2016明治安田生命J1リーグ 1stステージ 第7節
鹿島アントラーズ:石井 正忠
先ずは、平成28年熊本地震によって亡くなられた方へ哀悼の意を表するとともに、被災された方に心からお見舞い申し上げます。こういった中、私たちクラブも少しでも力になれれば、被災された方々へ何かできることがあれば、少しでもやっていきたいと思います。これを見ているサッカーファンの皆さま、サポーターの皆さまもそれぞれ何かできることをぜひやっていただき、被災された方々を少しでもサポートしていただきたいと思います。
試合に関しては、選手たちが前節の広島戦と同じように序盤からアグレッシブに戦い、90分間続けてくれた。しかもこの試合も複数ゴールが取れたこと、そして無失点で抑えたことは非常に良かったと思う。
Q 昨シーズンは2敗している湘南が相手だったが?
A 昨シーズンから湘南もメンバーが変わっている。去年は去年として、今回は今の湘南に対してどう戦うかということを考えてやった。ただ昨年の2ndステージに負けたことによって、次のヤマザキナビスコカップ決勝でああいう試合をして勝てたと思うので、負けた時の教訓は今日も活かせたと思う。
Q 永木への評価は?
A 永木はまだチームに入って間もないが、ボールを出す能力やキックの精度は高く評価している。後はチームの戦術をもっと深めていってくれればと思う。また同じボランチとしてポジション争いをしなければいけない相手が柴崎や小笠原であるわけで、彼らの能力も非常に高い。それが分かってウチに来たわけなので相当な覚悟を持っていると思う。色々な組み合わせやコンビネーションを練習の中でもっとやっていって、チームの戦術という部分を深めていって欲しいと思う。非常に能力の高い選手で体も強いし、気持ちも強い選手なのでチームに必要な選手だと思っている。
Q 今日の出来は?
A 交代したのは、ちょっと足を痛めたかと思ったので大事を取った。それ以外は非常に高いパフォーマンスを見せてくれて、期待に応えてくれたと思う。
Q 川崎F、浦和との1stステージ優勝争いは?
A まだ3つにしぼられたとは思わないが、川崎Fとは対戦した。後は対戦していない浦和に対して、しっかり準備したい。ただ、まだどうなるか分からない。どのチームに対してもしっかりと準備をして、圧倒できるようなサッカーをしたい。
Q ロングボールで相手の裏を突くシーンが目立ったが?
A しっかりつなぐのがウチのベースだが、環境だったり相手のプレッシャーだったりで変えなきゃいけないところは変えるべき。それはピッチに立っている選手たちの判断だったり、ベンチからの指示だったりと色々ある。今日は先ず相手陣内へ深く入り込むということを心がけ、それがロングボールであり、効果的な攻撃になったと思う。そこが良かったと思う。相手に対する対策は常にしなければいけない。
【植田 直通】
絶対に勝ってやろうと思っていた。自分自身、朝から熊本のニュースをTVで見ていた。亡くなった方も増えている。この試合は1人ではなく、サポーターの方も一緒に戦ってくれて、力になった。熊本はサッカーどころじゃないけど、結果だけでも伝わればと思う。今の僕に出来るのは、試合で結果を出すことだけ。自分に出来ることはそれ以外にないが、熊本が元気になるなら、何でもやりたい。
【昌子 源】
相手の運動量が多く、しんどい試合だった。熊本が大変な中、ナオ自身が出場すると決めたが、色々な思いがあったと思う。その気持ちに相方として応えたかった。もちろんチームのために勝ちたいという気持ちはあるけど、今日は熊本、そしてナオのために大きな意味があった。熊本、ナオのためにいい勝利だった。
【永木 亮太】
チームが90分通して何をすべきか、良く分かっている。3点目は自分の理想の流れ。守備のやりがいがあるし、球際に行く価値がある。すごくいい形だったと思う。全体的に悪くなかった。サイドチェンジも意識して、得点につながるプレーも2回出来たので良かった。
【土居 聖真】
結果に絡めることが出来て、プラスになった。これで満足せずに続けていくことが大事。次もやるだけ。夢生くんにアシストできたし、夢生くんにもアシストしてもらった。他の選手との関係ももっと良くしていけば点も取れるし、幅も広がる。
【遠藤 康】
試合の入り方が良く、勢いがあったと思う。前半に2点取れたし、先制点がいい時間帯に取れた。先制点は聖真がつぶれ、得点につながった。こちらの気持ちが相手を上回っていたと思う。
【三竿 健斗】
出場できない時が続いていたが、出た時に結果を出そうと準備していた。Jリーグの試合日程が決まった時から、この試合には出場したいと思っていた。二十歳の誕生日に出場でき、両親に感謝したい。ボールをインターセプトする場面はなかったけど、ゲームにはうまく入れたと思う。誕生日に試合したのも、初めての経験。チームが勝てたのが良かった。
J1 1st 第7節 湘南戦
本日行われたJ1 1st 第7節 湘南戦は3-0で勝利しました。
1stステージ 第7節
2016年4月16日(土)16:04KO BMWス
[ 石井 正忠監督 ]
試合を振り返る前に、熊本の地震によって亡くなられた方に哀悼の意を表するとともに、被災されている方々に対してはお見舞いを申し上げたいと思います。こういった中、私たちのクラブも少しの力でも被災された地域のみなさまにできることがあればやっていきたいと思います。これを聞いているサッカーファンのみなさま、サポーターのみなさまも、それぞれで何かできることがあればやっていただいて、被災者のみなさまをサポートしていただけたらと思います。試合に関しては、選手たちが前節の広島戦と同じような形で立ち上がりからアグレッシブな戦いをしてくれて、それを90分間続けてくれました。しかも、今回も複数得点が取れたことと、無失点で終われたことは良かったと思います。
--昨季はリーグ戦で湘南に2敗を喫していますが、今日の勝利はどのような意味がありますか?
昨年のチームから湘南さんもメンバーが替わられていると思いますし、昨年の戦いは昨年として、今回の湘南さんに対してどういうふうに対抗していくかと考えて戦いました。でも昨年の2ndステージを負けたことによって、その次の試合だったナビスコカップで優勝できたと思っていますので、その時の教訓というのは今日も生かせたのかなと思っています。
1stステージ 第7節
2016年4月16日(土)16:04KO BMWス
[ 植田 直通 ]
今日は3-0という結果もついてきましたし、今日の試合は絶対勝ってやろうという気持ちだったので、結果が出てよかったです。朝からテレビを見ていると(自身の出身地であり、大地震に見舞われた)熊本のニュースをやっているし、親などは無事でしたけど亡くなっている方もいて、とても辛い気持ちでした。でも、僕ひとりが辛いだけじゃなく、サポーターも一緒に戦ってくれているということをすごく感じましたし、今日はすごくそのサポートが僕の力になりました。
--プレーで熊本の皆さんを元気づけるために特別な思いがあったと思いますが?
今はサッカーどころじゃないと思うんですけど、結果だけでも伝わればいいなと思って今日はやっていました。またこれから、僕にできることがあれば何でもやりたいと思っていますし、(被災した)熊本が元気になるように僕ができることがあれば何でもやっていきたいです。
--サッカーに何ができると思いますか?
