こんにちは! ただち恵子です

政治と社会、日々の暮らしの小さな喜び。思いつくままに綴ります。

公設・公営の病院は市民の財産

2013-06-28 21:16:27 | 泉大津市立病院問題
市議会最終日。「意見書」は昨日のブログに報告したとおり、2本が全会一致で採択された。


市立病院の経営形態の問題について、付託されていた厚生文教常任委員会の審議の結果を委員長が報告。

その後、会派を代表しての意見表明、または会派の意見が一致せず、個人の意見表明もあり、全部で5人の議員の意見表明が続き、採決。
反対は1名で、提案どうり可決した。


その結果、市立病院は公設・公営の病院として運営、ただしこれまでは地方公営企業法一部適用で、市長自身が病院の経営責任者であったが、10月から法全部適用により、事業管理者を置くこととなる。

この間、市立病院の問題についてたくさんの市民のかたの意見を聞き、身近な方の入院もあり頻繁に病院に足を運び、自分なりに全国の病院の状況について情報収集をしながら考えてきた。
市民の方々と一緒に学び、「市立病院を考えるつどい」を開催、「考えるつどい」から「守る会」が生まれた。
病院職員の方からの意見もいただいた。
その結果、到達した結論は市立病院は市民の財産として守ること。市民の願いに応える病院としていくことが、病院経営の改善につながるということ。
赤字か?黒字か?という単純な比較検討だけではなく(それが重要なことは言うまでもないが、財政状況は極めて流動的であることを経験してきた)果たしている役割を総合的に考える視点の大切さ。
市立病院を含む地域医療の全体、市立病院を含む市の行政機構の全体のなかで、病院の位置と役割を考えること。

一日平均、ふたりの赤ちゃんが市立病院で生まれている。
きょうも、新しい泉大津市民が誕生したかもしれない。
次世代の人たちに何を残せるか?
このブログをお読みのあなたも一緒に考えてください。

日本共産党市会議員団を代表して私が行った意見表明は以下のとおりです。かなり長いですが、読んでいただけたら嬉しいです。
コメントもお待ちしています。


日本共産党市会議員団を代表して「市立病院事業の設置等条例改正」等、関連する3議案に対して意見を申し上げます。

1月に就任された伊藤市長は3月第1回定例会での所信表明において「市立病院の充実改革」を市政運営の柱のひとつとし、「医療従事者との徹底した協議を行い、市民のニーズを把握した上で市立病院の健全化を強力にすすめる」と述べられました。今回提案はその具体化として、「泉大津市立病院を公設公営の病院として引き続き存続、運営するために公営企業法全部適用による責任体制の一元化により、市立病院の使命を果たす」ことを趣旨としたものと受け止めます。

自治体病院の医師確保の困難、それと連動する経営困難は、政府の長年にわたる医師養成抑制政策に根本的に起因するものであり、本市立病院に特有のものではありません。加えて2008年度に実施された地方財政健全化法により自治体病院の不良債務が財政指標に直接反映すること、さらに「公立病院改革ガイドライン」に基づく「改革プラン」の策定の義務付けが、全国自治体病院の経営形態の見直しを加速しました。
こうした時期に、本市においては自治体病院に求められる政策医療の一環である、周産期医療に取り組むべく地域周産期母子医療センターを立ち上げました。多額の投資をしてでも、自治体病院として存続させることをめざした選択であったと思います。

救急医療についての強い期待が市民アンケートにおいても浮き彫りとなり、委員会、議員総会でも多くの議員の発言でありました。こうした要望、提言も、市立病院が公設・公営の病院であるからこそ率直にできることです。内科・外科の連携の下、一日も早い24時間365日の救急受け入れの復活をめざし、当面、医療スタッフの合意形成を図りながらできる限りの努力で市民の期待に応えていただくことを求めます。

市長部局で取り組む、保健・福祉・介護の諸事業との連携により、そのネットワークの中で市立病院の果たす役割については予算審査の折にも期待を申し述べてきたところです。付託された委員会審議の過程で、市立病院と福祉・防災等の行政との連携で取り組まれている多くの事業についても詳細に報告されました。公設・公営の病院があることで、それとの連携のなかで一般行政の取り組む施策が豊かになっていることは極めて重要であることをあらためて認識ました。

本条例提案に際しての説明のなかで「急速に進展する高齢化」を見据え、今後の医療ニーズに応える病床活用のあり方についても言及されました。それは重要な視点ではありますが同時に、高齢化が進む中で、だからこそ「子ども」を大切にすること、子育てを応援する施策の緊急性がいっそう増していることも明らかです。今、安心して出産ができる病院、生まれた子どもの発達・成長を見守り支える、長期入院の児童には教育委員会との連携による「院内学級」の設置も含め小児医療を担える病院は、本市のみならず泉州2次医療圏においても貴重な役割を果たしています。

国の自治体病院つぶしの施策に安易に追随したところでは、地域医療そのものの崩壊が起こっています。一方、地域の診療所や市民・患者との信頼関係をより強く構築し、「地域で住民の命を守る」ことをくっきりと掲げることによって若い医師にとっても魅力ある病院として甦っている事例もあります。

「一万人アンケート」をひとつの出発点として、市民のための市立病院を市民とともにつくることを、今後においても堅持していただきたいと思います。市民の願いに応えることが、患者を増やし、病院経営にとってもプラスになります。
最後に私ども議員団に市立病院で働く職員の方から匿名のメールでありますが「他の病院をやめて市立病院であるからこそ、ここで働きたいと思って就職した。市は泉大津市の職員として採用したことに最後まで責任を持って欲しい。」という声が寄せられていることを紹介させていただきます。

健やかに生まれ、健やかに育ち、健やかな老いの日を迎える。全てのライフステージで市民の命と健康を支える役割を一般行政との連携において市立病院が果たしていくことが、魅力あるまちづくりの重要な要素となり、その最も確かな保障が「公設・公営」の病院として存続させることだと考えます。

以上、申し上げ、条例改正等、3議案に賛成致します。




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