J1リーグ 第27節
鹿島アントラーズ:オズワルド オリヴェイラ 監督
Q:マルキーニョスの出場停止のなか、本山の起用がチームにいい効果をもたらせたと思うが?また次節はマルキーニョスも戻ってくるがどう戦っていくのか?
素晴らしい選手を出場停止で欠いたことで代わりにそれに見合った選手を模索していく中で攻撃的な能力のセンスだったり、クレバーさを持っているのが本山だった。彼はピンポイントでやってほしいことができる選手。今シーズンはケガがちであったり、体調不良などで調子が整わなかったりして途中交代が多いが90分通して使っていきたいとは思っている。今後(の戦い方)に関しては対戦相手をみなくてはならないので分析も必要であるし、選手1人1人のコンディションだってある。次の試合まで1週間時間があるのでそこでしっかりと準備していきたい。そして今一番チームに最良なことを模索してやっていきたい。
Q:今日2ゴールを挙げた興梠について
FWは点を取ることが仕事であり、取っていくことで自信を深めていくものなので点を取ることで変わってくると思う。興梠に関しては点を取る予兆は持っていたし、他の試合でもチャンスをつくれていたなかで今日点を取れたというだけ。FWに期待されることは1試合で多く点を積み重ねることよりもシーズンを通じて継続して点を取っていくということ。今日点を取れたことによって彼にとってもはっきりしてきた部分はあると思うので彼に期待したい。
Q:10(引き)分けということに関して
前節、1点取って同点に追い付かれる間にもチャンスはあったし、ホームであっても同じことはあった。1点とってさらに点を積み重ねていくことが大事であって勝つために戦っているなかで引き分けというのはやむを得ない。ただ、全部が全部引き分けに値する試合かといえばそういう試合はないと思うし、引き分けで(勝ちを)無駄にしてしまった試合はいくつかあり、残念な部分はある。
今日の試合でPKを決めていれば違う展開はあったかもしれない。ただ、そこで下を向くことなくやり続けたことが1、2点目へとつながった。マリノスは質、攻撃力が高いチームであって個人名をあげなくてもわかると思う。みんなが同じやり方でしっかりと献身的にできるかできないかという部分において、今日は勝ち点3も大事だったが、我々が狙いとしていた全員で組織的にやろうという部分ができていたというのが大きな収穫だったと思う。
【本山 雅志】
慎三のパフォーマンスがよかった。みんなが「決められない、決められない」って言っていたので決めてくれてよかった。慎三のパフォーマンスがよかったと思う。紅白戦の中で慎三のタイミングは分かっていたし、慎三のスピードを活かしたかった。(今季初スタメンは)みんながカバーしてくれたし、自信を持って試合に臨めた。もう落とせないのでしっかり勝って名古屋との直接対決をいい形で向かえたい。
【伊野波 雅彦】
慎三が点をとってくれたことが大きい。これでアイツの調子が戻ってくれればいいと思う。PKを外した時はどうなることかと思ったがチャンスは来ると思っていたし、チームとしては2点目を取れたことが大きかった。
【曽ヶ端 準】
フォーメーションが変わったので、ディフェンス時のバランスに気をつけた。前半はすごくよかったと思う。昨日の試合で名古屋が勝ったのでウチとしては勝つしかなかったし、名古屋が取りこぼしてもウチは勝ち続けるしかないので気にしていなかった。相手にはいいキッカーがいたけれども、みんなが集中して跳ね返してくれたと思う。
【遠藤 康】
最近は試合に出られていなかったので自分にとってはチャンスだった。点を決めないといけなかった。
【中田 浩二】
