もみさんの一日一冊遊書録( 2011年9月1日 スタート!: メメント・モリ ) ~たゆたえど沈まず~

年とともに人生はクロノロジー(年代記)からパースペクティブ(遠近法)になり、最後は一枚のピクチュア(絵)になる

150215 衆参両院の「テロ非難決議」を非難する!「テロの本質」を真面目に語る政治家はいないのか!

 真面目に「テロの本質」を考えれば、その原因が、決して宗教の違いにあるのではなく、世界的に広がる富の偏在、極端な格差拡大、差別構造の継承、及びパレスチナ問題、それらによる<若者たちの絶望>にあることは、実は誰もがわかっていることだろう! それを「世界には凶悪なテロリストが大勢いて、こいつらを叩き潰せばテロが無くなる」なんて話に無理やりすり替えている。誰も、「テロの本質が、日本・世界の社会構造が抱える富の偏在・格差の拡大及びパレスチナ問題の<野放し状態>にこそある」という本質を語らないし、見させようとしない。そして、凶悪なテロリストへの恐怖ばかりを煽りたてている。これはまさにオーウェルの「一九八四年」の世界と同じだ。今回の国会の「テロ非難決議」に社民党・共産党まで加わっていたのには、あきれ果てた。「誰も本質を見ようとしない。」「武力で世界中の<絶望した若者たち>を封じ込めるべきではないし、不可能だ!」

秋原葉月さん「Afternoon Cafe」ブログから

※(1)「もちろん、普通の人間は戦争を望まない。しかし、国民を戦争に参加させるのは、つねに簡単なことだ。とても単純だ。国民には攻撃されつつあると言い、平和主義者を愛国心に欠けていると非難し、国を危険にさらしていると主張する以外には、何もする必要がない。この方法はどんな国でも有効だ」byヘルマン・ゲーリング ※(2)いつの時代も大衆をファシズムに煽動する手口は同じ。なのに同じ手口に何度も騙されるのは過去に学んでいないから。格差を広げ、セイフティネットを破壊し、冷徹な自己責任論が横行する社会を継続させるのは簡単だ。今よりもっと格差を広げ、セイフティネットを破壊する政策をとればよい。そうすれば人々に自己責任論がもっと浸透し、草の根から勝手に右傾化してくれる。

辺見庸さんのブログから

・権力をあまりに人格的にとらえるのはどうかとおもう。口にするのもおぞましいドブの目をしたあの男を、ヒステリックに名指しでののしれば、反権力的そぶりになるとかんがえるのは、ドブの目をしたあの男とあまり変わらない、低い知性のあらわれである。権力の空間は、じつのところ、非人格的なのだ。だからてごわい。中心はドブの目をしたあの男=安倍晋三であるかにみえて、そうではない。ドブの目をしたあの男はひとつの(倒錯的な)社会心理学的な表象ではありえても、それを斃せば事態が革命的に変化するようなシロモノではない。権力には固定的な中心はなく、かくじつに「われわれ」をふくむ周縁があるだけだ。ドブの目をしたあの男は、陋劣な知性とふるまいで「われわれ」をいらだたせ、怒らせるとともに、「われわれ」をして社会心理学的に(かれを)蔑視せしめ、またそのことにより、「われわれ」が「われわれ」であることに無意識に満足もさせているのかもしれない。ところで、「われわれ」の内面には、濃淡の差こそあれ、ドブの目をしたあの男の貧寒とした影が棲んでいるのだ。戦争は、むろん、そう遠くない。そう切実にかんじられるかどうか。いざ戦争がはじまったら、反戦運動が愛国運動化する公算が大である。そう切実に予感できるかどうか。研ぎすまされた感性がいる。せむしの侏儒との「ふるいつきあい」がベンヤミンのなにかを決定した。そう直観できたアレントほどするどくはなくても、研ぎすまされた感性がいる。けふコビトがきた。ミスドにいった。(2015/11/11)

170619 安倍の声明を聞いた。国民を舐め切ってる。何ひとつ反省してない。加計学園獣医学部の許可を取り消し、工事を止めろ!

2017年06月19日 19時19分23秒 | つぶやき
6月19日(月):
 
午後6時からの安倍の声明を聞いた。国民を舐め切ってる。こいつは何ひとつ反省してない。今どきこれほど自分のことばかりに執着して醜く不幸な愚か者は見たことがない。人間として本当にかっこ悪い!それがわかっていない。

何よりも濃厚な疑惑に包まれた加計学園獣医学部の許可を停止または取り消し、まず工事を止めることが一番最初だろう!加計学園の工事が進んでいること自体、多くの国民の不信感を生んだ国会での不正の疑いを軽視していることに他ならない。国民を完全にバカにして舐め切っている!
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170618 【松尾貴史】加計孝太郎氏はどうした?;【日刊ゲンダイ】次々バレる安倍さまのための嘘 姑息な幕引きは大失敗

2017年06月19日 00時48分32秒 | 時代の記憶
6月18日(日):
毎日新聞松尾貴史のちょっと違和感   2017年6月18日 04時03分.
  (前略)
  政府の国家戦略特区を利用した獣医学部の新設について、内閣府が加計学園の新設を進めたい愛媛県今治市と公式な会議とは別に13回以上も協議していたことが、今治市の職員の出張記録から明らかになった。内閣府は現地視察までしていたのだという。獣医学部を新設したい意思表示をしていた京都府は4回しかなく、内閣府側が京都を訪れることもなかったのだという。完全に加計学園ありきで事が進んでいたのは明白ではないか。
  日本中が、疑惑について注視している問題の当事者である加計孝太郎氏(加計学園理事長)は、いったいどこで何をしているのだろう。社会的地位も責任もある重要人物が、これほどまでに徹底して生で動く姿を現さない、生の声も生の言葉も発しない状況に、強い違和感を覚える。バリューがあるわけでもないくだらない私的スキャンダルで芸能人の自宅に押し寄せ呼び鈴を鳴らし取り囲んでマイクを突きつけるマスコミの皆さんが、なぜこれだけの問題の当事者に直接取材しようとしないのか。桁違いの「アンタッチャブル」な恐怖が、この事件の闇を取り囲んでいるのだろうか。ひょっとすると、取材しようと挑戦してはいるのだけれど、「上から」の意向、プレッシャーによって握りつぶされている、などということがないように祈る。(放送タレント)

 

日刊ゲンダイ次々バレる安倍さまのための嘘 姑息な幕引きは大失敗  2017年6月17日 
  「天知る、地知る、我知る、人知る」
  ウソにウソを重ね過ぎて、安倍サマの取り巻きたちも一体、何が真実なのか分からなくなっているに違いない。安倍首相の「腹心の友」である加計孝太郎氏が理事長を務める学校法人「加計学園」(岡山市)の獣医学部新設をめぐり、「総理のご意向」や「官邸の最高レベルが言っている」と書かれた文書の存否問題。文科省で再調査した結果、民進党が入手して確認を求めた19文書のうち、14文書の存在が確認されたほか、内閣府から文科省担当者へ送られたメールの存在も新たに判明。メールには、国家戦略特区を所管する内閣府の藤原豊審議官の発言として、萩生田光一官房副長官が、昨年11月の特区諮問会議が獣医学部新設を認めた文書(原案)の設置条件に「広域的」の文言を追加するよう指示した――と記されていた。
  再調査でようやく、コトの発端となった文科省職員による「内部告発」の内容が真実だったことが裏付けられ、やはり官邸が主導して「加計ありき」で獣医学部新設の話が進められていた可能性がさらに強まったワケだ。
  松野博一文科相は「文書の存在は確認できなかった」と発表した前回調査について、シレッとした表情で「大変申し訳なく、真摯に受け止めている」と謝罪したが、複数の文科省職員が「文書は省内パソコンにある」との声を上げていたにもかかわらず、聞こえないフリをして事実上の隠蔽を図っていた張本人である。ズサンな調査とウソで幕引きを図ろうとした責任は極めて重大だろう。
  松野と一緒に内部文書の存在を必死に隠そうとしていたのが義家弘介文科副大臣。参院農林水産委では「行政運営上のプロセスを上司の許可なく外部に流出されることは、国家公務員法違反になる可能性がある」と発言。明らかに内部告発した職員の処分をチラつかせたドーカツだ。「ヤンキー先生」と呼ばれ、過去には北海道内の私立高の教師だった経歴の持ち主だが、今の姿を見る限り、イジメを見て見ぬふりする陰湿教師と何ら変わらない。安倍政権は「道徳の教科化」を声高に叫んでいたが、松野も義家もどのツラ下げて子どもに道徳を説けるのか。

■部下をスパイ扱いした山本大臣のホンネ
  文科省の再調査結果を受け、急きょ実施された内閣府の調査内容を公表した特区担当の山本幸三地方創生担当相はもっと最悪だ。
  山本は、ヒアリング対象となった9人の職員すべてが「(総理のご意向などと)発言していないと回答した」とする一方、内閣府から文科省へのメールの存在は認めた上で、追加条件を指示したのは萩生田ではなく、山本自身だったと明かした。
  だが、たった数人の職員の聞き取り調査だけで事実関係が明らかになるワケがない。なぜ議事録をきちんと精査、確認しないのか。それとも内閣府では会議や他省庁とやりとりした内容を文書で保存しない役所なのか。あり得ない話だ。メールになぜ、萩生田の名前が記されていたのかの説明も一切ナシ。そんなインチキ調査の結果を基に「総理のご意向はなかった」と断言している。これぞ三百代言だ。揚げ句、きのうの参院予算委では、内閣府から送信されたメールについて「文科省の出向職員がカゲに隠れてご注進のようなメールを出向元に送っていた」と仰天答弁した。自分の部下をスパイ扱いするとは、いやはや、内閣府職員も唖然ボー然だろう。元文科省審議官の寺脇研氏(京都造形芸術大教授)がこう言う。
  「山本大臣の発言には呆れました。『文化学芸員はがん』と発言して問題になりましたが、自分の部下もがんと思っているのではないか。部下を平気で切り捨てるような政治家が地方創生を担当していることがおかしい。とにかく謝罪は口先だけで、事実解明する気もなく、反省もしていない。本当にヒドイ政権です」

閣僚や官僚が息を吐くようにウソをつく原因は安倍首相にある

  安倍サマを守るための詭弁、ウソの中でも、極めて悪質だったのが菅官房長官の発言だ。
  菅は内部文書をハナから「怪文書」と切り捨て、野党が再調査を求めても「我が国は法治国家。法令に基づいて適切に対応している」と取り付く島もなかった。しかもだ。菅は文科省が再調査する前に内部文書の存在を認めた前川喜平前文科次官を執拗に“口撃”。読売新聞の出会い系バー報道に乗っかり、「教育行政の最高の責任者にあるまじき行為」「地位に恋々としがみついていた」などと前川証言をおとしめる発言を連発。だが、その「怪文書」は事実と判明。つまり、菅の完敗となったのだが、謝罪や発言撤回はナシ。それどころか「怪文書という言葉が独り歩きしたことが残念」「当時の状況と違う」などと開き直っているから呆れる。
  安倍と同じで、間違いを絶対認めず、言い逃れに終始する表情は悪相ここに極まれりだ。

「閣議決定」の乱発で安倍発言擁護の愚
  内部文書が確認され、前川証言が真実と認定された意味は大きい。前川前次官が会見で明かした通り、“アベ友”に便宜を図るために「行政がねじ曲げられたのではないか」という話の信憑性がより高まったからだ。安倍サマを守るために大臣から現場職員に至るまで「あるもの」を「ない」とウソをつき通し、政策をねじ曲げる――。親友を厚遇し、国政を私物化した疑獄で罷免された韓国の朴槿恵前大統領もビックリだ。
  親が親なら子も、ではないが、閣僚や官僚が息を吐くように国民にウソをつく歪んだ状況になったのもまた、安倍自身がウソつき政治家だからだろう。精神科医の和田秀樹氏は一昨日(15日)の文化放送のラジオ番組「SAKIDORI!」で、安倍の人間性をこう分析していた。
  「安倍首相は一般家庭ではなく政治家の家庭に生まれたので、子どものころから『ウソをついてもかまわない』という教育を受けていたのだと思います。とにかく、その場をごまかせればいいという感覚を持っているのではないかと疑います」
  良心の呵責を感じるマトモな神経の持ち主であれば、とてもじゃないが、あれほど多くのウソはつけない、というのだ。そして、今やそんなウソつき安倍を守るためのウソが霞が関や永田町で常態化していると言っていい。それは安倍政権が乱発している「閣議決定」の異様さを見ても一目瞭然だ。
  閣議決定は本来、法律や予算など国政に関する重要事項について、内閣の意思決定が必要と判断したものについて、全閣僚が合意し、政府方針を決定する手続きだ。ところが最近は違う。
  「森友学園の国有地払い下げで政治家からの不当な働きかけはなかった」「安倍首相の妻・昭恵氏は公人でなく私人」「そもそもという言葉には、基本的にという意味もある」「安倍首相はポツダム宣言を当然読んでいる」……。一体どこが国政に関する重要事項なのか。どれもこれも安倍発言を擁護する内容ばかりだ。

