もみさんの一日一冊遊書録( 2011年9月1日 スタート!: メメント・モリ ) ~たゆたえど沈まず~

年とともに人生はクロノロジー(年代記)からパースペクティブ(遠近法)になり、最後は一枚のピクチュア(絵)になる

160515 何度目だろう?山田洋次監督「学校Ⅱ」(1996) 感想4

2016年05月15日 21時49分53秒 | 映画・映像
5月15日(日):  

久しぶりに観た。学校シリーズの中では、一番出来が悪い作品だと思うが、高等養護学校という存在と、そこで働く教師の考え方を世の中に広げる大きな意味のある作品だ。「男はつらいよ」や「釣りバカ日誌」などの喜劇のシリーズを多作しながら山田洋次監督は、世の中に必要なメッセージをたくさん送り届け、世の中に必要な作品もたくさん作り続ける。正しいことは、たくさんの笑いを送り届ける中で一緒に伝える。真面目な顔で正しいことを話すのは不粋の極み。伝わるモノも伝わらない。どこかに遊びが必要なのだ。志の高い喜劇作家こそが最も良き存在なのだと思う。井上ひさしを思い出した。二人には通底するところがある。

ウィキペディアより:高等養護学校を舞台に、重い障害を持つ生徒と軽い障害を持つ生徒の交流・葛藤、就職問題等を入学から卒業までの、3年間の出来事を描いた作品。
ストーリー
留別(りゅうべつ)高等養護学校では、様々な障がいを持つ生徒たちが寮生活を送りながら教育を受けている。2年前この学校に入学してきたのは、いじめに遭って以来一言も話さなくなった高志や言語障害と歩行障害がある佑矢たち。彼らを受け持つのは、クラス担任の竜平とそれをサポートする玲子、それに新人教師・小林の3人。佑矢は特に手のかかる生徒で、すぐに暴れ回るため小林はつきっきりでその対応に追われる。竜平たちは長い月日をかけて生徒との関係を築いていく。しかし3年生になった高志はある日、佑矢を連れて「買い物へ行く」と寮を出たまま失踪する。
Amazonレビュー:
北海道の小さな町にある養護学校。リュー先生(西田敏行)のクラスには、知恵遅れで心を閉ざした高志(吉岡秀隆)や、障害の重い佑矢(神部浩)などがいて、新任の小林(永瀬正敏)はノイローゼ気味だが、そんな彼らを玲子先生(いしだあゆみ)は常に優しく見守っている。やがて高志たちは差別に満ちた厳しい世間の現実を思い知らされていくのだが……。名匠・山田洋次監督が『学校』の好評を受けて、舞台を養護学校に移して描いたヒューマン映画シリーズの第2弾。ここでは障害児問題という重いテーマに真正面から取り組んでいるが、最後には気球を用いてファンタジックに映える設定も用意されている。公開時はそこに賛否が分かれたが、あくまでも映画は娯楽であるという基本を崩すことなくテーマ性を揺るがすこともない山田監督の姿勢は認めていいだろう。障害児という難しい役柄を吉岡秀隆が熱演し、新境地を開いている。(増當竜也)


・あれ、佑矢、おまえちょっと、ケツ濡れてる? おしっこした? ちょっとお尻上げてごらん
 よいしょ よいしょ よいしょ ああしてるわ ああ (苦笑) ま ウンコよりましか
 ウンコもしてんだ? (がっくり)

・(学校の教育というのは)与えるとか、教えるとかじゃないんだよ。子どもたちから学んだことを返してやる。そういうことなんだよ。俺たちの仕事は。

・(離婚して暮らす妻にあてて)僕たちは由香に多くのことを期待してはいけないと思う。僕たちだけではない。おばあちゃんや学校の教師がこの娘に独り善がりな期待を抱くことが、本人にとってどんなに大きな負担であるかを思ってやるべきだ。僕たちができることは、あの娘に寄り添ってやることだと思う。どうかあの娘に過大な期待をかけて苦しめないでほしい。あの娘にどんな花が咲き、どんな実がなるのかを知っているのは、親や教師ではなく本人なんだから。離れて暮らす父親の心からのお願いです。
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