鹿島アントラーズ原理主義

愛する鹿島アントラーズについて、屈折した意見を述べていく場です。

曽ケ端、やっぱりプロとしてタイトルはもっと獲りたいと思いますし、夢というか目標という感じですかね

2015年09月18日 | Weblog
「何点取られてもしっかり勝ち点3が取れればいいんじゃないかなと考えるようになりました」ヴァンフォーレ甲府 x 鹿島アントラーズ
Pre-match Words ~鹿島アントラーズ 曽ヶ端準選手編~

Text by 土屋 雅史

鹿島で生まれ、鹿島で育ち、鹿島でプロになった男は18年間のキャリアに自らの生き様を投影しながら、ただ目の前の試合に全てを注ぎ込んできた結果、今やその公式戦出場は600試合に迫ろうとしている。曽ヶ端準。36歳。アントラーズの歴史を外から、そして内から見つめ続けてきた文字通りの守護神が語るPre-match Words。

Q:セカンドステージも半分を過ぎている段階ですが、ここまでのチームのパフォーマンスをどのように捉えてらっしゃいますか?

A:最初は石井さんに替わるまではちょっと不安定な戦いでしたし、僕自身もファーストステージの途中から出場もなく、外から見ているという状況で、チームも勝ったり負けたりでなかなか連勝できず、チームとしてもそうですし僕自身もなかなか不甲斐ないというか、もちろんACLの結果もそうですし、優勝争いに絡めないという状況で、なかなかもどかしい気持ちの中でやっていましたね。

Q:監督も替わっていなくて、主力もそれほど替わっていない中で、特にファーストステージはどういう部分が昨年と違っていたと感じてらっしゃいますか?

A:どうなんですかね。「これだ」というのがあれば、そこまで不安定な戦いをせずに修正できたと思うんですけど、もちろん僕自身も含めてミスがそのまま失点に繋がるような場面というのはやっぱりあったので、そのあたりは去年よりも明らかに多かったと思いますし、直接失点に繋がるようなミスが自分たちの良いリズムの時にあったりという中で、そういう失点で流れを崩したりというのはあったと思います。

Q:ご自身としては開幕戦で連続出場記録が途絶えてしまって、先ほどおっしゃったようにファーストステージの途中からはベンチスタートが続く時期もありましたが、自分のパフォーマンスに昨年との違いは感じてらっしゃいましたか?

A:コンディションはずっと良かったですし、それでもなかなかチームが勝てなかったり、先ほども言いましたけど自分のミスで失点したりというのがあったので、今までも何回もありましたけど、身体と心と良い状態でいても、グラウンドの中でなかなか良いパフォーマンスができなかったりということもありましたし、多少痛みを抱えていて気にしながらやっていても良いパフォーマンスができる時もありますし、そのへんは改めて難しさというのも感じました。そういうのをなくせるようにしないとやっぱり出続けるのは難しいですし、チームを勝たせることもできないですし、自分自身の不甲斐なさも感じながらやっていました。

Q:そんな中で石井(正忠)監督が就任してから劇的に結果の部分が変わり始めましたが、曽ヶ端選手は石井監督の就任でどういう部分が一番変わったと思いますか?

A:練習で調子の良い選手を試合で使ったり、ここまで同じスタメンの11人というのはなかったですし、そういう所で練習の出来というのを凄く見ているので、ピリッとした緊張感のある練習ができています。もちろん激しさも戻ってきたので、そのへんはしっかりゲームで出ていると思いますし、途中で出た選手が結果を変えたりという試合もありましたし、そのあたりの雰囲気は変わったかなという風に思います。

Q:GKというのは練習が違う時間もあったりして、チームを客観的に見ることもできるのではないかなと思いますが、やはりチームは明らかに変わりましたか?

A:先ほど言いましたけど練習の雰囲気は変わりましたし、セレーゾの時はスライディングは「ケガ人が出ると思うようなメンバーが組めなくなるのでなるべくしないように」とか、ある程度制限を付けられてやっていましたけど、石井さんになってからはもちろんゲームではスライディングはあることですし、正当なタックルはやっぱり行かなくてはいけないしという所で、練習の中での球際の激しさは出てきたと思いますし、それはやっぱりゲームでも出てくることなので、そういう所が出てくるとピリッとした雰囲気や空気にもなりますし、それが良い状態でゲームに出ていると思います。

Q:個人的には鈴木優磨選手が前節のガンバ戦で試合に出て、しかも点を取ったというのは今の競争力の高い練習の象徴のような気がしたんですけど、それに関してはいかがですか?

