国道439号線は高知県から徳島県に越える県境辺りはまさしく酷道、急峻な山肌を縫うように県境の京柱峠までの高知県側は、離合も困難なほどの林道状態。
京柱峠でやっと一息、此処は標高1100mも越える絶景ポイント、ツーリング族?には人気が高いく、此処から先徳島県側は道路も良くなって旧東祖谷山村へと入る。
鉾神社は京柱峠を一気に下った日本三大秘境に数えられる祖谷川沿い、栃之瀬小学校前の分岐点から急峻な山肌をクネクネと5km近くも登った平家落人が隠れ住んだと伝えられる地に鎮座して居る。
平家の末裔とされ、今は移築され一般開放もされている武家屋敷の「喜多家」のすぐ横が鉾神社、この境内奥の鬱蒼とした木立の中に鉾杉が聳えて居て全体を捉えるのはかなり困難です。
神社には大木が生い茂り、地方独特の自然石の石段を登ると神さびた雰囲気の中に樹齢約800年、目通り約11m、樹高約35mと言われる鉾杉が立ち尽くしている。
この地は平家落人にまつわる遺跡や伝説が多く残され、この鉾杉もこの地に入った 「平国盛」が鉾を納めた鉾神社に国盛の手植したのがこの鉾杉だと伝えられ県内一の巨杉として天然記念物に指定されています。
まるで鷲掴みにするかの様に聳え立つ太い主幹、脇から何十本となく突き刺すような枝はこの地の歴史と自然の厳しさを物語る様に猛々し見事ですが、写真には収めづらい場処に立っています。
この杉が健在な限り「平国盛」の名も忘れることなく語り継がれるのだろう・・・。
四国の山深い山中に隠れ住んだという平家落人の悲哀が実感として感じられる土地であり、神社であり、杉の巨木です。
撮影2008.11.2