最初はバタバタしたけれども、相手がボールサイドに偏っていたし、ウチがサイドチェンジを使えるようになって攻撃がフィットしてきた。1点目もジウトンからのボールだったし、サイドを上手く使えたと思う。こういう試合に勝ち切るのはチームとして勢いが出る。勝点3以上の価値がある勝利だった。
2010年10月24日(日)
本日行われたJ1第27節横浜FM戦は、興梠選手の2ゴールで2-0と勝利しました。
【J1:第27節 鹿島 vs 横浜FM】オズワルドオリヴェイラ監督(鹿島)記者会見コメント(10.10.24)
10月24日(日) 2010 J1リーグ戦 第27節
鹿島 2 - 0 横浜FM (16:04/カシマ/22,973人)
得点者:36' 興梠慎三(鹿島)、39' 興梠慎三(鹿島)
●オズワルドオリヴェイラ監督(鹿島):
Q:監督が本山選手を起用したことが、本人の活躍はもちろん、チーム全体にも良い効果をもたらしたと思います。本山選手に与えた役割と彼の働きについてお願いします。
「すばらしい選手が出場停止で出れない。そうすると、それに見合う選手、もしくはそれ以上の選手が必要になってくるわけです。そこでいろんなことを模索する中で、質ということを考えたときに、攻撃能力やセンス、クレバーさを考えれば本山選手ではないかと思いました。今週、幸いにも1週間準備があって試合に臨めました。特にこういう強さを持っている対戦相手ですので、そうするといろいろな準備をしなければなりません。選手にはこういう風なやりかたでやる、こういう風な狙いであり、当然ながら長所もあるけど短所もある。そこをみんなで微調整をしながら仕上げていこう、完璧にはならないけどやれることをやろう、やるべきことを整理してやろう、という話をした上で、選手たちが意欲的に取り組んだ成果が見えたので、そのまま試合にいきました。本山選手に関してはクレバーさ、狙い、戦術的な理解度、あるいはピンポイントでやって欲しいことを消化してやってくれる選手なので、それをうまくできたのではないかと思います。ただ、怪我という部分、あるいはコンディション不良というところでシーズンを通して使えませんでした。今後も使っていきたいという意向があるので、僕は期待していきたいと思います」
Q:次の試合でマルキーニョス選手が帰ってきますが、本山選手、興梠選手、マルキーニョス選手の起用法についてお話しできる範囲でお願いできますか?
「今後に関してはまだ対戦相手の状態も見ないといけないし、試合や彼らが狙っているところ、弱点としているところも分析しなければなりません。選手、一人ひとりのコンディションもあるので、また今週も1週間時間があったように、来週も時間があるので、しっかりと準備をして、3人が良い状態であれば3人がでる可能性もあるし、いろいろなことを模索して、チームに最良な選択肢をしていきたいと考えております」
Q:今日、2ゴールをあげた興梠選手への評価をお願いします。
「FWというポジションはどうしても点を取ることで気持ちや自信、心理的なところを含めて変わってくると思います。前節を含め、他の試合でもチャンスはありました。徐々にゴールに近づいてきているという予感はありました。ただ、点を取ることが一つの仕事であって、それはしっかりできたと思いますし、その他のチャンスも今日に関してはありました。期待されていることは、1試合だけで点を取ることではなく継続して取ることです。今後も、僕の期待は継続というところなので、今後の試合でも点が取れるようにもっていけるかどうかだと思います。今日、点を取れたことで、彼の中で吹っ切れた部分もあるだろうし、うまくやってくれたらと思います」
Q:前節の試合を考えると先制直後に2点目が取れたことが大きかったと思うのですが、なにか選手に特別な指示を送ったのかということと、後半もかなりゴールのチャンスがあり、調子が良いときなら追加点を取れていたと思うのですが、そのあたり監督はどのようにお考えでしょうか?
