バイオの故里から

バイオ塾主宰・Dr.Kawanoの日々、収集している情報(DB原稿)をバイオ塾メンバー向けて公開しています。

樹状細胞 (dendritic cell)

2007年04月30日 | 細胞と再生医療
樹状細胞 (dendritic cell) は、1973 年にロックフェラー大学のスタインマン博士らによって発見された、歴史の新しい細胞である。名が示すとおりの突起を四方八方に突き出すこの細胞は、抗原提示の専門家で、自分が取り込んだ抗原を「こんな物質があるよ」と免疫系の細胞に教える、生体防御にとってきわめて重要な細胞である。http://macro.dokkyomed.ac.jp/dc.html

▼樹状細胞(じゅじょうさいぼう、dendritic cell)は抗原提示細胞として機能する免疫細胞の一種であり、哺乳類の免疫系の一部を担っている。抗原提示細胞とは自分が取り込んだ抗原を、他の免疫系の細胞に伝える役割を持つ。皮膚組織をはじめとして、外界に触れる鼻腔や肺、胃、腸管に存在し、その名のとおり周囲に突起を伸ばしている。表皮の樹状細胞はランゲルハンス細胞と呼ばれる。抗原を取り込むと樹状細胞は活性化され、脾臓などのリンパ器官に移動する。リンパ器官では取り込んだ抗原に特異的なT細胞やB細胞を活性化する。樹状細胞は発現している表面抗原分子(CD,cluster of differentiation)によってさまざまなサブセットに分類される。>> フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

アレルギー治療に手がかり、理研チームが仕組み解明

2007年04月30日 | NEWSクリッピング
 花粉症やリウマチなどアレルギー疾患につながる炎症反応の暴走に対し、体内の特殊なたんぱく質が“ブレーキ”の役割を担うことを、理化学研究所のチームが突き止めた。
 アレルギーの仕組みの解明や新薬開発につながる可能性がある。成果は30日付の米科学誌「ネイチャー・イムノロジー」電子版に掲載される。
 炎症反応は、ウイルスや細菌など体内に侵入した異物を排除する免疫の働き。だが、炎症反応がうまく制御されないと、アレルギー疾患につながる。読売新聞2007-04-30

培養細胞を用いた薬剤および機能性成分の評価システムの開発

2007年04月29日 | 医療 医薬 健康
「遺伝子工学と生命活動センシングの複合技術による食材と生物材料の創生」 pp.76-77

白石 卓夫1), 珠玖 仁1), 末永 智一2), 星 宏良3), 阿部 宏之3)
1) (財)山形県企業振興公社
2) 東北大学大学院
3) (株)機能性ペプチド研究所
(1)研究の概要
培養細胞とセンシング技術を組み合わせることによって、薬剤および機能性成分の簡便な評価システムの開発を目指した。(極微弱発光時空間特性計測の成果を引き継ぎ、平成13年度は環境ストレス制御による機能性食材創生を目指した生命活動センシング技術開発研究の一部として、平成14年度は複合技術融合研究において取り組んだ課題
(2)研究の独自性・新規性
計測機器によらない新たな評価法である。従来の評価法と組み合わせることで、適用域の拡大が図られる。
(3)研究の目標(関連する目標)
フェーズI 発酵計測技術の確立
J-Stage >> 地域結集型共同研究事業 事業終了報告書

高速大量スクリーニング(HTS)からリード化合物はでるのか?

2007年04月29日 | 創薬 生化学 薬理学
三井 郁雄(第一製薬(株) 創薬開拓研究所)
日本薬理学雑誌 Vol. 129 (2007) , No. 4 281-285
「HTSからリード化合物はでるのか?」の問いに対しては「Yes」である.そして,この「Yes」は単にリード化合物を獲得できるという意味ではなく,世界中の競争相手に勝つという意味が付加されなければならない.勝たなければリード化合物を獲得しても意味がない.HTSに関して日本の製薬企業と欧米の製薬企業を比較すると,規模的な面,すなわち標的数や化合物数などで日本企業は劣っている.従って,日本企業が競争に勝つためには,日本人が比較的得意とするチームスピリットの発揮,規模に依存しない考える力,すなわち個人の判断力を最大限に生かせる評価系構築力や結果評価能力などで優位性を確保する必要がある. J-Store >> JOI JST.JSTAGE/fpj/129.281

