興梠2発!V4へ「爆発できそう」/J1
ゴールを決め、笑顔で駆け出す鹿島FW興梠。右はがっくりの横浜DF栗原
<J1:鹿島2-0横浜>◇第27節◇24日◇カシマ
鹿島が横浜に2-0と勝ち、前日神戸に勝った名古屋との勝ち点差8を守った。FW興梠慎三(24)が、MF本山雅志(31)のスルーパスにうまく飛び出し、前半36、39分に立て続けに得点。8月14日東京戦以来約2カ月ぶりのゴールは、残念ながら直前で風邪のため視察を取りやめた、日本代表ザッケローニ監督へのアピールにはならなかった。だが、調子を上げてのゴールラッシュで、Jリーグ優勝経由でのアジア杯代表メンバー入りを目指す。
水を得た魚、本山を得た興梠だった。試合序盤から、興梠は本山のスルーパスで、ぐいぐいと横浜ゴールに迫った。「スルーパスが出てくるのはいいね。まず自分を見てくれるので、走り出せば必ずボールが出てくる。すごくやりやすかった」。前半36分には、左サイドの角度のないところから、相手GKの動きをよく見て、浮かせた左足シュートを流し込んだ。3分後にはヒールパスに「事前に目が合っていたから、来ると思った」と反応。DFライン裏に抜け出し、右足シュートをたたき込んだ。
リーグ戦2得点は、09年11月28日G大阪戦以来、330日ぶり。しかもこの日は、事前に日本代表ザッケローニ監督がこの試合を視察することが発表されていた。見たかザック-。4月7日セルビア戦以来の日本代表復帰へ、最高のアピールを果たしたはずだった。
しかしこの日、ザッケローニ監督は風邪をこじらせ、直前で来場をキャンセルしていた。なんたる不運。2ゴールでチームに4試合ぶりの白星をもたらし、優勝の可能性を残す大活躍も、個人的には「見返り」は薄くなってしまった。
それでも興梠は「マルキーニョスも出場停止で不在だったし、自分が決めないとという気持ちは強かった」とチームに貢献できたことを素直に喜んだ。そして「優勝するには1つも試合を落とせない。この流れで、残り試合も勝てるようにしないと」とあくまでリーグ戦4連覇を見据えた。
単にゴールラッシュするよりも、チームの勝利、さらには優勝につながる得点の方が、代表へのアピールにつながるという見方もできる。そしてこの日の活躍も、おそらくテレビ中継でザッケローニ監督の知るところとなっているだろう。「調子は上がっている。爆発できそう。自分でも楽しみです」。生視察の好機は、必ず再び訪れる。本調子をつかみつつある興梠が、リーグVと代表復帰の二兎(にと)を追って、二兎を得る。【塩畑大輔】
[2010年10月25日8時51分 紙面から]
【鹿島-横浜】2点目となるゴールを決めた鹿島興梠(撮影・栗山尚久)
鹿島・本山、巧妙ヒールパス!先制点演出
2010.10.24 20:35
前半、シュートを放つ鹿島・本山(右端)=カシマ
J1第27節第2日(24日、鹿島2-0横浜M、カシマ)チーム最多得点のマルキーニョスが警告累積で出場停止。エースFWを欠く中、オリベイラ監督はいつもの4-4-2でなく、ベテラン本山をトップ下に置く4-5-1の布陣で臨んだ。この策がはまった。
「攻撃のスペースがない」と感じた序盤、31歳の本山は効果的にサイドチェンジを使って揺さぶった。相手の目先を変え、スペースをつくると中央へ。前半36分、絶妙なヒールパスを興梠に渡し、先制ゴールを演出。3分後、今度は小笠原からの強いパスをまたもヒールで興梠に流し、追加点を生んだ。
腰痛、右脚の故障に苦しみ、本山は今季初先発。だが、生え抜きの10番に連係の不安は一切なかった。興梠は「モト(本山)さんは僕の特徴を知っているし、僕もモトさんの特徴を知っている。いいボールをくれた」と感謝した。
