ACLのない鹿島がJタイトル獲得に有利か?
J1昇格組の大宮、磐田、福岡は?2016年J1展望
Text by 元川 悦子
2月27日にいよいよ2016年J1が開幕する。今季は例年より開幕が1週間前倒しになったため、多くのクラブが急ピッチでチーム作りを進めてきた。
2月9日にアジアチャンピオンズリーグ(ACL)プレーオフのあったFC東京はその最たる例。1月22日から沖縄キャンプに入り、2月にいったん帰京してチョンブリFCに9-0で圧勝した後、再び宮崎・都城キャンプをこなすという慌ただしいスケジュールを強いられた。そして迎えた22日のACL1次ラウンド初戦・全北戦(アウェー)は1-2で完敗。オランダ移籍した太田宏介(フィテッセ)の後釜として大きな期待を背負っていたベテラン・駒野友一が負傷するアクシデントまで起きている。
このFC東京を見ても分かる通り、ACLに参戦するチームの負担は想像以上に大きい。昨季王者のサンフレッチェ広島にしても、20日のFUJI XEROX SUPER CUP・ガンバ大阪戦に勝利したものの、エース・佐藤寿人が左足に違和感を訴えて22日のACL・山東魯能戦を欠場する羽目になった。FC東京同様、アウェー初戦を落とす厳しいスタートになっただけに、J1への影響が懸念される。23日にそれぞれACL初戦を迎えるガンバ大阪、浦和レッズにしても、ACLとの掛け持ちになる第1ステージは非常にタフな戦いを強いられるのは間違いない。
となると、やはり第1ステージはACLのないチームが有利と考えるのが自然。その筆頭が昨季Jリーグヤマザキナビスコカップ王者の鹿島アントラーズではないだろうか。昨季第2ステージ2位、年間5位という成績でフィニッシュした鹿島だが、昨季からチームは大きく変わっていない。ダヴィや本山雅志(北九州)、豊川雄太(岡山)といった面々の移籍はあったものの、攻撃のキーマン・金崎夢生も最終的に復帰することになり、石井正忠監督も胸をなでろしていることだろう。それに加えて昨季まで湘南ベルマーレでキャプテンマークを巻いていた永木亮太、リオデジャネイロ五輪アジア最終予選メンバーだった三竿健斗、櫛引政敏らが加入。選手層は一段と厚くなった印象だ。ここまでの準備期間も順調と言われるだけに、彼らの動向が今季J1を大きく左右するはずだ。
ACLのないチームで、鹿島を追走しそうなのが、川崎フロンターレと横浜F・マリノスだろう。川崎は3年連続得点王の大久保嘉人という絶対的な点取屋がいるだけに、何とか今季はもう少し失点を減らし、守備面を安定させたいところ。U-23日本代表の奈良竜樹らの加入がプラスに働くかどうかが見ものだ。横浜の方は堅守は依然として大きな武器だが、問題は攻撃。キャプテン・中村俊輔が開幕直前になってインフルエンザを発症し、離脱するというショッキングなニュースも飛び込んできているだけに心配だ。松本山雅から加わった前田直輝ら新戦力がどれだけ攻めの迫力をもたらせるか。そのあたりもポイントになると見られる。
一方、J1昇格組の大宮アルディージャ、ジュビロ磐田、アビスパ福岡の3チームの動向も気になるところ。昨季はJ2から上がってきた3チーム(湘南、松本山雅、山形)のうち2チーム(松本山雅、山形)が降格の憂き目に遭っただけに、決して楽観視できない状況だ。
昨季J2優勝の大宮は家長昭博、ムルジャ、菊地光将といった軸に変動はないが、新たにロングスローの名手・岩上祐三、ダイナミックなアタッカーのネイツ・ペチュニクらを補強した。昨季より戦力的には若干厚くなった印象だが、J1上位陣に比べると個のタレント力ではやや物足りない部分もある。その課題を家長中心にどう打破していくかが、J1残留への絶対条件と言えるだろう。家長はもともと日本代表やスペインでもプレーしていた選手。彼が持てる力の全てを出し切って、チーム全体を引っ張ってくれれば、大宮も殻を破れるかもしれない。やはり今季のメインを左右するのは背番号41をつけるこの男だろう。
