲む日々」4巻、「峠」2巻も読んでいる。

緒方洪庵の適塾、吉田松陰、高杉晋作、大村益次郎、憧れとともに人間の生きざまの有り様について初めて考えさせてくれた作品だった。俺の大河ドラマの原点である。客観的にも、最高峰の作品の一つであろう。
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150329 タガ外せば歯止め失う 長谷部恭男・早稲田大学教授/「未来志向」は現実逃避 杉田敦・法政大学教授

 杉田 先日ドイツのメルケル首相が来日しました。戦後ドイツも様々な問題を抱えていますが、過去への反省と謝罪という「建前」を大切にし続けることで、国際的に発言力を強めてきた経緯がある。「建前」がソフトパワーにつながることを安倍さんたちは理解しているのでしょうか。  / /長谷部 そもそも談話が扱っているのは、学問的な歴史の問題ではなく、人々の情念が絡まる記憶の問題です。記念碑や記念館、映画に結実するもので、証拠の有無や正確性をいくら詰めても、決着はつかない。厳密な歴史のレベルで、仮に日本側が中国や韓国の主張に反証できたとしても、問題はむしろこじれる。相手を論破して済む話ではないから、お互いがなんとか折り合いのつく範囲内に収めようと政治的な判断をした。それが河野談話です。  / /杉田 談話の方向性や近隣との外交について「未来志向」という言い方がよくされますが、意図はどうあれ、それが過去の軽視という「見かけ」をもってしまえば、負の効果は計り知れない。安倍さんたちは、未来を向いて過去を振り払えば、政治的な自由度が高まると思っているのかもしれません。しかし政治の存在意義は様々な制約を踏まえつつ、何とか解を見いだしていくところにあります。政治的な閉塞(へいそく)感が強まる中で、自らに課せられているタガを外そうという動きが出てくる。しかし、それで万事うまくいくというのは、一種の現実逃避では。  / /長谷部 合理的な自己拘束という概念が吹っ飛んでしまっている印象です。縛られることによってより力を発揮できることがある。俳句は5・7・5と型が決まっているからこそ発想力が鍛えられる。しかし安倍さんたちは選挙に勝った自分たちは何にも縛られない、「建前」も法律も憲法解釈もすべて操作できると考えているようです。  / /杉田 俳句は好きな字数でよめばいいのだと。  / /長谷部 あらゆるタガをはずせば、短期的には楽になるかもしれません。しかし、次に政権が交代したとき、自分たちが時の政府を踏みとどまらせる歯止めもなくなる。外国の要求を、憲法の拘束があるからと断ることもできない。最後の最後、ここぞという時のよりどころが失われてしまう。その怖さを、安倍さんたちは自覚すべきです。 =敬称略(構成・高橋純子)朝日新聞『考論』

0015 オルテガ「大衆の反逆 (桑名一博訳;久野収解説)」(白水社イデー選書;1930)評価5

以下は、オルテガ所論の久野収による抜粋の抜粋である:///  オルテガによれば、政治のなかで「共存」への意志を最強力に表明し、実行していく政治スタイルこそ、自由主義的デモクラシーである。共存は、強い多数者が弱い少数者に喜んで提供する自己主張、他者説得の権利である。敵、それも最も弱い敵とさえ、積極的に共存するという、ゆるがない決意である。/その意味で、人類の自然的傾向に逆行する深いパラドックス(逆説)であるから、共存を決意した人類が、困難に面してこの決意を投げ出すほうへ後退したとしても、それは大きな悲劇ではあっても、大きな不思議とするには当たらない。/「敵と共存し、反対者と共に政治をおこなう」という意志と制度に背を向ける国家と国民が、ますます多くなっていく1930年代、オルテガは、「均質」化された「大衆」人間の直接行動こそが、あらゆる支配権力をして、反対派を圧迫させ、消滅させていく動力になるのだという。なぜなら、「大衆」人間は、自分たちと異類の非大衆人間との共存を全然望んでいないからである。略。///  「大衆」人間は、自分たちの生存の容易さ、豊かさ,無限界さを疑わない実感をもち、自己肯定と自己満足の結果として、他人に耳を貸さず、自分の意見を疑わず、自閉的となって、他人の存在そのものを考慮しなくなってしまう。そして彼と彼の同類しかいないかのように振舞ってしまう。/彼らは、配慮も、内省も、手続きも、遠慮もなしに、「直接行動」の方式に従って、自分たちの低俗な画一的意見をだれかれの区別なく、押しつけて、しかも押しつけの自覚さえもっていない。/彼らは、未開人―未開人は宗教、タブー、伝統、習慣といった社会的法廷の従順な信者である―ではなく、まさに文明の洗礼を受けた野蛮人である。文明の生み出した余裕、すなわち、贅沢、快適、安全、便益の側面だけの継承者であり、正常な生存の様式から見れば、奇形としかいいようのないライフスタイルを営んでいる新人類である。略。///  「自分がしたいことをするためにこの世に生まれあわせて来た」とする傾向、だから「したいことは何でもできる」とする信仰は、自由主義の自由の裏面、義務と責任を免除してもらう自由にほかならない。/われわれは自由主義の生みだした、この「大衆」人間的自由、自己中心的自由に対し、他者と共存する義務と責任をもった自由を保全しなければならないが、一筋縄でいかないのは、この仕事である。(160626:イギリスEU離脱について思うところ=もみ=)