先月下旬から2000年8月に訪れたカナディアン・ロッキーの風景を題材に油絵を描いていましたが、一旦完成することにしました。最初、写真の画像を出来るだけ忠実に描きましたが、実際の風景を目の当たりした感動に程遠く、写真をしまい私の脳裏に焼きついた心象を描くことにしました。
この絵の中心は、標高3300mの神々しいMt. Unwinの山容です。氷河が億単位の年月をかけて磨き上げた山は、稜線が剃刀のように鋭く、山肌は宝石のカットように研ぎ澄まされて、大地から聳え立っています。先ず、この山を神の宿る台座として描きました。その結果、灰褐色の山は白く輝く霊山になってしまいました。水分を多量に含んだ霞がちな空は、ウルトラマリンの晴れ渡った空に変え、神秘的な霊山の威容を強調することにしました。
霊山と共に、霊山に向かう延長40kmの細長いマリーン湖の奥行きを重視しました。氷河の通路に残された氷河湖の水は、含まれる粘土の粒径と濃度により繊細な色の変化を見せます。マリーン湖の色はトルコ石に似通っています。口では言い表せない神秘の色です。
聖なる山と湖の邪魔にならないよう、氷河に削られた切り立った湖の両岸は、できるだけ単純化して描きました。湖の両岸には氷河が削った砂礫が堆積したモレーンと呼ばれる地形が出来ます。厳しい気候に耐えてモレーンに貧弱な植生がしがみついています。日本の8月は若葉の季節ですが、ロッキーの緑は黒味がかり、緩慢な成長を物語っています。ハイマツや樅の木のような厚いクチクラ層で守られた固い葉の植物が優勢なのでしょう。脇役のモレーンは主役の山と湖を引き立てるため、あっさりと描きました。
一応完成ですが、技術を高めて更に手を入れたいと考えています。また時間の経過と共に風景を見る目も移ろいます。何時までも完成しない絵もあっていいのではないでしょうか。
この絵の中心は、標高3300mの神々しいMt. Unwinの山容です。氷河が億単位の年月をかけて磨き上げた山は、稜線が剃刀のように鋭く、山肌は宝石のカットように研ぎ澄まされて、大地から聳え立っています。先ず、この山を神の宿る台座として描きました。その結果、灰褐色の山は白く輝く霊山になってしまいました。水分を多量に含んだ霞がちな空は、ウルトラマリンの晴れ渡った空に変え、神秘的な霊山の威容を強調することにしました。
霊山と共に、霊山に向かう延長40kmの細長いマリーン湖の奥行きを重視しました。氷河の通路に残された氷河湖の水は、含まれる粘土の粒径と濃度により繊細な色の変化を見せます。マリーン湖の色はトルコ石に似通っています。口では言い表せない神秘の色です。
聖なる山と湖の邪魔にならないよう、氷河に削られた切り立った湖の両岸は、できるだけ単純化して描きました。湖の両岸には氷河が削った砂礫が堆積したモレーンと呼ばれる地形が出来ます。厳しい気候に耐えてモレーンに貧弱な植生がしがみついています。日本の8月は若葉の季節ですが、ロッキーの緑は黒味がかり、緩慢な成長を物語っています。ハイマツや樅の木のような厚いクチクラ層で守られた固い葉の植物が優勢なのでしょう。脇役のモレーンは主役の山と湖を引き立てるため、あっさりと描きました。
一応完成ですが、技術を高めて更に手を入れたいと考えています。また時間の経過と共に風景を見る目も移ろいます。何時までも完成しない絵もあっていいのではないでしょうか。
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