【ヤマザキナビスコカップ 鹿島 vs 神戸】レポート:公式戦3試合目にして今季初勝利!ジョルジーニョ監督にとっても手応えを感じる1勝(12.03.21)
3月20日(火) 2012 ヤマザキナビスコカップ
鹿島 2 - 0 神戸 (15:00/カシマ/11,379人)
得点者:20' 大迫勇也(鹿島)、45'+1 遠藤康(鹿島)
「僕が見たい鹿島アントラーズを見ることができた」
試合後のジョルジーニョ監督の言葉が、この試合のすべてを表している。昨シーズンの途中から、試合をコントロールすると言えば聞こえはいいが、どちらかと言うと躍動感に欠けた安全第一のサッカーが多かった。それで結果が付いて来れば良いのだが、そうでないときは不完全燃焼の気持ちのまま帰路につくサポーターも多かったはず。それだけに、この日の快勝は、久々に胸のすく思いで見ることができた試合だったはずだ。まさに、鹿島アントラーズらしい試合で神戸を退けたのである。
序盤から、鹿島の選手たちの集中力は高かった。リーグ戦では2連敗からのスタートとなってしまい、1シーズン制になってからは初の最下位に沈んでいる。この試合で敗れればホーム公式戦2連敗であり、それだけは絶対に避けなければいけないという危機感が、どの選手の胸にもあった。それが、ジョルジーニョ監督が「選手たちがスパイクの先までハートを込めてプレーした」と表現する、一つひとつのプレーに表れていた。
対戦相手が神戸だったことも選手たちのハートに火を付けた部分は否めない。ウォーミングアップで神戸の選手が姿を現すと、スタンドからも猛烈なブーイングが飛ぶ。その光景は、メンバー紹介から試合中も続き、鹿島から神戸に移籍した野沢拓也にプレッシャーを与えるだけでなく、鹿島の選手たちの背中を押した。その影響もあり、コンパクトな中盤でのせめぎ合いだけでなく、時折訪れるピンチにも岩政大樹と曽ヶ端準を中心にした守備陣が体をはってゴールを守る。そうした年長者たちの絶対に勝つという姿勢が、若い選手たちに更なる躍動感を与えた。
前半20分には左CKからニアサイドで合わせた大迫勇也が逆サイドに流し込み、前半のアディショナルタイムには遠藤康がジュニーニョのクロスをダイレクトで合わせて追加点を奪う。その他にも、柴崎岳が攻撃にリズムを与え、山村和也が落ち着きのあるビルドアップで奪ったボールを攻撃につなげていく。経験豊富な30代の選手たちと、それに続く若手選手たちが良い連鎖でひとつチームとなっていた。その結果、後半こそ何度となく訪れたカウンターのチャンスで追加点を奪うことはできなかったが、初先発だった奥井諒など多くのメンバーを入れ替えた神戸に持ち味を出させず、2-0で会心の勝利を得たのである。
「今日はチームとして一番機能したのは中盤だと思います。中盤が機能するかしないかで、試合を支配できるかどうかは変わってきますし、柴崎選手や遠藤選手がしっかりと絞るところは絞り、離れるところは離れる。ほんとうに中盤の4人がバランス良く機能した、ということが今日の勝因のひとつになると思います」
ジョルジーニョ監督は、勝因として中盤バランスの良さをあげた。リーグ戦の川崎F戦から中2日という厳しい日程ながら、メンバーを代えて臨んだ相手を圧倒できたのは、試合前夜のミーティングで指示した内容が結実したおかげだろう。この勝利はリーグ戦への弾みとなるはずだ。
敗れた神戸だが、ブーイングを受けながらも随所に見せ場をつくった野沢拓也の表情は曇っていなかった。
「今日は負けたけど、やっぱりまだまだ長い道のりであって、みんなと一緒に成長して強いチームをつくろうという気持ちがあるんで、一丸になってやっていきたい」
自らの意志で移籍を決断し、新たなチャレンジに取り組んでいるだけに、毎試合学ぶことが多いようだ。元チームメイトのそうした姿に、小笠原満男も「自分で決断したことだし、がんばってほしいですね」とエールを贈る。5月にはまたリーグ戦での対戦がある。そのときには、お互いにもっと良いサッカーで再び相まみえたい。
以上
2012.03.21 Reported by 田中滋
監督が見たいアントラーズの片鱗がが見えてきた。
それは、システムがどうこうというモノではなく戦う姿勢と強い意志を前面に出す集団であろう。
それが実を結び、完封勝利に繋がった。
新人の山村もそつなくCBをこなし、エースのジュニーニョも躍動しアシスト、ストライカーとして覚醒しつつある大迫は先制点を挙げた。
そして、特筆すべきは恐れなくゴール前に飛び込んでいき追加点を奪ったヤスであろう。
攻撃の起点として再三再四、相手ゴールを脅かしたのはヤスの成長によるところが大きい。
今季はヤスの年になるのではなかろうか。
そのように思わせるほどの活躍と言って良かろう。