サッカーは絶対に元気にすることができると思う。僕たちはこうやって結果を出すことだけかもしれないですけど、僕が結果を出して、それで(被災した人たちが)元気を出してくれればすごくうれしいです。今は鹿島のサッカーで元気を出してくれればと思います。
--次節への意気込みを。
まだまだ1stステージの戦いはありますし、優勝するために一つ一つ勝利を重ねる必要がある。しっかり連勝を続けていきたいです。
百戦錬磨の鹿島が勝点3を獲得。湘南は未勝利が続く
前半の立ち上がりこそ、互いに攻め合う形は見られた。それでも、1つの得点によって試合の流れが大きく変わってしまうのはよくあることだ。前後半を通して攻められる時間帯こそあったが、攻守に隙のない試合運びをした鹿島に勝点3はもたらされた。
「前半の立ち上がりは形を変えて、ゲームプランを少し考えてやったつもりだが、結果的に防がなければいけないところで失点をしてしまい、少し勢いが落ちてしまった」。今季五度目のホームゲームで、またしても敗戦を喫した湘南の 貴裁監督は前半の戦いをこう振り返る。
湘南はMF長谷川 アーリアジャスール、MF高山 薫、MFパウリーニョの3人をFWキリノの下に置く「3-6-1」のシステムで試合へと入る。その布陣で戦う上での狙い、「相手のサイドバックの脇のスペースを利用しながらサイドに起点を作る攻撃」は、立ち上がりこそ機能する場面を見せていた。
しかし、そこは百戦錬磨の鹿島。時間が経つに連れて、柔軟な対応を見せ始めると、徐々に主導権はアウェイチームへ。「環境や相手のプレッシャーに対して戦い方を変えることは、ピッチに立っている選手が判断するところもあるし、ベンチに座っているわれわれが指示を出すこともある。今日はまず相手陣内に入り込むというところでロングボールが多くなったが、それが非常に効果的な攻撃を生んでいた」と石井 正忠監督。湘南の出方を見ながら、大きなサイドチェンジで相手を揺さぶる攻撃や、ロングボールで相手の高いラインの裏を狙う攻撃が功を奏し始めた20分。右サイドでボールを受けたDF西 大伍がクロスを送ると、中央でFW土居 聖真がそらしたボールにFW金崎 夢生が反応。GKとの一対一を冷静に沈めて、鹿島が先制に成功した。
この失点が、湘南に与えたダメージは想像以上に大きかった。「勝っていないことで、1つそういうことが起きると、全てが悪いのではという形で選手に浸透してしまうのが怖いところ」と 貴裁監督。出足が鈍り、球際で相手を上回ることができず、セカンドボールの奪い合いでも後手を踏んでしまう。アディショナルタイムには再びサイドを起点に崩されると、オウンゴールによって失点。チームとして前向きなプレーが減ったことで、湘南の勢いは陰を潜めてしまった。
後半は指揮官に喝を入れられた湘南が前に出て行くも、あと一歩のところで得点は生まれず。一方で鹿島は、65分に古巣対決となったMF永木 亮太のボール奪取から土居が沈めて、勝利を決定付けた。
これで鹿島はJリーグヤマザキナビスコカップを含めて公式戦3連勝と好調を維持。昨季は2戦2敗と勝ち切れなかった湘南を破って2位をキープした。チームとしても複数得点、無失点という満足感のあるゲームで、次に向けて弾みの付く内容を見せている。
敗れた湘南は開幕からいまだ勝星なし。チームとして重要視している球際の強さでも相手を上回れず、結果、内容ともに完敗のゲーム展開となった。下を向くことなく、前を向いて次節へと向かいたい。
[ 文:林 遼平 ]
【湘南 vs 鹿島】試合前に黙祷がささげられた
2016年4月16日(土)
「平成28年熊本地震」の犠牲者への追悼と被災地の復興を願い、キックオフ前にスタジアム全体で黙祷がささげられました。
【湘南 vs 鹿島】金崎のゴールで先制!
2016年4月16日(土)
公式戦2連勝中と好調を維持する鹿島、20分にペナルティエリア内でボールをうけた金崎夢生がゴール右隅に決め先制した。
【湘南 vs 鹿島】土居の2試合連続のゴールで試合を決める!
2016年4月16日(土)
2-0で前半を折り返し試合を優位に進める鹿島、65分に右サイドを突破した金崎夢生のグラウンダーのクロスに土居聖真が滑り込みながらゴールに流し込む。
土居はこれが2試合連続のゴールとなり、アウェイで貴重な勝点3を手にした。
【湘南 vs 鹿島】言葉を絞り出した植田直通
2016年4月16日(土)
鹿島の植田直通は試合後のインタビューで、故郷・熊本への思いを聞かれると、涙を流しながらも言葉を絞り出した。
※植田は熊本県宇土市出身、熊本県立大津高校から鹿島に加入。
鹿島、金崎&土居のゴールで2連勝! 初先発の永木も古巣・湘南相手に得点絡む
16/4/16 17:54
[4.16 J1第1ステージ第7節 湘南0-3鹿島 BMWス]
2位と好調の鹿島アントラーズが湘南ベルマーレに3-0で快勝し、今季2度目の2連勝を飾った。一方の湘南は、開幕から2分5敗の白星なしで苦しい戦いが続いている。
ホームの湘南は、2列目にMF高山薫とMFパウリーニョ、移籍後初先発のMF長谷川アーリアジャスールを並べ、立ち上がりからアグレッシブにいった。対する鹿島はMF小笠原満男が累積警告により出場停止のため、MF永木亮太が入った。永木は古巣相手に移籍後リーグ初先発と不思議な巡り合わせとなった。
試合は鹿島が先制する。前半20分、右サイドの高い位置からDF西大伍がゴール前に入れたクロスをFW土居聖真がフリック。PA内左で胸で受けたFW金崎夢生が落ち着いて右足でゴール右隅に流し込み、スコアを動かす。同33分には、熊本の宇土市出身のDF植田直通のフィードで裏に抜け出した金崎がPA内右角から右足を振り抜く。意表を突いた強烈なシュートだったが、これはクロスバーを叩いた。
さらに攻め込む鹿島は前半45分、永木が右サイドから入れたボールをファーサイドのDF山本脩斗が中央に折り返す。湘南を左右に揺さぶり、DFアンドレ・バイアのオウンゴールを誘発し、2-0。後半20分にもMF遠藤康のスルーパスに反応した金崎が右から低い弾道のクロスを入れると、滑り込んだ土居が右足で押し込み、3-0と試合を決定づけた。
湘南は後半開始からMF藤田征也を入れるなど、リズムを変えようとしたが、決定機らしい決定機を作ることができず、ホームで今季リーグ戦初勝利とはならなかった。湘南はこれで4連敗。24日の次節もホームに大宮を迎えるが、早い段階で勝利をつかみたいところだ。
【J1】鹿島が最下位を相手に貫録の3発快勝! 湘南は今季未勝利のトンネル抜け出せず
サッカーダイジェストWeb編集部
2016年04月16日
金崎が先制弾! 3試合ぶりの今季4ゴール目。
先制点を挙げた金崎と3点目を奪った土居。鹿島は攻撃陣が結果を出してみせた。写真:徳原隆元
J1リーグは4月16日、第1ステージ・7節の5試合を開催。BMWスタジアム平塚では、湘南対鹿島の一戦が16時にキックオフされた。
試合は20分に鹿島が先制。西のクロスをファーサイドで待ち構えた金崎が、落ち着いてゴール右に決める。金崎は3試合ぶりの今季通算4ゴール目となった。
鹿島は33分にも金崎がクロスバー直撃のシュートを放つなど勢いに乗った攻撃を見せる。そして45分、古巣との対戦となった永木のクロスから山本がシュートを放つと、相手DFのオウンゴールを誘い、鹿島が2-0とリードを広げる。
前半を鹿島の2点リードで折り返すと、後半立ち上がりは湘南がペースを掴む。三竿のヘディングシュートなどでゴールに迫るが、あと一歩得点には及ばない。
すると65分、鹿島はカウンターから遠藤のパスに反応した金崎が抜け出すと、その折り返しを土居が右足で流し込み3点目。土居は前節に続く2試合連続ゴールとなった。
鹿島は守ってもCBの昌子、植田を中心に堅い守備で湘南にゴールを許さない。結局、最後まで無失点で切り抜けた鹿島が3-0で完勝した。
鹿島は勝点16として、首位川崎を勝点1差の2位で追走。一方、湘南は依然未勝利で最下位を脱出できなかった。
【鹿島】熊本出身の植田が、こらえきれず試合後に涙。「熊本のみんなと戦っている気持ちでやっていた」
広島由寛(サッカーダイジェスト)
2016年04月16日
スタンドを見渡せば、「九州に対する言葉」の横断幕。「サポーターの皆さんも、戦ってくれるんだというのは心強かった」。
恵まれたフィジカルを武器に、湘南の攻撃をシャットアウト。辛い気持ちを抑えてプレーに集中し、チームを勝利に導いた。写真:徳原隆元
特別な想いで、植田直通は湘南との一戦に臨んでいた。
14日夜に地元の熊本で震度7の揺れを観測する地震が発生。その後も余震が相次ぎ、各地で被害は広がっていった。
「朝からテレビを見ていて、ずっと熊本のニュースが流れている。親とかは無事でしたけど、亡くなっている方がたくさんいる。すごく辛い気持ちだった」