A:そうですね。優磨はもちろん練習で良いパフォーマンスを見せていましたし、その前から何回かベンチにも入っていて、その前の天皇杯でも途中出場していたので、石井さんの中の選択肢の中に入っているという所はあったと思います。そういう中で出て、基点になったりディフェンスで頑張ったり、もちろんあそこのポジションに入ったら点を取るということを求められて入ったと思いますし、それでしっかり結果を出した訳ですからね。もちろんチームとして引き分けや勝ちという所に持って行ければ良かったですけど、途中で出た選手がそういう活躍をできている訳ですから、石井さんが最初に選んだ18人の時は入ったり入らなかったりしていた選手がそういう活躍をしたり、やっぱり調子の良い選手を入れ替えて使ったりという所がチームの良い雰囲気になっているんだと思います。

Q:ピッチ上のサッカーとしては、石井監督になって変わった部分というのはどういう所ですか?

A:そうですね。多少2トップ気味になって、前の選手から奪いに行くような守備をしていこうという話はしていますし、それをチーム全体として前の選手のスイッチに対して連動して取りに行くというのはできていると思いますし、そのへんはアグレッシブな守備というのができていると思います。

Q:後ろから見ていて選手の動きや躍動感は、勝ちが続いていくことで変わってきましたか?

A:そうですね。そのあたりは石井さんが「自分の良さを出そう」という所で、「チームとしても選手の特徴を生かしてあげるようなサポートをしてあげよう」という話もミーティングでしますし、選手個々の良さはゲームの中でどんどん出ているのかなという風に思います。

Q:曽ヶ端選手はご家族も住金時代からファンクラブに入るぐらいのアントラーズファンだという風に伺っているので、石井さんの現役時代もご覧になっていると思いますが、そういう人が監督になるというのは率直にいかがですか?

A:最初の時は親がファンクラブに入っていたのはアントラーズに変わった時だったので、92年とかですかね。その時はこの辺の盛り上がり自体も、最初開幕する前はそれほどでもなかったんですよね。なので、やっぱり開幕してみてから、地元のそこからの盛り上がりというのは尋常ではなかったですし、それを本当にいちファンとして見てきた自分がそのピッチに立ってプレーしているというのは当時は想像もできなかったですし、違和感があると言えばあるんですけど(笑)、そういう地元で生まれて育った所でプロとなって、ここまでゲームに出ることができているというのは凄く幸せなことですし、長くそれを続けられればなと思います。入った当初とかその前に見ていた、石井さんだけじゃなくて古川(昌明GKコーチ)さんもそうですし、ヤナギさん(柳沢敦コーチ)ももちろんそうですし、そういう見てきた選手と一緒にやったり、それが歳を重ねて教わるという感じになったり、そのへんはもちろんそれだけ自分が長くできているということもあると思いますし、そういう風に続けて行ければいいのかなと思います。



Q:石井さんってどういう人ですか?

鹿島アントラーズ 曽ヶ端準選手
A:うーん、どういう人… 基本的には優しいですし、普段クラブハウスでもピッチでもあまり怒っている所を見ないので、「石井さん、怒ったことあるのかな?」というぐらいで。ミーティングでも石井さんは「思考を変えていこう」という風に言っていて、例えばミスしたりとか、自分の思うようにいかない判定が出たりという時もそういうことを言っているので、やっぱり石井さん自体もそういう風に言っているから実行しているのかなと思いますけど、それにしても出て来ないんですよね。怒っているとか、そういう感情の所が。
だから、ちょっと前にウチの奥さんと「今度石井さんに『怒ることあるんですか?』とか聞いてみようかな?」という話はしていたんですけど(笑)、それくらい冷静にというか、戦況を見守りながら色々考えているんじゃないかなという風に思います。

Q:印象的だったのは石井監督の就任初戦となったFC東京戦で、ゴールが入った時に画面に映し出されたベンチの一体感が物凄くて、「このゲームは絶対に石井さんを勝たせたい」というチーム全体の意識を強く感じましたが、あのゲームというのは特別な一戦でしたか?

A:そうですね。そのへんはもう準備期間も含めてそうですし、スタジアムに入った時のサポーターの雰囲気もそうですし、横断幕にも「石井さんを男にしよう」とか色々書いてあって、そういう雰囲気がスタジアムも含めてできていたと思うので、そのへんはやっぱり点数が入って、ベンチも含めてそういう雰囲気にはなったと思いますし、勝ってその後でロッカーに帰った時もそうでしたし、改めて勝つことの難しさも感じましたし、喜びももちろん感じました。

Q:今シーズンはCBの顔触れが試合ごとにかなり変わる中で、GKとしてCBとの連携面で難しさというのはありますか?

A:それが初めての選手がコロコロ出てきたらアレですけど、組んだことのない選手はいないので、そのへんは別にそれほど気にはしていないです。それは監督の選択肢の中に色々な選手がいたり、対戦相手を見てという所もあると思うので、それほど僕は気にしていないですけどね。

Q:ファーストステージの柏戦はGKがチームを勝たせる典型のような試合だった印象ですが、ご自身のあのゲームに対する手応えはいかがでしたか?