  政治評論家の森田実氏はこう言う。
  「19世紀後半のイギリスの政治家、グラッドストンは『政治の目的は善が為し易く、悪の為し難い社会をつくることにある』と言い、同じイギリスの政治家、ディズレーリは『誠実に勝れる知恵なし』と言っています。2人の言葉に共通するのは、政治の目的は人間的善の追求にあるということです。正反対なのが国民にウソばかりついて不誠実極まりない安倍政権です。ウソがバレても平気の平左。責任を役人に押し付け、自分たちだけは甘い汁を吸い続けている。これほど魂が腐った政治家たちは見たことがない。森友、加計問題でこの卑しい本性が国民にも分かったと思う。何としてでも引きずり降ろさないと、この国はとんでもないことになります
  安倍政権は国会が閉会してしまえば国民は加計問題を忘れるとタカをくくっているのだろうが、塗り固めたウソがバレて幕引きのシナリオは完全に崩れた。さらなる徹底解明を求める声が強まるのは必至で、逃げ切れると思ったら大間違いだ。
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170618 しんぶん赤旗:南スーダン派遣隊員自殺 4月帰国 岩手の施設科所属

2017年06月18日 21時05分51秒 | 時代の記憶
6月18日(日):
しんぶん赤旗南スーダン派遣隊員自殺  2017年6月17日(土)
 4月帰国 岩手の施設科所属
  南スーダンPKO(国連平和維持活動)に派遣されていた陸上自衛隊第9師団(青森市)所属の隊員が帰国後、自殺していたことが16日、防衛省への取材で分かりました。南スーダンPKO派遣隊員の自殺が明らかにされたのは初めてです。
  自殺したのは岩手駐屯地(岩手県滝沢市)の男性施設科隊員。防衛省陸上幕僚監部によれば5月6日、静岡県富士宮市で死亡が確認されたといいます。事件性はなく「自殺と判断している」(陸幕広報室)としています。
  自殺した隊員は昨年11月から南スーダンPKOの第11次派遣部隊に参加し、4月からの撤収部隊として帰国。隊員の年齢、家族構成などは個人情報として「差し控える」としています。
  南スーダンPKOでは、昨年7月に現地の部隊が作成した「日報」で「戦闘への巻き込まれに注意」などと記載され、PKO参加5原則の停戦合意が破綻(はたん)し、PKO法にも違反する状況で隊員が危険にさらされていました。
  防衛省はそうした事態が進行、予測されながら戦争法(安保関連法)に基づく海外での武力行使につながる憲法違反の「駆け付け警護」「宿営地の共同防護」任務を初めて11次隊に付与していました。
  同部隊を最後に自衛隊は、南スーダンPKOからの撤退に追い込まれました。
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170618 映画「ロビンフッドの冒険」(アメリカ:1938)感想4

2017年06月18日 18時27分25秒 | 映画・映像
6月18日(日):      

 102分。 BS録画。 観るともなしに観始めた。ロビンフッドの物語りをよく知らなかった。第3回十字軍の英雄リチャード1世(獅子心王)が、遠征帰途でオーストリア公に囚われたといううわさが伝わる。留守中のイングランドで王弟ジョンの一味が王位簒奪を企て、サクソン人の人々に重税をかけて圧政をしく。

 リチャード1世への忠誠を誓い、帰還を待つサクソン人貴族ロビン卿は、サクソン人の民衆と協力して王弟ジョン一味の野望に公然と抵抗運動を組織する。個性的な仲間とヒロインのマリアン姫とのロマンスを絡めて見ごたえのある物語りに仕上がっていた。

 盧溝橋事件の翌年、日本で国家総動員法が可決した1938年にアメリカはカラー画面でこんな映画を製作していたのだ。いつもながらに恐れ入る。ウィキペディアで調べたが、ロビンフッドのモデルは何人もいるが、特定の人物ではなく、伝承の寄せ集めの中から出来上がった人物らしい。「弓の名手で、イギリスのノッティンガムのシャーウッドの森に住むアウトロー集団の首領で義賊」という設定(イメージ)は実は比較的新しいもので、19世紀あたりから描かれるようになったという。緑色の服をまとう人物として描かれる。

 最後は、リチャード1世の帰還によって悪党どもの悪だくみは失敗に終わり、王弟ジョンはイングランドを追放されてめでたしなのだが、実際には当時イングランド王はフランスに広大な領地をもっており、リチャード1世の在位中(1189~1199:日本は鎌倉時代初め)、イングランドに居たのはわずか半年くらいだったそうだ。

 ロビンフッドの敵役の王弟ジョンはのちにイングランド王(位1199~1216)となり、フランス王フィリップ2世と争い、フランスの領土の大半を失い(失地王)、ローマ教皇インノケンティウス3世から破門され、失政を重ねた上で貴族・聖職者からマグナ=カルタ(大憲章)を突き付けられて屈服することになる。

 ウィキペディアによれば「公開以来、本作は批評家から高い評価を得ており、1995年には「文化的、歴史的、芸術的に重要な映画」としてアメリカ国立フィルム登録簿に登録された」そうだ。確かに良い出来栄えの映画であった。

ロビン・フッド/マリアン姫/ガイ・オブ・ギスボーン/ジョン王子/ウィル・スカーレット/アーサー・ア・ブランド/タック修道士/リトル・ジョン/粉屋のせがれマッチ/ノッティンガム州長官/ベス/獅子心王リチャード/ヘアフォード司教/ディコン
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6 077 中村哲「医者、用水路を拓く」(石風社:2007)感想5

2017年06月18日 01時35分00秒 | 一日一冊読書開始
6月17日(土):        

副題「アフガンの大地から世界の虚構に挑む」

377ページ    所要時間8:50     アマゾン706円(449+256)

著者61歳(1946生まれ)。ペシャワール会現地代表、PMS(ペシャワール会医療サービス)総院長。福岡県生まれ。九州大学医学部卒業。医師。国内の病院勤務を経て、1984年パキスタン北西辺境州(現パクトゥンクワ州)の州都ペシャワールに赴任。以来ハンセン病を中心とした貧民層の診療に携わる。1986年からはアフガン難民のための医療事業を開始、アフガン東部山岳地帯に三つの診療所を設立。98年には基地病院PMSをペシャワールに建設。2000年以降は、アフガニスタンを襲った大干ばつ対策のための水源確保事業を実践。さらに02年春からアフガン東部山村での長期的復興計画「アフガン・緑の大地計画」を開始、03年3月からは灌漑水利計画に着手、現在約1万6千ヘクタールの農地を回復。さらに事業を継続。

【目次】序章 9・11事件とアフガン空爆/第一章 爆弾よりパンを/第二章 復興支援ブームの中で/第三章 沙漠を緑に/第四章 取水口と沈砂池の完成/第五章 第一次灌漑の実現へ/第六章 沙漠が緑野に/第七章 人災と天災/第八章 第一次工事13キロの完成/巻末資料

著者は、現代日本で俺が尊敬し憧れている人物の一人である。浅ましい口先だけの儲け話ばかりが優先され、賢い生き方とされる時代にあって、「この人を見よ! ここに本物の人間がいる!」と言える人である。本当は、そういう地の塩のような生き方をしている立派な人はたくさんいるのだろうが、今の時代はそういう人が見えにくいし、評価されていない。本当に浅ましい時代である。録画してあった著者に関するNHKのドキュメントを5月に繰り返して観ていて、著者の本が読みたくなったのだ。

もともと著者は、パキスタンからアフガンにかけて医療活動に従事していたのだが、折からの大干ばつの現実に接して、いくら丁寧に医療活動をするよりも、たった一本のしっかりした用水路をひくことによって何千倍の医療効果がある、と考えて聴診器やメスを、クレーン車のハンドル・レバーに持ち替えて、大河川クナール川からの取水、用水路建設に取り組むのだ。驚くべきは、著者は医者ではあっても、土木技術には全くの素人であり、その著者を助けるまともな技術者がいない。図面引きから、すべて著者が一から学んで取り組んでいるのだ。

用水路工事に取り組み始める直前、著者は日本に残していた10歳の次男を手の施しようのない脳腫瘍で亡くしている。NHKのドキュメントでは語られることのない事実である。

本当に人間としてやらねばならないことを、本当にただひたすらやっている著者の地に足の張り付いた確かな眼差しで日本や世界のあり方を見た時、そこで語られる歯の浮くような「国際協力」「グローバリズム」「テロリスト」「平和維持活動」などの言葉がすごく安っぽく、浅く見えるだけでなく、アフガニスタンの人々の現実と真逆に障害として作用しているのがわかる。

日本国内の恐ろしく高価で、近代技術の粋を尽くした用水路工事などアフガンの現地で行うのは全くもって不可能であり非現実的である。効果を最大限上げる方法をずっと考え続けている。資金、技術、時間、スタッフなどあらゆる面で限られた条件の中で、しかも日本では考えられないアフガンのスケールの大きい、とてつもなく厳しい自然と向かい合わねばならない中で、著者は計画を立て、率先して体と頭を動かし、忙殺の中で走り回りながら考え続ける。

PMS(ペシャワール会医療サービス)の現地代表の著者の全身全霊の取り組みも、すさまじいの一語に尽きるアフガニスタン、クナール川の雪解け水の自然の猛威の前にもの凄い苦闘の連続で、出来上がった水路や取水口や調整池などが繰り返し繰り返し崩れるし、塞がるし、全く一筋縄で進まない。順調に進まず、失敗を繰り返し、追い詰められて弱音を吐きそうになりながらも立ち止まることすらできない。

信じられ、支えてくれる現地スタッフや日本人ワーカースタッフも数が少なく、著者のもがいている姿、煩悶する姿は、痛々しい。見通しを維持し、道を見失わない努力だけは忘れないようにして、後は背水の陣をしいて、ただひたすらやるべきことを手探りしながらやり続けていくのみ。NHKの放送で観た穏やかな風景、現地の人々との信頼関係や交流の風景とは全く別のものスゴイ苦闘の連続である。部族間の対立や、別の用水路流域民からのSOS、「そんなのは政府に言うべきだろう」と思いながらもぎりぎりの中でできることはやってやる。

本書はアフガン農民を干ばつから救うための、クナール川(川幅1kmの大河)から、取水口を造って、全長13kmのマルワリード(真珠)用水路を4年にわたって建設する話が、延々と続く。著者を理解したいという意思をもてない読者には、おそらく「何をわかりづらい用水路づくりの話をくどくどと書き続けてるのだ」と思ってしまうだけかもしれない。

しかし著者の思想は、まさにその長年にわたる試行錯誤と失敗を繰り返しながらもへこたれず諦めない。行き詰まりを繰り返すたびごとに、多少の強引さも含めて著者がめぐらした思考や思考の方法が記されていて、そこにこそ著者の思想は表現されるのだ。著者の思想は、机上で展開されるまとまりの良い理屈ではなく、「アフガンの人々の(医療の)ために」という至上命題を基にして、著者が取り組んでいる用水路造りの様々な障害、衝突、行き詰まりの中で、とにかく出口を探し出す、少しでも前進できる実のある対策をどういう風に考えるか、と常に具体的な問題を前にして、時に矛盾し、時に惑いつつ、総体として示される思考として表わされる。

米軍の活動も、それを後押しする日本政府の「テロ対策特措法」のナンセンスも、タリバンも、パキスタン政府もすべての判断基準は、「現地アフガン農民のためにどうあるべきか」という不動の軸がある。医者である著者が、「患者本位」という軸の延長であるのと同じ。著者にとって自分自身の判断基準と著者以外の障害となる勢力のどちらが正しいのかは、著者には明らかである。目の前のアフガンの人々の命をつなぐ農業用水路のことから常に考える著者の思考の正しさは動かない。人はパンのみにて生きるにあらずだが、まずパンを確保するしかないという著者の考え方は理屈なく澄み切っていて正しい。中村哲、やっぱりこの人、格好いい!