試合に向けては、「絶対に勝ってやろう」という意気込みでピッチに立ち、CBとして湘南の攻撃をシャットアウト。マッチアップしたキリノを迫力あるディフェンスで押さえ込み、3-0の完封勝利に大きく貢献した。
そのパフォーマンスは際立っていたが、「僕だけじゃなく、みんなで守り切った。前線の選手にも感謝したいし、これを続けてしっかりと無失点でいければいい」と謙虚にチームメイトの奮闘を称えた。
「僕にはサッカーしかない」とプレーに集中した。それでも、心のどこかで熊本のことが気になっていたかもしれない。しかし、ふと周りを見渡せば、力が漲ってきた。
「鹿島もそうですし、湘南のほうも、横断幕というか、九州に対する言葉もあった。それを見てグッとくるものがありました。僕だけが戦っているのではなくて、サポーターの皆さんも戦ってくれるんだというのは心強かった」
試合後のインタビューでは、こらえきれず涙があふれてきた。
「ちょっと無理でした。やっぱり(熊本は)育ったところなので。今まで見てきたところが、大変なことになっていて、衝撃を受けた」
本当なら、一刻も早く熊本に返り、「僕にできることがあれば、なんでもやりたい」。しかし、植田はサッカー選手として、地元に全身全霊でエールを送った。
「熊本のみんなと戦っている気持ちでやっていた。しっかりと結果が出たので、それがたくさんの人に伝わって、元気を出してくれればいいなと思います」
今すぐに熊本に帰ることはできないが、「困っている人がいれば、絶対に助けたい」と、なにかしらの形で支援をするつもりでいる。
盤石の守備力をベースに川崎を追走。昌子とのCBコンビはJ屈指。
今季二度目の連勝で2位をキープした鹿島。リーグ最少失点と盤石の守備力をベースに、攻撃陣も調子を上げてきており、植田も「前線の選手にも感謝したい」。写真:徳原隆元
この湘南戦の勝利で、鹿島は今季二度目の連勝を達成。完封勝利は4節・FC東京戦(2-0)以来で、トータルの失点数3はリーグ最少(4月16日時点)と、盤石の守備力をベースに、勝点1差で首位・川崎を追走する。
開幕からフルタイム出場を続ける植田は、安定感あるディフェンスでチームの堅守を支えている。昌子源との強固なCBコンビは、J屈指と言っていいだろう。
チームとしては悲願のリーグタイトル奪還に向け、着実に前進している。特別な使命感をその胸に、全力の限りを尽くす植田のプレーに注目したい。
取材・文:広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)
J1-1st第7節 湘南×鹿島マッチレビュー
April 16, 2016 10:44 PM
J1-1st第7節
湘南ベルマーレ×鹿島アントラーズ@Shonan BMWスタジアム平塚
解説:三浦淳寛 実況:八塚浩 インタビュアー:中田浩光
【湘南ベルマーレ 貴裁監督インタビュー(試合後・中継内)】
Q:まず今日の前半は2列目にだいぶ厚く人を置いたなというシステムでしたが、この狙いを教えていただけますか?
A:鹿島さんはカウンターの力があるので、そこの勢いを消して、こっちが相手陣内に入った時により飛び出しやすくしようとしてやりました。何回か良い形で繋がり掛けたんですけど、その質とか回数が結果的にはそんなに効果的ではなかったと思います。でも、それを選択してやらせたのは僕の責任なので、1点目の取られ方、2点目の取られ方も含めて、ちょっとチグハグ感が残ってしまったかなという感じはします。ただ、良いと思ってチャレンジしたことなので、そのことについては別に後悔していないですけど、鹿島さんの個のキープ力とかシュートに対する意欲とかに、最終的にはやられちゃったかなという感じはしますね。
Q:後半は人も替えて、後半の方が少し攻撃のスタイルは良くできたと見てよいでしょうか?
A:前半から勇気のないプレーというか、ボールを奪ったらあとはもうノーリスクで蹴っているだけで、前にボールは入らないし、ドリブルする選手もいないという所で言うと、それをハーフタイムに言ったんですけど、その点については良くなったと思いますが、3点目を取られた時もウチが中盤でボールをロストして、相手にそのまま行かれて、最後に体を張れないみたいな所も含めて、自分たちにまだまだ甘さがあるし、改善できる所もあるし、それはリーグ戦に入って言うようなことじゃないですけど、僕たちで自分たちの状況を変えていくしかないので、そういうつもりでやりたいなと思います。
Q:ゲームが終わったばかりですけど、そのあたりを今選手に伝えた所でしょうか?
A:一番やっちゃいけないことは、今まで自分たちがやってきたことが1つの敗戦とか、2つの敗戦、3つの敗戦ぐらいで違うことになるというのが一番怖いので、今は勝てていないですけど、自分たちが信じる方向性というのをしっかり選手に示して、それに対して選手が努力するという形で今後も持って行くしかないと思うので、結果は今出ていない所ですけど、元々去年も一昨年も結果が出るかどうかわからない所で湘南ベルマーレの監督を、そういう言い方をしたらちょっと語弊がありますけど、そういう勝てないというようなリスクがあっても自分たちの形をしっかり創ろうという形でやっているので、それは貫いて行きたいなと思います。
Q:点の取り方は監督の中で良いイメージが今湧いてきているでしょうか?
A:今日も何回か良い形で崩した時に、フィニッシュに行っている時は悪くなかったと思うんですけど、最後にちょっと慌てちゃったりとか、コントロールをミスしちゃったりするのが我々の永遠の課題なので、鹿島さんはそれに比べてゴール前での落ち着きとか、最後のフィニッシュの精度は間違いなくウチよりも1枚も2枚も上でしたし、それは本当にチャンピオンを何回も獲ったチームから改めて学びたいなと思いますし、選手もそれを自分たちとの差をしっかり埋められるように、後期にもう1回対戦があるので、その時までにはまた成長した自分たちを見せたいと思います。
Q:次節に向けて守りの部分はいかがでしょうか?
A:個々にミスがあったりとか、オープンになった時の守り方というのは課題がありますけど、失点をしたくないから前に出て行かないとなると本末転倒になるので、その中で修正できることは修正していきたいなと思います。
Q:次節に向けてサポーターへ一言いただけますか?
A:来週は水曜日にナビスコカップ、また大宮さんとのリーグ戦というのが続きますので、ホームでできるので是非どちらも勝って、波に乗れるように頑張っていきたいと思います。
【鹿島アントラーズ 石井正忠監督インタビュー(試合後・中継内)】
Q:引き分けを1つ挟んでリーグ戦の連勝が伸びました。まずは今日のゲームを振り返っていただけますか?
A:前節広島とタフな戦いをしたんですけど、そこで4-1という形で勝てて、その形を今日も引き続いてやろうということで、チーム一丸となって迎えました。本当に選手たちはもうスタートから90分その姿勢を見せてくれて、失点もしていませんし、非常に良いパフォーマンスを見せてくれたと思っています。
Q:今日も複数得点ということになりました。アタッカー陣はみんな好調だなという印象ですが、監督も誰をセレクトするのか非常に悩ましい所ではないでしょうか?
A:そうですね。でも、攻撃の選手だけではなくて、しっかりした守備があるからこそ、色々なコンビネーションを使っての攻撃ができると思っているので、チーム全体で取っている点だとは思っています。
Q:その守備陣は今日もゼロで終えました。その守備陣では植田選手にインタビューしましたが、熊本出身の植田選手の心中を察すると今日は本当に難しいゲームだったのではないかという中でのプレーは、監督の目にどう映りましたか?
A:本当に熊本のみなさんは今、地震がある中で本当に辛い気持ちがあると思いますし、植田本人も当然辛い気持ちになったと思うんですけど、そのへんはやはりサッカーを通して地元の皆さんに元気になってもらいたいということで、本当に植田らしいしっかりとした守備を90分やってくれたなと思いますね。
Q:今日は小笠原選手が出場停止の中でのゲームでしたが、非常に安定したゲーム運びだったなと感じました。監督の目にはどう映りましたか?
A:これもチーム全体が良く機能していたからだと思います。1人抜けたからといって、それがかなり戦力ダウンになってしまうと、この長いシーズンを戦っていけないと思いますので、そういう点で1人1人が誰が欠けても、「自分たちの高いパフォーマンスを見せるんだ」という気持ちが強いからだと思いますね。
Q:今日も勝ち点3をゲットして、今上位が混戦になっているファーストステージの序盤ですが、これから抜け出すためにはどんなことが必要になってくるでしょうか?
