マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
すべての写真、文は著作権がありますので無断転載はお断りします。

出会い、遭遇、縁つなぎの天理本通り

2022年12月20日 07時59分54秒 | 天理市へ
これまで2度も大雪予報が外れた。

今度ばっかしは、間違いなく降るだろう。

これまでのこともあるから、起きてみなきゃわからないが・・。

起床時間に屋外に出た午前6時の時間帯は雨がポツポツ振り出した程度だった。

ところが30分後に降る雪にあっという間に道路は真っ白。

こりゃいかん。

只今、車検中。

代車はノーマルタイヤ。

リスク回避にバス、電車、バスを乗り継いで病院へ行く。

2カ月たんびの通院日に雪アタリ。

久しぶりに見る午前8時の冷たい雪はぼたん雪。

列車から見た白い大平原。

帰りに見たその地は、曼荼羅模様。

一般道路は、ノーマルタイヤでもすいすい走っていた車を見て・・・・・今日は何ていう日だ

暖まった大阪王将天理店から出たお外は寒い。



路地裏に見た小路に積もる雪。

ここも冷たい風が吹く。

天理本通りを歩く人は少ない。

通りにあるお店のほとんどがシャッターを下ろしている。



初めて体験する天理本通りに一抹の寂しさを感じるなか、ほっこりするモノがあった。



POPに書いてあった「マスク差し上げます」に目がいく。

「石西呉服店様(三島町)より自社製造のマスクを寄贈していただきました」に続いて「」マスクは大人用、子ども用、大人用・子ども用セットの3種類ございます」と丁寧に伝えている。

マスクは晒しの生地で作っている。

使用する場合は、マスクの間にキッチンペーパーなど挟み込んでご利用ください、とある。

我が家も自家製の布マスク。

間にキッチンペーパーを挟んでいたが、聞き取り取材に口が動く。

その度に挟んだペーパーの顔出し。

予備のマスクに替えても同じだった。

もういいや、と思ってペーパーなしで今も利用している洗いの布マスク。

心ある呉服店の人がつくった晒し生地のマスク。

思わぬプレゼントに温もりを感じ、一枚のマスクを懐に収めた。

外気温は冷たいが、懐は温かくなったような気がする。



帰宅してから読んだお店の口コミ。

店主の人柄がわかるような気がする。



さらし布製のマスクを懐に入れてほっこり。

そこからほんのちょっと歩いたところに食料品店(日の本食料品店)があった。



通りかかる人に、少しでも目につくように通路近くに・・。

思惑とおりになった私の足。

箱売り商品は袋入り。

その他の商品もみな目の下に見える棚売り。

スーパーにみられるような陳列棚はなく、昔ながらの売り場。

商品は三輪そうめんのふし。

大袋入りが250円、150円の小袋入りに思わず手が伸びた。



地産商品を売る「よってって」にあった大サイズなら350円。

なんとお安いことか。

店主に料金を渡したそのときである。

蓋がガラス板の棚にあった商品は1580円のヒダラ。

都祁白石の辻村商店にもあったヒダラ

これもまたスーパーでは見かけることはない。

買う人がおられるから売っている。

もしか・・と思って尋ねた・・・「お盆のときにみかけるサシサバはありますか・・」の答えは「毎年売っていますよ」だった。

店主の奥さんがいうには、「今でも馴染のお客さんが、買ってくれはる。昔は焦げ茶のような色やった。匂いもあるから今はヒダラと同じように袋入り。それも1枚単位で売っている」という。

まさかの出会いが、ここにあった。

仕入れは福井県から取り寄せている。

7月半ばのころだったら棚に出している、という。

実は、と名刺を渡し取材主旨をお伝えしたサシサバ民俗。

その時期、写真に撮らせてもらってもいいですか、の答えは、えーよ、だった。

小躍りしたいくらいに胸が熱くなる。

このお店でサシサバと出会える。

本通りの魚屋さんに売っているサシサバを買って食べている、と聞いたのは、奈良市旧五ケ谷村の中畑に住む、平成27年当時82歳のIさん。

「お盆の8月14日に“サシサバ”を食べている。普段は“サッサバ”の名で呼ぶ食べ物は塩漬けしたサバをカンカラカンに干したもの。両親が揃っている家では開きの“サッサバ”をもう一尾のサバ頭に挿しこむ。平坦盆地部の大和郡山や天理市・斑鳩町で聞き取りした旧村在住の高齢婦人たち。懐かしい味は忘れられないと話していた戦前の幼少期の体験である。今でもその“サッサバ”を食べている中畑在住の2人の高齢者。あまりにも塩辛いから、家族はその味に遠慮。仕方ないから隠れて食べている。“サッサバ”は赤黒い方を「酢」に浸し、柔らかくなれば塩抜きをする。その味は、しょっぽくて辛い。」だった。

今まさに、Iさんが話していたお店であろう

本通りに生もんの魚介類を売る店はないから、この食料品店に違いないだろう。

また、Iさんは、ここ本通りで常に着こなしているモンペとヒッパリも買っていた。

5年もかかって到達した本通り。

まだまだ暮らしの中の民俗が見つかる可能性を秘めているようだ。

食事も摂った大阪王将天理店。

天理本通りもこの日が初めてのお出かけ日。おまけに、夏の民俗を象徴するサシサバを売る店も出会えた。

(R3. 1.12 SB805SH撮影)


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。