A:シュートを打たれた場面はありましたけど、そこはディフェンスを含めてしっかりプレッシャーを掛けながらシュートを打たれたという場面が多かったので、ある程度は守備範囲の所にシュートが飛んできたと思いますし、そういう流れの中でやっぱり例えばミスがあったりという所でなかなかファーストステージの中でもなかなか流れを掴めなかった所はあるので、自分自身もそういう所で結果を左右するようなプレーがもう少しできたんじゃなかったかなというのは、他の試合で思いました。

Q:曽ヶ端選手には個人的にファインセーブよりも正面でキャッチすることがかなり多いという印象があって、それは安定しているGKの大事な条件ではないかと思いますが、そのあたりはいかがですか?

A:イメージはありますけど、前は「できれば自分がファインセーブした方が良いんじゃないか」とか色々考えることはありました。でも、今となってはもう自分が出ているゲームでチームが勝てば、例えば3-2であろうと、4-3であろうと、何点取られてもしっかり勝ち点3が取れればいいんじゃないかなと。例えばそれでミスして1点決められても勝てば、「コイツが出ていればチームは負けない」という選手になれば、やっぱり監督は替えづらいでしょうし、もちろんミスしないで点数も決められないで勝つのがベストですけど、やっぱりチームが勝つことが大事なので、そこから考えていくと「この選手が出ていればなんか勝つよね」という選手で良いと思いますし、チームが勝つことに貢献できるようにということを考えてやっているので、それはやっぱりそう考えていくと、ミスがなく失点しなくてというのが勝ちに繋がるのはもちろんですけど、まずは勝ち点3にどうチームが辿り着くかということを考えてという感じですね。

Q:なんか曽ヶ端選手って“事も無げに取る”というか、例えばファインセーブで乗っていくタイプの選手もいる中で、難しいセーブを難なく取るというような印象もあるんですけど、そういうことって考えていたりしますか?

A:まあ多少というか、取れるボールはしっかり取ろうとか、セーフティーにやる所はやらないといけないと思いますし、あまり大袈裟にというか、そういうタイプではないのは確かですけどね。その自分の乗せて行き方はそれぞれだと思いますし、どっちかというと僕は淡々とやる方なので。でも、アピールする所はもちろんしますし、言う所は言います。それは味方に対しても敵に対してもそうですし、それは色々な要素がありつつ、これまでの積み重ねもありながらという所ではあります。

Q:既に今シーズンも1回対戦していますが、甲府のイメージというのはいかがですか?

A:堅い守備というイメージがありますし、ウチは手こずっているイメージがあるので、ファーストステージも僕自身出ていて点を取られて負けていますし、アウェイの甲府というのも常に難しいゲームだったり、去年か一昨年には3-0で負けたりというのもあるので、前節負けているという所もあって、そのへんで難しいゲームになることは確かだと思いますし、何とか堅い守備をこじ開けることができればなと思いますけどね。

Q:ファーストステージの甲府戦は振り返るとどういうゲームでしたか?

A:入りはそんなに悪くなかったんですけど、結構中2日とか3日とかタイトなスケジュールの中での試合だったので、メンバーが多少入れ替わりながらというゲームで、入りは良かったんですけどそこからチームとして失速してしまったような感じで、甲府のプラン通りというか、早々に決められてそこから堅い守備をこじ開けることができずというような感じだったので、ある程度先に取らないと相手の思う壺というか、難しいゲームになると思うので、入りからしっかり先手を取ってゲームを動かすことができるようにできればいいと思います。

Q:今回はアウェイゲームということでJ SPORTSで観戦してくれる方も多いかと思いますが、サポーターへメッセージをいただけますか?

A:セカンドステージは良い形で、石井さんになってスタートが切れているので、前節は負けてしまいましたけど、まだ十分優勝の可能性も残っていると思いますし、いつも難しいアウェイの甲府戦をしっかり良い結果で乗り切りたいと思いますので、応援よろしくお願いします。

Q:ここからはキャリアの話を聞かせて下さい。小学生の頃は波野サッカー少年団に所属されていたと思いますが、強いチームでしたか?

A:当時はまだ鹿島町だったんですけど、その中では強かったですね。小学校のスポーツ少年団だったんですけど、監督が熱心な監督で。学校の先生ではなくて消防署で働いていた方で、その方が定期的に来てという感じでした。厳しい監督でしたけどね。仲の良い友達もそうですし、2つ上の兄も先に入っていたので、必然的にというか、何の迷いもなく入りました。いつも町の何個かあるチーム同士のリーグ戦ではほとんど優勝していましたし、鹿島の中ではそこそこ強いチームでしたね。

Q:ご自身は小学校の頃から県選抜に入るような感じだったんですか?

A:小学校の時って県選抜なんてあったんですかね?このあたりの鹿島の選抜には入っていて、そのチームで県の大会とかは出ていましたけど、中学に行ってからは県選抜に入ったりしていました。

Q:中学は鹿島中のサッカー部だと思いますけど、鹿島中も強かったですよね?