A:チーム全体でこれは頭にあると思うんですけど、本当に目の前の試合を1試合1試合勝って、勝ち点をコツコツ積み重ねていくことだと思いますので、変わらず自分たちのスタイルを貫いて、攻守共にアグレッシブな戦いはしていきたいと思っています。
【鹿島アントラーズ 植田直通インタビュー(試合後・中継内)】
Q:今日もゼロで終えました。まずはご自身のプレーを振り返って、今日はいかがでしたか?
A:今日はゼロで抑えられて勝てたことは良かったですけど、本当に今日は「絶対勝ってやろう」という気持ちで戦っていたので、勝てて良かったです。
Q:熊本出身の植田選手にとっても今日は特別な想いでのプレーだったと思います。そのあたりの胸の内を聞かせて下さい。
A:... すみません...
Q:とにかく植田選手、「サッカーで勇気付けよう」。そういう想いですよね?
A:...はい。僕にはもうそれしかないので、頑張ります。
Q:次も熊本に向けて、被災地に向けて良いプレーを期待しています。
A:はい。ありがとうございます。
【三浦淳寛氏のレビュー】
(湘南)
湘南は少し苦労している感じもありますけど
良い時間帯もありますから、そこの時間をいかに長くできるかと
湘南スタイルをもう少し前面に出せると良いかなというのはありますね。
先制点を先に取れるかどうかというのもポイントだと思います。
もちろん相手チームをリスペクトするというのは大事なんですけど
自分たちの持ち味をいかに出せるかという方に
力を注いだ方が良いのかなという感じはしました。
あとはスピード感を出せるかどうかというのは選手の連動性だったり
もう少し判断良くダイレクトが入ったりというのがあると
そのスピード感が出るかなというのはありますね。
少し相手をリスペクトし過ぎたんじゃないかなという風に映りましたから
それは監督も勇気のないプレーという風に
見えたんじゃないでしょうか。
カウンターをさせないためには三竿選手と菊池選手がもっと高い位置に行って
高山選手、長谷川選手、パウリーニョ選手、キリノ選手とこのあたりで
食い止めたい、まず出させないということが目的だったと思うんですけど
5バック気味になったことで相手の中盤がどんどん自由にボールを動かせて
そこで繋いでいると5バック気味になっているんですけど
クロスが上がる時に慌ててボール保持者に対して前に出ますよね。
そうすることでズレができたと。
どっちつかずのようになったかなと僕には映りましたね。
(鹿島)
鹿島は非常に安定感があるので
これはファーストステージの優勝の可能性も
十分あるような試合をしていますよね。
攻撃も守備もバランスが良くて本当に強いと思います。
永木は守備に関しても攻撃に関しても
常に頭を使ってゲームをコントロールしていたと思います。
2点目に繋がる良いクロスもありましたからね。
植田選手のプレーを見て
勇気付けられる人たちもたくさんいると思いますね。
熊本のことに関して言うとプレーヤーは全力でプレーして
我々もサッカー界全体でできることというのを
少しでもやっていけたらなという風に思います。
【Jリーグブログ的データ】
J1-1st第7節@Shonan BMWスタジアム平塚
湘南ベルマーレ 0-3 鹿島アントラーズ
入場者数:13,039人 天候:晴時々曇、弱風
気温:19.7度 湿度:65%
主審:村上伸次
副審:前之園晴廣、清野裕介
第4の審判員:秋澤昌治
《得点者》
<鹿島>
20'金崎夢生④(アシスト:土居聖真)
45'OG(アンドレ・バイア)
65'土居聖真②(アシスト:金崎夢生)
《選手寸評》
(湘南)
GK村山智彦
厳しいようだがこういう状況だからこそ1失点目は何とか触りたかった所
DF岡本拓也
カイオには良く食い下がったがシステム変更に伴いハーフタイムで交替となった
(→46' MF藤田征也)
投入直後は好クロスも見せたが時間の経過につれて守備に忙殺されてしまった
DFアンドレ・バイア
鹿島の2トップ対応に苦慮。ラインギリギリで入れ替わられる場面もしばしば
DF島村毅
守勢に回る時間が多くセットプレーも含めた攻撃性は打ち出せず
MF石川俊輝
アンカーの前半はバランス維持に腐心。難しい状況の中でやれることをやり切った
MF菊池大介
左右両サイドで奮闘したもののチャンスにはなかなか絡めなかった
MFパウリーニョ
前半は攻守両面でポジショニングが中途半端。持ち味は出せないまま2人目の交替に
(→57' MF下田北斗)
攻撃のスイッチが入る瞬間のミスが多くノッキングを招いてしまった
MF長谷川アーリアジャスール
リーグ戦初スタメンも劣勢の展開に埋没。もっと攻撃面で違いを生み出したい
(→70' FW藤田祥史)
ビハインド時の3枚目となるフォワード起用でシュートゼロは厳しい
MF高山薫
いつも通りとにかく走ったが後半の決定機を沈めていれば展開は変わったはず
MF三竿雄斗
ヘディングでゴールを狙うなど闘う姿勢を最も示したが誕生日を勝利で飾れず
FWキリノ□
このシステムでこのパフォーマンスではチームに推進力が生まれない
《選手寸評》
(鹿島)
GK曽ヶ端準
ほとんど守備機会のないままにリーグ戦4度目のクリーンシートを記録
DF西大伍
キャプテンマークを巻いた一戦は攻守に相変わらずのバランス感覚を披露
DF植田直通
90分間魂のこもったプレー。その姿勢が雄弁にこのゲームへ懸ける想いを物語る
DF昌子源
ディフェンスリーダーの自覚十分。危ないシーンを相手に創らせなかった
DF山本脩斗
対面の菊池にも藤田征にも仕事をさせず。2点目も長い距離を駆け上がった
MF遠藤康
5分にアウトサイドで出したラストパスは真骨頂。2つ前のお膳立てで2ゴールに絡む
(→74' MF鈴木優磨)
限られた出場時間だったからこそ決定機は生かしたかった
MF永木亮太
2点目を呼び込む好クロス。古巣を相手にしながら攻守に走り続けた
(→72' MF三竿健斗)
終盤に兄弟対決が実現。試合後はサポーターからバースデーソングも
MF柴崎岳
永木との連携も問題なく攻撃よりも守備でバランスを保ち切った
MFカイオ
サイドをグイグイえぐる。後半に見せたエラシコにも好調さが窺える
FW土居聖真②
リーグ戦は2戦連発。プレーの切れ味は言うまでもなく何より気持ちが乗っていた
(→84' FW赤秀平)
ゲームクローズの時間帯で投入され一定の役割は果たす
FW金崎夢生④□
1ゴール1アシストと申し分ない活躍だっただけにイエローカードは勿体なさ過ぎる
チンチロリン
永木の評価を答える石井監督である。
ボール奪取やキックの精度を高く評価しており、身体の強さ、メンタルの強さを持っておるチームに必要な選手とのこと。
もう少し、鹿島の戦術理解を深める時間を与える様子。
いずれ鹿島を背負う選手となって行くであろう。
また、源は「相手の運動量が多く、しんどい試合だった」と言う。
昨季は終盤まで落ちぬこの運動量にやられダブルを喰らった。
この試合では、最後まで集中力を切らさず完封を記録したことは非常に嬉しい。
植田とのコンビはJ屈指の強固な守備を誇る。
その植田は、試合後のインタビューにて堪えきれず涙を流した。
強い気持ちで試合に挑み勝利を掴んだところで、現実が沸き上がった様子。
「ちょっと無理でした。やっぱり(熊本は)育ったところなので。今まで見てきたところが、大変なことになっていて、衝撃を受けた」とのこと。
すぐにでも飛んでいきたいところであろうが、植田は「試合で結果を出すことだけ」とコメントする。
植田の活躍による勝利で熊本に元気を与えていこうではないか。
期待しておる。
チンチロリン
鹿島アントラーズ:石井 正忠
先ずは、平成28年熊本地震によって亡くなられた方へ哀悼の意を表するとともに、被災された方に心からお見舞い申し上げます。こういった中、私たちクラブも少しでも力になれれば、被災された方々へ何かできることがあれば、少しでもやっていきたいと思います。これを見ているサッカーファンの皆さま、サポーターの皆さまもそれぞれ何かできることをぜひやっていただき、被災された方々を少しでもサポートしていただきたいと思います。
試合に関しては、選手たちが前節の広島戦と同じように序盤からアグレッシブに戦い、90分間続けてくれた。しかもこの試合も複数ゴールが取れたこと、そして無失点で抑えたことは非常に良かったと思う。
Q 昨シーズンは2敗している湘南が相手だったが?