「前節、確かに1点目を取って、2点目だったり3点目という同点に追い付かれるまでにチャンスがありました。それを無駄にしてしまったわけですが、それは前節だけでなく他の試合でも同じでしたし、ホームのカシマスタジアムでもアウェイでも、先制して主導権を握っていく中で最後の最後で同点に追い付かれたり、あるいは相手に先制されてやっと最後の方で追い付いたりとか、リーグの中でも勝敗表を見ていけば、10の引き分けがあるチームです。そういう意味では残念というか、少し無駄にしてしまった試合がいくつかあったと思います。それはなぜかというと、質問にあったとおり、鹿島は1点取ったあとに試合をマネジメントして2点目だったり3点目を取って片づけるというやり方があるわけです。引き分けというのは、勝負の中ではその選択肢もあるわけですし、やむを得ないこともあるわけですが、10分けのすべてが引き分けに値するものかといえば、内容的にはそうではなかったわけです。そういった意味で残念なところがいくつかありました。失点をしてしまうこと、あるいは得点をできる場面は試合の流れやプロセスがあります。得点したあとに、また得点できるのか、それとも失点してしまうかは不安定な部分であり、そのときに注意力や集中力を持続できるかが一つポイントになります。今日に関しては、確か10分あたりにPKがありましたが、それをしっかり決めていればまた違う展開になっていたはずです。ただ、そこでまたチームが頭を下げず、気持ちを落とさずにやり続けたということが1点目につながり、さらに2点目に繋がったのだと思います。理想的な話をいえば、3点目を取ってしっかりと試合を終わる。点差がそんなに離れていなければ、相手もまだチャンスがあるのではないかという心理的な部分があるわけで、また前に出てきます。そういったところでは、多少足りないところがあったかもしれません。ただし、大きな収穫というところで、今日は狙いとしていたところがあって、それを全員で組織的にみんなで仕上げようとしたことがいちばんの収穫です。なにかをやるにあたって、組織のなかの全員が同じ考えを持ち、意欲的に、積極的にやっていくことが大切なのであって、個人がなにかをやることとは違います。特に今日の対戦相手の質を見れば、攻撃力や持っている質を見れば、それに対応するには組織的な部分が大事になってきます。みんなが同じ考えを持って献身的にできるかできないか、というよりもやるかやらないかという判断だけでした。しっかり消化してやろうとしてくれたと思います。勝点3という部分もありますが、みんなで一つのものを仕上げるということが、チームにとっては大きな収穫だったと思います」
以上
【J1:第27節 鹿島 vs 横浜FM】試合終了後の各選手コメント(10.10.24)
●野沢拓也選手(鹿島):
「楽しかった。ひさびさにうちらしい形だった。
(本山選手とのプレーは?)
さばけるし、走ればパスが出てくるので。距離感がすごくよかった。
(次はマルキーニョス選手が戻ってきますけど?)
次は戻すのかな?わからないよ(笑)」
●本山雅志選手(鹿島):
「ちょっと入りがバタバタしたのでボールをもらいたくてももらえなかった。でも時間が経つにつれて良くなりました。(興梠)慎三は昨日から「パスくれ、パスくれ」って言ってたから。良いポジションをとって、あとは慎三の決定力じゃないですか。マリノスがバランスをとって守備をしていたので中盤でもああいうことをやりたかったんだけど、ゴール前だけになってしまいました。
(2点目は?)
完璧ですね。あそこの楔のボールはものすごく良いボールを出してくれた。練習からあそこを見てくれていたのでね。僕が動けない分、タク(野沢)とかフェリペがすごく走ってくれたと思います」
●新井場徹選手(鹿島):
「いまは内容どうこうより、勝点3をとり続けていくしかない。今日は良い時間帯に点が取れたので楽だった。今日の試合をふり返るよりも次も勝点3を取ることに集中しないと行けない。これを継続してやっていきたいですね。
(あまり笑顔がないですが?)
ここで終わりじゃないんで。1試合1試合で一喜一憂するべきじゃない。いまは喜ぶ時じゃないと思うし、今日の試合に関してもパーフェクトな内容じゃなかった。久々に勝ったからといってこれにごまかされずにいきたい。まだ先は長いし、7連勝、6連勝しても優勝しなかったら意味がない」
●興梠慎三選手(鹿島):
「マルキしか決めていないからとりあえず決めてやろうと思っていた。これで爆発してくれればいいと思います。マルキがいない分、どうにかがんばらないといけないという思いがあった。点が取れたけど複雑な思いがありました。これまでチームに迷惑をかけていたし、不調の時もサポーターの人が応援してくれていた。点を取れたときはサポーターにありがとうの気持ちで一杯でした。2点目はシュートを打ってくれというパスだったので打ちました。パスを出す前に目線があったので来るなと思っていました」
●曽ヶ端準選手(鹿島):
「ディフェンスの時にバランスを気をつけてスペースに気をつけていました。前半はよかったと思います。PKが外れていろいろ思うところはありました(笑)。一番本人が思っているだろうしね。昨日、名古屋が勝ったけれど、負けていてもうちが勝たないといけないことには変わらないのであまり関係ありませんでした。
(相手のセットプレーが多かったですが?)
