鹿島アントラーズ原理主義

愛する鹿島アントラーズについて、屈折した意見を述べていく場です。

勝ちに等しい引き分け

2009年07月07日 | Weblog
【後藤健生コラム】勝ちに等しい引き分けで、鹿島が優勝へ前進
内田の退場の判定は、あまりにも機械的過ぎるのではないか?
82分、鹿島アントラーズのオズワルド・オリヴェイラ監督は、自ら交代を申し出たFWのマルキーニョスに替えて守備的MFの中田浩二を送り出した。「1-1の引き分けで十分」という判断である。前節までに2位の川崎フロンターレとは、勝点8の大差がついていた。ここで引き分ければ、第16節終了時点で2位グループの3チームとの勝点差を維持できる。アウェイで、しかも退場で1人少なくなっていた鹿島にとって、1-1のドローは「勝利に限りなく近い結果」だった。

試合は、首位攻防にふさわしい熱戦だった。

ともに、堅守からのカウンターを特徴としたチーム同士である。川崎は、先日も、その堅守速攻でガンバ大阪を破ったばかり。だが、相手が同じく堅守速攻の鹿島とあっては、同じ戦い方では分が悪い。川崎は、序盤から積極的な試合運びを選択した。鹿島が、自陣からしっかりとキープして攻撃を組み立て、時おりロングボールをおりまぜてくるのに対して、川崎は高い位置から積極的に守備に入り、ボールを奪ったらすぐに攻撃を仕掛けた。15分には、相手陣内でプレッシングをかけて、GKの曽ヶ端準のクリアミスを誘ってCKを手に入れた。

このところ、川崎は中村憲剛を攻撃的なMFとしてポジションを上げて使っている。これまでのスリートップではなく、ツートップにもトライ中。この試合も、中村を右サイドに置き、ジュニーニョと鄭大世のツートップでスタートである。展開によってはスリートップに変化したり、中村をボランチに下げたりと、フォーメーションの面でも変化が付けられるし、前からのプレッシングもできて、戦い方が多彩になってきている。川崎は、いわば「進化中」のチームである。一方の鹿島はすでに「完成形」。システムも不変で、メンバー的にもほぼ固定。

試合は、ともに狙い通りの形で進んだ。だが、ともに守備の堅さのほうが上回る。セットプレーあるいは大きなミスでもなければ、なかなか点は入らないだろう……。そんな展開が続いた。15分ほど経過すると、鹿島がゲームを支配する。青木剛や小笠原満男あたりからのロングボールが効果的で、川崎のDFを押し込んでいく。

しかし28分、中盤での鄭大世のドリブルを伊野波雅彦が簡単にファウルで止めてしまったFKあたりから、試合の流れが再び変化。31分には中村が右の森勇介を走らせてCK。このCKが一度は跳ね返されるが、拾ったジュニーニョが左サイドをドリブルで切り裂いてセンタリング。谷口博之のヘディングがゴールに飛び込む寸前、カバーに入った内田篤人が防いだが、手に当たったという判定でPKを取られたばかりか、内田は決定的得点機会阻止で一発退場となってしまう。

ジュニーニョがPKを決めて、川崎が1点リード。「リードされたチームが1人少ない」というのは、まさに絶体絶命のピンチである。普通なら、こういう場合は前の選手に替えてDFを入れて、守備の安定を図るのだが、1点を追いかける立場の鹿島はメンバー交代をせず、MFの本山雅志を右サイドバックに入れて戦う。中盤は、青木、小笠原に野沢拓也の3人。右サイドにスペースを空けて、そこに本山がドリブルで上がっていこうという形である。

現在の本山は、こういう負担の大きい仕事をきちんとこなせる選手である。

後半も、キックオフ直後に川崎がビッグチャンスをつかんで始まった。左サイドをパスで崩して、最後はジュニーニョが中に切れ込んでクロス。これに鄭大世が反応してヘディング。しかし、このシュートはゴールポストに当たってしまう。もしここで2点目が入っていたら、試合は決まっていただろう。