残り7試合で名古屋との勝ち点差8。数字上は追い込まれているが、2007年には勝ち点差10を残り5試合でひっくり返し、逆転優勝。その自信が鹿島を支える。
「厳しい戦いが続くが、これからだと思う」。そう言い切った本山の存在が、チームに新たな勢いを生んだ。
鹿島・興梠2発!横浜Mねじ伏せ2位キープ
2010.10.25 05:01
前半39分、鹿島は興梠がこの日2点目。横浜Mを突き放し、2位を守った
J1第27節第2日(24日、鹿島2-0横浜M、カシマ)2位の鹿島はFW興梠慎三(24)の2ゴールで横浜Mに2-0と快勝。南アW杯の代表からもれた点取り屋がザック・ジャパン入りをアピールし、首位・名古屋との勝ち点差8を守った。G大阪は京都に2-1で競り勝ち3位キープ。川崎は2点のリードを守り切れず大宮と引き分け、勝ち点45で5位。広島に敗れた最下位の湘南は14試合連続白星なしとなった。
横浜Mをねじ伏せたのは前半36、39分の興梠の2発。エースFWマルキーニョスが出場停止で、リーグ戦ではオリベイラ監督下で初の1トップ。2点ともアシストはMF本山からのヒールパスで、「いい所に走ればモトさんから絶対パスがくる。これでまた爆発したい」。アジア杯(来年1月、カタール)でのザック・ジャパンの招集候補50人にもリストアップされ、残り7戦で逆転の4連覇へ突っ走る。
巧妙ヒールパス、本山健在!興梠は2得点!
【鹿島2―0横浜】チーム最多得点のマルキーニョスが警告累積で出場停止。エースFWを欠く中、オリベイラ監督はいつもの4―4―2でなく、ベテラン本山をトップ下に置く4―5―1の布陣で臨んだ。この策がはまった。
「攻撃のスペースがない」と感じた序盤、31歳の本山は効果的にサイドチェンジを使って揺さぶった。相手の目先を変え、スペースをつくると中央へ。前半36分、絶妙なヒールパスを興梠に渡し、先制ゴールを演出。3分後、今度は小笠原からの強いパスをまたもヒールで興梠に流し、追加点を生んだ。
腰痛、右脚の故障に苦しみ、本山は今季初先発。だが、生え抜きの10番に連係の不安は一切なかった。興梠は「モト(本山)さんは僕の特徴を知っているし、僕もモトさんの特徴を知っている。いいボールをくれた」と感謝した。
残り7試合で名古屋との勝ち点差8。数字上は追い込まれているが、2007年には勝ち点差10を残り5試合でひっくり返し、逆転優勝。その自信が鹿島を支える。
「厳しい戦いが続くが、これからだと思う」。そう言い切った本山の存在が、チームに新たな勢いを生んだ。
[ 2010年10月24日 19:14 ]
初1トップで興梠復活の2発!V争い残った
<鹿島・横浜>前半、横浜GK飯倉(右)と交錯しながらシュートを放った鹿島・興梠
Photo By スポニチ
【鹿島2―0横浜】鹿島はFW興梠の復活の2発で優勝争いに踏みとどまった。前半36分、MF本山のスルーパスに反応し、左足でゴールに流し込んだ。その3分後には再び本山のヒールパスを右足ダイレクトで合わせて2点目。FWマルキーニョスが出場停止だった試合で9試合ぶりの一発を決めて「今までチームに迷惑を掛けた。最近はマルキしか得点してなかったし、僕が決めてやろうというのはあった」と笑顔を見せた。
初の1トップに入り、トップ下の本山と抜群の連係を見せた。「モト(本山)さんにパスが入った瞬間に走りだせば、必ずいいボールが出てきた。やりやすかった。これで爆発したい」。首位名古屋との勝ち点差は8のままだが、目覚めた興梠がミラクルへと導く。