いいキッカーがいるけれど、みんな集中して守ってくれたと思います」
[ J1:第27節 鹿島 vs 横浜FM ]
リーグ戦3試合勝利のない鹿島は36分、今季初スタメンの本山雅志からのヒールパスに反応した興梠慎三(写真)がゴールを決めて1点を先制。興梠はこれが9試合ぶりのゴール。
[ J1:第27節 鹿島 vs 横浜FM ]
先制点を奪った鹿島はその3分後、小笠原満男からのパスを本山雅志がヒールで流し、最後は再び興梠慎三(写真)が決めて追加点を奪った。
[ J1:第27節 鹿島 vs 横浜FM ]
今季初スタメンで2アシストをマークしチームの勝利に多きく貢献した本山雅志(鹿島)。ピッチの上でさすがの存在感を示した。
[ J1:第27節 鹿島 vs 横浜FM ]
シュート7本に押さえ込まれ完敗を喫した横浜FM。順位も8位に後退となった。
写真は興梠慎三(鹿島)と競り合う中村俊輔(横浜FM)。
才能を持つ者はその才能を発揮せねばならぬ運命なのであろう。
本山の輝きは、それを証明して魅せた。
その本山に触発され、慎三も本山からのパスを決める決定力を魅せた。
才能の融合が我等を歓喜の瞬間に導いたのである。
マルキーニョスの戻る次節がより楽しみなった。
鹿島と共にある、今の幸せを噛み締めたい。
鹿島アントラーズ:オズワルド オリヴェイラ 監督
Q:マルキーニョスの出場停止のなか、本山の起用がチームにいい効果をもたらせたと思うが?また次節はマルキーニョスも戻ってくるがどう戦っていくのか?
素晴らしい選手を出場停止で欠いたことで代わりにそれに見合った選手を模索していく中で攻撃的な能力のセンスだったり、クレバーさを持っているのが本山だった。彼はピンポイントでやってほしいことができる選手。今シーズンはケガがちであったり、体調不良などで調子が整わなかったりして途中交代が多いが90分通して使っていきたいとは思っている。今後(の戦い方)に関しては対戦相手をみなくてはならないので分析も必要であるし、選手1人1人のコンディションだってある。次の試合まで1週間時間があるのでそこでしっかりと準備していきたい。そして今一番チームに最良なことを模索してやっていきたい。
Q:今日2ゴールを挙げた興梠について
FWは点を取ることが仕事であり、取っていくことで自信を深めていくものなので点を取ることで変わってくると思う。興梠に関しては点を取る予兆は持っていたし、他の試合でもチャンスをつくれていたなかで今日点を取れたというだけ。FWに期待されることは1試合で多く点を積み重ねることよりもシーズンを通じて継続して点を取っていくということ。今日点を取れたことによって彼にとってもはっきりしてきた部分はあると思うので彼に期待したい。
Q:10(引き)分けということに関して
前節、1点取って同点に追い付かれる間にもチャンスはあったし、ホームであっても同じことはあった。1点とってさらに点を積み重ねていくことが大事であって勝つために戦っているなかで引き分けというのはやむを得ない。ただ、全部が全部引き分けに値する試合かといえばそういう試合はないと思うし、引き分けで(勝ちを)無駄にしてしまった試合はいくつかあり、残念な部分はある。
今日の試合でPKを決めていれば違う展開はあったかもしれない。ただ、そこで下を向くことなくやり続けたことが1、2点目へとつながった。マリノスは質、攻撃力が高いチームであって個人名をあげなくてもわかると思う。みんなが同じやり方でしっかりと献身的にできるかできないかという部分において、今日は勝ち点3も大事だったが、我々が狙いとしていた全員で組織的にやろうという部分ができていたというのが大きな収穫だったと思う。