A:そうですね。1年と2年の時は県で準優勝とか。3年の時はベスト8でしたけど、僕の学年は結構強くて、メンバーも鹿島町の何校かの小学校から生徒が集まった中学だったので、良いメンバーが集まっていました。ちょうど中学1年の時にアントラーズができて、ジュニアユースもあったんですけど、他のそんなに強くない中学で上手い選手はジュニアユースに行く中で、僕は鹿島中に良いメンバーが集まっていて、良い所まで行けるんじゃないかなと思ったので、ジュニアユースではなくて中学の部活を選びました。

Q:当時もジュニアユースという選択肢はあるにはあったんですね?

A:当時はありましたね。ありましたけど、特別誘われたりすることもなかったですし、それよりも部活の方が仲の良いメンバーもいましたし、メンツ的にも良い所まで行けると思っていましたね。

Q:中学の時には県選抜もそうですし、年代別の代表にも呼ばれていたんですよね?

A:代表は中学2年か3年の時に初めて入った感じですね。それまでは県のトレセンとか関東選抜とかは入っていましたけど、同じ中学校にも関東選抜に選ばれた選手もいたので、そこそこ強いチームではありましたし、県の選抜に入る選手も他にいましたし、まずまずだったと思います。

Q:当時はやっぱり高校選手権に対する憧れがかなりあったんじゃないかなと思いますが、そのあたりはいかがでしたか?

A:かなりありましたね(笑) 少年団で正月の選手権の準決勝2試合を国立に見に行くのが恒例だったので、そこに対する憧れというのはやっぱりありましたよ。小学校の頃はJリーグがあった訳ではなかったので、まずは高校選手権みたいな感じでしたし、そういうイメージは常に膨らんでいましたけどね。中学の時は県選抜や関東選抜や代表にも入っていたので、何校か高校の推薦の話もありましたけど、中学3年の夏に全部の大会が終わって、その後にアントラーズの方から同じ中学のもう1人の関東選抜に選ばれたヤツと、そのもう1人のヤツのお兄さんもアントラーズユースだったんですけど、「練習に来ないか?」と言われて、8月末か9月ぐらいから行くようになったんです。「じゃあとりあえず週1くらいで」から「じゃあ週2くらいで」という感じで行っていたら、結局月曜が休みだったんですけど、それ以外の日も全部練習に行くようになっていて(笑)
どんどん参加する日を増やされて、普通に練習に行くようになって、いつの間にかという感じでした。でも、卒業する前に進路の話とかになりますし、実際にユースに行くとなると高校受験しなくてはいけなくなるので。

Q:確かに!高校だったら推薦ですけど、ユースだったら受験が必要ですよね。

A:そうなんです。担任の先生と「さて、どうしましょうか?」みたいな話になって(笑)
でも、まずはサッカーということを考えた時に、自分のポジションがGKということもあって、GKコーチだったりとか、芝生のグラウンドで練習ができるという環境面であったり、ケガをした場合にもアントラーズのドクターに診てもらえたり、トレーナーの方に診てもらえたりという環境があったので、自分がGKじゃなかったらひょっとすると高校に行っていたかもしれないですけど、GKだったのでアントラーズユースに決めました。そうなったら受験を頑張らないといけなくなって(笑)、担任の先生と色々相談しましたね。

Q:じゃあメッチャ勉強しましたか?(笑)

A:結局、勉強推薦の方で合格はしたんですけどね(笑) でも、進学した鹿島高校で兄が3年の時に選手権に出て、そこも「兄と一緒に選手権に出たい」というのもありましたけど、自分がユースに行ったのでその夢は叶わなかったですし、今でも仲が良い2人の同級生も1年生でレギュラーで選手権に出ていて。

Q:植田と石津ですね(笑)

A:そうです。そうです(笑)その2人ですね。彼らに対するうらやましさももちろんありましたけど、自分が選んだ道でしたから。何か不思議な気持ちで見ていましたね。選手権の県予選の決勝はPK戦だったと思うんですけど、それもスタジアムで見ていましたし、複雑な気持ちではありましたけどね。

Q:しかも茨城県予選は日本テレビでやりますからね(笑)

A:そうですね。夜中に放送していた試合をビデオに撮って、兄と見ていた想い出はありますね(笑)

Q:実際に入ったアントラーズユースはいかがでしたか?