[ 2010年10月25日 ]
本山2アシスト…鹿島
◆J1第27節 鹿島2―0横浜M(24日・カシマ) 鹿島は初先発のMF本山がFW興梠の2得点をアシスト。「まだ活躍したという実感はない。後半は動けなかった」と言うものの4試合ぶりの勝利に貢献した。開幕前にヘルニアの手術を受け、復帰は5月。その後も20分の出場制限を受けるなど途中出場が続いていたが、先発復帰戦で見事に期待に応えた。首位・名古屋との勝ち点差は8のまま。逆転優勝を最後まであきらめない。
(2010年10月25日06時01分 スポーツ報知)
興梠、鮮烈2発!鹿島V戦線残った
鹿島‐横浜M 前半、先制ゴールを決め喜ぶ鹿島・興梠=カシマ
「J1、鹿島2‐0横浜M」(24日、カシマ)
鹿島のFW興梠慎三(24)の鮮烈な2発でV戦線に生き残った。「僕たちは1敗も落とせない。名古屋が取りこぼすまで勝ち続けるしかない」。マルキーニョスが累積警告で出場停止の危機を、9試合ぶりのゴールで救った。
前半13分にMF小笠原がPKを失敗。嫌なムードを振り払ったのは同36分だ。MF本山のヒールパスに抜け出し、左足ループ弾で先制。39分には再び本山のヒールパスを受けて加点した。「うれしいより複雑。決められなくて迷惑をかけた」と71日ぶりのゴールに照れ笑いするが、4連覇に望みを残す活躍だった。
日本代表から遠ざかるが、ザック日本と同じ1トップ布陣で活躍。ザッケローニ監督は風邪で視察を取りやめたが、自宅でテレビ観戦。快足FWの復活劇は届いたはず。
(2010年10月24日)
鹿島 4連覇あきらめない
2010年10月25日 紙面から
鹿島-横浜M 前半36分、先制ゴールを決める鹿島の興梠、左は横浜Mの栗原。GK飯倉=カシマスタジアムで
各地で4試合を行い、2位の鹿島はホームで横浜Mと対戦し、FW興梠慎三(24)の2発で横浜Mを2-0で下し、4試合ぶりの白星を飾った。逆転での4連覇に向け、首位の名古屋との勝ち点差8を守った。3位のG大阪は京都に2-1で競り勝った。広島はFW李忠成(24)の5試合連続ゴールなどで湘南に快勝し、勝ち点42で7位に浮上した。最下位の湘南は14試合連続白星なし。川崎は2点のリードを守り切れず大宮と引き分け、勝ち点45で5位。
左足で技あり、右足で強弾。雨の舞うカシマでFW興梠が11カ月ぶりの1試合2発。いずれも今季リーグ初先発のMF本山のヒールパスを沈めた。「モト(本山)さんにボールが入った瞬間、いい所に走れば(ラストパスは)出てくる」。勝利を導いたのは勝負どころで感じ合う連係だった。
前半36分、敵陣左サイドで本山がパスを受ける。一呼吸置いて、右かかとで鋭角なスルーパス。追いすがるDF栗原が「届いたと思った」両足タックルの上、猛ダッシュで寄せるGK飯倉の体の上を、興梠は冷静に突き、仕留めた。間隙(かんげき)を縫うパスと絶妙ループは、合致したイメージの結晶だった。
3分後、2人は再び共鳴し合う。同39分、小笠原から縦パスが入ると、本山がノールックで右ヒール。「信じていた」興梠が急加速で走り込んで右足を強振すると、ゴールネットから水しぶきが上がった。本山はうなった。「慎三の動きとフィニッシュ能力の高さ」。勝敗はここで決した。
マルキーニョスが出場停止。オリベイラ監督が敷いたのは、鹿島では異例とも言える「4-2-3-1」。急ごしらえの布陣であっても、修正可能な「あうんの呼吸」が名古屋猛追の原動力になる。残り7戦、勝ち点8差。07年シーズンは残り5戦で勝ち点10差をひっくり返した。「残り全試合勝つだけ」と興梠。まだ、不可能を口にする差ではない。 (松岡祐司)