人間の存在を重く大切に考える著者と同じ日本人であることが誇らしい。そして、人間の存在を見下し軽視する安倍晋三が総理大臣である日本人であることが、恥ずかしい。

【内容紹介】「100の診療所より1本の用水路を!」パキスタン・アフガニスタンで1984年からハンセン病とアフガン難民の診療を続ける日本人医師が、戦乱と大旱魃(かんばつ)の中、1500本の井戸を掘り、いま、全長13キロの用水路を拓く。白衣を脱ぎ、メスを重機のレバーに代え、大地の医者となった著者が、「国際社会」という虚構に惑わされず、真に世界の実相を読み解くために記した渾身の現地報告。

【書評1】旱魃に立ち向かう驚くべき行動力  養老孟司
 著者はもともと医師である。二度ほど、お目にかかったことがある。特別な人とは思えない。いわゆる偉丈夫ではない。
 最初にお会いしたとき、なぜアフガニスタンに行ったのか、教えてくれた。モンシロチョウの起源が、あのあたりにあると考えたという。その問題を探りたかった。自然が好きな人なのである。
 そのまま、診療所を開く破目になってしまった。診療所は繁盛したが、現地の事情を理解するにつけて、なんとかしなければと思うようになった。アフガン難民を、ほとんどの人は政治難民だと思っている。タリバンのせいじゃないか。それは違う。旱魃による難民なのである。二十五年間旱魃が続き、もはや耕作不能の畑が増えた。そのための難民が、ついに百万人の規模に達した。それを放置して、個々人の医療だけにかかわっているわけに行かない。
 海抜四千メートルほどの山には、もはや万年雪はない。だから川も干上がる。しかし七千メートル級の山に発する流れは、いまも水を満々とたたえて流れてくる。そこから水を引けばいい。水を引くといっても、医者の自分がどうすればいいのか。
 驚くべき人である。寄付で資金を集め、故郷の九州の堰(せき)を見て歩く。現代最先端の土木技術など、戦時下のアフガンで使えるはずもない。江戸時代の技術がいちばん参考になりましたよ、と笑う。必要とあらば、自分でブルトーザーを運転する。この用水路がついに完成し、数千町歩の畑に水が戻る。そのいきさつがこの一冊の書物になった。
 叙述が面白いも、面白くないもない。ただひたすら感動する。よくやりましたね。そういうしかない。菊池寛の「青の洞門」(『恩讐の彼方に』)を思い出す。必要とあらば、それをする。義を見てせざるは勇なきなり、とまた古い言葉を思い出す。
 だから書評もごちゃごちゃいいたくない。こういうことは、本来言葉ではない。いまは言葉の時代で、言葉を変えれば世界が変わる。皆がそう信じているらしい。教育基本法を変えれば、教育が変わる。憲法を変えれば、日本が変わる。法律もおまじないも、要するに言葉である。「おまじない」を信じる時代になった。
 外務省は危険地域として、アフガンへの渡航を控えるようにという。著者はアフガンに行きませんか、と私を誘う。危険どころじゃない、現地の人が守ってくれますよ。そりゃそうだろうと思う。唯一の危険は、用水路現場を米軍機が機銃掃射することである。アフガンでの戦費はすでに三百億ドルに達する。その費用を民生用に当てたら、アフガンにはとうに平和が戻っている。米国に擁立されているカルザイ大統領ですら、そう述べた。著者はそう書く。
 国際貢献という言葉を聞くたびに、なにか気恥ずかしい思いがあった。その理由がわかった。国際貢献と言葉でいうときに、ここまでやる意欲と行動力の裏づけがあるか。国を代表する政治家と官僚に、とくにそう思っていただきたい。それが国家の品格を生む。
 同時に思う。やろうと思えば、ここまでできる。なぜ自分はやらないのか。やっぱり死ぬまで、自分のできることを、もっとやらねばなるまい。この本は人をそう鼓舞する。若い人に読んでもらいたい。いや、できるだけ大勢の人に読んで欲しい。切にそう思う。


【書評2】素人が治水工事6年半の記録  池田香代子  翻訳家
 アフガニスタンで二十年以上医療に携わっている医師が、気候変動に伴う大旱魃に直面し、広大な土漠の一大灌漑事業に挑んだ。その六年半の記録である。開始は二〇〇一年九月。その翌月からこの国は、米国を襲った9.11テロへの「報復」として、攻撃にさらされることになる。
 そんな戦争やいわゆる復興支援を含む国際政治を、著者は「虚構」と呼ぶ。そこには軽蔑と絶望、そして決意がこもっている。なぜなら、著者の前には、二千万国民の半数が生きるすべを失った現実が広がっているのだから。日本の振る舞いには気疎さが募るばかりだ。
 巨大な暴れ川と過酷な気象を相手に、ずぶの素人が治水工事にあたる。資金は日本からの浄財のみ。機材も資材もごく限られている。著者は、出身地の九州各地を歩いて江戸時代の治水を研究し、現代アフガンにふさわしい技法を考案していく。現地が保全できない現代工法は採るべきではないとの考え方だ。非業の死を遂げた先人の多いこともさらりと書きしるす。水は諍(いさか)いの種だった。
 著者も、治水を巡る対立の矢面に立つが、長年培った交渉術で味方を増やしていく。著者のまなざしには、石や土を相手の伝統的な技量をごく自然にもちあわせ、愚直なまでに信念を貫くアフガン農民への尊敬の念と、弱く愚かな人間への、ちっとやそっとでは断罪に走らない懐の深さとユーモアが感じられる。
「人を信ずるとは、いくぶん博打に似て」と達観する著者は、激高した老人に投げつけられる土埃にまみれながら、「おじちゃん、落ち着け! 話せばわかる」と声をかけるのだ。
 去る者、終始離れぬ者。あるときは敵対し、またあるときは協力を惜しまぬ者。さまざまな人間たちのただなかに、著者は命がけで立っている。その姿は著者の祖父、玉井金五郎をほうふつとさせる。この名親分を小説「花と龍」に活写した火野葦平は著者の叔父。著者には、弱きを助けるという本来の任侠の血が流れている。
 決壊また決壊、予期せぬ出水。重責を引き受けての難しい決断。過酷な労働。人はここまで捨て身になれるのか。土木工事の顛末を夢中で読んだのは初めてだ。
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170617 俺の雑感&日刊ゲンダイ「戦争する国へ一瀉千里…戦前と酷似“国会蹂躙”の狂乱採決」

2017年06月17日 11時09分55秒 | 時代の記憶
6月17日(土):  

安倍晋三と菅・萩生田ら悪党づらの取り巻きを見ていて(もう見たくない、消えてほしい!)、「政治システムが「性悪説」に基づいて制度設計されないといけない」ことを改めて痛感している日々である。日本の三権分立の不完全さをこれほどまでに見せつけられ、思い知らされた経験は長く生きてきたが本当に初めてのことだ。「性善説」の通用しない<外道><ごろつき>(恥知らずで無知な世襲の苦労知らず)が権力を握った場合、これほど政治と社会が荒廃し果て、戦争に向かって加速するとは思ってもみなかった。

戦争は人権の墓場である。自らは絶対に戦場に行かず、弱者に無関心で、絶対に責任を取らない<人間のクズ>が、いっぱしの政治家を気取っている。それがどれほど見苦しく恥ずべき姿であるか、知らぬは本人ばかりである。アメリカのトランプを笑ってる多くの日本人の能天気さを苦々しく思う。トランプでも、安倍の百倍はマシだ。

そして、何よりアメリカでは三権分立がきちんと機能してトランプを追い詰めている。今の日本は、北朝鮮とほぼ同じレベルだ。経済規模が大きいからマシなように見えるが、安倍政権のやっていることは、アジア的開発途上の独裁国家と同じだ。

日本の戦後政治が築き上げてきた経験とまさにそのレガシーが、急激に、急速な速度で壊され、どぶに捨てられていっている。今や、日本は国際社会から、右翼ですらない得体の知れない世襲の愚か者が国家を私物化していると見られている<醜い笑い者の国>になり果てているのだ。

それを「他に変わるべき政治家がいないから」と印象操作されていることも自覚せず支持してる能天気で知性の低い国民が大勢いるのがこの国の現実なのだ。「他に変わるべき政治家がいないどころか、安倍よりひどい政治家を探す方が難しいだろう!」 安倍を消極的に支持する馬鹿な連中も、目先しか見ない責任を取らない奴らだ。結局、未来を奪われるのは、若者たちだこの国は、もう取り返しのつかないところまできている。確実に狂っている。

最後に「俺(もみ)は、社民党の支持者だ。最後まで福島瑞穂さんを支持し続ける! もしも俺の言説に同感して頂ける人がいるのであれば、選挙では社民党と福島瑞穂さんを是非支えていただきたい。社民党の火を消さないでほしい。」と願っている。

  
日刊ゲンダイ 文字お越し戦争する国へ一瀉千里…戦前と酷似“国会蹂躙”の狂乱採決 2017年6月16日
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/207559
  第2次安倍政権発足から5年足らず。この国の時計の針は70年以上も巻き戻されてしまった。
  「平成の治安維持法」と呼ばれる「共謀罪」法が15日、参院本会議で可決、成立した。3度も廃案になった「希代の悪法」の委員会審議は衆院が30時間25分。参院にいたってはわずか17時間50分で通してしまった。それも、参院の委員会採決を省略する「中間報告」を悪用し、審議を打ち切る禁じ手を使ってである。自民党の二階幹事長は「強行でも何でもない。国会で認められているルールだ」と開き直ったが、強行採決をはるかに超える悪質なやり方で、まさに狂乱採決だ。
  立正大名誉教授の金子勝氏(憲法)は言う。
  「あらゆる角度から見て、中間報告を用いた正当性は見当たりません。そもそも、中間報告というのは災害時などの緊急事態での法案成立を想定したもので、平時には手を付けないのが原則です。にもかかわらず、国民の内心の自由を奪い、基本的人権を制限する共謀罪法案の強引な成立に流用するのは言語道断。憲法の精神に反する暴挙です。安倍政権の閣僚は〈丁寧な説明をする〉と口にしますが、共謀罪に限らず、これまで一度たりともまともな説明を聞いたことがない。とんでもない政権ですよ」

>■歴史は繰り返し、悪法は化け物に育つ
  9代前の自民党総裁を務めた河野洋平元衆院議長は「自分の名前を(歴史に)残したいとか、そんなことで政治的な労力を使ってはいけない」と喝破していたが、安倍には馬耳東風だ。政治的野心と延命のためには手段を選ばない。どんなに姑息な手段でも使えるものは使う男だ。安倍の悲願は憲法9条改正で名実ともに軍隊を保有し、米国と一緒に戦争をできる国へのつくり替え。そのために、自民党総裁任期の延長にも手を掛けた。都合の悪い情報を隠蔽する特定秘密保護法。米軍の後方支援や集団的自衛権の行使を容認する安保法制。いずれも強行採決で通した。そして、国民の内心を統制する共謀罪を成立させ、戦争準備体制を整えたのである。
  歴史作家の加来耕三氏はこう言う。
  「安保法制の強行採決を境にこの国は戦前の時代に戻ってしまいました。共謀罪の施行で懸念されている事態は起こり得るし、むしろ織り込み済みだと覚悟した方がいい。この悪法の本当の恐ろしさは安倍首相でさえ分かっていないでしょう。大日本帝国憲法で定められた統帥権は国民的人気の高かった西郷隆盛を抑え込む目的で制定されたものでした。独り歩きして世界を脅かす軍事国家へ進むことになるとは、当初は想定もされていなかった。時代の雰囲気が解釈の拡大を許し、化け物のように育ててしまう。それは国家総動員法や治安維持法を引くまでもありません。歴史は必ず繰り返します」

昭和10年代と重なる“軍服”を着た安倍首相の振る舞い
  安倍が政権に返り咲いてからのこの5年で、この国の状況は戦前にどんどん酷似してきている。ノンフィクション作家の保阪正康氏もそう分析するひとりで、著書「安倍首相の『歴史観』を問う」(講談社)で、安倍政権の乱暴な国会運営と軍部が支配した戦前戦中の議会との類似性をこう指摘している。
  〈安倍首相の答弁や言い分は、昭和十年代の陸軍の軍事指導部の幕僚たちが、たとえば国家総動員法の審議のときに見せたような開き直り、在留邦人の保護や石油資源の供給が不安定な状態から脱するための自存自衛といった語を連発した構図とほとんど同じである。つまり相手の言い分など知ったことでなく、常に自らの意見を声高に主張し、それに国会議員がヤジをあびせると、軍人が「黙れ!」とどなったのとまったく同じなのである〉
  〈まともな立案がされないので、その説明は五分ともたない。東條英機が首相、陸相として答弁に立ち、「戦争が終わったとき」というのはどういうときか、と戦時時限立法について尋ねられると、法律上の答弁をしなければならないのに、「平和が回復したとき」と答えたことなど典型的な例といっていいだろう〉
  〈もしかすると安倍首相は、現代にあって、背広ではなく軍服を着て安保条約関連法案の答弁にあたり、内閣による憲法解釈を進めていると表現できるのではないか〉
  いやはや、である。国会答弁ではマトモに質問に答えず、持論を垂れ流して時間を浪費。ヤジを飛ばすなと言いながら、自分は平然とヤジを飛ばす。共謀罪の目的について当初は「国際組織犯罪防止(TOC)条約の速やかな締結とテロの未然防止」と主張していたのに、「TOC条約の目的はテロ対策ではない」と条約の立法ガイドを中心になって作成した米ノースイースタン大のニコス・パッサス教授(国際刑法)に一蹴され、ローンウルフ型のテロは防げないことも露呈した。すべては結論ありき。後からこしらえたこじつけでペテン答弁を繰り返すから、ボロを出すのだ。
  数の力を借り、立憲主義を踏みにじり、国会蹂躙に慣れっこになっている安倍は、同じことを繰り返すだろう。知性、品性、人間性。いずれをとっても問題だらけの安倍晋三というチンピラ首相にこれ以上、この国を私物化させていいのか。

