戦争のために家族と一緒に、「生まれてからずっと暮らしてきた町」を離れなければならなくなったソエという少女。
本文には、悲惨な戦争の場面、悲しいこと、辛い話は、ひとつもない。
ただ、主人公、ソエが楽しく暮らした毎日が、落ち着いた色彩の美しい絵で綴られる。
その絵の向こうに「しあわせ」の対極にある情景を、想像する。
ソエは帰ってくることができたのだろうか?
本の帯は、濃い青と黄色。ウクライナの色。
本書を今、送り出す出版社の思いかもしれない。
フラン・ヌニョ 文
スザンナ・セレイ 絵
宇野和美 訳
ほるぷ出版