J1鹿島:流れ呼び込んだ興梠2発
【鹿島・横浜マ】前半39分、2点目のゴールを決めて喜ぶ鹿島・興梠=カシマサッカースタジアムで2010年10月24日、長谷川直亮撮影
○鹿島2-0横浜●(24日、カシマ)
9試合ぶりとなるFW興梠の得点が、チームに流れをもたらした。
試合が動いたのは前半36分。本山からのパスを受けた興梠が左サイドでDF栗原と競り合いながらGKを誘い出し、左足で流し込んで先制。3分後には小笠原のパスを受けた本山がヒールで流し、前線の興梠がまたも冷静にゴールを揺らした。出場停止のマルキーニョスに代わって先発出場した本山との好連係が、4試合ぶりの勝利につながった。
鹿島は今季、マルキーニョスを欠いた5試合で4分け1敗。オリベイラ監督はこの日、普段の2トップから、本山をトップ下、興梠を1トップに置く布陣に変更した。「ここ最近は真ん中からスルーパスがあまり出てこなかった。モトさん(本山)はパスが入った瞬間に前を見てくれるので、良い所に走ればパスが出てくる」と興梠。本山が時折、サイドのフェリペガブリエルと野沢らにボールを散らして守備を分散させ、その上で縦パスを興梠に供給し、鹿島は主導権を握り続けた。
鹿島は3連覇の間、終盤に必ずキーとなる選手が現れ、追い上げを果たしてきた。その意味で、今季腰のヘルニアの手術で出遅れた本山の活躍も、大きな収穫だ。この日の勝利が追い上げののろしになるか。【中村有花】
毎日新聞 2010年10月24日 22時09分(最終更新 10月24日 22時20分)
興梠が2発 鹿島、久々の白星で名古屋追う
2010年10月25日10時58分
後半、横浜マ・小椋(右)と競り合う鹿島・本山=西畑志朗撮影
(24日、鹿島2―0横浜マ)
ゴールを背にして出した2本のヒールパスは、視界の外にいた鹿島の興梠につながった。そして決まった2得点。もちろん、送り主の本山の背中に目が付いているわけではない。コンマ数秒の周到な準備がベテランの妙味を生む。
前半36分。くさびのパスを受ける前、左隣の興梠にちらりと視線をやった。「最終ラインの裏を狙っているな」。右かかとで、見えない背後に球をはたく。フリーで飛び出した興梠の足元に収まった。
3分後。再びくさびのパスが入る前、今度は2人の目が合った。またもスルーパスが通る。決めた興梠は「『シュートしてください』という素晴らしいパスだった」。
大黒柱マルキーニョスの出場停止がなければ、2人の連係は実現しなかった。腰や右足のけがに悩む本山は今季初先発。「守備の負担を減らしたい」というオリベイラ監督の配慮で、4―2―3―1の布陣のトップ下に座った。鹿島伝統の4―4―2を崩してまで起用された31歳が、4試合ぶりの勝利を導いた。
試合後は足を引きずりつつ笑顔で「負担が軽いから、これくらいはやらないと」。
「本山にはけがの問題があるが、今後も使いたい。マルキーニョスとの同時起用もある」。選択肢が増えて監督は喜んだ。残り7試合で首位・名古屋との勝ち点差は8。4連覇が難しい状況は変わらない。ただ、鹿島が逆転への「切り札」を得たことも間違いない。(中川文如)
○興梠(鹿) 2カ月ぶりの得点。「チームに迷惑をかけ続けてきたから、まだ喜べない」
水魚の交わり。
まさに昨日の試合は、慎三と本山が織りなすファンタジーをスタジアム全体が堪能した。
慎三を活かすには本山という処方箋が一番だったのである。
復活した慎三の得点力で、残り試合一つ一つ勝利を積み重ねていきたい。