■公布から2週間でスピード施行
  安倍官邸が禁じ手を使ってまで通常国会の会期中に共謀罪成立を急いだ理由は、森友学園にはじまる一連の疑惑の幕引きを図るためだ。唯一のよりどころだった内閣支持率がようやく下落傾向に転じたが、18日の会期末で国会を閉じてしまえば野党の追及は尻すぼみ。国民の関心も薄れ、疑惑にフタをできると踏んでいるのだ。だから、加計学園の獣医学部新設をめぐる「総理のご意向文書」の再調査を渋り、報道から1カ月も引っ張った。安倍はきょう(16日)の参院予算委集中審議に出席するが、そこをしのげばタイムアウトで逃げ切れるとタカをくくっているのである。とことん有権者をナメ切っているが、見通しはそんなに甘くない。
  加計問題で新たな疑惑が浮上しているし、安倍と昵懇の元TBSワシントン支局長の山口敬之氏が起こしたレイプ事件もみ消し疑惑もくすぶっている。政権の屋台骨を揺るがす火種はあちこちに転がっている。
  共謀罪の公布は21日、施行は7月11日だ。1カ月も待たずに運用が始まる。
  「公布から施行までのスケジュールは政権に委ねられてはいますが、特定秘密保護法は1年、安保法制も半年の周知期間を設けていた。強行採決以上に悪辣な手法で成立させた共謀罪をスピード施行するのは、森友、加計隠しが狙いではないか。言論統制を急ぎたい思惑があるんじゃないか。そうした印象がぬぐえません」(金子勝氏=前出)
  残された時間はそう多くない。今すぐに政権から引きずり降ろさなければ、民主主義は破壊しつくされてしまう。それでいいのか。
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170616 2017年6月15日(木)午前7時46分、参議院本会議において「共謀罪」法 成立

2017年06月16日 17時44分31秒 | 時代の記憶
6月16日(金):

以下、本日の新聞各社の【社説】の紹介

東京新聞【社説】「共謀罪」法が成立 「私」への侵入を恐れる  2017年6月16日
「共謀罪」が与党の数の力で成立した。日本の刑事法の原則が覆る。まるで人の心の中を取り締まるようだ。「私」の領域への「公」の侵入を恐れる。
心の中で犯罪を考える-。これは倫理的にはよくない。不道徳である。でも何を考えても自由である。大金を盗んでやりたい。殴ってやりたい-。
 もちろん空想の世界で殺人犯であろうと大泥棒であろうと、罪に問われることはありえない。それは誰がどんな空想をしているか、わからないから。空想を他人に話しても、犯罪行為が存在しないから処罰するのは不可能である。

◆犯罪の「行為」がないと
 心の中で犯罪を考えただけでは処罰されないのは、根本的な人権である「思想・良心の自由」からもいえる。何といっても行為が必要であり、そこには罪を犯す意思が潜んでいなければならない。刑法三八条にはこう定めている。
 <罪を犯す意思がない行為は、罰しない>
そして、刑罰法規では犯罪となる内容や、その刑罰も明示しておかねばならない。刑事法のルールである。では、どんな「行為」まで含むのであろうか。
 例えばこんなケースがある。暴力団の組長が「目配せ」をした。組員はそれが「拳銃を持て」というサインだとわかった。同じ目の動きでも「まばたき」はたんなる生理現象にすぎないが、「目配せ」は「拳銃を持て」という意思の伝達行為である。
 目の動きが「行為」にあたるわけだ。実際にあった事件で最高裁でも有罪になっている。「黙示の共謀」とも呼ばれている。ただ、この場合は拳銃所持という「既遂」の犯罪行為である。
 そもそも日本では「既遂」が基本で「未遂」は例外。犯罪の着手前にあたる「予備」はさらに例外になる。もっと前段階の「共謀」は例外中の例外である。

◆市民活動が萎縮する
 だから「共謀罪」は刑事法の原則を変えるのだ。
 「共謀(計画)」と「準備行為」で逮捕できるということは、何の事件も起きていないという意味である。つまり「既遂」にあたる行為がないのだ。今までの事件のイメージはまるで変わる。
 金田勝年法相は「保安林でキノコを採ったらテロ組織の資金に想定される」との趣旨を述べた。キノコ採りは盗みと同時に共謀罪の準備行為となりうる。こんな共謀罪の対象犯罪は実に二百七十七もある。全国の警察が共謀罪を武器にして誰かを、どの団体かをマークして捜査をし始めると、果たしてブレーキは利くのだろうか。暴走し始めないだろうか。
 身に覚えのないことで警察に呼ばれたり、家宅捜索を受けたり、事情聴取を受けたり…。そのような不審な出来事が起きはしないだろうか。冤罪(えんざい)が起きはしないだろうか。そんな社会になってしまわないか。それを危ぶむ。何しろ犯罪の実行行為がないのだから…。
 準備行為の判断基準については、金田法相はこうも述べた。
 「花見であればビールや弁当を持っているのに対し、(犯行場所の)下見であれば地図や双眼鏡、メモ帳などを持っているという外形的事情がありうる」
 スマートフォンの機能には地図もカメラのズームもメモ帳もある。つまりは取り調べで「内心の自由」に踏み込むしかないのだ。警察の恣意(しい)的判断がいくらでも入り込むということだ。
 だから、反政府活動も判断次第でテロの準備行為とみなされる余地が出てくる。市民活動の萎縮を招くだろう。こんな法律を強引に成立させたのだ。廃止を求めるが、乱用をチェックするために運用状況を政府・警察は逐一、国民に報告すべきである。
 ロシアに亡命中の米中央情報局(CIA)のエドワード・スノーデン氏が共同通信と会見し、米国家安全保障局(NSA)が極秘の情報監視システムを日本側に供与していたと証言した。これは日本政府が個人のメールや通話などの大量監視を可能にする状態にあることを指摘するものだ。「共謀罪」についても「個人情報の大規模収集を公認することになる」と警鐘を鳴らした。「日本にこれまで存在していなかった監視文化が日常のものになる」とも。
 大量監視の始まりなら、憲法の保障する通信の秘密の壁は打ち破られ、「私」の領域に「公」が侵入してくることを意味する。

◆異変は気づかぬうちに?
 そうなると、変化が起きる。プライバシーを握られた「私」は、「公」の支配を受ける関係になるのである。監視社会とは国家による国民支配の方法なのだ。おそらく国民には日常生活に異変は感じられないかもしれない。だが気付かぬうちに、個人の自由は着実に侵食されていく恐れはある。

朝日新聞【社説】権力の病弊 「共謀罪」市民が監視を  2017年6月16日05時00分
「共謀罪」法が成立した。
委員会での審議・採決を飛ばして本会議でいきなり決着させるという、国会の歴史に重大な汚点を残しての制定である。
 捜査や刑事裁判にかかわる法案はしばしば深刻な対立を引きおこす。「治安の維持、安全の確保」という要請と、「市民の自由や権利、プライバシーの擁護」という要請とが、真っ向から衝突するからだ。
 二つの価値をどう両立させ、バランスをどこに求めるか。
 その際大切なのは、見解の異なる人の話も聞き、事実に即して意見を交わし、合意形成をめざす姿勢だ。どの法律もそうだが、とりわけ刑事立法の場合、独善と強権からは多くの理解を得られるものは生まれない。
 その観点からふり返った時、共謀罪法案で見せた政府の姿勢はあまりにも問題が多かった。277もの犯罪について、実行されなくても計画段階から処罰できるようにするという、刑事法の原則の転換につながる法案であるにもかかわらずだ。
 マフィアなどによる金銭目的の国際犯罪の防止をめざす条約に加わるための立法なのに、政府はテロ対策に必要だと訴え、首相は「この法案がなければ五輪は開けない」とまで述べた。まやかしを指摘されても態度を変えることはなかった。
 処罰対象になるのは「組織的犯罪集団」に限られると言っていたのに、最終盤になって「周辺の者」も加わった。条約加盟国の法整備状況について調査を求められても、外務省は詳しい説明を拒み、警察庁は市民活動の監視は「正当な業務」と開き直った。これに金田法相のお粗末な答弁が重なった。
「独善と強権」を後押ししたのが自民、公明の与党だ。
 政治家同士の議論を活発にしようという国会の合意を踏みにじり、官僚を政府参考人として委員会に出席させることを数の力で決めた。審議の中身を論じずに時間だけを数え、最後に仕掛けたのが本会議での直接採決という禁じ手だった。国民は最後まで置き去りにされた。
 権力の乱用が懸念される共謀罪法案が、むき出しの権力の行使によって成立したことは、この国に大きな傷を残した。
 きょうからただちに息苦しい毎日に転換するわけではない。だが、謙抑を欠き、「何でもあり」の政権が産み落としたこの法律は、市民の自由と権利を蚕食する危険をはらむ。
 日本を監視社会にしない。そのためには、市民の側が法の運用をしっかり監視し、異議を唱え続けなければならない。

毎日新聞【社説】「共謀罪」法の成立 一層募った乱用への懸念  2017年6月16日 東京朝刊
テロなどを防ぐ治安上の必要性を認めるにしても、こんな乱暴な手法で成立させた政府を容易に信用することはできない。
「共謀罪」の構成要件を改め、テロ等準備罪を新設する改正組織犯罪処罰法がきのう成立した。与党側は、参院法務委員会の採決を省略するという異例の方法をとった。
 警察などの捜査機関が権限を乱用し、国民への監視を強めるのではないか。そこがこの法律の最大の懸念材料だった。
 しかし、政府・与党は懸念解消どころか増幅させる振る舞いに終始した。法律への不安は一層深まった。
 組織犯罪の封じ込めは必要だ。ただし、こうした活動はあくまで広範な国民の同意の下でなされなければならない。そのため、私たちは、大幅な対象犯罪の絞り込みと、捜査権乱用の歯止め策を求めてきた。
 組織的犯罪集団が法の適用対象だ。それでも、一般人が捜査対象になるかどうかが、法案審議では一貫して焦点になってきた。
 参院段階では、政府から「周辺者」も適用対象との説明が新たにあった。これでは、一般人とは、警察の捜査対象から外れた人に過ぎなくなる。重大な疑問として残った。
 法は来月にも施行される見通しだ。法務省刑事局長は国会答弁で「犯罪の嫌疑が生じていないのに尾行や張り込みをすることは許されない」と述べた。国民の信頼を損ねない法の運用を重ねて警察に求める。
 仮に強制捜査が行われる場合、令状の審査に当たる裁判所の責任が重いことは言うまでもない。
 捜査機関が捜査を名目に行き過ぎた監視に走る可能性があることは、これまでの例をみても明らかだ。
 2010年、警視庁の国際テロ捜査に関する内部文書がインターネット上に漏えいした事件があった。そこには、テロとは無縁とみられる在日イスラム教徒らの個人情報が多数含まれていた。「共謀罪」法によって、こうした監視が今後、社会に網の目のように張り巡らされていく危険性は否定できない。
 政治的な活動を含めて国民の行動が警察権力によって脅かされてはならない。監視しようとする側をどう監視するか。国民の側の心構えも必要になってくる。
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170615 【社説】:毎日「強引決着の「共謀罪」法案 参院の役割放棄に等しい」、朝日「国会最終盤 極まる政権の強権姿勢」

2017年06月15日 18時05分15秒 | 時代の記憶
6月15日(木):
  
