バイオの故里から

バイオ塾主宰・Dr.Kawanoの日々、収集している情報(DB原稿)をバイオ塾メンバー向けて公開しています。

がん組織だけ光らせる薬開発 東大など共同研究

2007年04月30日 | 創薬 生化学 薬理学
 スイッチを切り替えるように、がんのある場所でだけ光を発する蛍光薬剤の開発に、米国立がん研究所(NCI)の小林久隆主任研究員らのチームが29日までに成功した。肉眼では分からないごく小さながんを見ることができ、より的確な診断や手術の際の取り残し防止が期待できそうだ。産経新聞2007-04-30

◇がん細胞:0.1ミリでも光らせる物質、日米チームが開発

 がん細胞に取り込まれると光り続ける蛍光物質を、米国立衛生研究所と東京大の研究チームが開発した。マウス実験では、従来の検査では見つけにくい小さながんでも強い光を発することが確認された。微小ながんを正確に見つける新しい診断薬の開発につながる可能性があるという。毎日新聞 2007年4月30日

アレルゲンタンパク質含有量の低いトマト育種へのrin 遺伝子の利用

2007年04月30日 | 医療 医薬 健康
成熟制御遺伝子LeMADS-RIN 遺伝子のrin 変異をヘテロに持つトマトは生食に適した成熟を示しながら優れた高日持ち性を示す。このトマトはトマトアレルゲンとして知られるβ-fructofuranosidase 及びPG-2A の発現が少なく、その抽出液は正常型と比較してトマトアレルギー患者血清に対する反応性が低下していた。従ってrin 変異遺伝子は低アレルゲントマトの育種において有望な素材と言える。
食品総合研究所・生物機能開発部・細胞機能研究室 >> 研究成果

各種ゴマリグナンの生理活性と生体内代謝

2007年04月30日 | 生薬・植物成分と薬効 漢方
エピセサミンとセサモリンは肝臓の脂肪酸酸化を増加させたが、セサミンの作用は
弱かった。生理作用の強さは各リグナンの体内濃度に依存し、その体内濃度の違いは、腸管吸収及び体内代謝の違いに基づいていた。
食品総合研究所・食品機能部・栄養化学研究室 >> 研究成果

ヒマワリ種子殻の機能と飲料への活用

2007年04月30日 | 生薬・植物成分と薬効 漢方
井原 義治1), 渡邉(梅津) よしみ1), 佐々木 茂文2), 太田 智樹2)
1) NOASTEC財団
2) 道立食品加工研究センター

北海道 「「食と健康」に関するバイオアッセイ基礎技術の確立によるプライマリーケア食品等の創生」 pp.67

Abstract 未利用資源にも様々な機能性成分が含まれることがわかってきた
(1)未利用農産物・食品加工副産物に含まれる成分の機能性を解明
(2)機能性を活かした食品、食素材の開発
J-Stage >> 地域結集型共同研究事業 事業終了報告書



免疫細胞は自分の行き先をどのようにして見つけるのか?

2007年04月30日 | 細胞と再生医療
宮坂 昌之1), 田中 稔之1)
1) 大阪大学大学院医学系研究科・細胞分子認識分野

炎症・再生 Vol. 24 (2004) , No. 6 pp611-618

Lymphocytes are mobile and travel from blood to lymph and then return to blood, which ensures a coordinated expression of immunological functions. In lymph nodes (LN) and Peyer's patches, the port of entry for naive T and B cells is the high endothelial venules (HEVs). The endothelial cells of HEVs are characterized by the luminal presentation of various adhesion molecules and chemokines. Some of the endothelial adhesion molecules are responsible for the tissue-specific trafficking of lymphocytes by giving lymphocytes positional cues, and hence are called vascular addressins. J-Stage >> JOI JST.JSTAGE/jsir/24.611