ゴールを決め、笑顔で駆け出す鹿島FW興梠。右はがっくりの横浜DF栗原
<J1:鹿島2-0横浜>◇第27節◇24日◇カシマ
鹿島が横浜に2-0と勝ち、前日神戸に勝った名古屋との勝ち点差8を守った。FW興梠慎三(24)が、MF本山雅志(31)のスルーパスにうまく飛び出し、前半36、39分に立て続けに得点。8月14日東京戦以来約2カ月ぶりのゴールは、残念ながら直前で風邪のため視察を取りやめた、日本代表ザッケローニ監督へのアピールにはならなかった。だが、調子を上げてのゴールラッシュで、Jリーグ優勝経由でのアジア杯代表メンバー入りを目指す。
水を得た魚、本山を得た興梠だった。試合序盤から、興梠は本山のスルーパスで、ぐいぐいと横浜ゴールに迫った。「スルーパスが出てくるのはいいね。まず自分を見てくれるので、走り出せば必ずボールが出てくる。すごくやりやすかった」。前半36分には、左サイドの角度のないところから、相手GKの動きをよく見て、浮かせた左足シュートを流し込んだ。3分後にはヒールパスに「事前に目が合っていたから、来ると思った」と反応。DFライン裏に抜け出し、右足シュートをたたき込んだ。
リーグ戦2得点は、09年11月28日G大阪戦以来、330日ぶり。しかもこの日は、事前に日本代表ザッケローニ監督がこの試合を視察することが発表されていた。見たかザック-。4月7日セルビア戦以来の日本代表復帰へ、最高のアピールを果たしたはずだった。
しかしこの日、ザッケローニ監督は風邪をこじらせ、直前で来場をキャンセルしていた。なんたる不運。2ゴールでチームに4試合ぶりの白星をもたらし、優勝の可能性を残す大活躍も、個人的には「見返り」は薄くなってしまった。
それでも興梠は「マルキーニョスも出場停止で不在だったし、自分が決めないとという気持ちは強かった」とチームに貢献できたことを素直に喜んだ。そして「優勝するには1つも試合を落とせない。この流れで、残り試合も勝てるようにしないと」とあくまでリーグ戦4連覇を見据えた。
単にゴールラッシュするよりも、チームの勝利、さらには優勝につながる得点の方が、代表へのアピールにつながるという見方もできる。そしてこの日の活躍も、おそらくテレビ中継でザッケローニ監督の知るところとなっているだろう。「調子は上がっている。爆発できそう。自分でも楽しみです」。生視察の好機は、必ず再び訪れる。本調子をつかみつつある興梠が、リーグVと代表復帰の二兎(にと)を追って、二兎を得る。【塩畑大輔】
[2010年10月25日8時51分 紙面から]
【鹿島-横浜】2点目となるゴールを決めた鹿島興梠(撮影・栗山尚久)
鹿島・本山、巧妙ヒールパス!先制点演出
2010.10.24 20:35
前半、シュートを放つ鹿島・本山(右端)=カシマ
J1第27節第2日(24日、鹿島2-0横浜M、カシマ)チーム最多得点のマルキーニョスが警告累積で出場停止。エースFWを欠く中、オリベイラ監督はいつもの4-4-2でなく、ベテラン本山をトップ下に置く4-5-1の布陣で臨んだ。この策がはまった。
「攻撃のスペースがない」と感じた序盤、31歳の本山は効果的にサイドチェンジを使って揺さぶった。相手の目先を変え、スペースをつくると中央へ。前半36分、絶妙なヒールパスを興梠に渡し、先制ゴールを演出。3分後、今度は小笠原からの強いパスをまたもヒールで興梠に流し、追加点を生んだ。
腰痛、右脚の故障に苦しみ、本山は今季初先発。だが、生え抜きの10番に連係の不安は一切なかった。興梠は「モト(本山)さんは僕の特徴を知っているし、僕もモトさんの特徴を知っている。いいボールをくれた」と感謝した。
