知的成長戦略論-クールに生きる

かっこよく生きるためのメモ。
知的に成長し、どんな状況でも平静を保てる力を身につける。

国家経営とバランス感覚

2019年12月09日 | 国家論
国家の役割は、「国民」が幸せに暮らせるようにすること。

そのための手段として、
 グローバル化
があるわけです。

グローバル化を突き詰めると、
 国家の崩壊につながる
ため、
 そのバランスをとっていく
のが、
 政治の役割
ということになります。


*****
外交は、
 海外との取引
です。

この取引は、
 通常の売買契約と同様、お互いの利益のために行う
ということになります。

ただ、
 通常の契約同様、力関係が影響します。

たとえば、
 この約款には応じたくないな
と思っても、
 だったら、契約できません
と言われてしまうので、
 一般消費者に拒否権などない
というわけです。

アマゾンなど、
 同意しないと、契約できないようになっている。
これが、
 約款(契約内容)
です。


外交も同じで、
 国家間の力関係が影響する
ことになります。

嫌だと言っても、
 安全保障や既存の貿易関係などで、相手が有利な立場に立っている
のであれば、
 その力関係が合意内容に影響を与える
ことになります。

日本がアメリカと対等な合意ができないのも、
 日本の安全保障をアメリカに依存している
ことが原因です。

もし、自国の利益を追求したいのであれば、
 安全保障について、独立国といえるような体制を整備する
必要があります。

ただ、実は、日本は、予算的にはそこそこかけています。

日本が自衛隊にかける予算は、
 2017年のデータでは、世界8位
です。

アメリカ 6100億ドル
中国   2280億ドル
サウジ  694億ドル
ロシア  663億ドル
インド  639億ドル
フランス 578億ドル
イギリス 472億ドル
日本   454億ドル
ドイツ  443億ドル
韓国   392億ドル
 https://www.nippon.com/ja/features/h00207/

お金はそれなりにかけているのに、
 影響力を持てない
という理由は、
 法整備ができていないこと。

国際的な常識に合わせて、法整備をしていく必要があると思います。

例えば、
 他国からロックオンされた場合は、警告後防御のために攻撃ができる
という断固とした態度が取れる国家にすべきだということです。

通常の国家であれば、そのような行動をとるはずです。
ロシア、アメリカだったら、警告なく爆撃しているはず。
そんな国には、怖くてロックオンはできない。

 日本は何もしてこない
と分かっているので、
 そのような行動をとる
わけです。

恐喝被害に遭いそうなクラスメートを思い出すと、イメージしやすいと思います。

 ターゲットにされやすいのは、絶対に反撃してこない気弱な人
です。

気弱な人は、
 身を守るための術を考える
必要があります。

 自分が鍛えて強くなるか
 強い人の仲間になるか
 数で勝てるように仲間を集めるか
この選択肢は、国家でも同じで、弱肉強食の世の中で生き残るための手段です。

自分が鍛えて強くなる
 アメリカ、ロシア、中国、インド
強い人の仲間になる
 日本、韓国、北朝鮮
数で勝てるように仲間を集める
 EU(NATO)

こういった条件を整え、
 大切なものを守るためには、断固とした態度で戦うぞ
という覚悟を示すことが、
 結果としては、ちょっかいをかけられない
ことにつながります。


国民も自衛隊が日本を守るために必要だということは反対しないはず。

自衛隊は、
 国際的な常識からすると「軍隊」
です。

ただ、
 憲法の関係で、「戦力」は保持できない
ため、
 「自衛力」という概念を持ちだし、「自衛隊」は軍隊ではない
という論理で、
 憲法との整合性を保とうとしているわけです。

理念として、平和主義は素晴らしいと思いますが、
 自分の身を守ることができない
ような弱者は、
 弱肉強食のグローバル社会
では、
 食われて終わり
です。


最近では、
 中国に食われたチベット、ウイグル、
 ロシアに食われたウクライナ
を見れば、
 自分を守ることができない民族が虐げられている現実を目の当たり
にできると思います。