【本山 雅志】
慎三のパフォーマンスがよかった。みんなが「決められない、決められない」って言っていたので決めてくれてよかった。慎三のパフォーマンスがよかったと思う。紅白戦の中で慎三のタイミングは分かっていたし、慎三のスピードを活かしたかった。(今季初スタメンは)みんながカバーしてくれたし、自信を持って試合に臨めた。もう落とせないのでしっかり勝って名古屋との直接対決をいい形で向かえたい。
【伊野波 雅彦】
慎三が点をとってくれたことが大きい。これでアイツの調子が戻ってくれればいいと思う。PKを外した時はどうなることかと思ったがチャンスは来ると思っていたし、チームとしては2点目を取れたことが大きかった。
【曽ヶ端 準】
フォーメーションが変わったので、ディフェンス時のバランスに気をつけた。前半はすごくよかったと思う。昨日の試合で名古屋が勝ったのでウチとしては勝つしかなかったし、名古屋が取りこぼしてもウチは勝ち続けるしかないので気にしていなかった。相手にはいいキッカーがいたけれども、みんなが集中して跳ね返してくれたと思う。
【遠藤 康】
最近は試合に出られていなかったので自分にとってはチャンスだった。点を決めないといけなかった。
【中田 浩二】
最初はバタバタしたけれども、相手がボールサイドに偏っていたし、ウチがサイドチェンジを使えるようになって攻撃がフィットしてきた。1点目もジウトンからのボールだったし、サイドを上手く使えたと思う。こういう試合に勝ち切るのはチームとして勢いが出る。勝点3以上の価値がある勝利だった。
2010年10月24日(日)
本日行われたJ1第27節横浜FM戦は、興梠選手の2ゴールで2-0と勝利しました。
【J1:第27節 鹿島 vs 横浜FM】オズワルドオリヴェイラ監督(鹿島)記者会見コメント(10.10.24)
10月24日(日) 2010 J1リーグ戦 第27節
鹿島 2 - 0 横浜FM (16:04/カシマ/22,973人)
得点者:36' 興梠慎三(鹿島)、39' 興梠慎三(鹿島)
●オズワルドオリヴェイラ監督(鹿島):
Q:監督が本山選手を起用したことが、本人の活躍はもちろん、チーム全体にも良い効果をもたらしたと思います。本山選手に与えた役割と彼の働きについてお願いします。
「すばらしい選手が出場停止で出れない。そうすると、それに見合う選手、もしくはそれ以上の選手が必要になってくるわけです。そこでいろんなことを模索する中で、質ということを考えたときに、攻撃能力やセンス、クレバーさを考えれば本山選手ではないかと思いました。今週、幸いにも1週間準備があって試合に臨めました。特にこういう強さを持っている対戦相手ですので、そうするといろいろな準備をしなければなりません。選手にはこういう風なやりかたでやる、こういう風な狙いであり、当然ながら長所もあるけど短所もある。そこをみんなで微調整をしながら仕上げていこう、完璧にはならないけどやれることをやろう、やるべきことを整理してやろう、という話をした上で、選手たちが意欲的に取り組んだ成果が見えたので、そのまま試合にいきました。本山選手に関してはクレバーさ、狙い、戦術的な理解度、あるいはピンポイントでやって欲しいことを消化してやってくれる選手なので、それをうまくできたのではないかと思います。ただ、怪我という部分、あるいはコンディション不良というところでシーズンを通して使えませんでした。今後も使っていきたいという意向があるので、僕は期待していきたいと思います」
Q:次の試合でマルキーニョス選手が帰ってきますが、本山選手、興梠選手、マルキーニョス選手の起用法についてお話しできる範囲でお願いできますか?