名波浩監督のJ1初参戦で注目される磐田も山本康裕、中村太亮、齊藤和樹、高木和道といった経験豊富な選手たちを補強したが、あくまでベースは昨季の陣容だ。カミンスキー、ジェイといった外国人選手に、名波体制になって大きく成長した小林祐希や川辺駿ら若手がどれだけJ1で結果を残せるかが気になる。桐光学園高から加入したルーキー・小川航基のデビューがいつになるかも見どころ。その小川は発熱の影響で負傷のジェイとともに開幕には間に合わない模様だが、近い将来、必ず戦力になるだろう。
最後に福岡はプレシーズンマッチでセレッソ大阪に敗れるなど、ここまでの仕上がりはやや厳しいという。それでも井原正巳監督が植え付けた守備のメンタリティは揺らぐことがないはず。J1でも手堅い守りで失点を減らし、1点を奪って勝つようなしぶとい戦いができれば、残留の可能性は開けてくるはずだ。新戦力のダニルソン、實藤友紀らのパフォーマンスにも期待したい。
いずれにしても、昇格組はJ1残留が第一目標だ。広島やガンバらとの実力差は認めざるを得ないが、そこを埋める一体感やチームの特徴を押し出すことに徹してほしい。
チンチロリン
ACLのない鹿島が優勝候補筆頭と述べる元川女史である。
夢生の復帰、岳の残留にて昨季のチームそのままに今季を戦うことが出来る布陣となった。
それに加え、湘南にてキャプテンを担った永木、U-23日本代表の正GKでU-23アジア選手権優勝の立役者である櫛引、同じくU-23日本代表であり、プロ一年目でヴェルディのレギュラーを勤め上げた三竿が加入した。
更に、昨シーズンをほぼ棒に振ったジネイの負傷が癒え、高いパフォーマンスを見せつつある。
昨季、ナビスコ杯を優勝し、2ndシーズンを2位にてフィニッシュしたチームに大きな新戦力が加わるとなれば、タイトルに最も近いと評価するのも当然と言えよう。
理由はACLがないことではない。
鹿島が鹿島らしさを取り戻したことにある。
飽くなき勝利への渇望にて、タイトルを掴み取る。
目標は一つである。
期待しておる。
チンチロリン
J1昇格組の大宮、磐田、福岡は?2016年J1展望
Text by 元川 悦子
2月27日にいよいよ2016年J1が開幕する。今季は例年より開幕が1週間前倒しになったため、多くのクラブが急ピッチでチーム作りを進めてきた。
2月9日にアジアチャンピオンズリーグ(ACL)プレーオフのあったFC東京はその最たる例。1月22日から沖縄キャンプに入り、2月にいったん帰京してチョンブリFCに9-0で圧勝した後、再び宮崎・都城キャンプをこなすという慌ただしいスケジュールを強いられた。そして迎えた22日のACL1次ラウンド初戦・全北戦(アウェー)は1-2で完敗。オランダ移籍した太田宏介(フィテッセ)の後釜として大きな期待を背負っていたベテラン・駒野友一が負傷するアクシデントまで起きている。
このFC東京を見ても分かる通り、ACLに参戦するチームの負担は想像以上に大きい。昨季王者のサンフレッチェ広島にしても、20日のFUJI XEROX SUPER CUP・ガンバ大阪戦に勝利したものの、エース・佐藤寿人が左足に違和感を訴えて22日のACL・山東魯能戦を欠場する羽目になった。FC東京同様、アウェー初戦を落とす厳しいスタートになっただけに、J1への影響が懸念される。23日にそれぞれACL初戦を迎えるガンバ大阪、浦和レッズにしても、ACLとの掛け持ちになる第1ステージは非常にタフな戦いを強いられるのは間違いない。
となると、やはり第1ステージはACLのないチームが有利と考えるのが自然。その筆頭が昨季Jリーグヤマザキナビスコカップ王者の鹿島アントラーズではないだろうか。昨季第2ステージ2位、年間5位という成績でフィニッシュした鹿島だが、昨季からチームは大きく変わっていない。ダヴィや本山雅志(北九州)、豊川雄太(岡山)といった面々の移籍はあったものの、攻撃のキーマン・金崎夢生も最終的に復帰することになり、石井正忠監督も胸をなでろしていることだろう。それに加えて昨季まで湘南ベルマーレでキャプテンマークを巻いていた永木亮太、リオデジャネイロ五輪アジア最終予選メンバーだった三竿健斗、櫛引政敏らが加入。選手層は一段と厚くなった印象だ。ここまでの準備期間も順調と言われるだけに、彼らの動向が今季J1を大きく左右するはずだ。