国家としてすべきことは、
 国民が幸せに暮らせるようにする
ためのシステムを作り上げること。

日本がすべきことは、
 自衛力の行使がありうる
という覚悟とそのための法整備をすることだと思います。


*****
国民が幸せに暮らせるようにするためには、
 経済力(お金を稼ぐ力)
 軍事力(稼いだお金を奪われないようにする力)
を整えること。

これは、個人の場合も同じです。
 お金を稼ぐスキルを身につけ、
 脅されたり、だまされたりして奪われないような知恵(スキル)を身につければ、 
 幸せに暮らしていける。


経済力は、
 国民が衣・食・住で困らないようにする。

自国のみでやっていけるのであれば、
 鎖国も選択肢。

ただ、
 多様な食材、文化、技術、芸術を楽しむためには、世界中と取引した方がよい。

そのため、 
 貿易により、お互いの利益になるようにする。

そうはいっても、
 貿易の自由化は、国家間の壁をなくすということなので、
 日本に住む多くの国民にとっては、必然的に、給与の減少をもたらす。

そこで、
 どこまで自由化するかを、国家全体の利益を考えて、バランスをとって選択をする。


政策は、
 得する人と、損する人が存在する
ので、
 損する人にも配慮しながら、全体の利益になるか、将来の国民の利益になるか
など、
 総合的に考える必要がある。

この作業が「無知のベール」。


それが、
 バランス感覚
であり、
 選択
であり、
 政策なわけです。

その選択権は、
 国民が持っている
ということです。

国民は、左思想の人から、右思想の人、裕福な人、貧しい人様々です。
職業も様々、暮らしている場所も様々。

*****
TPPは、
 一般消費者にとっては、安く多様な商品が入ってくる
という面では、利益となる。

生産者の立場からすると、競争が激しくなり、人件費では絶対に勝てないので、死活問題。
つぶれてしまえば、
 そこで働いていた人は失業する。

 地方は、どんどん疲弊していく。

 将来の国民の利益になると、弊害が生じてくる恐れがある。

そのため、どういう手段を講じなければならないかを考え、選択していく。

*****
金融の自由化は、
 日本国民のお金が、海外の金融機関に直接的に移動する
ことになる。

そのため、
 日本国民→国内の金融機関→日本国債
という流れが崩れてしまいかねない。

日本国債の人気が下がれば、金利上昇につながる。
金利上昇は、国債発行がどんどん増えていくことになる。



*****
原発ゼロは、化石燃料に頼る割合を増やさなければ実現できない。

CO2削減は、原発に頼らなければ実現できない。

太陽光発電は、発電コストを国民が利用料として負担しなければ実現できない。

つまり、
 原発は嫌、CO2の増加は嫌、高い電気代は嫌
といういいとこ取りは、
 今のところ、できないわけです。

そのため、
 バランス感覚が必要である
ということ。

生産力を上げ、国際社会で戦うには、
 人件費や光熱費を下げる必要がある。
ただ、
 CO2についても、国際世論が厳しくなっている。

そのため、
 世界的に見ると原発の推進の動きが高まっている。

日本も再開に向けて動いている。

原発のリスクには目をつぶるという選択をしているということです。


つまり、
 すべて、バランスをとりながら、やっていくしかない
わけです。

急激な変化に耐えられるのは、
 柔軟性に富んだ人
だけです。

逆に言うと、
 そういう人にとっては、チャンスとなります。

これが、
 一部の人が戦争を望む理由です。
戦争や恐慌の動乱時に莫大な財産を築いた人や企業が存在する。


ただ、多くの人にとっては、
 利害関係人のバランスをうまくとりながら、
 多くの国民が幸せに生きられるような政策を、
 長期的な視点から実現していく
ことの方が、
 幸せに暮らせる
と思います。

バランスという視点を持っておくと、
 極端な政策は、危険な面も有しているはず
という警戒感を持つことができると思います。

国家経営には、バランス感覚が不可欠です。

失敗は、多くの国民を不幸にするからです。
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