その後も、川崎が攻勢を続け、鹿島はいつか訪れるであろう数少ないチャンスを待っての持久戦だ。49分には、鄭大世が逆襲からドリブルで鹿島ゴールを襲い、60分には中央ペナルティーエリア前で中村が狙い澄ましたシュートをゴール右下隅に飛ばす。時間も経過し、このまま川崎が逃げ切る可能性がしだいに高くなっていった。だが、64分、川崎はボランチの寺田のパスミスをマルキーニョスに拾われ、最後は興梠慎三に決められて、痛恨の同点ゴールを許してしまう。

その後は、川崎の関塚隆監督が、ミスも目立ち、すでにイエローカードを1枚もらっていた鄭大世をあきらめて黒津勝を入れてスリートップに変更。一方、鹿島のオリヴェイラ監督は負担の大きかった本山に代えて、やはりMFの増田誓志をサイドバックに入れるなど、秘術を尽くした交代でチームを立て直す。そして、82分にマルキーニョスを退けた時間で、鹿島は明らかな引き分け狙いに切り替え、川崎の最後の攻勢をかわして、狙い通りの勝点1をゲット。優勝に向け、大きな一歩となった。

ところで、試合が動くきっかけとなった内田の退場は気の毒なものだった。内田は体でシュートをブロックしようとして、左腕にボールがかすかに当たったのだった。腕は体からほとんど離れていない。中盤でのプレーだったら、「故意ではない」として反則も取られなかったようなプレーだった。だが、谷口のヘディングシュートは、明らかにGKも抜いており、内田に当たらなければ完全にゴールとなっていたはず。わずかでも、腕に当たっていれば、PKを取られるのは仕方がない。

だが、それが一発退場に値するのかどうかは疑問である。腕に当たったとしても故意ではないように見えたからだ。

これは、西村雄一主審の個人的な問題ではない。明らかにゴールに入るボールを腕で防いだら「決定的得点機会阻止」となり、それは一発退場と規則で決まっている以上、あそこでレッドカードを出すのは“正しい判定”である。だが、手に当たったら即「決定的得点機会阻止→退場」というのは、あまりにも機械的すぎる。退場に値するか否かは、主審の判断に任されるべきではないだろうか。最近のサッカーの協議規則は、あまりにも機械的な条文が多すぎる。「常識」や「主審の判断」に任される部分がもっとあってもいいのではないだろうか。

何しろ、主力選手の退場(=次戦の出場停止)によって、最も大きな被害を受けるのは、高い入場料を払って試合を見に来た観客なのだということを忘れてはならない。僕自身、11人対11人のまま、このハイレベルな戦いを最後まで見たかった。


篤人を見に来る観客の心配をする後藤健生である。
それほど、この誤審はインパクトがあった。
とはいえ後藤氏はこの一連のプレイをスローでじっくりとは見直してないであろう。
ボールは篤人の腕には当たっておらぬし、谷口のオフサイドにも触れておらぬ。
この程度の鑑識眼なのである。
しかしながら、日曜のナイトゲームを月曜にアップせねばならぬ身とあっては致し方のないところであろう。
ジャッジが気の毒とも述べておる。
だが、誤審を誤審と言えぬところに彼の立場が垣間見られる。

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2 コメント

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Unknown (シゲッティ。)
2009-07-07 12:33:13
訂正)
主審、線審同様に⇒原理主義者さん同様に

私の文章もよく精査しなくては・・・
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Unknown (シゲッティ。)
2009-07-07 12:29:22
決定的得点機会阻止とあるが、
そもそもオフサイドであるため、
決定的得点機会ではない。
西村も酷いが、線審も酷い。

主審、線審同様に事実を精査してから
意見を述べてもらいたいものですね!

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