この調子を持続し、リーグ戦での勝利を掴み取りたい。
3月20日(火) 2012 ヤマザキナビスコカップ
鹿島 2 - 0 神戸 (15:00/カシマ/11,379人)
得点者:20' 大迫勇也(鹿島)、45'+1 遠藤康(鹿島)
「僕が見たい鹿島アントラーズを見ることができた」
試合後のジョルジーニョ監督の言葉が、この試合のすべてを表している。昨シーズンの途中から、試合をコントロールすると言えば聞こえはいいが、どちらかと言うと躍動感に欠けた安全第一のサッカーが多かった。それで結果が付いて来れば良いのだが、そうでないときは不完全燃焼の気持ちのまま帰路につくサポーターも多かったはず。それだけに、この日の快勝は、久々に胸のすく思いで見ることができた試合だったはずだ。まさに、鹿島アントラーズらしい試合で神戸を退けたのである。
序盤から、鹿島の選手たちの集中力は高かった。リーグ戦では2連敗からのスタートとなってしまい、1シーズン制になってからは初の最下位に沈んでいる。この試合で敗れればホーム公式戦2連敗であり、それだけは絶対に避けなければいけないという危機感が、どの選手の胸にもあった。それが、ジョルジーニョ監督が「選手たちがスパイクの先までハートを込めてプレーした」と表現する、一つひとつのプレーに表れていた。
対戦相手が神戸だったことも選手たちのハートに火を付けた部分は否めない。ウォーミングアップで神戸の選手が姿を現すと、スタンドからも猛烈なブーイングが飛ぶ。その光景は、メンバー紹介から試合中も続き、鹿島から神戸に移籍した野沢拓也にプレッシャーを与えるだけでなく、鹿島の選手たちの背中を押した。その影響もあり、コンパクトな中盤でのせめぎ合いだけでなく、時折訪れるピンチにも岩政大樹と曽ヶ端準を中心にした守備陣が体をはってゴールを守る。そうした年長者たちの絶対に勝つという姿勢が、若い選手たちに更なる躍動感を与えた。
前半20分には左CKからニアサイドで合わせた大迫勇也が逆サイドに流し込み、前半のアディショナルタイムには遠藤康がジュニーニョのクロスをダイレクトで合わせて追加点を奪う。その他にも、柴崎岳が攻撃にリズムを与え、山村和也が落ち着きのあるビルドアップで奪ったボールを攻撃につなげていく。経験豊富な30代の選手たちと、それに続く若手選手たちが良い連鎖でひとつチームとなっていた。その結果、後半こそ何度となく訪れたカウンターのチャンスで追加点を奪うことはできなかったが、初先発だった奥井諒など多くのメンバーを入れ替えた神戸に持ち味を出させず、2-0で会心の勝利を得たのである。
「今日はチームとして一番機能したのは中盤だと思います。中盤が機能するかしないかで、試合を支配できるかどうかは変わってきますし、柴崎選手や遠藤選手がしっかりと絞るところは絞り、離れるところは離れる。ほんとうに中盤の4人がバランス良く機能した、ということが今日の勝因のひとつになると思います」
ジョルジーニョ監督は、勝因として中盤バランスの良さをあげた。リーグ戦の川崎F戦から中2日という厳しい日程ながら、メンバーを代えて臨んだ相手を圧倒できたのは、試合前夜のミーティングで指示した内容が結実したおかげだろう。この勝利はリーグ戦への弾みとなるはずだ。
敗れた神戸だが、ブーイングを受けながらも随所に見せ場をつくった野沢拓也の表情は曇っていなかった。
「今日は負けたけど、やっぱりまだまだ長い道のりであって、みんなと一緒に成長して強いチームをつくろうという気持ちがあるんで、一丸になってやっていきたい」
自らの意志で移籍を決断し、新たなチャレンジに取り組んでいるだけに、毎試合学ぶことが多いようだ。元チームメイトのそうした姿に、小笠原満男も「自分で決断したことだし、がんばってほしいですね」とエールを贈る。5月にはまたリーグ戦での対戦がある。そのときには、お互いにもっと良いサッカーで再び相まみえたい。
以上
2012.03.21 Reported by 田中滋
監督が見たいアントラーズの片鱗がが見えてきた。
それは、システムがどうこうというモノではなく戦う姿勢と強い意志を前面に出す集団であろう。
それが実を結び、完封勝利に繋がった。
新人の山村もそつなくCBをこなし、エースのジュニーニョも躍動しアシスト、ストライカーとして覚醒しつつある大迫は先制点を挙げた。
そして、特筆すべきは恐れなくゴール前に飛び込んでいき追加点を奪ったヤスであろう。
攻撃の起点として再三再四、相手ゴールを脅かしたのはヤスの成長によるところが大きい。
今季はヤスの年になるのではなかろうか。
そのように思わせるほどの活躍と言って良かろう。
この調子を持続し、リーグ戦での勝利を掴み取りたい。
あとはジュニーニョの爆発に期待です。