A:ちょうど僕が入った年の7月に新しいGKコーチとして、今は千葉にいる藤原(寿徳)さんが来て、僕はちょうどその時にケガしていたんですけど、初めて見た時に「怖え~」と思って(笑)

Q:怖い人なんですか?(笑)

A:いやいや、第一印象ですよ(笑)
ちょうどその時にケガしていて、メディカルルームから治療しながら見ていて「大丈夫かよ?」と思っていましたけど(笑)、もちろん練習は凄く厳しかったですし、高校1年と2年ぐらいは一番練習もしましたし、僕自身も練習をやっていく積み重ねで「ああ、上手くなっているな」と自分が実感しながらやっていた時だったので、凄く充実感もありました。単純にグラウンドの部分だけじゃなくて色々な話もしましたし、そのあたりは凄く助けられた高校時代でした。もちろんプロになってからも、トップの練習にアシスタントみたいな形でずっと来ていたので色々話もしましたし、今でもたまに連絡して話したりもしますし、本当に僕自身の成長に凄く影響を与えてくれた人ですね。「そこで藤原さんが来ていなかったらどうなっていたんだろう」というのはあります。



Q:高校3年の時はほとんどトップチームに帯同されていたんですよね?

A:そうですね。練習は学校が終わってから、夕方だったら30分とか遅れながらでも合流して、トップの練習が終わったら時間的にずれているのでユースの練習に出てという感じでした。トップの練習だけで終わったりすることもありましたけど、ほぼ毎日トップでやっていましたね。

Q:当時のメンバーがこれまた凄いメンバーでしたよね。

A:高校2年の時はレオナルドもいましたし、高校3年の時はジョルジーニョ、マジーニョ、ビスマルクがいて、もちろん日本人選手の豪華さも凄かったですよね。僕が高校3年の時に練習に行って、小さいコートのミニゲームとかでもジョルジって容赦しないんですよ。結構遠くからでも「こんな若造に」みたいな感じで、バンバンシュートを打ってくるんですけど、それがバンバン入るんですよ(笑)
そういう厳しさというか、グラウンドに立ったら年齢は関係ないですし、それは凄く印象に残っていますね。持ったらすぐシュートぐらいの勢いで打たれて、それを全然止められなかったという感じで。距離とか関係なしに「オマエ取れんのか?」ぐらいの勢いで打たれて決められて。「いやあ、まだこのレベルでは厳しいな」というのは改めて思い知らされました。

Q:高校生でワールドカップに出たブラジル代表選手にシュートを打たれるなんて凄いことですよね。

A:本当ですよね。96年の時とかは、試合前日のジョルジーニョやレオナルドのFKやPKの練習に自分が入ったりとかしましたし、それは凄く覚えています。それがやっぱりユースの良さだと思うんですよね。今でもシーズン前の合宿にユースの選手が何人か参加したりというのも、鹿島だけじゃなくて他のチームもありますけど、そのあたりがJリーグのユースチームの良さだと思いますし、当時僕たちの年代でもイナ(稲本潤一)がJリーグの試合に出たりというのがあったので、そういうことが可能な世界ですからね。でも、まあ選手権という憧れもやっぱりありましたよ。

Q:もうプロになって今年で18年目だと思います。昔は憧れていた選手たちと一緒にプレーできる喜びを感じていた中で、今は鹿島の下部組織で特にGKをやっている子たちは曽ヶ端さんを目標にするようになっていると思いますが、そういう存在に自分がなっていることに関してはいかがですか?

A:どうなんですかね。どこまでそういうイメージで彼らが僕のことを見ているかはわからないですけど(笑)、育成の責任者の人とかと話しているとジュニアユースやユースに「“コソガ”がいるよ」とか言ってくれたり(笑)
でも、そういう風に言ってくれることも僕自身嬉しいですし、そういう選手になれればいいなとは思いますし、僕自身も中学のサッカー部の時に古川さんの蹴り方を真似したりとか、今はオリンピック代表のGKコーチをされている(佐藤)洋平さんの動きを真似したりとか、もちろんそういうことをしていましたから、自分もそういう存在になれればいいなと思いますね。

Q:まだまだそうやって自分に憧れている後輩たちがいる間は辞められないですね。

A:そうですね。本当にプロになった当初の18歳の頃はこんなに長くできるとは思わなかったですし、当時で言えば「30歳ぐらいまでできればいいのかな」というイメージでしたけど、幸いにもここまではピッチに立つ時間も長くできてきていますし、大きなケガもなくずっとできているので、それは本当に幸せなことですし、ここからもっと1日でも1年でも長くできればいいなと思いますけどね。

Q:これを最後の質問にしたいんですけど、“夢”ってありますか?