環境とアレルギー:免疫アレルギーの基礎の立場から

2007年04月30日 | 医療 医薬 健康
日本補完代替医療学会誌 Vol. 3 (2006) , No. 2 pp.37-42

出原 賢治(佐賀大学医学部)

要旨 この数十年の間に先進国を中心にアレルギー性鼻炎,気管支喘息,アトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患患者全体が飛躍的に増加している.我が国でもこれら 3 つのうちいずれかを持っている方は全人口の 3 割を超え,しかも未だ増加傾向を示しており,大きな社会問題となっている.気管支喘息,アトピー性皮膚炎,アレルギー性鼻炎などのアレルギー疾患は種々のアレルゲンの生体内への侵入によって引き起こされる Th2 型免疫反応を主体とした局所炎症であることが,免疫学の進歩に伴って明らかとなってきた. J-Stage >> JOI JST.JSTAGE/jcam/3.37



アレルギー疾患治療薬の開発状況

2007年04月30日 | 医療 医薬 健康
大森 健守1), 足立 圭1), 真部 治彦1), 原田 大輔1), 大島 悦男2)
1) 協和発酵工業(株)医薬総合研究所
2) 協和発酵工業(株)医薬研究本部

日本薬理学雑誌 Vol. 123 (2004) , No. 5 335-348

要約: 近年,気管支喘息,アレルギー性鼻炎,アトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患については多くのガイドラインが作成され,その診断法,病型分類,治療法が標準化されてきた.しかし,種々の要因によりアレルギー疾患患者数は増加する傾向にあり,新しい薬物の登場がまたれている.アレルギー疾患の病態解明において,肥満細胞が即時相のみならず炎症惹起因子を産生しアレルギー性炎症発現に重要な役割を演じていること,抗原提示細胞である樹状細胞の重要性が認識されてきたこと,ケラチノサイトなどの組織構成細胞も炎症細胞の標的になるだけでなくそれ自身サイトカインなどのアレルギー惹起物質を産生すること,神経ペプチドもアレルギー疾患発症に関係することなどの知見が蓄積されてきた. J-Stage >> JOI JST.JSTAGE/fpj/123.335


免疫細胞療法

2007年04月30日 | 細胞と再生医療
後藤 重則1), 金子 亨2), 江川 滉二1)2)
1) 瀬田クリニック
2) 新横浜メディカルクリニック
日本補完代替医療学会誌 Vol. 1 (2004) , No. 1 pp.85-93

要旨 過去20年間においてがん免疫学の知識が高まり,それを応用したがん免疫療法が登場した.その中でTリンパ球,樹状細胞を体外で加工,処理し治療に供する免疫細胞療法は,がん抗原ペプチドが多数同定されるとともに発展してきている.免疫細胞療法の奏効率は10~20%程度と報告されている.また,免疫細胞療法が術後の補助療法として生存率を増加させることも報告されている.本稿では,免疫細胞療法の歴史的背景と医療現場における現状を概説する.J-Stage >> JOI JST.JSTAGE/jcam/1.85



がんのアジュバント免疫療法の確立と開発

2007年04月30日 | 創薬 生化学 薬理学
瀬谷 司1), 松本 美佐子1), 海老原 敬1), 赤沢 隆2)
1) 北海道大学医学研究科
2) 大阪府立成人病センター研究所

日本気管食道科学会会報 Vol. 58 (2007) , No. 2 pp.85-95

Toll様受容体(TLR)は樹状細胞にレパトアで発現し,微生物成分を認識して転写因子NF-κBやIRF-3を活性化する。樹状細胞応答としてサイトカインとI型interferon (IFN)を誘導する。また,TLR刺激は樹状細胞を成熟化に導き,CTL, NKの活性化を誘起する。TLRによるこれらのエフェクター誘導の機序は不明である。マウス移植がんの系を用いるとCTL, NK依存性の抗がん免疫活性を分別測定できる。J-Stage >> JOI JST.JSTAGE/jbes/58.85