アイ・ラブ みどり

逆境にもめげず、けなげに生きるみどり達がいとおしくてなりません。

虚しき老後

2022年02月09日 | 老壊記

長らくパーキンソン病を患っていた兄が亡くなりました。年毎に病状が悪化し、歩行も困難となり、最近はデイケア施設へ通うのを楽しみにしていました。ところがそこで新型コロナに感染、入院治療の結果陰性となり退院したが、入院中に体力を喪失、リハビリのため別の病院に転院した矢先、翌朝心臓が止まっていたというのです。体力を回復し、元の生活に戻ろうとしていたのに、誠に残念でした。難病と闘う兄の頑張る姿は、看病していた家族にとっては生き甲斐だったようです。電話での話しやメイルなどで、その思いがひしひしと胸を打ちます。

長男の兄は真面目で責任感が強く、東大を卒業、労働省のエリートとして、ILOに関わり、在英日本大使館書記官としてロンドンに派遣され、局長まで務め上げました。JICA団長としてシンガポールにも派遣されたこともあり、我が一族一同の敬愛を集めていた頼りになる存在でした。私が定年退職した20年ほど前には、兄は、かなり重度のうつ病に罹っていました。重責を担って華やかに活動していたところ、急に定年退職を迎職と職と部下を失って孤独感に襲われたのでしょうか。それが難病の切っ掛けになったような気がします。晩年は難病との闘病に明け暮れましたが、家族の献身的看病を受け、頑張り屋の兄はよく長生きできたと思います。享年85歳でした。

兄を亡くして思うことは、私の寿命も後数年で尽きるわけです。兄の数日前に亡くなった石原慎太郎の言、「私は魂とか次世界とかは信じません。死んでしまえば全て無です」に同感します。社会的貢献を果たし、子孫を残したしところで、後期高齢者の域を脱し、体力・知力を衰退させた終期高齢者の域に入ったと実感しているところです。慎太郎は死の間際まで小説を執筆していたと言いますが、私にはそんなことも出来ません。最早社会の穀潰しではないかと思い、何の役にもならない我が身に虚しい思いです。

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