A:夢ですか?(笑)夢…
何ですかね。やっぱりプロとしてタイトルはもっと獲りたいと思いますし、夢というか目標という感じですかね。1年1年タイトルを獲るために苦しい練習をやってきているので、去年は獲れなかったですし、久しくタイトルが獲れていないですしね。やっぱり今までを振り返ってみると優勝した時の喜びは大きいですし、1回味わったら絶対に「もう一度、もう一度」となるものなので、何とかまたタイトルを獲り続けていきたいなと思います。それがやっぱり鹿島というチームだと思いますし、そういうチームに長く居続けることができればいいなと思います。

土屋 雅史
WORLD SOCCER NEWS「Foot!」スタッフを経て、現在はJリーグ中継担当プロデューサー。


JSPORTSの土屋プロデューサによる曽ヶ端インタビューである。
非常に読み応えがある。
曽ケ端がいかにして育ち、現時点でどのように考えているのかが伝わってくる。
この守護神と共にまたタイトルを獲ろうではないか。
応援しておる。

16個のタイトルを獲得してきた鹿島だが、無冠の甲府を相手に、リーグ戦では5勝2分4敗と貯金は「1」

2015年09月18日 | Weblog
【予想スタメン】リーグ戦連勝が止まった鹿島、司令塔柴崎復帰で本来のパフォーマンスを取り戻せるか

今節出場停止から復帰する司令塔柴崎岳 [写真]=Getty Images

■ヴァンフォーレ甲府 残留争いを見据え、失点しない戦い方へ移行も

 5月に行われた1stステージの鹿島戦では、カウンターによる一撃で勝利を収めたが、3日後にACL決勝トーナメント進出を懸けたゲームを控える鹿島が、大幅に先発メンバーを入れ替えており、「運もあった」(山本英臣)ことは否めない。その試合で決勝点を奪った伊東純也が負傷のため、残念ながら今回は欠場。両チーム揃って、その時と指揮官が交代していることもあり、今季初対戦に近い感覚かもしれない。

 石井正忠監督が就任してからの鹿島について、佐久間悟監督は「ハードワークして、球際に強く、ゴール前にガンガン飛び込んでくる。シンプルで現実的。石井監督が現役当時の鹿島のやり方に近い」として、勝負を分けるポイントに「セカンドボール」を挙げている。

 順位は大きく異なるものの、年間トータル、2ndステージのどちらを取っても、両チームの失点数に大差はない。甲府としてはディフェンス力を競い合うような展開に持ち込んで、得点力の差を埋めたいところだ。佐久間監督は今後の残留争いを見据え、「得点できなくとも、失点をしないような戦い方」への移行も示唆している。

 前節の川崎戦は、相手の巧妙なFKで隙が生まれ、そこから敗戦を喫した。昨季8月の鹿島戦では開始直後にやはり虚を突かれ、柴崎岳のロングシュートで失点。そのまま敗れている。リーグ屈指の試合巧者が相手となるだけに、90分間を通して高いレベルで集中することが重要になる。(渡辺功)

■甲府予想スタメン
3-4-2-1
GK
河田晃兵
DF
土屋征夫
山本英臣
津田琢磨
MF
松橋優
下田北斗
マルキーニョス・パラナ
阿部翔平
稲垣祥
阿部拓馬
FW
バレー

■鹿島アントラーズ リーグ戦での対甲府戦は貯金「1」と侮れず

 鹿島は前節のG大阪戦で敗れ、石井正忠監督の就任以来続いていたリーグ戦連勝が「6」でストップした。ただ、G大阪戦は柴崎岳が累積警告のために出場していなかった。甲府戦では司令塔が復帰することで、チーム全体が本来のパフォーマンスを取り戻す。

 G大阪戦では、ルーキーの鈴木優磨がリーグ戦デビューし、いきなり得点してみせた。鹿島に所属した日本人では、2004年の増田誓志(現蔚山)以来、11年ぶり2人目のデビュー戦ゴールとなった。敗れはしたものの、石井監督の采配がまたも的中した形。新戦力の活躍は、選手の競争意識を刺激するとともに、チームに勢いを与える。それによって、攻撃陣の選手層はさらに厚くなった。これまで出番の少なかったU-22日本代表候補の豊川雄太、ダヴィらもスタンバイOK。誰が出ても好パフォーマンスを発揮できる状況にある。

 ただ、9月2日のナビスコ杯準々決勝のFC東京戦で右ひざを負傷した昌子源が、16日の練習でも別メニュー調整。欠場する可能性が高く、守備の要を欠くとなれば大きな痛手となる。また、右SBの西大伍が体調不良のため16日まで別メニュー。17日の練習では合流したものの、ベストパフォーマンスを発揮できるかと言えば疑問符がつく。

 過去、16個のタイトルを獲得してきた鹿島だが、無冠の甲府を相手に、リーグ戦では5勝2分4敗と貯金は「1」。決して得意とは言えない相手。“格下”とはいえ、侮ることはできない。(totoONE編集部)

■鹿島予想スタメン
4-4-2
GK
曽ヶ端準
DF
西大伍
ファン・ソッコ
青木剛
山本脩斗
MF
遠藤康
小笠原満男
柴崎岳
カイオ
FW
金崎夢生
土居聖真


