国際電話による話合いは、何度かありました。
五十嵐威暢氏は電話に快く応じてくれました。今まで世界に向けての活動だったけど、これからは郷土にも目を向けての活動もしたい、とも聞きました。そして新設される公園にも何らかの協力を惜しまない、と言ってくれたのです。
結局、公園内に設置されるシンボルとなるモニュメントを設計してもらうことになりました。
コンサルを通し、設計協議が進みます。五十嵐氏の示したモニュメントは高さが21mと巨大なものでした。新たな21世紀を期して皆が上を向いて生きよう、ってコンセプトだったと記憶してます。
鋼製で柱に木の葉のようなのがたくさん付いている、高さのわりにスリムでシンプルなものでした。これだけ大きなものになると、五十嵐氏は柱だとか木の葉ようなものの設計だけして、モニュメント専門業者に制作を依頼するんです。五十嵐氏は「設計デザイン料はいらない。制作会社に材料費と加工費を支払うだけでいい。」と滝川市に気を遣(つか)ってもらいました。
この公園のモニュメント、市議会で2年間にわたり揉(も)めたんです。そもそも新設公園にモニュメントが必要なのか?から始まり、モニュメントの値段が高すぎるんではないか?と議会が開催されるたび、同じような質問がありました。
公園内に置かれる物について、必要があるかどうかは主観に委ねられます。ただそれまで百年記念塔や観音菩薩像など、ボクにとって疑問視されるものを建てる時、大した質問が無かったのを記憶してますし、この当時だって他のマチの区域内に無用と思われる施設の造成に、疑義を呈したことがない市議会が目を覚ましたような活況になり、目をみはりました。
モニュメントの価格についてはかなりしつこく追求が成されました。価格の中に五十嵐氏への設計料が含まれているんではないか?とのゲスの勘繰りです。
最後は、新設される鋼製橋との㎏当たりの単価比較にまでことが及んだのです。たまたま㎏当たりの単価は似たようなものになったんだけど、その旨議会で伝えると、橋よりモニュメントの方が製作は楽なはず、って言うんです。
モニュメントの木の葉ようなものは、数百枚はあったと思うんだけど、どれとして同じものは無く、取り付け位置も角度など細かい仕様が定められています。そんなに簡単で単純な作業ではありません。そんなのと鋼製橋を当たり単価で比較すること自体がナンセンスの極みだ!って思いで事に当たりました。ただこのあたりの記憶は加齢により忘れかけていて、一部不確かなものがあることは承知願います。
滝川市の悪態、まだまだ続きます。