毎日新聞強引決着の「共謀罪」法案 参院の役割放棄に等しい 2017年6月15日 東京朝刊
  後半国会の焦点である「共謀罪」法案が成立する運びとなった。与党が参院法務委員会での採決を省略し、本会議で可決するという強硬手段を選んだためだ。
  多くの欠陥を抱える法案を是正することなく、決着を急ごうとする与党の強引さに驚く。
  「共謀罪」法案は準備・計画段階でも犯罪の処罰を可能とする。刑事法の体系を大きく変える法案だ。
  政府は国際組織犯罪防止条約の締結に必要だと説明してきた。
  だが、一般人が警察の捜査対象となり、監視社会に道を開く懸念を衆院段階では払拭(ふっしょく)できなかった。
  だからこそ、参院では対象犯罪を大幅に絞り込むなど法案を抜本修正することで「再考の府」の責任を果たすよう、私たちは求めてきた。
  にもかかわらず、参院での法案審議で、政府は不安を解消するどころか、逆に広げた。
  政府は衆院の審議で、法案が適用される「組織的犯罪集団」について「一般人は対象にならない」と説明してきた。ところが、金田勝年法相は集団の構成員でなくても関係がある「周辺者」であれば処罰され得ると新たに答弁した。一般人との線引きをあいまいにする見解である。
  安倍晋三首相は参院審議にあたり「できる限り分かりやすい説明をこころがけたい」と国民理解を強調していた。その約束はどうしたのか。
  しかも与党は、法案を修正するどころか委員会で採決すらせず、委員長の「中間報告」で済ますという異例の展開となった。
  参院法務委員会は公明党議員が委員長を務める。与党が委員会で採決を強行しなかったのは、公明党が重視する東京都議選の告示を来週に控えての配慮とみられている。だとすれば、ご都合主義も極まれりだ。
  学校法人「加計学園」の獣医学部新設をめぐる問題も、与党の対応に影響したとみられている。
  文部科学省は内部文書の再調査を進めており、結果が公表されれば野党の攻撃が激化する可能性がある。都議選を控え「加計隠し」のため国会の幕引きを急いだのではないか。
  与党が今国会で成立を目指すのであれば、会期を大幅延長して議論を尽くすべきだった。こんな決着の仕方は、参院の役割放棄に等しい。

朝日デジタル(社説)国会最終盤 極まる政権の強権姿勢  2017年6月15日05時00分
  あまりに乱暴な国会運営だ。とうてい承服できない。
  「共謀罪」法案について、自民党は参院法務委員会での審議を打ち切り、本会議での直接採決に向けて「中間報告」を行うことを提案した。民進など野党が激しく反発するのは当然だ。
  中間報告は、国民の代表である国会議員の質問権を事実上奪うものだ。憲法が定める国会への閣僚の出席・発言義務を免ずることにもなる。    提案自体が参院無用論につながりかねない強権姿勢を、与党の参院議員はどう考えるのか。
  政権側の思惑は明らかだ。
  共謀罪法案は何としても成立させる。だが18日までの国会会期を延長する事態になれば、森友学園や加計学園の問題で野党に追及の機会を与えることになる。とにかく早く閉会したい。強引な手法をとっても、人々はやがて忘れるだろう――。
  異なる意見に耳を貸さない。数の力で押し切る。国民を軽視する。くり返し指摘してきた政権の体質が、国会の最終盤に、最悪の形であらわれた。
  法案をめぐる疑問と危惧は、一向に解消されていない。
  国際組織犯罪防止条約に加盟するには法案の成立が不可欠だという政府の主張は、本当に正しいのか。実行されなくても計画の段階で処罰できるようにする共謀罪を、なぜ277もの罪に包括的に導入しなければならないのか。国連の専門家が、政府と異なる見解を明らかにしているのをどう説明するのか。
  まだまだある。
  政府は「一般人」には影響はおよばないと説明するが、それを担保するものは何か。市民団体などに対する不当な監視活動が明らかになっても「正当な業務だ」と開き直る警察当局を、なぜ容認するのか。この先どのようにコントロールし、逸脱・暴走を防ぐのか。
  国民の不安がぬぐえていない状況を見れば、いったん廃案にし、答弁能力に疑問符がつく法相を交代させて出直す。少なくとも、当初の会期にとらわれずに審議を尽くす。それが政治が果たすべき当然の責務だ。
  安倍首相は今月、ニッポン放送の番組で「不安を広げるための議論を延々としている」「あおっているに過ぎない」と野党を批判した。十分な説明ができない政府の責任を棚に上げ、反対する者を徹底的に攻撃する、いつものふるまいである。
  単に共謀罪法案の行方にとどまらない。「熟議」「謙譲」という言葉の対極にあるこの政権の下で、民主主義はどこへ行くのか。懸念がふくらむ。
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170614 サンデー毎日:大日本帝国を呼び戻す共謀罪は治安維持法の再来だ!=保阪正康

2017年06月15日 01時19分45秒 | 時代の記憶
6月14日(水):

サンデー毎日:大日本帝国を呼び戻す共謀罪は治安維持法の再来だ!=保阪正康  2017年5月31日
  「共謀罪」が衆議院で可決されてしまった。市民生活を大幅に阻害し、社会を萎縮させる希代の悪法の強行を、現代史研究の第一人者は、「ファシストの所業」と喝破する。治安維持法によってもたらされた戦前・戦中のファシズムを検証しつつ、私たちの暗澹たる未来を照射する―。(一部敬称略)
  どのような理由があって、この内閣は次々と問題法案を国会で成立させていくのだろうか。たとえば戦後も70年が過ぎたのだから、これまでの「戦後体制をご破算にする」というなら、そう主張すればいい。この国はこれまで国家意識が希薄であったから、「お国が第一」との発想を持ってもらうといって、安保関連法を通し、マイナンバー制度を導入し、少しでも犯罪のにおいをかぎつけたら市民的自由の制限など当たり前というのなら、その主張はファシズムそのものである。私は大反対ではあるが。
  ところがこの政権は、どの方向に進むかの指示器も示さずに、ただひたすら結論ありきで突っ走っている。今回の共謀罪の委員会でのやりとり、国会審議の軽視、疑問がなんら解消しないままの法案成立を見ていて、今この国が向かっているのは、明らかに自省なき大日本帝国への回帰なんだ、と断定してかまわない。安倍首相は一言も口にしないが、自らの在任中に大日本帝国を再構築しようと企図していると考える以外にない。
  共謀罪の審議でもっとも重要な点は、その条文やこの法律そのものの内容もさることながら、単純にこの法律によって私たちの健全な社会生活は著しく阻害されるということだ。共謀罪をテロ等準備罪と言い換えたところで、その内容は変わるわけではなく、社会が病理を抱えこむ時代になったという意味である。
  「一般の人」論争などはその典型で、安倍首相はある集団が犯罪集団となったら、そこに関わっている人は「一般人であるわけがない」と屈託なく答えた。この無邪気な首相は実は恐るべきファシストなのである。ある集団が犯罪集団であるか否かは警察や検察が決めるというのであれば、一般人はどのような集団ともかかわらないでひたすら他者と関係を持たずに社会生活を営む以外になくなる。
  「妄想」という弾圧する側の病理にとりつかれた
  さて、こうしたことを前提に以下の論を進めることにしていきたい。
  この法律が案として閣議決定(三月二十一日)する直前に、私は『毎日新聞』の取材に応じて「反対」の立場から次のように述べた(三月十九日付朝刊に「社会に病理を生む恐れ」との見出しがついている)。
  「法は自己目的化することがある。戦前の治安維持法も、作られた当初は、天皇や私有財産を否定する団体を取り締まることが目的だった。しかし、徐々に取り締まりの対象が自由主義者、宗教、さらに国家主義者へと変わっていった。起訴率を高めるために取り調べに拷問も使われた。一般の人たちには関係のない法律だったはずが、考えられないほど増幅し、歯止めが利かなくなっていった。治安立法の怖さとはそういうものなのだ。(以下略)」
  私はこの法律が国会に上程されるときからこのように考えていたが、結果的にこういう不安がむしろ当たり前になってしまった。
  昭和史(とくにその前期)のファシズム体制を検証していて、治安維持法に基く捜査がどれほど社会生活を萎縮させるかはこれまで一貫して語られてきた。結局、この治安立法は、特高警察による自白を引き出すための拷問や、ごく一般人の社会生活も予防拘禁といった形で制限されたり、さらには特別要視察人として自らがたまたま入会していた文化サークルの中に一人の非社会的犯罪を夢想する者がいてその人物が逮捕されるなどすることで、一般人も一生監視されることにもなりかねない怖さを持ってきた。
  そんな昭和の光景がこれからは日々繰り返される法的根拠ができあがっていく。それが「社会が病む」という状態であった。
  昭和前期に特高警察に身を置いた刑事、治安維持法容疑で逮捕された宗教人、自由主義者、そしてごくふつうの市民(当時は臣民といったわけだが)など数十人に私は証言を求めてきた。それは結果的に社会が病むとはどういうことか、を知ることになったのだ。
  まず初めに後藤田正晴、鈴木俊一などかつての内務省の官僚だった人物十人余に、大日本帝国下で内務省はどのような役割を果たしたのかを聞いていて、奇妙な言を何度か聞かされた。
  それは「私は地方局育ちだから」という語である。内務省の地方局育ちは、ゆくゆくは官選知事になる。ありていにいうなら、ある県の県民の生活を守る、あるいはその環境を守ることを任務とする。しかし内務省育ちの人が、「地方局育ちだから」というときに、そこには警保局育ちで特高警察をフルに使って国民の弾圧に奔走した人たちとは肌が違う、との意味をこめていることに気づいたのだ。
  「あの人は警保局育ちだから」というとき、そこには国民を弾圧するという発想しかないことを、いみじくも表しているのである。事実を言えば、同じ内務省にあっても、私は国民を、あるいは国民の思想を弾圧する側には与(くみ)さなかったと告白しているのである。
  戦後の保守党の代議士の出身母体を見ていくとわかるが、内務省警保局出身の政治家は大体が右派グループに属し、常に治安維持を至上命令とし、そのための法律づくりに走り回っている。その言は、現実を見ているのではなく、国民がいつ共産主義者になるかわからない、反政府的分子になるかわからないとの妄想にも似た言を弄していたことが今は容易にわかる。
  弾圧する側の病理にとりつかれてしまっているのだ。私は昭和のある事件の被害者がいかに特高警察に弾圧されたか、犯罪の意思などないのに拷問を何度も受け精神異常になった人たちの関係者の証言を聞いたのだが、そのことを当時の特高関係の責任者(戦後は自民党右派の議員)は一片の同情すら持っていないのに驚いた。
  平気で拷問できるのが「有能な刑事」
  思想犯の取り調べにあたった元特高警察の刑事たち(複数)にも、昭和四十年代に話を聞いたのだが、あえてそのときのメモをそのまま以下に紹介したい。
  「我々ヒラ刑事もアカ(注・共産主義者のこと)の見分け方などの教育を受けたんだが、そんなことよりも疑いのある団体の連中を引っぱってきて強引に調べれば大体は我々の思いどおりに自白するよ。強引に調べればの意味? あのころは拷問は当たり前。といってもふつうの刑事はそんなに殴ったり蹴ったりできないよ。どこかで自制する気持ちもあるからね。しかしそんなことまったくかまわずに、女性でも少年でも棒で殴る、道端に連れていって叩(たた)きつける、小道具を使って痛めつける、細かくは言いたくないけどね。そして自白をとる。予審判事の覚えもよくなるから、そんな刑事ほど有能でできる奴(やつ)となったね。戦後は復讐(ふくしゅう)を恐れて姿を消した者もいる……」
  こうした話を聞いていくと、特高警察の刑事たちの中では平気で拷問を続けることができるのが有能で、仕事のできる刑事、となるのだ。官僚機構の末端で、こうした汚れ役を担わされた拷問刑事は、思想犯として逮捕されるのを恐れている人たちや、やはり刑事仲間でも「超有名人」だったという。実際にこうした刑事に取り調べを受けた宗教家は、「おまえなんか非国民だから殺したっていいんだ」と言われ、その刑事のシナリオに合うように自白を強要されて拷問を受けたという。

