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2016年10月 スペクタクルな花形歌舞伎goemonを観劇、観客席を駆け巡る愛之助=五右衛門と握手

2016年11月22日 | よしなしごと

歌舞伎・GOEMONを観る

 2016年10月某日、新橋演舞場に出かけた。テレビでお馴染みの片岡愛之助が演じる10月花形歌舞伎GOEMONの観劇である。
 予約のタイミングが悪く、手ごろな料金のいい席はすべて埋まっていた。やむを得ず、2階席左列31-32を選んだ。それでも2等B席で5000円・・ちなみに桟敷席15000円、1等席14000円~3等B席3000円・・である。

 左列は花道側になり、31は上段の壁側なので、ここからは花道は見えない。舞台に近いので間近で観劇できるのがせめての救いである。

 goemonとわざわざ横書きしているのは石川五右衛門の設定が奇想天外だからである。
 石川五右衛門は実在したらしいが、かなり装飾され伝説化されているから、奇想天外のgoemonも興味を引いたし、水口一夫の演出も、片岡愛之助を始めとする役者たちも観る人を思いっきり楽しませてくれた。

 goemonのあらすじは、豊臣秀吉による天下統一後、キリスト教布教のため日本に来ていたイスパニアの神父カルデロンは明智光秀の家臣の娘である石田局と愛し合い、友市という息子が生まれる。
 ところが秀吉が切支丹禁止令を打ち出したためカルデロンはイスパニアに追放となり、ほどなく石田局も亡くなって、友市は天涯孤独となる。
 時は流れ、友市は大盗賊・石川五右衛門にとなっていて、出雲の阿国が秀吉に言い寄られたとき、阿国を助け出す。
 石川五右衛門と秀吉配下の役人たちの大捕物が見せ場で、霧隠才蔵も登場する。その後、カルデロンから連絡を受け、友市=五右衛門は父を訪ねてイスパニアへ?、幕が下りる。


 石川五右衛門が片岡愛之助、秀吉が中村鴈治郎、カルデロン・霧隠才蔵の二役が今井翼、石田局が上村吉弥、出雲の阿国は中村壱太郎、ほか中村種之助、中村寿治郎らが登場する。


 パンフレットには「片岡愛之助宙づりにてつづら抜け相勤め申し候」とあり、花道の上部にワイヤが張られていて、愛之助扮する五右衛門が宙づりになる場面が一度ならず二度もあった。
 2階席左列31-32の席は花道こそ見えないが、宙づりの五右衛門は舞台から3階の特設控え室に動いていくので、目の前の愛之助を見ることができた。
 2階左側席は愛之助と目が合い拍手喝采である・・会場中が拍手だが・・。

 
 さらに、五右衛門+才蔵と秀吉配下の役人との大捕物では、役者が観客席を駆け巡る。
 観客席の扉口から消えては別の扉口から現れるという観客サービスで、なんと、2階席左列の後ろの扉から現れた愛之助=五右衛門がすぐ隣に座っていた私に手を出し、握手となった。
 これには私もびっくり、ほかの席の観客が羨ましげにこちらを見ていたが、あっという間に愛之助=五右衛門はまた扉口から消えた。
 一瞬の出来事だったが、花道の見えない席への愛之助のサービスに感激である。


 話が戻るが、カルデロンがイスパニアに帰り、傷心しているとき、フラメンコが演じられる。
 フラメンコ自体がもの悲しげだから、カルデロンの気持ちを表すのにぴったりである。
 カンテ=歌に乗り、かかとをならしながら舞台狭しとバイレ=踊りが演じられる。たいへんな迫力で、ジーンと来る。横文字goemonは、フラメンコ入りのスペクタクルな歌舞伎ということのようだ。

 新たなkabukiへの挑戦、ますます歌舞伎が楽しめそうである。
 開演11時、途中30分ほどの休憩を挟んで、幕は2時40分に降りた。席が狭いのが難点だが、スペクタクル歌舞伎を大いに楽しむことができた。

 来るときは地下鉄を利用したが、帰りは上野東京ラインに乗ろうと思い、新橋駅に向かった。駅の手前で「とっとり・おかやま館」を見つけた。
 鳥取地震があったばかりだから、ささやかな支援になればと鳥取の酒「稲田姫」と塩らっきょを購入した。2階はカフェになっているので、コーヒーを飲みながら一息した。
 有楽町駅近くの銀座熊本館ほどではないが、次から次と客が鳥取、岡山の物産を購入していた。

 
 帰宅後、塩らっきょをつまみに稲田姫を開けた。ほのかなフルーツの香りがし、すっきりとした味だった。目の前の愛之助を思い出し+鳥取の復旧、復興を願いながら、稲田姫を頂いた。

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