「右SBの西大伍が体調不良のため16日まで別メニュー」という情報を流すサッカーキングのプレビューである。
右SBにはユキが控えておるとはいうものの、ここは西の出場を期待したいところ。
ヤスと西の連携は阿吽の呼吸が感じられ、観ていて心地よい。
右サイドの攻撃力はこの二人にかかっておるとも言えよう。
この予想スタメンでも西を挙げており、サッカーキングとしても外せぬと考えておる様子。
また、西とヤス、そしてカイオはカード累積による出場停止にリーチがかかっており、そこも怖いところ。
次次節には浦和との試合が組まれておるため、この試合には戻るであろう源も加えてベストメンバーで戦いたいところ。
イエロカードも含めてこの甲府戦は注目の試合である。

出場停止明けの柴崎は、休養十分で臨む

2015年09月18日 | Weblog
【J1展望】2ndステージ・11節|甲府‐鹿島|守備の出来が問われる甲府は、出場停止明けの柴崎を擁する鹿島の進撃を抑えられるか
サッカーダイジェスト編集部
2015年09月18日


甲府――“失点0”に抑えることに集中すべき。


故障者/甲府=伊東、新井 鹿島=ジネイ
出場停止/甲府=なし 鹿島=なし


J1リーグ 2ndステージ・11節
ヴァンフォーレ甲府 - 鹿島アントラーズ
9月19日(土)/17:00/山梨中銀スタジアム

ヴァンフォーレ甲府
2ndステージ成績(10節終了時):14位 勝点14 4勝2分4敗 14得点・16失点
年間成績(27試合終了時):14位 勝点29 8勝5分14敗 20得点・34失点

【最新チーム事情】
●「セカンドボールの奪い合いが鍵」(佐久間監督)と見て、CFとシャドーの位置関係を整理。
●盛田の1トップ、石原をWBに置いた守備型のシステムをテスト。
●前節・川崎戦を怪我で欠場した新井と伊東は別メニュー調整。今節も欠場が濃厚。

【担当記者の視点】
 1-3で敗れた前節の川崎戦に続き、強敵をホームに迎える。この一戦での最大のポイントは、守備の出来に尽きそうだ。「粘らないといけないところを粘れなかった」(山本)川崎戦と同様のパフォーマンスならば、おそらく勝点1も望めないだろう。

 嫌なことに、鹿島はここ4試合・10得点と攻撃陣が好調だ。金崎やカイオなど、個の能力に優れたアタッカーに振り回されるような展開もあり得るだけに、マークの受け渡しや緻密なラインコントロールを徹底し、まずは“失点0”に抑えることに集中したい。

 もちろん、勝点3も狙いたいところだが、現実的には厳しい。シーズン終盤に熾烈な残留争いが待っていることを考えれば、ここであえてリスクを冒さず、無難な戦いを選択したほうが得策だろう。

鹿島――柴崎が復帰し、昌子も出場可能?

鹿島アントラーズ
2ndステージ成績(10節終了時):2位 勝点22 7勝1分2敗 19得点・10失点
年間成績(27試合終了時):5位 勝点44 13勝5分9敗 46得点・35失点

【最新チーム事情】
●前節は石井監督就任後、初黒星を喫する。仕切り直しの1戦へ。
●出場停止明けの柴崎は、休養十分で臨む。
●右膝の故障で離脱中の昌子にも、復帰の可能性が残る。

【担当記者の視点】
 前節のG大阪戦で、石井体制下の全勝記録がついに止まった。7月21日の石井監督就任以降、初めての敗戦。結果的に、柴崎と昌子という攻守のキーマンふたりの欠場が大きく響いた形だ。

 第2ステージ制覇に向けて一刻も早く立ち直りたい甲府戦では、その日本代表ボランチが出場停止明けで帰ってくる。G大阪戦では代役の山村が12.32キロを走り、個人走行距離のリーグ1位を記録するなど懸命に働いたが、柴崎が戻ればチームの厚みがもう1ランク増すだろう。

 右膝の負傷で離脱中の昌子も、今節から復帰する可能性が残る。前節は宇佐美の個人技にやられたが、1対1の守備に強さを見せる男が最終ラインに戻れば、守備の安定も期待できそうだ。

前節では、19歳の高卒ルーキー鈴木優が初出場・初得点を決めた。デビュー戦でゴールを奪ったのは、鹿島の日本人選手では04年の増田誓志以来ふたり目。若手の活躍を刺激にして、再び連勝街道を走りたい。


出場停止明けの岳の先発復帰で「チームの厚みがもう1ランク増す」と称するサッカーダイジェストのプレビューである。
やはり、日本代表にも選出されるMFは大きな力となろう。
チームの中心選手として躍動してくれるはず。
分の良くないアウェイの地ではあるが、勝利に導いてくると信じておる。

常勝軍団を蘇らせた石井監督の秘策とは?

