8月15日。
今日という一日、70歳で逝った父のことを思う。
父が、故郷の山形を離れたのは何歳のときか。
父のことをあまりにも知らないこと。
知らないと言うことを深く考えることもなかったことに、いまさらのように驚いている。
取り返しのつかない悔いの念がある。
もっと話を聞きたかった。
聞けるときには、「聞きたい」と思わなかった。
聞きたいと思う今、それは、かなわない。
母が書き残したもので、父が戦地で6年の軍隊生活を共にした、友人を山形県に訪ねたのが、亡くなる前の年。
父の最後の旅行であったことを知る。
父の青春は、戦争と貧困。
多くは知らなくても、母から聞いた話の断片で、そう思う。
貧しい農家の3男でとして生まれ、「口減らし」のために(と推測する)故郷を出た父と、たくさんの人を雇って手広く農業をする、地域の有力者(だったらしい)の息子であった人とが、唯一無二の親友としての友情を育んだのが、軍隊という場所であったことに、考えさせられるものがある。