もみさんの一日一冊遊書録( 2011年9月1日 スタート!: メメント・モリ ) ~たゆたえど沈まず~

年とともに人生はクロノロジー(年代記)からパースペクティブ(遠近法)になり、最後は一枚のピクチュア(絵)になる

9 016 保坂和志「書きあぐねている人のための小説入門」(中公文庫:2003、2008)感想4

2020年02月22日 13時09分42秒 | 一日一冊読書開始
2月22日(土):  

356ページ      所要時間1:45       古本市場86円

著者47歳/52歳。1956年、山梨県生まれ。早稲田大学政経学部卒業。93年、『草の上の朝食』で野間文芸新人賞、95年、『この人の閾』で芥川賞、97年、『季節の記憶』で谷崎潤一郎賞と平林たい子賞を受賞

保坂和志という著者を俺は全く知らなかった。これからも作品を読むことはないだろう。本棚で眠っている大量の本と少しでも縁を結んでおきたい。幸い起きた直後のさえた頭なら、1ページ15秒読みで最後まで駆け抜けることができるかもしれない。内容なんてわからなくてもよい。ただ良い作品かどうかは必ずわかるはずだ。

実際に目を這わせ続けた。1:20ほどで247ページの2003年の“あとがき”まで行けた。残りは文庫本で加えられた“創作ノート”である。最後まで、目を這わせて、俺は本書に好感をもった。それなりに時間をかけて読み切れば、感想5になったと思うが、そうすれば俺はこの本と縁を結べなかった。たとえ目を這わせるだけでも、頭のさえた時間に一気に内容を追い切れたということが、本書の値打ちを表していると思う。

芥川賞を受賞し、その後もそれなりの活躍をしている小説家の創作にかける心の内と方法に少しだけだが触れることができたのは良かったと思う。

残り少ない人生、少しでも多くの本と付き合うためには、今回のような読み方(遊書)はどうしても必要になる。本当に価値ある内容だと思えば、再度読み直してカウントすればよいという潔さを持ちたい。

【目次】1章 小説を書くということー感じ、そして考えること/2章 小説の外側からージャズ、アフリカ文学、哲学…/3章 何を書くか?-テーマからの解放/4章 人間を書くということーリアリティとは何か?/5章 風景を書くー文体の誕生/6章 ストーリーとは何か?-小説に流れる時間/7章 テクニックについてー小説を書き始めるためのいくつかの覚書/創作ノート

【内容情報】小説を書くときにもっとも大切なこととは?実践的なテーマを満載しながら、既成の創作教室では教えてくれない、新しい小説を書くために必要なことをていねいに追う。読めば書きたくなる、実作者が教える“小説の書き方”の本。著者の小説が生まれるまでを紹介する、貴重な「創作ノート」を付した決定版。

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