こんにちは! ただち恵子です

政治と社会、日々の暮らしの小さな喜び。思いつくままに綴ります。

市議会最終日

2021-03-19 18:26:52 | 市政&議会報告

市議会定例会の最終日です。

予算委員会の委員長報告のあと、予算案の採決。

一般会計と病院会計は、反対4、賛成11の賛成多数、介護・後期高齢者医療は、私たち2名の反対だけ、その他の会計は全会一致で、全て原案どおり可決しました。

日本共産党を代表して述べた私の意見表明を以下に。

長いですが、良かったら読んでください。

予算案、施策の内容の個々については、いろいろありますが、バッサリと省略して、「反対」の論拠について的をしぼっての意見表明としました。

 

定例会は終わりましたが、22日(月)の10時から市立病院整備対策特別委員会の会議があります。

週末はその準備にかかります。特別委員会も、もちろん公開です。傍聴してください。ネット配信もあります。

 

【一般会計】

 2020年度は、新型コロナ感染拡大の影響が、市民生活を覆った一年でした。緊急事態宣言は解除され、ワクチンの接種が始まってはいますが、まだまだ予断を許しません。市税収入の前年度比8億5千万円のマイナスは、市民、事業者の苦境を反映したものです。こうしたもとで新年度の予算編成においては、何よりも感染拡大防止、コロナ禍で打撃をうけた市民、事業者、子ども達を守る施策の拡充に、国の財政措置の活用はもとより、基金の活用をしてでも最優先、全力で対応するべきでした。

 しかし、2021年度予算案に、市独自のコロナ対策の予算は見当たりません。今、感染拡大防止のための「社会的検査」の拡充や、営業の継続が困難にいたっている事業者への支援など、この時に、最優先で対応すべき課題に迅速に取り組むものとなっていないことをまず指摘いたします。

 

市が、進める大型プロジェクトである、図書館、公園、病院は、いずれも本来、自治体にとっての重要な施策です。しかし、いずれも政策決定過程での市民参加は不十分で、結果、市財政を圧迫しながら、市民の願いと利益に叶ないものとなっています。

 駅前新図書館整備は、2017年「公共施設適正配置計画」策定のわずか2か月後に、「計画」を無視して議会にも市民にも知らせることもなくアルザへの移転に動き始めました。施設改装の費用、20年間の賃貸料、移転費用等で、現時点で明らかなだけで15億6600万円と示されました。この上に、さらに撤退時の現状復帰の費用が必要となります。これだけの投資をするなら、老朽化した公民館や「廃止」として青少年ホームの機能を集約し、100年先までも残せる複合施設ができます。それは今の一字一句変更されていない、市の計画記載の「「複合化」です。駅前に整備する図書館の活用は18年余り。9月の新図書館オープンまで5ヵ月間もの図書館サービスの空白は大問題ですが、18年先の泉大津市には図書館サービスの保障はありません。許容積載荷重を勘案した新図書館の蔵書数は18万5千冊を予定しているとのこと。これは現行図書館の2017年度の蔵書数の約4分3で、「図書館の本が倍になる」という開架冊数だけに着目した市の「広報」、南出市長の市長選でのアピールは誇大広告と言わねばなりません。

 市民会館跡地活用の公園整備については、土地開発公社の保有する土地の買い戻しの必要性は理解するものの、先送りされている老朽化した公共施設の整備や切実な市民要望実現との優先順位からすれば、整備費用は極力抑制し、とりわけ当面あてのない全体面積の47%を占める民間活用地の整備に3億3千万円の投資は、無駄遣いとしか言えません。その一方で、パークゴルフ場は、利用者への説明もなく張り紙一枚で3月末で追い出すというのは、あまりにも冷たいやり方です。「みんなでつくる公園。ヘルシーパークの看板に偽りあり」ではないでしょうか。

 市立病院については、後程、病院会計についてあらためて申し上げますが、新病院の建設のための借金をする資金計画のために、一般会計から莫大な繰り出しをすることになっています。市長選挙の「選挙公報」に掲載された南出市長の公約、「市の財政負担を大幅に減らしながら、医療体制充実」とは真逆に、市の財政負担を大幅に増やしながら、新病院建設、民営化の道を突き進もうとしています。

 

 市長は「所信表明」のなかで「市長就任以来4年間で財政を着実に改善し、子どもの世代につけを回さない行財政改革を進め、借金を着実に返済しながら、いざという時のために基金積み立てを大きく増加させることができた」と言われましたが、本当にそう思うなら、財政運営に対する緊張感の欠如であり、都合の悪い事実にはあえて触れないのであれば、議会と市民に対する誠実さの欠如です。「基金積み立てを増加させた」のは、南出市政一期目の3年間であり、最終年度の今年度は、先に述べた3つのプロジェクトに取り組むことによって、基金残高を減らし、その傾向は新年度に続いています。