残り7試合で名古屋との勝ち点差8。数字上は追い込まれているが、2007年には勝ち点差10を残り5試合でひっくり返し、逆転優勝。その自信が鹿島を支える。
「厳しい戦いが続くが、これからだと思う」。そう言い切った本山の存在が、チームに新たな勢いを生んだ。
鹿島・興梠2発!横浜Mねじ伏せ2位キープ
2010.10.25 05:01
前半39分、鹿島は興梠がこの日2点目。横浜Mを突き放し、2位を守った
J1第27節第2日(24日、鹿島2-0横浜M、カシマ)2位の鹿島はFW興梠慎三(24)の2ゴールで横浜Mに2-0と快勝。南アW杯の代表からもれた点取り屋がザック・ジャパン入りをアピールし、首位・名古屋との勝ち点差8を守った。G大阪は京都に2-1で競り勝ち3位キープ。川崎は2点のリードを守り切れず大宮と引き分け、勝ち点45で5位。広島に敗れた最下位の湘南は14試合連続白星なしとなった。
横浜Mをねじ伏せたのは前半36、39分の興梠の2発。エースFWマルキーニョスが出場停止で、リーグ戦ではオリベイラ監督下で初の1トップ。2点ともアシストはMF本山からのヒールパスで、「いい所に走ればモトさんから絶対パスがくる。これでまた爆発したい」。アジア杯(来年1月、カタール)でのザック・ジャパンの招集候補50人にもリストアップされ、残り7戦で逆転の4連覇へ突っ走る。
巧妙ヒールパス、本山健在!興梠は2得点!
【鹿島2―0横浜】チーム最多得点のマルキーニョスが警告累積で出場停止。エースFWを欠く中、オリベイラ監督はいつもの4―4―2でなく、ベテラン本山をトップ下に置く4―5―1の布陣で臨んだ。この策がはまった。
「攻撃のスペースがない」と感じた序盤、31歳の本山は効果的にサイドチェンジを使って揺さぶった。相手の目先を変え、スペースをつくると中央へ。前半36分、絶妙なヒールパスを興梠に渡し、先制ゴールを演出。3分後、今度は小笠原からの強いパスをまたもヒールで興梠に流し、追加点を生んだ。
腰痛、右脚の故障に苦しみ、本山は今季初先発。だが、生え抜きの10番に連係の不安は一切なかった。興梠は「モト(本山)さんは僕の特徴を知っているし、僕もモトさんの特徴を知っている。いいボールをくれた」と感謝した。
残り7試合で名古屋との勝ち点差8。数字上は追い込まれているが、2007年には勝ち点差10を残り5試合でひっくり返し、逆転優勝。その自信が鹿島を支える。
「厳しい戦いが続くが、これからだと思う」。そう言い切った本山の存在が、チームに新たな勢いを生んだ。
[ 2010年10月24日 19:14 ]
初1トップで興梠復活の2発!V争い残った
<鹿島・横浜>前半、横浜GK飯倉(右)と交錯しながらシュートを放った鹿島・興梠
Photo By スポニチ
【鹿島2―0横浜】鹿島はFW興梠の復活の2発で優勝争いに踏みとどまった。前半36分、MF本山のスルーパスに反応し、左足でゴールに流し込んだ。その3分後には再び本山のヒールパスを右足ダイレクトで合わせて2点目。FWマルキーニョスが出場停止だった試合で9試合ぶりの一発を決めて「今までチームに迷惑を掛けた。最近はマルキしか得点してなかったし、僕が決めてやろうというのはあった」と笑顔を見せた。
初の1トップに入り、トップ下の本山と抜群の連係を見せた。「モト(本山)さんにパスが入った瞬間に走りだせば、必ずいいボールが出てきた。やりやすかった。これで爆発したい」。首位名古屋との勝ち点差は8のままだが、目覚めた興梠がミラクルへと導く。