ACLのないチームで、鹿島を追走しそうなのが、川崎フロンターレと横浜F・マリノスだろう。川崎は3年連続得点王の大久保嘉人という絶対的な点取屋がいるだけに、何とか今季はもう少し失点を減らし、守備面を安定させたいところ。U-23日本代表の奈良竜樹らの加入がプラスに働くかどうかが見ものだ。横浜の方は堅守は依然として大きな武器だが、問題は攻撃。キャプテン・中村俊輔が開幕直前になってインフルエンザを発症し、離脱するというショッキングなニュースも飛び込んできているだけに心配だ。松本山雅から加わった前田直輝ら新戦力がどれだけ攻めの迫力をもたらせるか。そのあたりもポイントになると見られる。
一方、J1昇格組の大宮アルディージャ、ジュビロ磐田、アビスパ福岡の3チームの動向も気になるところ。昨季はJ2から上がってきた3チーム(湘南、松本山雅、山形)のうち2チーム(松本山雅、山形)が降格の憂き目に遭っただけに、決して楽観視できない状況だ。
昨季J2優勝の大宮は家長昭博、ムルジャ、菊地光将といった軸に変動はないが、新たにロングスローの名手・岩上祐三、ダイナミックなアタッカーのネイツ・ペチュニクらを補強した。昨季より戦力的には若干厚くなった印象だが、J1上位陣に比べると個のタレント力ではやや物足りない部分もある。その課題を家長中心にどう打破していくかが、J1残留への絶対条件と言えるだろう。家長はもともと日本代表やスペインでもプレーしていた選手。彼が持てる力の全てを出し切って、チーム全体を引っ張ってくれれば、大宮も殻を破れるかもしれない。やはり今季のメインを左右するのは背番号41をつけるこの男だろう。
名波浩監督のJ1初参戦で注目される磐田も山本康裕、中村太亮、齊藤和樹、高木和道といった経験豊富な選手たちを補強したが、あくまでベースは昨季の陣容だ。カミンスキー、ジェイといった外国人選手に、名波体制になって大きく成長した小林祐希や川辺駿ら若手がどれだけJ1で結果を残せるかが気になる。桐光学園高から加入したルーキー・小川航基のデビューがいつになるかも見どころ。その小川は発熱の影響で負傷のジェイとともに開幕には間に合わない模様だが、近い将来、必ず戦力になるだろう。
最後に福岡はプレシーズンマッチでセレッソ大阪に敗れるなど、ここまでの仕上がりはやや厳しいという。それでも井原正巳監督が植え付けた守備のメンタリティは揺らぐことがないはず。J1でも手堅い守りで失点を減らし、1点を奪って勝つようなしぶとい戦いができれば、残留の可能性は開けてくるはずだ。新戦力のダニルソン、實藤友紀らのパフォーマンスにも期待したい。
いずれにしても、昇格組はJ1残留が第一目標だ。広島やガンバらとの実力差は認めざるを得ないが、そこを埋める一体感やチームの特徴を押し出すことに徹してほしい。
チンチロリン
ACLのない鹿島が優勝候補筆頭と述べる元川女史である。
夢生の復帰、岳の残留にて昨季のチームそのままに今季を戦うことが出来る布陣となった。
それに加え、湘南にてキャプテンを担った永木、U-23日本代表の正GKでU-23アジア選手権優勝の立役者である櫛引、同じくU-23日本代表であり、プロ一年目でヴェルディのレギュラーを勤め上げた三竿が加入した。
更に、昨シーズンをほぼ棒に振ったジネイの負傷が癒え、高いパフォーマンスを見せつつある。
昨季、ナビスコ杯を優勝し、2ndシーズンを2位にてフィニッシュしたチームに大きな新戦力が加わるとなれば、タイトルに最も近いと評価するのも当然と言えよう。
理由はACLがないことではない。
鹿島が鹿島らしさを取り戻したことにある。
飽くなき勝利への渇望にて、タイトルを掴み取る。
目標は一つである。
期待しておる。
チンチロリン
例え優勝してもACLが無かったからとか言われるのかなと思うと悔しいし、そうではない!これが鹿島!と言える、思える試合をして欲しい。
そして必ず全タイトル獲得し来年はACL出場して鹿島が残したタイトルを獲得し☆を増やしたいですね!