A 昨シーズンから湘南もメンバーが変わっている。去年は去年として、今回は今の湘南に対してどう戦うかということを考えてやった。ただ昨年の2ndステージに負けたことによって、次のヤマザキナビスコカップ決勝でああいう試合をして勝てたと思うので、負けた時の教訓は今日も活かせたと思う。
Q 永木への評価は?
A 永木はまだチームに入って間もないが、ボールを出す能力やキックの精度は高く評価している。後はチームの戦術をもっと深めていってくれればと思う。また同じボランチとしてポジション争いをしなければいけない相手が柴崎や小笠原であるわけで、彼らの能力も非常に高い。それが分かってウチに来たわけなので相当な覚悟を持っていると思う。色々な組み合わせやコンビネーションを練習の中でもっとやっていって、チームの戦術という部分を深めていって欲しいと思う。非常に能力の高い選手で体も強いし、気持ちも強い選手なのでチームに必要な選手だと思っている。
Q 今日の出来は?
A 交代したのは、ちょっと足を痛めたかと思ったので大事を取った。それ以外は非常に高いパフォーマンスを見せてくれて、期待に応えてくれたと思う。
Q 川崎F、浦和との1stステージ優勝争いは?
A まだ3つにしぼられたとは思わないが、川崎Fとは対戦した。後は対戦していない浦和に対して、しっかり準備したい。ただ、まだどうなるか分からない。どのチームに対してもしっかりと準備をして、圧倒できるようなサッカーをしたい。
Q ロングボールで相手の裏を突くシーンが目立ったが?
A しっかりつなぐのがウチのベースだが、環境だったり相手のプレッシャーだったりで変えなきゃいけないところは変えるべき。それはピッチに立っている選手たちの判断だったり、ベンチからの指示だったりと色々ある。今日は先ず相手陣内へ深く入り込むということを心がけ、それがロングボールであり、効果的な攻撃になったと思う。そこが良かったと思う。相手に対する対策は常にしなければいけない。
【植田 直通】
絶対に勝ってやろうと思っていた。自分自身、朝から熊本のニュースをTVで見ていた。亡くなった方も増えている。この試合は1人ではなく、サポーターの方も一緒に戦ってくれて、力になった。熊本はサッカーどころじゃないけど、結果だけでも伝わればと思う。今の僕に出来るのは、試合で結果を出すことだけ。自分に出来ることはそれ以外にないが、熊本が元気になるなら、何でもやりたい。
【昌子 源】
相手の運動量が多く、しんどい試合だった。熊本が大変な中、ナオ自身が出場すると決めたが、色々な思いがあったと思う。その気持ちに相方として応えたかった。もちろんチームのために勝ちたいという気持ちはあるけど、今日は熊本、そしてナオのために大きな意味があった。熊本、ナオのためにいい勝利だった。
【永木 亮太】
チームが90分通して何をすべきか、良く分かっている。3点目は自分の理想の流れ。守備のやりがいがあるし、球際に行く価値がある。すごくいい形だったと思う。全体的に悪くなかった。サイドチェンジも意識して、得点につながるプレーも2回出来たので良かった。
【土居 聖真】
結果に絡めることが出来て、プラスになった。これで満足せずに続けていくことが大事。次もやるだけ。夢生くんにアシストできたし、夢生くんにもアシストしてもらった。他の選手との関係ももっと良くしていけば点も取れるし、幅も広がる。
【遠藤 康】
試合の入り方が良く、勢いがあったと思う。前半に2点取れたし、先制点がいい時間帯に取れた。先制点は聖真がつぶれ、得点につながった。こちらの気持ちが相手を上回っていたと思う。
【三竿 健斗】
出場できない時が続いていたが、出た時に結果を出そうと準備していた。Jリーグの試合日程が決まった時から、この試合には出場したいと思っていた。二十歳の誕生日に出場でき、両親に感謝したい。ボールをインターセプトする場面はなかったけど、ゲームにはうまく入れたと思う。誕生日に試合したのも、初めての経験。チームが勝てたのが良かった。
J1 1st 第7節 湘南戦
本日行われたJ1 1st 第7節 湘南戦は3-0で勝利しました。
1stステージ 第7節
2016年4月16日(土)16:04KO BMWス
[ 石井 正忠監督 ]
試合を振り返る前に、熊本の地震によって亡くなられた方に哀悼の意を表するとともに、被災されている方々に対してはお見舞いを申し上げたいと思います。こういった中、私たちのクラブも少しの力でも被災された地域のみなさまにできることがあればやっていきたいと思います。これを聞いているサッカーファンのみなさま、サポーターのみなさまも、それぞれで何かできることがあればやっていただいて、被災者のみなさまをサポートしていただけたらと思います。試合に関しては、選手たちが前節の広島戦と同じような形で立ち上がりからアグレッシブな戦いをしてくれて、それを90分間続けてくれました。しかも、今回も複数得点が取れたことと、無失点で終われたことは良かったと思います。
--昨季はリーグ戦で湘南に2敗を喫していますが、今日の勝利はどのような意味がありますか?
昨年のチームから湘南さんもメンバーが替わられていると思いますし、昨年の戦いは昨年として、今回の湘南さんに対してどういうふうに対抗していくかと考えて戦いました。でも昨年の2ndステージを負けたことによって、その次の試合だったナビスコカップで優勝できたと思っていますので、その時の教訓というのは今日も生かせたのかなと思っています。
1stステージ 第7節
2016年4月16日(土)16:04KO BMWス
[ 植田 直通 ]
今日は3-0という結果もついてきましたし、今日の試合は絶対勝ってやろうという気持ちだったので、結果が出てよかったです。朝からテレビを見ていると(自身の出身地であり、大地震に見舞われた)熊本のニュースをやっているし、親などは無事でしたけど亡くなっている方もいて、とても辛い気持ちでした。でも、僕ひとりが辛いだけじゃなく、サポーターも一緒に戦ってくれているということをすごく感じましたし、今日はすごくそのサポートが僕の力になりました。
--プレーで熊本の皆さんを元気づけるために特別な思いがあったと思いますが?
今はサッカーどころじゃないと思うんですけど、結果だけでも伝わればいいなと思って今日はやっていました。またこれから、僕にできることがあれば何でもやりたいと思っていますし、(被災した)熊本が元気になるように僕ができることがあれば何でもやっていきたいです。
--サッカーに何ができると思いますか?
サッカーは絶対に元気にすることができると思う。僕たちはこうやって結果を出すことだけかもしれないですけど、僕が結果を出して、それで(被災した人たちが)元気を出してくれればすごくうれしいです。今は鹿島のサッカーで元気を出してくれればと思います。
--次節への意気込みを。
まだまだ1stステージの戦いはありますし、優勝するために一つ一つ勝利を重ねる必要がある。しっかり連勝を続けていきたいです。
百戦錬磨の鹿島が勝点3を獲得。湘南は未勝利が続く
前半の立ち上がりこそ、互いに攻め合う形は見られた。それでも、1つの得点によって試合の流れが大きく変わってしまうのはよくあることだ。前後半を通して攻められる時間帯こそあったが、攻守に隙のない試合運びをした鹿島に勝点3はもたらされた。
「前半の立ち上がりは形を変えて、ゲームプランを少し考えてやったつもりだが、結果的に防がなければいけないところで失点をしてしまい、少し勢いが落ちてしまった」。今季五度目のホームゲームで、またしても敗戦を喫した湘南の 貴裁監督は前半の戦いをこう振り返る。
湘南はMF長谷川 アーリアジャスール、MF高山 薫、MFパウリーニョの3人をFWキリノの下に置く「3-6-1」のシステムで試合へと入る。その布陣で戦う上での狙い、「相手のサイドバックの脇のスペースを利用しながらサイドに起点を作る攻撃」は、立ち上がりこそ機能する場面を見せていた。
しかし、そこは百戦錬磨の鹿島。時間が経つに連れて、柔軟な対応を見せ始めると、徐々に主導権はアウェイチームへ。「環境や相手のプレッシャーに対して戦い方を変えることは、ピッチに立っている選手が判断するところもあるし、ベンチに座っているわれわれが指示を出すこともある。今日はまず相手陣内に入り込むというところでロングボールが多くなったが、それが非常に効果的な攻撃を生んでいた」と石井 正忠監督。湘南の出方を見ながら、大きなサイドチェンジで相手を揺さぶる攻撃や、ロングボールで相手の高いラインの裏を狙う攻撃が功を奏し始めた20分。右サイドでボールを受けたDF西 大伍がクロスを送ると、中央でFW土居 聖真がそらしたボールにFW金崎 夢生が反応。GKとの一対一を冷静に沈めて、鹿島が先制に成功した。
この失点が、湘南に与えたダメージは想像以上に大きかった。「勝っていないことで、1つそういうことが起きると、全てが悪いのではという形で選手に浸透してしまうのが怖いところ」と 貴裁監督。出足が鈍り、球際で相手を上回ることができず、セカンドボールの奪い合いでも後手を踏んでしまう。アディショナルタイムには再びサイドを起点に崩されると、オウンゴールによって失点。チームとして前向きなプレーが減ったことで、湘南の勢いは陰を潜めてしまった。
後半は指揮官に喝を入れられた湘南が前に出て行くも、あと一歩のところで得点は生まれず。一方で鹿島は、65分に古巣対決となったMF永木 亮太のボール奪取から土居が沈めて、勝利を決定付けた。
これで鹿島はJリーグヤマザキナビスコカップを含めて公式戦3連勝と好調を維持。昨季は2戦2敗と勝ち切れなかった湘南を破って2位をキープした。チームとしても複数得点、無失点という満足感のあるゲームで、次に向けて弾みの付く内容を見せている。
敗れた湘南は開幕からいまだ勝星なし。チームとして重要視している球際の強さでも相手を上回れず、結果、内容ともに完敗のゲーム展開となった。下を向くことなく、前を向いて次節へと向かいたい。
[ 文:林 遼平 ]
【湘南 vs 鹿島】試合前に黙祷がささげられた
2016年4月16日(土)
「平成28年熊本地震」の犠牲者への追悼と被災地の復興を願い、キックオフ前にスタジアム全体で黙祷がささげられました。
【湘南 vs 鹿島】金崎のゴールで先制!
