須崎市で大谷の大楠を見てその足でこの日の最終訪問と決めていたここまで馬鹿ナビ頼りに走ってみたが思わぬアクシデント、このバカナビにはよく泣かされる。
国道33号線で佐川町を抜け越智町へ、越智町の川の麓の交差点を言われるままに県道18号に左折、それが間違いの元、地理に不慣れな土地の怖さと云うか??谷川沿いの県道をどんどん進めて行くと・・・・・
道路はどんどん狭くなる山はどんどん深くなる、20分も走るとすっかり心細くなり引き返そうと思ったり・・・、そんな時ちょうど道路工事をしていた人に出逢い確認すると45分ぐらいで山を越して目的地にはでられるよと・・・・・
越智で此処に入ったのが間違い、少々遠回りでも国道をぐるっと迂回するほうがよほど早くてよほど快適だとか・・・・・そんなこと後の祭り、何とか先を進めたが四国の道路は恐ろしい・・・・・、これが県道か???それでも滅多に見れない四国山中の山岳集落などを目にして思わない目の保養はさせて貰った。
県道18号線の最大難所、大峠の登りを過ぎ、峠の下りから長者の家並みが見えてほっとする、ここまで越智の交差から約1時間半、しっかり疲れました。
集落が近づいて眼下に大公孫樹が石垣積みの見事な棚田の向こうに見えたときには瞬時に疲れも吹き飛ぶ程の歓喜を覚えた。
全て葉を落とした裸木の大公孫樹と見晴るかす石組み棚田、その上に在る家並からは夕餉の煙、なんとも谷底集落の夕景と云うのはこういうものか・・・。
まさしく出逢いたい景色に出会えた喜び、そこに身を置いて感じる愛おしさ・・・・・来てよかったと感じる一瞬だった。
棚田の上に在る家並の間を下って行くと小学校の横、石垣上に素朴な十王堂が有りその境内脇にこの長者の大公孫樹が見事な長者の棚田をバックに聳えている。
何も語る言葉など必要ないかも??この存在感と、何ものにも変えがたいこの景観・・・・・。
文化13年、村の庄屋さんが十王堂の改築にと3幹のうち1幹を用材として伐採、大正期には火災や台風の被害に有ったらしいが毎年元気に芽吹いて枝一杯に葉を付けるとか・・・・。
引きちぎられた大枝が痛々しいが、推定樹齢1200年、目通り約11m、樹高約15m、県の天然記念物に指定されている。
なんとも良いものを見せて貰った。
撮影2008.12.20