もみさんの一日一冊遊書録( 2011年9月1日 スタート!: メメント・モリ ) ~たゆたえど沈まず~

年とともに人生はクロノロジー(年代記)からパースペクティブ(遠近法)になり、最後は一枚のピクチュア(絵)になる

7 007 池上彰「学び続ける力」(講談社現代新書:2013)感想4

2017年10月13日 01時36分23秒 | 一日一冊読書開始
10月12日(木):  

184ページ    所要時間2:00     ブックオフ108円
著者62歳(1950生まれ)。長野県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業後、1973年、NHK入局。2005年まで32年間(54歳で退職)、報道記者として、さまざまな事件、災害、消費者問題、教育問題などを担当する。1994年から11年間は「週刊こどもニュース」のお父さん役を務めた。現在は、フリージャーナリストとして多方面で活躍中。2012年より、東京工業大学リベラルアーツセンター教授

読み終わって改めて「池上彰にハズレ無し」という言葉が思い返された。池上さんは、まず読者の立場に立って本を書いている。読者の求めていること、読者の姿がよく見えていると言ってもいい。だからいつも、読み終わった後に、実のある達成感を感じさせてくれるのだ。

本書は、東工大リベラルアーツセンター教授に就任した池上さんの考え方、実践がまとめられている。リベラルアーツとは教養のこと、東工大は高度な科学・技術の最前線に学生を送り出す大学として、彼らに社会常識としての「教養」を身につけさせたいと考えてこの学科を作った。

俺は池上さんの本にいつも充足感を覚えるのだが、その池上さんが「すぐに役に立つ知識や技術は、すぐに役に立たなくなる」ということを強調しているのが面白かった。そして、学ぶこと、学び続けることの楽しさ、大切さを様々な角度から本書で論じている。

池上さんの推薦図書として、いじめ問題では、吉野源三郎『君たちはどう生きるか』(岩波文庫:1937)、学ぶことの意味を問うものとして福沢諭吉『学問のすゝめ』が紹介されていた。読む気にさせてくれる紹介だった。

【目次】第1章 学ぶことは楽しい(名刺の力をはずして/まずは刑法、刑事訴訟法から勉強した ほか)/第2章 大学で教えることになった(理科系の大学で教えることになった/リベラルアーツとはどんなものか ほか)/第3章 身につけたい力(ノートのとり方/キーボード入力への懸念 ほか)/第4章 読書の楽しさ(人生を変えた一冊の本/ショーペンハウエルの衝撃 ほか)/第5章 学ぶことは生きること(いまの教養/アメリカの大学の教養教育 ほか)

【内容紹介】池上さんの等身大の学びと生き方論。初めて語った、父の背中に学んだこと。記者時代、コツコツ独学したこと。そして、いま大学で一般教養を教える立場になって考えること。いまの時代に自分らしく生きるための「学び」について考えるエッセイ。 /学ぶことは人生を豊かにする。NHKの記者時代。独立してから。いま大学で教えて。自身の経験から語る「現代版教養のすすめ」

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。