2016年4月16日(土)
公式戦2連勝中と好調を維持する鹿島、20分にペナルティエリア内でボールをうけた金崎夢生がゴール右隅に決め先制した。
【湘南 vs 鹿島】土居の2試合連続のゴールで試合を決める!
2016年4月16日(土)
2-0で前半を折り返し試合を優位に進める鹿島、65分に右サイドを突破した金崎夢生のグラウンダーのクロスに土居聖真が滑り込みながらゴールに流し込む。
土居はこれが2試合連続のゴールとなり、アウェイで貴重な勝点3を手にした。
【湘南 vs 鹿島】言葉を絞り出した植田直通
2016年4月16日(土)
鹿島の植田直通は試合後のインタビューで、故郷・熊本への思いを聞かれると、涙を流しながらも言葉を絞り出した。
※植田は熊本県宇土市出身、熊本県立大津高校から鹿島に加入。
鹿島、金崎&土居のゴールで2連勝! 初先発の永木も古巣・湘南相手に得点絡む
16/4/16 17:54
[4.16 J1第1ステージ第7節 湘南0-3鹿島 BMWス]
2位と好調の鹿島アントラーズが湘南ベルマーレに3-0で快勝し、今季2度目の2連勝を飾った。一方の湘南は、開幕から2分5敗の白星なしで苦しい戦いが続いている。
ホームの湘南は、2列目にMF高山薫とMFパウリーニョ、移籍後初先発のMF長谷川アーリアジャスールを並べ、立ち上がりからアグレッシブにいった。対する鹿島はMF小笠原満男が累積警告により出場停止のため、MF永木亮太が入った。永木は古巣相手に移籍後リーグ初先発と不思議な巡り合わせとなった。
試合は鹿島が先制する。前半20分、右サイドの高い位置からDF西大伍がゴール前に入れたクロスをFW土居聖真がフリック。PA内左で胸で受けたFW金崎夢生が落ち着いて右足でゴール右隅に流し込み、スコアを動かす。同33分には、熊本の宇土市出身のDF植田直通のフィードで裏に抜け出した金崎がPA内右角から右足を振り抜く。意表を突いた強烈なシュートだったが、これはクロスバーを叩いた。
さらに攻め込む鹿島は前半45分、永木が右サイドから入れたボールをファーサイドのDF山本脩斗が中央に折り返す。湘南を左右に揺さぶり、DFアンドレ・バイアのオウンゴールを誘発し、2-0。後半20分にもMF遠藤康のスルーパスに反応した金崎が右から低い弾道のクロスを入れると、滑り込んだ土居が右足で押し込み、3-0と試合を決定づけた。
湘南は後半開始からMF藤田征也を入れるなど、リズムを変えようとしたが、決定機らしい決定機を作ることができず、ホームで今季リーグ戦初勝利とはならなかった。湘南はこれで4連敗。24日の次節もホームに大宮を迎えるが、早い段階で勝利をつかみたいところだ。
【J1】鹿島が最下位を相手に貫録の3発快勝! 湘南は今季未勝利のトンネル抜け出せず
サッカーダイジェストWeb編集部
2016年04月16日
金崎が先制弾! 3試合ぶりの今季4ゴール目。
先制点を挙げた金崎と3点目を奪った土居。鹿島は攻撃陣が結果を出してみせた。写真:徳原隆元
J1リーグは4月16日、第1ステージ・7節の5試合を開催。BMWスタジアム平塚では、湘南対鹿島の一戦が16時にキックオフされた。
試合は20分に鹿島が先制。西のクロスをファーサイドで待ち構えた金崎が、落ち着いてゴール右に決める。金崎は3試合ぶりの今季通算4ゴール目となった。
鹿島は33分にも金崎がクロスバー直撃のシュートを放つなど勢いに乗った攻撃を見せる。そして45分、古巣との対戦となった永木のクロスから山本がシュートを放つと、相手DFのオウンゴールを誘い、鹿島が2-0とリードを広げる。
前半を鹿島の2点リードで折り返すと、後半立ち上がりは湘南がペースを掴む。三竿のヘディングシュートなどでゴールに迫るが、あと一歩得点には及ばない。
すると65分、鹿島はカウンターから遠藤のパスに反応した金崎が抜け出すと、その折り返しを土居が右足で流し込み3点目。土居は前節に続く2試合連続ゴールとなった。
鹿島は守ってもCBの昌子、植田を中心に堅い守備で湘南にゴールを許さない。結局、最後まで無失点で切り抜けた鹿島が3-0で完勝した。
鹿島は勝点16として、首位川崎を勝点1差の2位で追走。一方、湘南は依然未勝利で最下位を脱出できなかった。
【鹿島】熊本出身の植田が、こらえきれず試合後に涙。「熊本のみんなと戦っている気持ちでやっていた」
広島由寛(サッカーダイジェスト)
2016年04月16日
スタンドを見渡せば、「九州に対する言葉」の横断幕。「サポーターの皆さんも、戦ってくれるんだというのは心強かった」。
恵まれたフィジカルを武器に、湘南の攻撃をシャットアウト。辛い気持ちを抑えてプレーに集中し、チームを勝利に導いた。写真:徳原隆元
特別な想いで、植田直通は湘南との一戦に臨んでいた。
14日夜に地元の熊本で震度7の揺れを観測する地震が発生。その後も余震が相次ぎ、各地で被害は広がっていった。
「朝からテレビを見ていて、ずっと熊本のニュースが流れている。親とかは無事でしたけど、亡くなっている方がたくさんいる。すごく辛い気持ちだった」
試合に向けては、「絶対に勝ってやろう」という意気込みでピッチに立ち、CBとして湘南の攻撃をシャットアウト。マッチアップしたキリノを迫力あるディフェンスで押さえ込み、3-0の完封勝利に大きく貢献した。
そのパフォーマンスは際立っていたが、「僕だけじゃなく、みんなで守り切った。前線の選手にも感謝したいし、これを続けてしっかりと無失点でいければいい」と謙虚にチームメイトの奮闘を称えた。
「僕にはサッカーしかない」とプレーに集中した。それでも、心のどこかで熊本のことが気になっていたかもしれない。しかし、ふと周りを見渡せば、力が漲ってきた。
「鹿島もそうですし、湘南のほうも、横断幕というか、九州に対する言葉もあった。それを見てグッとくるものがありました。僕だけが戦っているのではなくて、サポーターの皆さんも戦ってくれるんだというのは心強かった」
試合後のインタビューでは、こらえきれず涙があふれてきた。
「ちょっと無理でした。やっぱり(熊本は)育ったところなので。今まで見てきたところが、大変なことになっていて、衝撃を受けた」
本当なら、一刻も早く熊本に返り、「僕にできることがあれば、なんでもやりたい」。しかし、植田はサッカー選手として、地元に全身全霊でエールを送った。
「熊本のみんなと戦っている気持ちでやっていた。しっかりと結果が出たので、それがたくさんの人に伝わって、元気を出してくれればいいなと思います」
今すぐに熊本に帰ることはできないが、「困っている人がいれば、絶対に助けたい」と、なにかしらの形で支援をするつもりでいる。
盤石の守備力をベースに川崎を追走。昌子とのCBコンビはJ屈指。
今季二度目の連勝で2位をキープした鹿島。リーグ最少失点と盤石の守備力をベースに、攻撃陣も調子を上げてきており、植田も「前線の選手にも感謝したい」。写真:徳原隆元
この湘南戦の勝利で、鹿島は今季二度目の連勝を達成。完封勝利は4節・FC東京戦(2-0)以来で、トータルの失点数3はリーグ最少(4月16日時点)と、盤石の守備力をベースに、勝点1差で首位・川崎を追走する。
開幕からフルタイム出場を続ける植田は、安定感あるディフェンスでチームの堅守を支えている。昌子源との強固なCBコンビは、J屈指と言っていいだろう。
チームとしては悲願のリーグタイトル奪還に向け、着実に前進している。特別な使命感をその胸に、全力の限りを尽くす植田のプレーに注目したい。
取材・文:広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)
J1-1st第7節 湘南×鹿島マッチレビュー
April 16, 2016 10:44 PM
J1-1st第7節
湘南ベルマーレ×鹿島アントラーズ@Shonan BMWスタジアム平塚
解説:三浦淳寛 実況:八塚浩 インタビュアー:中田浩光
【湘南ベルマーレ 貴裁監督インタビュー(試合後・中継内)】
Q:まず今日の前半は2列目にだいぶ厚く人を置いたなというシステムでしたが、この狙いを教えていただけますか?