  「小柄な男で、ガラス玉のような感情のない目をしていた刑事で、その残酷さは有名でしたね」
  そんな刑事たちは、T署のAとか、K署のBとかと、すぐに名指しされることに、私は驚いた。そういう刑事たちの名は、昭和二十年四月、五月から、警察署の名簿から消えていった。敗戦とともに、拷問を加えた容疑者たちからの復讐を恐れてのことという(戦後、実際にそういう刑事が探しだされて集団ですさまじいリンチを受けた事件が幾つかあったと証言する刑事もいる)。
  これは原子物理学者の武谷三男から聞いた話だが、戦争末期にやはり治安維持法違反で逮捕されたというのだが、初めは拷問まがいの取り調べを受けたという。ところが敗戦が近くなると、刑事たちは「先生」と言いだし、それで署内で原子爆弾の説明を求められて、署員を前に講演したという。同志社大学の教授だった和田洋一(私の恩師なのだが)は、京都で新村出、中井正一、久野収らと同人誌「土曜日」を戦時下に細々と刊行した。和田は共産主義には批判的なクリスチャンだったが、特高刑事により治安維持法違反で逮捕されている。昭和十八年である。
  その刑事は、「おまえは一日二十四時間のうち一分一秒でもいいから、共産主義はいいと思っただろう」と問われている。自分はこの思想には反対だというと、「そんなことはいい。一分一秒でもいいから思ったことあるだろう」とあまりにも執拗(しつよう)なので、「一秒ぐらいならあるかもしれない」と答えると、「それだよ。おまえは治安維持法違反なんだ」と言われた。この顛末(てんまつ)を和田は戦後になって『灰色のユーモア』という書の中で明かしている。
  治安維持法の容疑者として逮捕され、その後釈放された者たちが一様に語っているが、戦争末期になると特高刑事たちは、そういう容疑者宅を回って、「俺はあんたを拷問していないよな。そのことを一筆書いてくれんか」と頼んで歩いたとのエピソードもある。
  「あんた、俺を殴ったではないか」「いやあ一発二発ぐらいは大目に見ろよ」といった会話が交わされたというのである。
  ファシズムは「行政独裁」と同義語
  こうした話を幾つも集めていくと、治安維持法が暴走していくプロセスが、人間社会の思惑と計算をこめてのことであり、ひとたび弾圧機構が自己回転していくととんでもない形になることがわかる。
  治安維持法は敗戦という事態でその醜悪な部分を露呈したのだが、共謀罪がもしこのような形で暴走するならば、歯止めはどのような形で収まるのだろうか。最低限度、共謀罪は取り調べの可視化が前提になるというのは当然のことであろう。
  すでに多くの論者が指摘しているように、治安維持法は当初は共産主義系団体やその構成員を対象にしていた。しかし、昭和八年の鍋山貞親や佐野学ら指導部の転向声明を機に、実質的に共産主義者は存在しえない状態になった。そこで特高警察は機構を縮小していったか。
  そんなことはない。むしろその体制を拡大して自由主義者、宗教家、文化人、労働者などのつくっている団体とそこに関係する「一般人」をターゲットにしていく。それを根絶やし状態にすると次は国家主義、民族主義陣営(いわゆる右翼)にとシフトしていく。
  太平洋戦争下では、戦時立法とからませながら軍事に抗する人たちをも個の中に入れていく。その自己増殖の激しさは、驚くほどのスピードで進んでいくのだ。
  昭和十八年一月一日、首相官邸でこの日の『朝日新聞』の朝刊の東方同志会・中野正剛による「戦時宰相論」を読んだ東條英機首相は、司法相の松阪広政にすぐに電話を入れ、中野の逮捕を命じている。中野は、検事による取り調べを受けるが、とくに該当する罪名はなく釈放。東條は憲兵隊に命じて中野の身柄を拘束して脅している。中野は「断」という一字を残して自決している。
  軍事独裁といい、ファシズムという。しかしこれは何も特別の事態を意味するのではない。東條の例を見てもわかるとおり、行政独裁と同義語なのである。行政、立法、司法の三権は分立しているのではなく、行政の下に立法も司法も隷属していることを指している。
  かつて安倍首相は「私は立法府の長である」と言って、あわてて取り消したというが、その心情は行政独裁国家にしますとの意思表示だったと考えれば、決して不思議ではない。しかも今回の共謀罪は統治主義から人治主義に変わる意味もある。この内閣の議会での答弁の、人を喰ったような内容は、行政独裁ならぬ「安倍独裁」との意味さえある。
  テロ準備罪と名を変え、国連からの忠告も無視する動きを見ていくと、私たちの二十一世紀は暗澹(あんたん)とした気持ちになってくる。私たちは今、「昭和の怪物」よりはるかに凶々(まがまが)しい「平成の怪物」の下に身を置いているのかもしれない。
 (この項、了) (ノンフィクション作家・評論家 保阪正康) (サンデー毎日6月11日号から)
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6 076 吉田秋生「海街diary 8 恋と巡礼」(小学館:2017)感想4 

2017年06月14日 23時57分25秒 | 一日一冊読書開始
6月14日(水):  

185ページ     所要時間3:35      アマゾン新本589円

著者61歳(1956生まれ)。

最新号。さすがに古本は無理なので新本を注文した。内容的には一番起伏・変化に乏しい巻だと思う。不満を言ってるのではない。これでよいのだ。相変わらず登場人物にはきちんと行き届いたそれぞれの人格と歩みが与えられている。難点を言えば、悪人がいない。問題はあってもみんなが人の良い「オーディナリー・ピープル(普通の人たち)」なのだ。悪人を読みたければ他の作品を読めばいい。

本巻に期待していたのは、ただ一つ。登場人物たちの普通の幸せの実現のみだ。そして、それは十分に達せられた。本巻の内容は、現在進行形の大団円と言える。登場人物は老いも若きも皆、それぞれに生き続けるのだ。ならば、その進行形のあり方が幸せに向かっているように思えれば、それが良い物語りの終わり方と言える。

本巻が事実上「海街diary」の完結編ということ。さらに、続いても、それはスピンオフであったり、新たな物語りの始まりであって、これまでの物語りとしては、本巻で完結である。

【目次】「乙女の祈り」「恋と巡礼」「姉との旅」「満月と言霊(ことだま)」
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170612 国会が死にかけている 世界平和アピール七人委員会 *現状既にファシズムそのもの

2017年06月12日 22時23分11秒 | 時代の記憶
6月12日(月):

リベラル21安倍政権は民主主義を殺そうとしている 世界平和七人委が「共謀罪」法案審議で緊急アピール  
2017.06.11 岩垂 弘(ジャーナリスト) 
  世界平和アピール七人委員会は6月10日、「国会が死にかけている」と題する緊急アピールを発表した。
  世界平和アピール七人委は、1955年、世界連邦建設同盟理事長で平凡社社長だった下中弥三郎の提唱により、人道主義と平和主義に立つ不偏不党の知識人有志の集まりとして結成され、国際間の紛争は武力で解決してはならないを原則に、日本国憲法の擁護、核兵器禁止、世界平和実現などについて内外に向けアピールを発表してきた。今回のアピールは125回目。
  現在の委員は、武者小路公秀(国際政治学者)、土山秀夫(元長崎大学学長)、大石芳野(写真家)、小沼通二(慶應義塾大学名誉教授)、池内了(名古屋大学名誉教授)、池辺晋一郎(作曲家)、髙村薫(作家)の7氏。
  アピールは参院で審議中の「共謀罪」法案に対する安倍政権の対応について論評を加えたものだが、「法案をほとんど理解できていない法務大臣が答弁を二転三転させ、まともな審議にならない。安倍首相も、もっぱら質問をはぐらかすばかりで、真摯に審議に向き合う姿勢はない」「政府は国会で、あえて不正確な説明をして国民を欺いているのである」と断じ、「安倍政権によって私物化されたこの国の政治状況はファシズムそのもの」「この政権はまさしく国会を殺し、自由と多様性を殺し、メディアを殺し、民主主義を殺そうとしているのである」と批判している。
  アピールの全文は次の通り。

     国会が死にかけている
     世界平和アピール七人委員会
  武者小路公秀 土山秀夫 大石芳野 小沼通二 池内了 池辺晉一郎 髙村薫

                
  かつてここまで国民と国会が軽んじられた時代があっただろうか。
  戦後の日本社会を一変させる「共謀罪」法案が上程されている国会では、法案をほとんど理解できていない法務大臣が答弁を二転三転させ、まともな審議にならない。安倍首相も、もっぱら質問をはぐらかすばかりで、真摯に審議に向き合う姿勢はない。聞くに耐えない軽口と強弁と脱線がくりかえされるなかで野党の追及は空回りし、それもこれもすべて審議時間にカウントされて、最後は数に勝る与党が採決を強行する。これは、特定秘密保護法や安全保障関連法でも繰り返された光景である。
  いまや首相も国会議員も官僚も、国会での自身の発言の一言一句が記録されて公の歴史史料になることを歯牙にもかけない。政府も官庁も、都合の悪い資料は公文書であっても平気で破棄し、公開しても多くは黒塗りで、黒を白と言い、有るものを無いと言い、批判や異論を封じ、問題を追及するメディアを恫喝する。
  こんな民主主義国家がどこにあるだろうか。
これでは「共謀罪」法案について国内だけでなく、国連関係者や国際ペンクラブから深刻な懸念が表明されるのも無理はない。そして、それらに対しても政府はヒステリックな反応をするだけである。
  しかも、国際組織犯罪防止条約の批准に「共謀罪」法が不可欠とする政府の主張は正しくない上に、そもそも同条約はテロ対策とは関係がない。政府は国会で、あえて不正確な説明をして国民を欺いているのである。
  政府と政権与党のこの現状は、もはや一般国民が許容できる範囲を超えている。安倍政権によって私物化されたこの国の政治状況はファシズムそのものであり、こんな政権が現行憲法の改変をもくろむのは、国民にとって悪夢以外の何ものでもない。

  「共謀罪」法案についての政府の説明が、まさしく嘘と不正確さで固められている事実を通して、この政権が「共謀罪」法で何をしようとしているのかが見えてくる。この政権はまさしく国会を殺し、自由と多様性を殺し、メディアを殺し、民主主義を殺そうとしているのである。
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170612 大田昌秀氏、逝去。その死を悼み、ご冥福をお祈り申し上げますm(_ _)m。

2017年06月12日 21時35分26秒 | 時代の記憶
6月12日(月):    

沖縄から日本の採るべき道を照らしだしてくれる灯台のような存在だと感じていました。残念です。ご冥福をお祈り申し上げますm(_ _)m。

琉球新報大田昌秀氏が死去 沖縄県知事、参院議員など歴任  6/12(月) 14:49配信
  鉄血勤皇隊として苛烈な沖縄戦を体験し、沖縄県知事や参院議員などを歴任し、基地問題の解決や平和行政の推進、県経済の発展などに取り組んだ大田昌秀(おおた・まさひで)氏が12日午前11時50分、呼吸不全・肺炎のため那覇市内の病院で死去した。92歳。久米島町出身。
  大田氏は1925年生まれ。45年、県師範学校在学中に鉄血勤皇隊に動員され、九死に一生を得た。早稲田大学を卒業後、米国に留学し、後に金門クラブの会員にもなった。68年に琉球大教授に就任し、メディア社会学を専攻し、新聞研究・報道研究などに従事した。1990年に革新統一候補として県知事選に出馬し、現職だった故・西銘順治氏を破り、12年ぶりに県政を革新に奪還した。歴代知事が問われる沖縄の心について「平和を愛する共生の心」と表現したことで知られる。
  任期中の95年には平和の礎や県公文書館を建設し、平和祈念資料館の移転、改築にも着手した。96年には、基地のない沖縄の将来像を描き、沖縄の自立的発展を目指した「国際都市形成構想」を策定した。さらに、段階的に米軍基地を全面返還させるとした「基地返還アクションプログラム」をまとめ、国に提案した。国際都市形成構想の理念は現在の沖縄振興計画「沖縄21世紀ビジョン計画」に引き継がれている。
  基地問題を巡っては、歴代知事では最多の計7回訪米し、基地の整理縮小などを直接訴えた。95年には、米兵による少女乱暴事件が発生。地主が契約を拒んだ軍用地について、地主に変わって土地調書に署名押印する代理署名を拒否し、国に提訴された。
  98年の知事選で稲嶺恵一氏に敗れたが、2001年の参院選に社民党から出馬し、当選した。07年の参院選には出馬せず政界を引退した。
  研究者としての顔も知られ、とりわけ沖縄戦や高等弁務官の調査研究に力を注ぎ、住民視点から沖縄戦とその後の米軍統治下時代の実相を広く世に伝えた。著書は「沖縄―戦争と平和」「醜い日本人」「沖縄のこころ―沖縄戦と私」「沖縄 平和の礎」「これが沖縄戦だ」「総史沖縄戦」「沖縄の民衆意識」など70冊を超える。1998年には、沖縄研究で顕著な業績を挙げたとして東恩納寛惇賞を受けたほか、2009年には琉球新報賞を受賞した。2017年には、ノーベル平和賞候補にノミネートされた。【琉球新報電子版】
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170612 一年前:160611 70万PV超:原点確認再掲 鳩山由紀夫総理大臣「施政方針演説」(2010年1月29日)

2017年06月12日 21時08分46秒 | 一年前
160611 70万PV超:原点確認再掲 鳩山由紀夫総理大臣「施政方針演説」(2010年1月29日)

6月11日(土):  記録ですm(_ _)m。ブログの開設から1708日。 アクセス:閲覧 976PV/訪問者 184IPトータル:閲覧 700,580PV/訪問者 193......

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170611 小沢一郎ツイッターをカバーしてみた。民進党の取るべき道は、小沢一郎さんの自由党と合併して指導を仰ぐことだ!