高速大量スクリーニング(HTS)の現状と今後の展望

2007年04月29日 | 創薬 生化学 薬理学
植木 智一 (大正製薬(株) 医薬研究所)
日本薬理学雑誌 Vol. 129 (2007) , No. 4 276-280

1990年代に欧米の製薬企業で相次いで導入された高速大量スクリーニング(HTS)は,標的分子に親和性を有する化合物の探索の重要な手段として利用されている.その規模は,現在百万化合物を超える化合物ライブラリーを対象にしたスクリーニングに達している.このようなスクリーニング規模に到達した要因として測定技術をはじめとする多くの分野での技術革新が挙げられる.また,HTSの技術利用は,従来の創薬研究の初期段階である「新薬候補化合物の探索」からリード化合物選定に重要な安全動態分野である肝代謝試験,変異原性試験等へ拡大しており,創薬研究の重要な基盤技術となっている.一方,このように応用範囲が拡大するにつれて,予想外な課題や問題点も浮き彫りになってきた.この重要な創薬基盤と位置づけられる高速大量スクリーニングの現状と今後の展望について紹介する.J-Stage >> JOI JST.JSTAGE/fpj/129.276

高脂血症治療薬の基礎

2007年04月29日 | 医療 医薬 健康
―基礎:高脂血症治療薬の研究開発―
谷本 達夫 (三共株式会社 第一生物研究所)
日本薬理学雑誌 Vol. 129 (2007) , No. 4 267-270
高脂血症,特に高コレステロール血症ははすでにスタチンの登場によりかなり医療満足度の高い領域になった感がある.しかしながら,多くの大規模臨床試験の結果からLDL-コレステロールをより下げることが冠動脈疾患の予防に繋がること(the lower the better)から,高脂血症ガイドラインもより低く再設定された.スタチンだけでは目標のLDL-Cに到達できない患者も多く,さらなる併用可能なLDL-コレステロール低下剤が求められるようになって来た. J-Stage >> JOI JST.JSTAGE/fpj/129.267

コシアブラ抗酸化成分の促成栽培条件による変動

2007年04月29日 | 医療 医薬 健康
村山 徹1), 箭田 浩士2), 宮沢 佳恵1)
1) 東北農業研究センター 2) 食品総合研究所
コシアブラ若芽の抗酸化活性をβ-カロテン退色法とDPPHラジカル消去活性で評価したところ,高い活性を示した.主たる抗酸化成分は,クロロゲン酸と同定された.グロースチャンバー試験で,その成分含量に影響する要因を検討したところ,光が強く,穂木が長いと含量が高まることが示された.その結果に基づいて,好適な促成栽培技術を確立するため,ガラス室内で栽培条件が収量と抗酸化成分含量に及ぼす影響を検討した.促成栽培では,10~15℃の水に30~40 cmの穂木を挿すことによって,クロロゲン酸含量の多い若芽を収穫できた. J-Stage >> JOI JST.JSTAGE/hrj/6.241

数種アブラナ科スプラウトの抗酸化成分含量 および抗酸化能に及ぼす照射光強度の影響

2007年04月29日 | 健康・栄養機能性成分
前川 健二郎1), 前田 智雄2), 大島 千周3), 鈴木 卓1), 大澤 勝次1)

1) 北海道大学大学院農学研究科
2) (社)植物情報物質研究センター
3) 森産業株式会社 アグリ事業部
園芸学研究 Vol. 5 (2006) , No. 3 315-320

数種アブラナ科野菜の高機能性スプラウト生産技術を確立するため,抗酸化活性成分含量および抗酸化活性に及ぼす照射光強度の影響について検討した.その結果,栽培中の光強度を高めることで,スプラウトの胚軸長は短くなるものの,フラボノール,アントシアニンおよび総ポリフェノール含量の増加が認められ,抗酸化能(DPPHラジカル補足活性,スーパーオキシド消去活性)も高まった.これらのことから,光を強めた環境で栽培することにより抗酸化活性が高いスプラウトの生産が可能であることが分かった.J-Stage >> JOI JST.JSTAGE/hrj/5.315