「今後に関してはまだ対戦相手の状態も見ないといけないし、試合や彼らが狙っているところ、弱点としているところも分析しなければなりません。選手、一人ひとりのコンディションもあるので、また今週も1週間時間があったように、来週も時間があるので、しっかりと準備をして、3人が良い状態であれば3人がでる可能性もあるし、いろいろなことを模索して、チームに最良な選択肢をしていきたいと考えております」
Q:今日、2ゴールをあげた興梠選手への評価をお願いします。
「FWというポジションはどうしても点を取ることで気持ちや自信、心理的なところを含めて変わってくると思います。前節を含め、他の試合でもチャンスはありました。徐々にゴールに近づいてきているという予感はありました。ただ、点を取ることが一つの仕事であって、それはしっかりできたと思いますし、その他のチャンスも今日に関してはありました。期待されていることは、1試合だけで点を取ることではなく継続して取ることです。今後も、僕の期待は継続というところなので、今後の試合でも点が取れるようにもっていけるかどうかだと思います。今日、点を取れたことで、彼の中で吹っ切れた部分もあるだろうし、うまくやってくれたらと思います」
Q:前節の試合を考えると先制直後に2点目が取れたことが大きかったと思うのですが、なにか選手に特別な指示を送ったのかということと、後半もかなりゴールのチャンスがあり、調子が良いときなら追加点を取れていたと思うのですが、そのあたり監督はどのようにお考えでしょうか?
「前節、確かに1点目を取って、2点目だったり3点目という同点に追い付かれるまでにチャンスがありました。それを無駄にしてしまったわけですが、それは前節だけでなく他の試合でも同じでしたし、ホームのカシマスタジアムでもアウェイでも、先制して主導権を握っていく中で最後の最後で同点に追い付かれたり、あるいは相手に先制されてやっと最後の方で追い付いたりとか、リーグの中でも勝敗表を見ていけば、10の引き分けがあるチームです。そういう意味では残念というか、少し無駄にしてしまった試合がいくつかあったと思います。それはなぜかというと、質問にあったとおり、鹿島は1点取ったあとに試合をマネジメントして2点目だったり3点目を取って片づけるというやり方があるわけです。引き分けというのは、勝負の中ではその選択肢もあるわけですし、やむを得ないこともあるわけですが、10分けのすべてが引き分けに値するものかといえば、内容的にはそうではなかったわけです。そういった意味で残念なところがいくつかありました。失点をしてしまうこと、あるいは得点をできる場面は試合の流れやプロセスがあります。得点したあとに、また得点できるのか、それとも失点してしまうかは不安定な部分であり、そのときに注意力や集中力を持続できるかが一つポイントになります。今日に関しては、確か10分あたりにPKがありましたが、それをしっかり決めていればまた違う展開になっていたはずです。ただ、そこでまたチームが頭を下げず、気持ちを落とさずにやり続けたということが1点目につながり、さらに2点目に繋がったのだと思います。理想的な話をいえば、3点目を取ってしっかりと試合を終わる。点差がそんなに離れていなければ、相手もまだチャンスがあるのではないかという心理的な部分があるわけで、また前に出てきます。そういったところでは、多少足りないところがあったかもしれません。ただし、大きな収穫というところで、今日は狙いとしていたところがあって、それを全員で組織的にみんなで仕上げようとしたことがいちばんの収穫です。なにかをやるにあたって、組織のなかの全員が同じ考えを持ち、意欲的に、積極的にやっていくことが大切なのであって、個人がなにかをやることとは違います。特に今日の対戦相手の質を見れば、攻撃力や持っている質を見れば、それに対応するには組織的な部分が大事になってきます。みんなが同じ考えを持って献身的にできるかできないか、というよりもやるかやらないかという判断だけでした。しっかり消化してやろうとしてくれたと思います。勝点3という部分もありますが、みんなで一つのものを仕上げるということが、チームにとっては大きな収穫だったと思います」
以上
【J1:第27節 鹿島 vs 横浜FM】試合終了後の各選手コメント(10.10.24)
●野沢拓也選手(鹿島):
「楽しかった。ひさびさにうちらしい形だった。
(本山選手とのプレーは?)