2017年06月11日 17時58分36秒 | 時々刻々 考える資料
6月11日(日):

小沢一郎さんのツイッターを、初めてカバーしてみた。小沢さんは、しっかりと見えている。年齢的な問題はあるが、民進党は指導を仰ぐべきだ。 民主党(現民進党)の最大の過ちイコール国民への裏切りは、自民党世襲王国に入りたいけど入れない保守崩れの松下政経塾の半端者どもが支持者・国民を無視して勝手に、創業指導者の鳩山由紀夫元総理、小沢一郎氏を追い出して、党を乗っ取り、したり顔で中途半端な保守政治に走ろうとして経験不足を露呈したことにある。

民進党の取るべき道は、小沢一郎さんの自由党と合併して、民主党に戻って、福島瑞穂さんの社民党と連立を組み、共産党と協力して、市民団体、労働者を味方につけて、安倍自民・オカルト学会政権と対峙することだ。連合という特権団体とはいったん手を切ってケースバイ・ケースの関係にすればいい。

小沢一郎(事務所)‏認証済みアカウント @ozawa_jimusho · 6月10日
美しい国・・・。総理夫妻とそのお友達のために公務員が血眼になって御奉仕する国。お友達のために国の政策や法律の解釈までもが簡単に歪められる国。一度敵となれば、私人であっても公的機関やメディアまで使って弾圧される国。安倍総理にとっての美しい国は、国民にとって確実におぞましい国である。

小沢一郎(事務所)‏認証済みアカウント @ozawa_jimusho · 6月9日
文科省が「総理のご意向」文書の存否を再調査との報道。本当にバカじゃないだろか。資料があるなんてことは初めからわかっている。そのうえで「上」から威圧して醜く隠ぺいしていただけ。救いがたい「嘘つき」である。もはや教育政策を策定する側ではなく「公務員教育」をはじめから施されるべき存在。

小沢一郎(事務所)‏認証済みアカウント @ozawa_jimusho · 6月8日
本当に恐ろしい政権である。ひとたび「敵」とみなせば、私人であろうが、あらゆる公的機関やメディアを手先として人格攻撃し、省庁の現役職員まで認めている事実もなかったことにする。しかし、単に力でねじ伏せようという手法では嘘が嘘を呼び、もはや収拾がつかなくなりつつある。国民は括目すべき。

小沢一郎(事務所)‏認証済みアカウント @ozawa_jimusho · 6月8日
本日午前、野党4党党首会談を行いました。終盤国会に向け、共謀罪法案成立阻止や安倍政権下での憲法9条改悪反対、加計学園、森友学園疑惑の徹底究明等について一致結束していくということで合意しました。先進国とは到底考えられない、戦後最悪の安部政治と徹底的に闘って参ります。

小沢一郎(事務所)‏認証済みアカウント @ozawa_jimusho · 6月6日
野党議員の質問に対し「いいかげんなことばっかしいうんじゃないよ!」とやじったかと思えば、質問終了後には「くだらない質問で終わっちゃったね笑」。昨日テレビでも流れていた安倍総理の発言である。再調査すら拒否。結局は国民が馬鹿にされているということ。安倍総理は皆が忘れるのを待っている。

小沢一郎(事務所)‏認証済みアカウント @ozawa_jimusho · 6月5日
お友達のために省庁を「総活躍」させて政策を捻じ曲げたり、あからさまに司法・警察に介入したり、メディアを手先として、意趣返しに「私人」の人格攻撃を行ったり、こんな滅茶苦茶な政権は戦後初。もはや法治国家でもなんでもなく、安倍総理が大好きな旧い時代へ逆戻り。いま止めないと、明日はない。

小沢一郎(事務所)‏認証済みアカウント @ozawa_jimusho · 6月3日
いじめ事件の場合、初めは保身から教育委員会や学校でいじめはなかったとされるケースも多い。批判を浴び、ばれてから謝罪。こうした事のないよう法改正が行われてきたはず。真実を明らかにするよう指導すべき文部科学省自らが口裏合わせや隠蔽を教えて一体どうするのか?国民は何を信じれば良いのか。

小沢一郎(事務所)‏認証済みアカウント @ozawa_jimusho · 6月2日
どうやら総理の御意向文書がかなり広く共有されていたことが明らかとなりつつある。大臣も返答に困り、逃げ回っている。これが教育を司る大臣とその省の姿である。総理個人を守るため行政の信頼もかなぐり捨てる。これ以上嘘をつき続ければ、文科省は再起不能になる。職員はよくよく考えるべきである。

小沢一郎(事務所)‏認証済みアカウント @ozawa_jimusho · 6月2日
<加計問題共有メール>文科省、終始逃げ腰「文書出所不明」(毎日新聞) - Yahoo!ニュース https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170602-00000123-mai-soci … @YahooNewsTopics

小沢一郎(事務所)‏認証済みアカウント @ozawa_jimusho · 6月2日
日銀のバランスシートが初めて500兆円を突破。もともとの3倍にまで膨らみ、今やGDPに匹敵する規模。この間、2%の物価目標には程遠く、実質賃金も上がっていない。アベノミクスの人々はだんまりを続け、憲法改正等への争点ずらし。異次元級のリスクについて、安倍総理には説明する義務がある。

小沢一郎(事務所)‏認証済みアカウント @ozawa_jimusho · 6月2日
信じられない暑さが続いております。クロもチャイも少しバテ気味です。

小沢一郎(事務所)‏認証済みアカウント @ozawa_jimusho · 6月1日
総理や官房長官が知らないやってないといくら言っても、誰が信じるのか。補佐官、参与、副長官、次から次にズブズブの関係が明らかになっている。お友達のために国策そのものを歪める。戦後こんな例はない。現場も内心うんざりしているはず。総理は国に対する信頼を破壊した責任をとらないといけない。

小沢一郎(事務所)‏認証済みアカウント @ozawa_jimusho · 6月1日
萩生田光一官房副長官「落選中に加計学園から報酬」(産経新聞) - Yahoo!ニュース https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170601-00000541-san-pol … @YahooNewsTopics

小沢一郎(事務所)‏認証済みアカウント @ozawa_jimusho · 5月31日
一体どういう内閣だろう。内閣補佐官に加え、内閣参与(しかも文科官僚OBで加計学園理事!)までが「獣医学部の件は早く進めて欲しい。文科省は従えばいい」と前次官に迫ったとの報道。今やこの国の行政は完全に歪み、戦後最悪の様相を呈している。安倍内閣は逃げずに説明を。できなければ総辞職を。

小沢一郎(事務所)‏認証済みアカウント @ozawa_jimusho · 5月30日
権力者が自分やお友達に都合の悪い捜査をやめさせたり、都合の悪い相手を陥れるため捜査権を濫用したり、お友達のために国を挙げて便宜を図ったり、国有地を格安で払下げたり、そういうことが横行すれば政府への信頼は失われ、社会秩序は崩壊する。そういう国にするもしないも最終的に国民次第である。

小沢一郎(事務所)‏認証済みアカウント @ozawa_jimusho · 5月30日
前川氏喚問は必要なし=「加計」問題で与党(時事通信) - Yahoo!ニュース https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170530-00000036-jij-pol … @YahooNewsTopics

小沢一郎(事務所)‏認証済みアカウント @ozawa_jimusho · 5月29日
「総理は言えないから私が」と首相補佐官が…前次官証言(朝日新聞デジタル) - Yahoo!ニュース https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170530-00000008-asahi-pol … @YahooNewsTopics

小沢一郎(事務所)‏認証済みアカウント @ozawa_jimusho · 5月29日
内閣人事局の省庁幹部用「人事評価記録書様式」のトップに来る第一の評価項目は「倫理」。そこには「国民全体の奉仕者として高い倫理観を有し・・」と書いてある。現状は全く逆。いっそのこと全体の奉仕者のくだりを「総理個人の奉仕者」に書き換えたらどうか。公務員は今こそ正しい心を取り戻すべき。

小沢一郎(事務所)‏認証済みアカウント @ozawa_jimusho · 5月26日
元事務方トップの告発に対し閣僚達が総掛かりで人格攻撃。再調査すらやらないという。今や国家権力が私物化され、濫用される、そんな国にまで成り下がってしまった。これのどこが美しい国なのか。日本を取り戻すどころか、大切なものをどんどん失っている。まず初めに取り戻されるべきは公務員の良心。

小沢一郎(事務所)‏認証済みアカウント @ozawa_jimusho · 5月26日
前次官が総理の御意向文書が本物で官邸の指示で行政が捻じ曲げられたと証言したことに関し、文部科学大臣が「現状で再調査をする考えはない」と明言。毎日学校では子供たちに「嘘をついてはいけない」「悪いことをしてはいけない」と教えているはず。こうなると、もはや教育上良くない。恥を知るべき。

小沢一郎(事務所)‏認証済みアカウント @ozawa_jimusho · 5月25日
与党が前文科次官の国会招致を拒否。いい加減誰が嘘をついていたか明らか。政権が総理の不正を隠すため、「総活躍」で「共謀」して臆面もなく嘘をつく。そして嘘がばれる。現代行政国家にとって、これほどの絶望はないだろう。安倍総理が特区で壊したのは、岩盤規制などではなく、国への信頼そのもの。

小沢一郎(事務所)‏認証済みアカウント @ozawa_jimusho · 5月24日
ついに当時の次官が総理のご意向文書が本物だと証言したとの報道。結局共謀罪法案成立に狂奔する政権そのものが事実隠蔽のため共謀していた訳だ。日本の行政はここまで堕ちた。今こそ心ある行政官は安部総理や夫人ではなく、国民の利益を守るため、この国の将来のため、隠さず事実を話してもらいたい。

小沢一郎(事務所)‏認証済みアカウント @ozawa_jimusho · 5月24日
文科省前事務次官が「総理のご意向」文書は「本物」と証言(文春オンライン) - Yahoo!ニュース https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20170524-00002612-bunshun-pol … @YahooNewsTopics

小沢一郎(事務所)‏認証済みアカウント @ozawa_jimusho · 5月24日
加計学園に関する新聞報道について「言論テロ」などと批判したフェイスブック上の投稿に対し、安倍総理自ら「いいね!」ボタンを押していたとのこと。総理としての自覚、最高権力者としての謙虚さ「ゼロ」。総理としては明らかに「おぞましい」行為で極めて低レベル。腐敗をこれ以上広げてはならない。

小沢一郎(事務所)‏認証済みアカウント @ozawa_jimusho · 5月23日
<加計学園>学部新設 特区要件、加計学園向けに(毎日新聞) - Yahoo!ニュース https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170523-00000116-mai-soci … @YahooNewsTopics


小沢一郎(事務所)‏認証済みアカウント @ozawa_jimusho · 5月23日
小沢一郎(事務所)さんが小沢一郎(事務所)をリツイートしました

まもなく定時登録締め切りです♪
自由党岩手県第4区総支部(小沢一郎事務所)経由で「自由党 党員・サポーター」にご登録をご検討中の方は、お早めにお手続き願います。 #小沢一郎
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小沢一郎(事務所)‏認証済みアカウント @ozawa_jimusho · 5月23日
加計学園、森友学園・・・。みんな構図は一緒。総理・総理夫人のお友達だからということで、国の行政機関が総力を挙げて、気持ち悪いほど御奉仕をする。証拠文書は全部廃棄する。見つかると、そんなの知らないという。今見せられているのは悪夢ではなく現実。一強多弱政治の最悪の「最終形態」である。

小沢一郎(事務所)‏認証済みアカウント @ozawa_jimusho · 5月22日
自民党厚生労働部会で「がん患者は働かなくていい」という汚いヤジが飛んだとのこと。「学芸員はガン」「震災が東北のあっちで良かった」など、大臣・議員の資質以前に人間性の問題。問題は国民が腐敗臭に慣れつつあること。腐敗ガスで爆発する前に安倍政権という腐敗の「元凶」を取り除く必要がある。

小沢一郎(事務所)‏認証済みアカウント @ozawa_jimusho · 5月22日
財務局、地盤改良費5億円減も要請 森友への売却前評価(朝日新聞デジタル) - Yahoo!ニュース https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170522-00000017-asahi-soci … @YahooNewsTopics

小沢一郎(事務所)‏認証済みアカウント @ozawa_jimusho · 5月22日
昨日は首都圏奥州市江刺人会総会に出席させていただきました。ますます故郷をもり立てていただきたいとお願いさせていただきました。皆さんありがとうございました。

小沢一郎(事務所)‏認証済みアカウント @ozawa_jimusho · 5月19日
文科大臣の会見。「文書は確認できませんでした!」。予想通り。そんなわけない。不誠実で、正に隠蔽の極み。この国の行政は今「全体の奉仕者」というプライドを自らズタズタに引き裂いている。このままでは我が国の行政に未来はない。徹底的に闇を暴いて行かなければならない。

