国道11号線の新居浜から少し東に進むと合併で四国中央市と名前を変えた旧土居町の上野に出るが、その辺りで山手向かう道路で高速道路の下を潜り関川沿いに赤石山系への林道を30分も登って行くと谷川に沿った大川の小さな小さな集落に出逢うことになる。
この大楠は集落の手前、谷川を渡った対岸に在る古びた大川薬師堂の境内にひっそりとそれでも見事な根張りを見せつける様に立ち尽くしている。
この鄙びた景観がなんとも捨てがたい景観を醸し出し・・・
楠の巨木は質素な薬師堂の傍らで密かに息づいているかのよう・・・・
巨大ではあるがすっくと伸びた巨幹はバランスが良すぎて遠目にはそれほどの巨体とは感じないが近づくほどに圧倒されるものが有る。
目を見張るのは大地を捕まえて離さないぞと言わんばかりに発達した巨大な根回り根張り・・・
これほどの根張りが必要なのか、あまりに巨大な根張りに主幹が貧弱に見えてしまっているような??
根回りは驚きの35m、目通り10.6m、樹齢約400年余り、ごらんの通り樹勢も旺盛、巨大さの中にも見事な美を見せてくれる大楠です。
石積塀、墓石台石に四国独特の石積み文化を感じる境内脇の小さな古墓の風情が大楠の景観に色を添えている。
愛媛県指定天然記念物。
撮影2008.12.22