[ 2010年10月25日 ]
本山2アシスト…鹿島
◆J1第27節 鹿島2―0横浜M(24日・カシマ) 鹿島は初先発のMF本山がFW興梠の2得点をアシスト。「まだ活躍したという実感はない。後半は動けなかった」と言うものの4試合ぶりの勝利に貢献した。開幕前にヘルニアの手術を受け、復帰は5月。その後も20分の出場制限を受けるなど途中出場が続いていたが、先発復帰戦で見事に期待に応えた。首位・名古屋との勝ち点差は8のまま。逆転優勝を最後まであきらめない。
(2010年10月25日06時01分 スポーツ報知)
興梠、鮮烈2発!鹿島V戦線残った
鹿島‐横浜M 前半、先制ゴールを決め喜ぶ鹿島・興梠=カシマ
「J1、鹿島2‐0横浜M」(24日、カシマ)
鹿島のFW興梠慎三(24)の鮮烈な2発でV戦線に生き残った。「僕たちは1敗も落とせない。名古屋が取りこぼすまで勝ち続けるしかない」。マルキーニョスが累積警告で出場停止の危機を、9試合ぶりのゴールで救った。
前半13分にMF小笠原がPKを失敗。嫌なムードを振り払ったのは同36分だ。MF本山のヒールパスに抜け出し、左足ループ弾で先制。39分には再び本山のヒールパスを受けて加点した。「うれしいより複雑。決められなくて迷惑をかけた」と71日ぶりのゴールに照れ笑いするが、4連覇に望みを残す活躍だった。
日本代表から遠ざかるが、ザック日本と同じ1トップ布陣で活躍。ザッケローニ監督は風邪で視察を取りやめたが、自宅でテレビ観戦。快足FWの復活劇は届いたはず。
(2010年10月24日)
鹿島 4連覇あきらめない
2010年10月25日 紙面から
鹿島-横浜M 前半36分、先制ゴールを決める鹿島の興梠、左は横浜Mの栗原。GK飯倉=カシマスタジアムで
各地で4試合を行い、2位の鹿島はホームで横浜Mと対戦し、FW興梠慎三(24)の2発で横浜Mを2-0で下し、4試合ぶりの白星を飾った。逆転での4連覇に向け、首位の名古屋との勝ち点差8を守った。3位のG大阪は京都に2-1で競り勝った。広島はFW李忠成(24)の5試合連続ゴールなどで湘南に快勝し、勝ち点42で7位に浮上した。最下位の湘南は14試合連続白星なし。川崎は2点のリードを守り切れず大宮と引き分け、勝ち点45で5位。
左足で技あり、右足で強弾。雨の舞うカシマでFW興梠が11カ月ぶりの1試合2発。いずれも今季リーグ初先発のMF本山のヒールパスを沈めた。「モト(本山)さんにボールが入った瞬間、いい所に走れば(ラストパスは)出てくる」。勝利を導いたのは勝負どころで感じ合う連係だった。
前半36分、敵陣左サイドで本山がパスを受ける。一呼吸置いて、右かかとで鋭角なスルーパス。追いすがるDF栗原が「届いたと思った」両足タックルの上、猛ダッシュで寄せるGK飯倉の体の上を、興梠は冷静に突き、仕留めた。間隙(かんげき)を縫うパスと絶妙ループは、合致したイメージの結晶だった。
3分後、2人は再び共鳴し合う。同39分、小笠原から縦パスが入ると、本山がノールックで右ヒール。「信じていた」興梠が急加速で走り込んで右足を強振すると、ゴールネットから水しぶきが上がった。本山はうなった。「慎三の動きとフィニッシュ能力の高さ」。勝敗はここで決した。
マルキーニョスが出場停止。オリベイラ監督が敷いたのは、鹿島では異例とも言える「4-2-3-1」。急ごしらえの布陣であっても、修正可能な「あうんの呼吸」が名古屋猛追の原動力になる。残り7戦、勝ち点8差。07年シーズンは残り5戦で勝ち点10差をひっくり返した。「残り全試合勝つだけ」と興梠。まだ、不可能を口にする差ではない。 (松岡祐司)
