2017年11月現在、
国宝に指定される美術工芸品は885件。
その内の約4分の1にあたる約200件の国宝を、
大きく4期に分けて京都国立博物館で公開されます。
私が行ったのはⅡ期となります。
私にとっての目玉が大徳寺龍光院が秘蔵する耀変天目だからです。
これが17年振りに公開とあっては、
何が何でも参拝、いやもとい、駆けつけなければならない。
まさに秘宝です。
今日は生憎の雨だったからか、
外でほとんど並ぶことも無く入館。
まずは3階から。
ここは弘法大師や伝教大師の書跡。
三筆の一人である弘法大師にしては字を崩してあるからか、
そんなに上手く無いなという印象。(^^;
考古の所では火焔型土器等が展示。
【太刀 銘 正恒】
(展示品の写真は全てネットで拾ったものです。)
文化庁所蔵。
【古備国友成造】
東京国立博物館所蔵。
この二振りは本当に美しかった。
3階だけでも充分元は取ったなという充実ぶりでした。(^^
階段で2階へ降りると仏画が目に入る。
2階は雪舟の国宝6点や等伯の画が展示されていました。
狩野派が専門の私にとっては、
グッとくるものがありませんでしたね。
雪舟の作品の前は混雑が酷くて辟易した。(^^;
風神雷神図屏風も展示されており、
さすがのものがありました。(^^
【秋景・冬景山水図】
金地院所蔵。
伝徽宗筆。
足利3代将軍義満が所有していたもので、
後に金地院崇伝に贈られたもの。
これは実際に見ると本当に素晴らしい傑作でした。
続いて1階に降りると仏像や金工、漆工等が展示。
【釈迦如来】
清凉寺所蔵。
こちらの仏様は清凉寺で拝ませていただいたことがありますが、
こんなに近くで後ろからも見れて最高でした。(^^
【初音調度蒔絵十二手箱】
3代将軍徳川家光の長女千代姫が、
尾張徳川家2代光友に嫁入りした時の婚礼調度。
愛知・徳川美術館所蔵。
380年以上経っても痛みがほとんど無いという。
その超絶技巧の仕事ぶりには現代の職人も舌を巻くほど。
【大日如来・不動明王】
金剛寺所蔵。
一番新しく国宝に指定されたもの。
この圧倒的な迫力はたまりませんね。
実は一番長くゆっくり見たのがこの仏様です。
素晴らしい。
【耀変天目】
大徳寺龍光院所蔵。
最後に見た国宝がこの耀変天目です。
大好物は最後にとっておくタイプです。(笑)
藤田美術館のモノは実際に見たことがありますが、
龍光院の耀変天目は写真で見る限り、
幽玄の趣と云われ地味な印象でした。
しかし、ライトアップされた耀変天目の美しさといったら。
これほど美しいとは思わなかった。
よく言われる宇宙の美しさもありましたが、
ピンクや青に輝く光が宝石のような輝きで感動。
耀変天目はガラス越しに見るのですが、
立ち止まって見る事は禁止されていたので、
じっくり見る事は出来なかったけど、
刀剣の時と違って回転が速いから3回も見ちゃったよ。(^^
恐ろしいまでの美しさとはこのこと。
本当に素晴らしかったです。
これにて国宝展の拝観終了。
これほどの国宝を一気に見れて1500円は安過ぎる。
幸せな一時を過ごせました。(^^
もし廃仏毀釈が無ければ現在の国宝の数の三倍はあったとされる。
この国宝展を見てかえすがえすも惜しいと思った。