 

 予算審査を通じて、浮き彫りになった問題のひとつ、男女共同参画、ジェンダー平等の問題について一言、申し上げます。2007年に制定した本市の「男女共同参画のまちづくりを推進する条例」は、「男女の性別にとどまらず、あらゆる人の人権への配慮」として、性的マイノリティの方々への配慮を謳ったものです。この条例を生かして申請書などへの性別記載欄の削除を求めてまいりましたが、スピード感のかけらもない対応であり、全国で広がっている同性パートナーシップ条例の制定についても「市独自に制度の導入は今のところ考えていない」という、2019年の市長の「前向きに検討」という答弁を覆す後退したものでした。条例に設置根拠をもつ拠点施設、にんじんサロンの移転についても、その機能が充分果たせるとは思えない対応となりました。女性も男性も、人間らしく働く「あたりまえ」を取り戻すことなく、女性の幹部職員の比率の数値目標だけを追うとすれば、かえって矛盾が拡大することを危惧します。ジェンダー平等は、社会的につくられた性差別を乗り越え、真に多様な生き方、価値観を認め合う社会をめざすものと思います。女性が生き生きと働くことができる社会、「市役所をモデルに」という取り組みのなかで、男女共同参画の本市の条例の真髄を、是非、今一度全ての職員の皆さんがお考えいただき、議論の俎上にあげていただくことを期待します。

 

 本予算案には、中学校体育館へのエアコン設置、学童保育の7時までの時間延長など、私どもが繰り返し求めてきた市民要求の前進の施策も盛り込まれてはおりますが施策推進の優先順位についても、財政運営の手法についても、市民参加の保障についても看過できない問題があることを指摘し、反対いたします。

【国民健康保険】

2018年度からの国保財政運営の「都道府県単位化」により、加入者の負担能力を超えた保険料が、大阪府の統一保険料によって、毎年引き上げられてきました。今回、保険料改定にあたって府の標準保険料率の引き上げに、そのまま倣うのではなく、国保財政調整基金の活用によって、保険料の負担増をわずかではありますが抑制した政策判断を評価し、賛成といたします。ただし、依然として暮らしに重すぎる負担であり、国、府に対する要望とともに市としても、特段の措置を講ずることを求めます。

 

【介護保険・後期高齢者医療】

主には国の社会保障政策の貧困に起因する問題ですが、市としてももっと高齢者に暖かい施策を求め、反対します。

 

【市立病院】

市立病院の再編について「コロナ禍で苦しむ今だからこそ」と「所信表明」で述べられました。しかし、コロナ禍の今、大阪の医療体制はすでにひっ迫し、その中で献身しておられる市立病院の医療従事者の方々に安心して働き続けていただき、市内で唯一、コロナ感染患者を受け入れてきた病院として、引き続き役割を果たすことをこそ、今、市民は願っています。市の施策によって、医療従事者の方々が、泉大津の医療の現場から去っていくとしたら、それは社会的に大きな損失です。再編計画によって、財政的に大きなメリットがあるように、言われてきましたが、今年度19億円、新年度予算で16億円、さらに次年度以降も一般会計からの多額の基準外繰り入れを予定していることを資料で明らかですが、予算審査のなかで明確な説明がされませんでした。

 予算案に示される患者数の予測、病床稼働率50%はあまりに低く、市民の医療需要に的確に応えることによる経営改善の引き続く努力を求めます。

 現病院を産科・小児科に特化することについては「子どもを安心して産み育てる環境を公的責任で」と本市の「地域医療連携体制強化構想」に記載されていますが、出産と子育てだけでなく、市民の健康と命を守り、高齢になっても介護が必要になっても、安心して、この街で暮らす保障は公的責任において構築されるべきものです。地域包括ケアシステムの拠点を、他市の民間病院に委ねることは、地域の医療・介護の資源のネットワークの構築で、老後の安心を支える公的責任を投げ出すに等しいものです。

公の施設に指定管理制度を導入することは、「指定管理を行うかどうか」を議決し、その後に「指定管理者を定める」という2段階の議会の議決事項ですが、医療法人生長会と本市市立病院とで、すでに一般社団法人を設立し、地域医療連携推進法人としての認可を大阪府に申請しているといいます。既成事実を積み重ね、指定管理の指定についての議会の議決を形骸化するものです。

以上申し上げ、病院事業会計に反対いたします。

 

その他の会計予算については、いっそうの公平・透明な行政運営を求め、賛成します。

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