J1鹿島:流れ呼び込んだ興梠2発
【鹿島・横浜マ】前半39分、2点目のゴールを決めて喜ぶ鹿島・興梠=カシマサッカースタジアムで2010年10月24日、長谷川直亮撮影
○鹿島2-0横浜●(24日、カシマ)
9試合ぶりとなるFW興梠の得点が、チームに流れをもたらした。
試合が動いたのは前半36分。本山からのパスを受けた興梠が左サイドでDF栗原と競り合いながらGKを誘い出し、左足で流し込んで先制。3分後には小笠原のパスを受けた本山がヒールで流し、前線の興梠がまたも冷静にゴールを揺らした。出場停止のマルキーニョスに代わって先発出場した本山との好連係が、4試合ぶりの勝利につながった。
鹿島は今季、マルキーニョスを欠いた5試合で4分け1敗。オリベイラ監督はこの日、普段の2トップから、本山をトップ下、興梠を1トップに置く布陣に変更した。「ここ最近は真ん中からスルーパスがあまり出てこなかった。モトさん(本山)はパスが入った瞬間に前を見てくれるので、良い所に走ればパスが出てくる」と興梠。本山が時折、サイドのフェリペガブリエルと野沢らにボールを散らして守備を分散させ、その上で縦パスを興梠に供給し、鹿島は主導権を握り続けた。
鹿島は3連覇の間、終盤に必ずキーとなる選手が現れ、追い上げを果たしてきた。その意味で、今季腰のヘルニアの手術で出遅れた本山の活躍も、大きな収穫だ。この日の勝利が追い上げののろしになるか。【中村有花】
毎日新聞 2010年10月24日 22時09分(最終更新 10月24日 22時20分)
興梠が2発 鹿島、久々の白星で名古屋追う
2010年10月25日10時58分
後半、横浜マ・小椋(右)と競り合う鹿島・本山=西畑志朗撮影
(24日、鹿島2―0横浜マ)
ゴールを背にして出した2本のヒールパスは、視界の外にいた鹿島の興梠につながった。そして決まった2得点。もちろん、送り主の本山の背中に目が付いているわけではない。コンマ数秒の周到な準備がベテランの妙味を生む。
前半36分。くさびのパスを受ける前、左隣の興梠にちらりと視線をやった。「最終ラインの裏を狙っているな」。右かかとで、見えない背後に球をはたく。フリーで飛び出した興梠の足元に収まった。
3分後。再びくさびのパスが入る前、今度は2人の目が合った。またもスルーパスが通る。決めた興梠は「『シュートしてください』という素晴らしいパスだった」。
大黒柱マルキーニョスの出場停止がなければ、2人の連係は実現しなかった。腰や右足のけがに悩む本山は今季初先発。「守備の負担を減らしたい」というオリベイラ監督の配慮で、4―2―3―1の布陣のトップ下に座った。鹿島伝統の4―4―2を崩してまで起用された31歳が、4試合ぶりの勝利を導いた。
試合後は足を引きずりつつ笑顔で「負担が軽いから、これくらいはやらないと」。
「本山にはけがの問題があるが、今後も使いたい。マルキーニョスとの同時起用もある」。選択肢が増えて監督は喜んだ。残り7試合で首位・名古屋との勝ち点差は8。4連覇が難しい状況は変わらない。ただ、鹿島が逆転への「切り札」を得たことも間違いない。(中川文如)
○興梠(鹿) 2カ月ぶりの得点。「チームに迷惑をかけ続けてきたから、まだ喜べない」
水魚の交わり。
まさに昨日の試合は、慎三と本山が織りなすファンタジーをスタジアム全体が堪能した。
慎三を活かすには本山という処方箋が一番だったのである。
復活した慎三の得点力で、残り試合一つ一つ勝利を積み重ねていきたい。