さばけるし、走ればパスが出てくるので。距離感がすごくよかった。
(次はマルキーニョス選手が戻ってきますけど?)
次は戻すのかな?わからないよ(笑)」
●本山雅志選手(鹿島):
「ちょっと入りがバタバタしたのでボールをもらいたくてももらえなかった。でも時間が経つにつれて良くなりました。(興梠)慎三は昨日から「パスくれ、パスくれ」って言ってたから。良いポジションをとって、あとは慎三の決定力じゃないですか。マリノスがバランスをとって守備をしていたので中盤でもああいうことをやりたかったんだけど、ゴール前だけになってしまいました。
(2点目は?)
完璧ですね。あそこの楔のボールはものすごく良いボールを出してくれた。練習からあそこを見てくれていたのでね。僕が動けない分、タク(野沢)とかフェリペがすごく走ってくれたと思います」
●新井場徹選手(鹿島):
「いまは内容どうこうより、勝点3をとり続けていくしかない。今日は良い時間帯に点が取れたので楽だった。今日の試合をふり返るよりも次も勝点3を取ることに集中しないと行けない。これを継続してやっていきたいですね。
(あまり笑顔がないですが?)
ここで終わりじゃないんで。1試合1試合で一喜一憂するべきじゃない。いまは喜ぶ時じゃないと思うし、今日の試合に関してもパーフェクトな内容じゃなかった。久々に勝ったからといってこれにごまかされずにいきたい。まだ先は長いし、7連勝、6連勝しても優勝しなかったら意味がない」
●興梠慎三選手(鹿島):
「マルキしか決めていないからとりあえず決めてやろうと思っていた。これで爆発してくれればいいと思います。マルキがいない分、どうにかがんばらないといけないという思いがあった。点が取れたけど複雑な思いがありました。これまでチームに迷惑をかけていたし、不調の時もサポーターの人が応援してくれていた。点を取れたときはサポーターにありがとうの気持ちで一杯でした。2点目はシュートを打ってくれというパスだったので打ちました。パスを出す前に目線があったので来るなと思っていました」
●曽ヶ端準選手(鹿島):
「ディフェンスの時にバランスを気をつけてスペースに気をつけていました。前半はよかったと思います。PKが外れていろいろ思うところはありました(笑)。一番本人が思っているだろうしね。昨日、名古屋が勝ったけれど、負けていてもうちが勝たないといけないことには変わらないのであまり関係ありませんでした。
(相手のセットプレーが多かったですが?)
いいキッカーがいるけれど、みんな集中して守ってくれたと思います」
[ J1:第27節 鹿島 vs 横浜FM ]
リーグ戦3試合勝利のない鹿島は36分、今季初スタメンの本山雅志からのヒールパスに反応した興梠慎三(写真)がゴールを決めて1点を先制。興梠はこれが9試合ぶりのゴール。
[ J1:第27節 鹿島 vs 横浜FM ]
先制点を奪った鹿島はその3分後、小笠原満男からのパスを本山雅志がヒールで流し、最後は再び興梠慎三(写真)が決めて追加点を奪った。
[ J1:第27節 鹿島 vs 横浜FM ]
今季初スタメンで2アシストをマークしチームの勝利に多きく貢献した本山雅志(鹿島)。ピッチの上でさすがの存在感を示した。
[ J1:第27節 鹿島 vs 横浜FM ]
シュート7本に押さえ込まれ完敗を喫した横浜FM。順位も8位に後退となった。
写真は興梠慎三(鹿島)と競り合う中村俊輔(横浜FM)。
才能を持つ者はその才能を発揮せねばならぬ運命なのであろう。
本山の輝きは、それを証明して魅せた。
その本山に触発され、慎三も本山からのパスを決める決定力を魅せた。
才能の融合が我等を歓喜の瞬間に導いたのである。
マルキーニョスの戻る次節がより楽しみなった。
鹿島と共にある、今の幸せを噛み締めたい。