A:鹿島さんはカウンターの力があるので、そこの勢いを消して、こっちが相手陣内に入った時により飛び出しやすくしようとしてやりました。何回か良い形で繋がり掛けたんですけど、その質とか回数が結果的にはそんなに効果的ではなかったと思います。でも、それを選択してやらせたのは僕の責任なので、1点目の取られ方、2点目の取られ方も含めて、ちょっとチグハグ感が残ってしまったかなという感じはします。ただ、良いと思ってチャレンジしたことなので、そのことについては別に後悔していないですけど、鹿島さんの個のキープ力とかシュートに対する意欲とかに、最終的にはやられちゃったかなという感じはしますね。
Q:後半は人も替えて、後半の方が少し攻撃のスタイルは良くできたと見てよいでしょうか?
A:前半から勇気のないプレーというか、ボールを奪ったらあとはもうノーリスクで蹴っているだけで、前にボールは入らないし、ドリブルする選手もいないという所で言うと、それをハーフタイムに言ったんですけど、その点については良くなったと思いますが、3点目を取られた時もウチが中盤でボールをロストして、相手にそのまま行かれて、最後に体を張れないみたいな所も含めて、自分たちにまだまだ甘さがあるし、改善できる所もあるし、それはリーグ戦に入って言うようなことじゃないですけど、僕たちで自分たちの状況を変えていくしかないので、そういうつもりでやりたいなと思います。
Q:ゲームが終わったばかりですけど、そのあたりを今選手に伝えた所でしょうか?
A:一番やっちゃいけないことは、今まで自分たちがやってきたことが1つの敗戦とか、2つの敗戦、3つの敗戦ぐらいで違うことになるというのが一番怖いので、今は勝てていないですけど、自分たちが信じる方向性というのをしっかり選手に示して、それに対して選手が努力するという形で今後も持って行くしかないと思うので、結果は今出ていない所ですけど、元々去年も一昨年も結果が出るかどうかわからない所で湘南ベルマーレの監督を、そういう言い方をしたらちょっと語弊がありますけど、そういう勝てないというようなリスクがあっても自分たちの形をしっかり創ろうという形でやっているので、それは貫いて行きたいなと思います。
Q:点の取り方は監督の中で良いイメージが今湧いてきているでしょうか?
A:今日も何回か良い形で崩した時に、フィニッシュに行っている時は悪くなかったと思うんですけど、最後にちょっと慌てちゃったりとか、コントロールをミスしちゃったりするのが我々の永遠の課題なので、鹿島さんはそれに比べてゴール前での落ち着きとか、最後のフィニッシュの精度は間違いなくウチよりも1枚も2枚も上でしたし、それは本当にチャンピオンを何回も獲ったチームから改めて学びたいなと思いますし、選手もそれを自分たちとの差をしっかり埋められるように、後期にもう1回対戦があるので、その時までにはまた成長した自分たちを見せたいと思います。
Q:次節に向けて守りの部分はいかがでしょうか?
A:個々にミスがあったりとか、オープンになった時の守り方というのは課題がありますけど、失点をしたくないから前に出て行かないとなると本末転倒になるので、その中で修正できることは修正していきたいなと思います。
Q:次節に向けてサポーターへ一言いただけますか?
A:来週は水曜日にナビスコカップ、また大宮さんとのリーグ戦というのが続きますので、ホームでできるので是非どちらも勝って、波に乗れるように頑張っていきたいと思います。
【鹿島アントラーズ 石井正忠監督インタビュー(試合後・中継内)】
Q:引き分けを1つ挟んでリーグ戦の連勝が伸びました。まずは今日のゲームを振り返っていただけますか?
A:前節広島とタフな戦いをしたんですけど、そこで4-1という形で勝てて、その形を今日も引き続いてやろうということで、チーム一丸となって迎えました。本当に選手たちはもうスタートから90分その姿勢を見せてくれて、失点もしていませんし、非常に良いパフォーマンスを見せてくれたと思っています。
Q:今日も複数得点ということになりました。アタッカー陣はみんな好調だなという印象ですが、監督も誰をセレクトするのか非常に悩ましい所ではないでしょうか?
A:そうですね。でも、攻撃の選手だけではなくて、しっかりした守備があるからこそ、色々なコンビネーションを使っての攻撃ができると思っているので、チーム全体で取っている点だとは思っています。
Q:その守備陣は今日もゼロで終えました。その守備陣では植田選手にインタビューしましたが、熊本出身の植田選手の心中を察すると今日は本当に難しいゲームだったのではないかという中でのプレーは、監督の目にどう映りましたか?
A:本当に熊本のみなさんは今、地震がある中で本当に辛い気持ちがあると思いますし、植田本人も当然辛い気持ちになったと思うんですけど、そのへんはやはりサッカーを通して地元の皆さんに元気になってもらいたいということで、本当に植田らしいしっかりとした守備を90分やってくれたなと思いますね。
Q:今日は小笠原選手が出場停止の中でのゲームでしたが、非常に安定したゲーム運びだったなと感じました。監督の目にはどう映りましたか?
A:これもチーム全体が良く機能していたからだと思います。1人抜けたからといって、それがかなり戦力ダウンになってしまうと、この長いシーズンを戦っていけないと思いますので、そういう点で1人1人が誰が欠けても、「自分たちの高いパフォーマンスを見せるんだ」という気持ちが強いからだと思いますね。
Q:今日も勝ち点3をゲットして、今上位が混戦になっているファーストステージの序盤ですが、これから抜け出すためにはどんなことが必要になってくるでしょうか?
A:チーム全体でこれは頭にあると思うんですけど、本当に目の前の試合を1試合1試合勝って、勝ち点をコツコツ積み重ねていくことだと思いますので、変わらず自分たちのスタイルを貫いて、攻守共にアグレッシブな戦いはしていきたいと思っています。
【鹿島アントラーズ 植田直通インタビュー(試合後・中継内)】
Q:今日もゼロで終えました。まずはご自身のプレーを振り返って、今日はいかがでしたか?
A:今日はゼロで抑えられて勝てたことは良かったですけど、本当に今日は「絶対勝ってやろう」という気持ちで戦っていたので、勝てて良かったです。
Q:熊本出身の植田選手にとっても今日は特別な想いでのプレーだったと思います。そのあたりの胸の内を聞かせて下さい。
A:... すみません...
Q:とにかく植田選手、「サッカーで勇気付けよう」。そういう想いですよね?