小沢一郎(事務所)‏認証済みアカウント @ozawa_jimusho · 5月19日
加計学園「総理の意向」文書、文科省は「存在確認できず」と発表。個人PC調べず野党は批判(BuzzFeed Japan) - Yahoo!ニュース https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170519-00010008-bfj-pol … @YahooNewsTopics

小沢一郎(事務所)‏認証済みアカウント @ozawa_jimusho · 5月19日
このたび旧知の文喜相議員を団長とする大韓民国文在寅新政府日本特使団の皆様方の訪問を受け、親しく懇談をさせていただきました。日韓関係の重要性と、早期関係改善の不可欠性について確認させていただきました。
#小沢一郎

小沢一郎(事務所)‏認証済みアカウント @ozawa_jimusho · 5月19日
共謀罪・・・。いま本当に「共謀」しているのは誰だろう。

小沢一郎(事務所)‏認証済みアカウント @ozawa_jimusho · 5月18日
「書かれていること事実」 文書に実名の獣医師会顧問(朝日新聞デジタル) - Yahoo!ニュース https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170518-00000096-asahi-pol … @YahooNewsTopics

小沢一郎(事務所)‏認証済みアカウント @ozawa_jimusho · 5月18日
獣医学部“京産大は新設できず” 「加計学園」の波紋(毎日放送) - Yahoo!ニュース https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170518-00000064-mbsnews-soci … @YahooNewsTopics

小沢一郎(事務所)‏認証済みアカウント @ozawa_jimusho · 5月18日
<共謀罪>与党が19日に採決 衆院法務委員会(毎日新聞) - Yahoo!ニュース https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170518-00000107-mai-pol … @YahooNewsTopics

小沢一郎(事務所)‏認証済みアカウント @ozawa_jimusho · 5月18日
加計学園獣医学部新設に関わる文書については内閣府が「最短のスケジュールでやってくれ」「できないという選択肢はない」と文科省を威圧するなど、もはや忖度どころか総理命令と言わざるを得ない内容。昨日文書の真偽を問われた文科省担当課長は狼狽。全体の奉仕者たる公務員の良心が今問われている。

小沢一郎(事務所)‏認証済みアカウント @ozawa_jimusho · 5月17日
加計計画「できない選択肢ない」 内閣府要求の日時記録(朝日新聞デジタル) - Yahoo!ニュース https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170518-00000013-asahi-soci … @YahooNewsTopics

小沢一郎(事務所)‏認証済みアカウント @ozawa_jimusho · 5月17日
加計学園の獣医学部新設について内閣府が「官邸の最高レベルが言っている」「総理の御意向だと聞いている」と明言したとの報道。「すべての公務員は、全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではない」憲法第15条。総理自らがお友達の奉仕者となり、多くの公務員を動かすことは明らかな憲法違反である。
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170610 94万PV超:昨夜の<雑文>の手直し。所詮、駄文は駄文。個人的実感を述べたのみ。

2017年06月11日 17時08分02秒 | 閲覧数 記録
6月10日(土):記録ですm(_ _)m。ブログの開設から2072日。  

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6月10日(土):
NHK映像の世紀プレミアム 第5集「グレートファミリー 巨大財閥の100年」を2度観た。そして、おかしな気分になった。内容よりも、自分自身の中で今まで「歴史上の遠い出来事なのだ」と思っていたことが、「意外と身近な過去である」と実感するようになったのだ。これは俺自身の加齢によるとても個人的な感覚の変化ということができる。

今までは、昔を懐かしむことはあっても「世の中、特に日本社会は、そうそう簡単に変わらない」と思い込んできた。違和感を覚えることも多くなっていたが、やはり<戦後>という言葉が生きていて、「あんな愚かな戦争を繰り返さない限り、日本は大丈夫だ! 何とかなる。変わらない」とどこかで安心していた。この感覚は、戦後半世紀以上生きてきた人間同士では共有してもらえると思う。

実感としても、「20年、30年は大した時間ではない。昔ではない。その程度はあっという間だ」と片づけてきた。歳を重ねるほど、一年間の長さの感覚が短くなっていくのは仕方がない。光陰矢の如し! 俺が生まれた1960年代初頭から50年余り、随分と世の中の風景は変わったが、俺自身の内面では「世の中の本質が変わる」「世の中の流れが変わる」とは絶対に認めたくなかった。

だが、最近どうも様子がおかしい。具合が悪いのだ。この「映像の世紀プレミアム第5集」を観ていて、ごく自然に「人間一人が生きる半世紀は、世界にとって決して短くない。世の中はか確かに変わる。」「戦後72年なのか? 冷戦後26年なのか? 21世紀になってから17年なのか? どれかはよくわからないが、どれも世の中が変わるには十分な時間が流れたのだ。世の中は、世界も日本も(あの戦争の愚かさを忘却して繰り返せるほどに)既に大きく変わってしまっているのだ。」とすとんと腑に落ちた。同時に「希望と理想を捨てず、諦めずに努め続けるべきだ!」と思う。

ロックフェラー一族、デュポン、ロスチャイルド、ヒルトン、オナシス、

1917年のロシア革命は、まだ100年前なのだ。
 わずかその間に、ロマノフ朝→ソ連(レーニン、スターリン、フルシチョフ、ゴルバチョフ)→エリツィン→プーチン
1945年、日本敗戦。第二次世界大戦終了。
1948年、韓国・北朝鮮、中華人民共和国、
1962年、キューバ危機
1991年、ソ連崩壊、東西冷戦消滅、湾岸戦争から今年は26年目。
2001年、NY同時多発テロから今年は16年目。
 1945年の敗戦から、16年後の1961年、焼野原だった日本は池田勇人首相の下で所得倍増計画、18年間の高度経済成長の入口を潜っていた。幕末も1853年ペリー来航から1868年明治維新まで15年、わずかその間で数百年?いや千年間、日本で変わらなかった世の中が一変した。
 21世紀を迎えて、既に17年。昨日の今日で明日が来る、ことを信じて疑わなかった。第一次世界大戦から20年後に第二次世界大戦が起こっている。「今は昔と違って、20世紀の戦争に多くのことを学んでいるし、何と言っても核戦争の時代だから軽率な戦争が許される訳がない」と思っている人が多いだろう。俺自身も最近までそうだった。

しかし、すでに前哨戦ともいうべき紛争・テロが世界中に拡散・拡大している。今の世界の動きの背後には、人類史的な第三の革命すなわちIT革命からAI革命というこれまで想像もつかなかった大きなうねりのマグマがこの世界の紛争や問題の背景に強く流れている。その上、世界中に拡大し、まもなく3人に1人がムスリムになろうとしているのに、正当な席が与えられていない。

この抑え難い混沌・混乱へ向かう流れは、先進国の金持ちにも、戦争を厭う多くの人々にも、富の偏在、格差の深化に絶望している多くの人々、過激派、弱者の側にも強烈な力で影響を与えている。

世界がこのままで済むわけはない。人類史的変革と世界宗教の地殻変動を背景に、富の偏在、不公平、社会的格差の深まりへの暴力的な異議申し立てを止められる訳がないのだ。ITとAI、ムスリム過激派は、核兵器がなくてもソフトターゲットへの非常に有効な攻撃を生み出せる。

第二次世界大戦後、矛盾が、表に噴出するには十分過ぎる時間が既に過ぎている。我々は覚悟と責任感をもって、弱者を納得させ、共存のために富を分かち合い、互いの価値を尊重する世界を創造するために、互いの関係を深める努力を積み上げていくべき時期にきている。

※眠剤をかなり摂取して、ふらふらの中で、埒もないことを書いた。でも、俺の現時点での本音だ。テロリズムを力で捻じ伏せられるなんて考えは、どうしようもない低劣な考えだ。

まとまりはないが、これ以上書けない。寝ます。
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150329 タガ外せば歯止め失う 長谷部恭男・早稲田大学教授/「未来志向」は現実逃避 杉田敦・法政大学教授

 杉田 先日ドイツのメルケル首相が来日しました。戦後ドイツも様々な問題を抱えていますが、過去への反省と謝罪という「建前」を大切にし続けることで、国際的に発言力を強めてきた経緯がある。「建前」がソフトパワーにつながることを安倍さんたちは理解しているのでしょうか。  / /長谷部 そもそも談話が扱っているのは、学問的な歴史の問題ではなく、人々の情念が絡まる記憶の問題です。記念碑や記念館、映画に結実するもので、証拠の有無や正確性をいくら詰めても、決着はつかない。厳密な歴史のレベルで、仮に日本側が中国や韓国の主張に反証できたとしても、問題はむしろこじれる。相手を論破して済む話ではないから、お互いがなんとか折り合いのつく範囲内に収めようと政治的な判断をした。それが河野談話です。  / /杉田 談話の方向性や近隣との外交について「未来志向」という言い方がよくされますが、意図はどうあれ、それが過去の軽視という「見かけ」をもってしまえば、負の効果は計り知れない。安倍さんたちは、未来を向いて過去を振り払えば、政治的な自由度が高まると思っているのかもしれません。しかし政治の存在意義は様々な制約を踏まえつつ、何とか解を見いだしていくところにあります。政治的な閉塞(へいそく)感が強まる中で、自らに課せられているタガを外そうという動きが出てくる。しかし、それで万事うまくいくというのは、一種の現実逃避では。  / /長谷部 合理的な自己拘束という概念が吹っ飛んでしまっている印象です。縛られることによってより力を発揮できることがある。俳句は5・7・5と型が決まっているからこそ発想力が鍛えられる。しかし安倍さんたちは選挙に勝った自分たちは何にも縛られない、「建前」も法律も憲法解釈もすべて操作できると考えているようです。  / /杉田 俳句は好きな字数でよめばいいのだと。  / /長谷部 あらゆるタガをはずせば、短期的には楽になるかもしれません。しかし、次に政権が交代したとき、自分たちが時の政府を踏みとどまらせる歯止めもなくなる。外国の要求を、憲法の拘束があるからと断ることもできない。最後の最後、ここぞという時のよりどころが失われてしまう。その怖さを、安倍さんたちは自覚すべきです。 =敬称略(構成・高橋純子)朝日新聞『考論』

0015 オルテガ「大衆の反逆 (桑名一博訳;久野収解説)」(白水社イデー選書;1930)評価5

以下は、オルテガ所論の久野収による抜粋の抜粋である:///  オルテガによれば、政治のなかで「共存」への意志を最強力に表明し、実行していく政治スタイルこそ、自由主義的デモクラシーである。共存は、強い多数者が弱い少数者に喜んで提供する自己主張、他者説得の権利である。敵、それも最も弱い敵とさえ、積極的に共存するという、ゆるがない決意である。/その意味で、人類の自然的傾向に逆行する深いパラドックス(逆説)であるから、共存を決意した人類が、困難に面してこの決意を投げ出すほうへ後退したとしても、それは大きな悲劇ではあっても、大きな不思議とするには当たらない。/「敵と共存し、反対者と共に政治をおこなう」という意志と制度に背を向ける国家と国民が、ますます多くなっていく1930年代、オルテガは、「均質」化された「大衆」人間の直接行動こそが、あらゆる支配権力をして、反対派を圧迫させ、消滅させていく動力になるのだという。なぜなら、「大衆」人間は、自分たちと異類の非大衆人間との共存を全然望んでいないからである。略。///  「大衆」人間は、自分たちの生存の容易さ、豊かさ,無限界さを疑わない実感をもち、自己肯定と自己満足の結果として、他人に耳を貸さず、自分の意見を疑わず、自閉的となって、他人の存在そのものを考慮しなくなってしまう。そして彼と彼の同類しかいないかのように振舞ってしまう。/彼らは、配慮も、内省も、手続きも、遠慮もなしに、「直接行動」の方式に従って、自分たちの低俗な画一的意見をだれかれの区別なく、押しつけて、しかも押しつけの自覚さえもっていない。/彼らは、未開人―未開人は宗教、タブー、伝統、習慣といった社会的法廷の従順な信者である―ではなく、まさに文明の洗礼を受けた野蛮人である。文明の生み出した余裕、すなわち、贅沢、快適、安全、便益の側面だけの継承者であり、正常な生存の様式から見れば、奇形としかいいようのないライフスタイルを営んでいる新人類である。略。///  「自分がしたいことをするためにこの世に生まれあわせて来た」とする傾向、だから「したいことは何でもできる」とする信仰は、自由主義の自由の裏面、義務と責任を免除してもらう自由にほかならない。/われわれは自由主義の生みだした、この「大衆」人間的自由、自己中心的自由に対し、他者と共存する義務と責任をもった自由を保全しなければならないが、一筋縄でいかないのは、この仕事である。(160626:イギリスEU離脱について思うところ=もみ=)