A:...はい。僕にはもうそれしかないので、頑張ります。
Q:次も熊本に向けて、被災地に向けて良いプレーを期待しています。
A:はい。ありがとうございます。
【三浦淳寛氏のレビュー】
(湘南)
湘南は少し苦労している感じもありますけど
良い時間帯もありますから、そこの時間をいかに長くできるかと
湘南スタイルをもう少し前面に出せると良いかなというのはありますね。
先制点を先に取れるかどうかというのもポイントだと思います。
もちろん相手チームをリスペクトするというのは大事なんですけど
自分たちの持ち味をいかに出せるかという方に
力を注いだ方が良いのかなという感じはしました。
あとはスピード感を出せるかどうかというのは選手の連動性だったり
もう少し判断良くダイレクトが入ったりというのがあると
そのスピード感が出るかなというのはありますね。
少し相手をリスペクトし過ぎたんじゃないかなという風に映りましたから
それは監督も勇気のないプレーという風に
見えたんじゃないでしょうか。
カウンターをさせないためには三竿選手と菊池選手がもっと高い位置に行って
高山選手、長谷川選手、パウリーニョ選手、キリノ選手とこのあたりで
食い止めたい、まず出させないということが目的だったと思うんですけど
5バック気味になったことで相手の中盤がどんどん自由にボールを動かせて
そこで繋いでいると5バック気味になっているんですけど
クロスが上がる時に慌ててボール保持者に対して前に出ますよね。
そうすることでズレができたと。
どっちつかずのようになったかなと僕には映りましたね。
(鹿島)
鹿島は非常に安定感があるので
これはファーストステージの優勝の可能性も
十分あるような試合をしていますよね。
攻撃も守備もバランスが良くて本当に強いと思います。
永木は守備に関しても攻撃に関しても
常に頭を使ってゲームをコントロールしていたと思います。
2点目に繋がる良いクロスもありましたからね。
植田選手のプレーを見て
勇気付けられる人たちもたくさんいると思いますね。
熊本のことに関して言うとプレーヤーは全力でプレーして
我々もサッカー界全体でできることというのを
少しでもやっていけたらなという風に思います。
【Jリーグブログ的データ】
J1-1st第7節@Shonan BMWスタジアム平塚
湘南ベルマーレ 0-3 鹿島アントラーズ
入場者数:13,039人 天候:晴時々曇、弱風
気温:19.7度 湿度:65%
主審:村上伸次
副審:前之園晴廣、清野裕介
第4の審判員:秋澤昌治
《得点者》
<鹿島>
20'金崎夢生④(アシスト:土居聖真)
45'OG(アンドレ・バイア)
65'土居聖真②(アシスト:金崎夢生)
《選手寸評》
(湘南)
GK村山智彦
厳しいようだがこういう状況だからこそ1失点目は何とか触りたかった所
DF岡本拓也
カイオには良く食い下がったがシステム変更に伴いハーフタイムで交替となった
(→46' MF藤田征也)
投入直後は好クロスも見せたが時間の経過につれて守備に忙殺されてしまった
DFアンドレ・バイア
鹿島の2トップ対応に苦慮。ラインギリギリで入れ替わられる場面もしばしば
DF島村毅
守勢に回る時間が多くセットプレーも含めた攻撃性は打ち出せず
MF石川俊輝
アンカーの前半はバランス維持に腐心。難しい状況の中でやれることをやり切った
MF菊池大介
左右両サイドで奮闘したもののチャンスにはなかなか絡めなかった
MFパウリーニョ
前半は攻守両面でポジショニングが中途半端。持ち味は出せないまま2人目の交替に
(→57' MF下田北斗)
攻撃のスイッチが入る瞬間のミスが多くノッキングを招いてしまった
MF長谷川アーリアジャスール
リーグ戦初スタメンも劣勢の展開に埋没。もっと攻撃面で違いを生み出したい
(→70' FW藤田祥史)
ビハインド時の3枚目となるフォワード起用でシュートゼロは厳しい
MF高山薫
いつも通りとにかく走ったが後半の決定機を沈めていれば展開は変わったはず
MF三竿雄斗
ヘディングでゴールを狙うなど闘う姿勢を最も示したが誕生日を勝利で飾れず
FWキリノ□
このシステムでこのパフォーマンスではチームに推進力が生まれない
《選手寸評》
(鹿島)
GK曽ヶ端準
ほとんど守備機会のないままにリーグ戦4度目のクリーンシートを記録
DF西大伍
キャプテンマークを巻いた一戦は攻守に相変わらずのバランス感覚を披露
DF植田直通
90分間魂のこもったプレー。その姿勢が雄弁にこのゲームへ懸ける想いを物語る
DF昌子源
ディフェンスリーダーの自覚十分。危ないシーンを相手に創らせなかった
DF山本脩斗
対面の菊池にも藤田征にも仕事をさせず。2点目も長い距離を駆け上がった
MF遠藤康
5分にアウトサイドで出したラストパスは真骨頂。2つ前のお膳立てで2ゴールに絡む
(→74' MF鈴木優磨)
限られた出場時間だったからこそ決定機は生かしたかった
MF永木亮太
2点目を呼び込む好クロス。古巣を相手にしながら攻守に走り続けた
(→72' MF三竿健斗)
終盤に兄弟対決が実現。試合後はサポーターからバースデーソングも
MF柴崎岳
永木との連携も問題なく攻撃よりも守備でバランスを保ち切った
MFカイオ
サイドをグイグイえぐる。後半に見せたエラシコにも好調さが窺える
FW土居聖真②
リーグ戦は2戦連発。プレーの切れ味は言うまでもなく何より気持ちが乗っていた
(→84' FW赤秀平)
ゲームクローズの時間帯で投入され一定の役割は果たす
FW金崎夢生④□
1ゴール1アシストと申し分ない活躍だっただけにイエローカードは勿体なさ過ぎる
チンチロリン
永木の評価を答える石井監督である。
ボール奪取やキックの精度を高く評価しており、身体の強さ、メンタルの強さを持っておるチームに必要な選手とのこと。
もう少し、鹿島の戦術理解を深める時間を与える様子。
いずれ鹿島を背負う選手となって行くであろう。
また、源は「相手の運動量が多く、しんどい試合だった」と言う。
昨季は終盤まで落ちぬこの運動量にやられダブルを喰らった。
この試合では、最後まで集中力を切らさず完封を記録したことは非常に嬉しい。
植田とのコンビはJ屈指の強固な守備を誇る。
その植田は、試合後のインタビューにて堪えきれず涙を流した。
強い気持ちで試合に挑み勝利を掴んだところで、現実が沸き上がった様子。
「ちょっと無理でした。やっぱり(熊本は)育ったところなので。今まで見てきたところが、大変なことになっていて、衝撃を受けた」とのこと。
すぐにでも飛んでいきたいところであろうが、植田は「試合で結果を出すことだけ」とコメントする。
植田の活躍による勝利で熊本に元気を与えていこうではないか。
期待しておる。
チンチロリン
永木が交代したときにチョウ監督が永木の後ろ姿を見つめていたのも印象的でしたね。
一昨年より昨年、昨年より今年と、チームも個人も成長していることが感じられて、サポ冥利につきます。
地域密着のJだからこそ、これからもナオと一緒に熊本を応援していきたいですね。
フィールドプレイヤーたちが身体を投げ出し、枠内シュートを打たせてたまるか、という気持ちを強く感じる。
堅守で高速カウンターとポゼッションの使い分け、切り替えの早さ、7試合で3失点は偶然じゃない。
昨年はナオにとって苦しい年だっただろうけどこのコンビは失点が少ないのかな?
東日本もそうだし今回の九州の大地震、復興って言ってもそれはすごく時間がかかること。
鹿島には東北や茨城、九州出身の選手が沢山いて縁がある場所。
今だけでなく鹿島の為でありながら、その活躍、勝利が被災された方々にとって勇気や希望、喜びになるようこれからも共に頑張りましょう!
(どういう意図か分かりませんが黙祷後握手に向かう時カイオがナオの肩?背中?を両手で叩いた時グッときました。頑張るぞ!って感じがして…)
試合後、監督同士は握手と挨拶で簡単に終わるところ、湘南曹監督と石井監督は会話していました。中継でもお互いをリスペクトしていて、監督達の人間性が伝わりますねと感心されたコメントがありました。
私見ですが、あれだけ長く談笑するということは、永木について会話していたのではないかと思っています。育てた者とこれから育てあげる者、期待ある選手を介してお互いの人間性が伝わってくるような気がしました。