2015年09月18日 | Weblog
【鹿島】就任以降、リーグ戦で6勝1敗。常勝軍団を蘇らせた石井監督の秘策とは?
サッカーダイジェストWeb編集部
2015年09月18日


初日の練習から激しさを求め、選手の戦う姿勢を呼び覚ます。


石井新監督の意識改革は見事に奏功。初陣の4節・FC東京戦から「戦う姿勢」が明らかに表われていた。写真:徳原隆元

 10節のG大阪戦で黒星を喫したものの、首位・広島と勝点差2で2位をキープ。第1ステージで8位に終わった鹿島が、第2ステージ4節から指揮を執る石井新監督の下では6勝1敗と”勝てるチーム”に変わった。ここでは、その功労者の言葉を拾いながら、常勝軍団復活の要因を分析する。

ポイント1)メンタル面の改善

 好調の要因として、真っ先に挙げられるのがメンタル面の改善だ。石井新監督が初めに手をつけたのも、まさにこの点だった。

「まず、なにを変えて行きたいと思ったかと言えば、精神的な部分。最低限、戦う姿勢を見せるのが、サッカー選手がやるべきことですよね。選手自身もそう思っていたはずですが、改めて最初に伝えました」。

 指揮官は、こうした意識改革の一貫として、トニーニョ・セレーゾ前監督が禁止していた練習中のスライディングを解禁。

「練習も試合と同じ状況でやらなければ戦う姿勢は生まれない。だから、スライディングを解禁し、しっかりゲームをしようと言いました。球際に激しく行ったりだとか、意識はガラッと変わりましたね。監督がなにかしてくれると待ちの姿勢でいるのではなく、自分たちから練習にしっかり取り組もうという姿勢がすごく見られました」

 実戦さながらの練習で厳しさを取り戻した選手たちは、新監督就任から2日後の4節・FC東京戦で石井監督の初陣に花を添えた。

 そこから前体制とは一線を画したタイトな守備をベースに、「練習での姿勢が試合で出ている。結果にもつながっているので、どんどん良い状態になっています」と連勝街道に乗ったのだ。

最終ラインのタックル位置が、前体制と比較して6メートルも前へ。


ファン・ソッコ(左)らCBが果敢に前へ出てアプローチすることで、より高い位置でのボール奪取が可能になった。写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

ポイント2)ボールを奪う位置の明確化

 守備戦術が明確になったのも、上昇気流に乗った要因のひとつ。とりわけ、変化したのが、最終ラインと中盤のアプローチの位置だ。

「どこでボールを奪うかが曖昧だったので、そこをハッキリさせました」と言うように、守備スタイルが大きく変わった。

 具体的には、石井体制下ではトニーニョ・セレーゾ時代よりも、最終ラインが6メートル上がり、ボランチが2メートル下がっている。この数値が示すポイントはふたつ。ラインを押し上げて高い位置でのボール奪取を狙っていることと、中盤をコンパクトにしてスペースを消していることだ。

 このふたつの変化に加えて、「相手にプレッシャーがかかる距離まで寄せようと伝えています。試合前のミーティングでは、それほど強調しませんが、練習の中で寄せさせるのはかなり意識させていますね」。局面での厳しさも磨かれており、あらゆる面で対戦相手に余裕を与えていないのである。

 さらに今後は「もうワンランク上を目指したい。引いて守るところはできているので、前からボールを奪うところに取り組んでいます」と、より高い位置からの守備を志向するという。

「最終ラインの裏に流れて押し込む」。2トップ採用で攻撃がスムーズに。


9節・川崎戦では右サイドに流れた土居のクロスから先制。指揮官の思惑がハマった形だった。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

ポイント3)コンビネーションプレーの増加

 守備の再構築が進んだ後に、指揮官が手をつけたのが攻撃面の整備だ。

「深い位置にボールを運んで、そこからつなぐ形は元々できていた。今はそこに、コンビネーションを加えようとしています。2トップの連係はもちろん、そこに中盤やSBが絡む展開を増やそうと」

 2トップの金崎と土居は、いずれもMFが本職でプレーの幅が広い。彼らが流動的に「最終ラインの裏に流れて相手を押し込む」仕事をこなし、そこから「コンビネーションでの崩しを入れて、ペナの中に侵入する回数を増やしていきたい」という狙いだ。

 肝になるのは2トップの連係だが、前線の選手のパス交換は増えており、9節終了時点で金崎→土居、土居→金崎ともにふた桁を超えていた。前体制以上に、前線での連係プレーが増えたのである。

 また、1トップから2トップへの変更で、守備の負担が減ったのもプラスに働いている。

「縦関係だとトップ下の負担がすごく高かった。2トップは横並びでプレスをかけられるし、ボールを奪った後に前にふたりいるので、スムーズに攻撃につなげられる」

 組み合わせも「いろんな選手を起用してきたが、それぞれが特長を出してくれた」とテスト済で、相手に合わせた起用ができているのも強みだ。

「弱点を突く」したたかさと大胆な決断で勝機を掴む


2点を先行された仙台戦では、35分にカイオを投入し、試合の流れを大きく変えた。写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

ポイント4)的確な試合運びと交代策

 常勝軍団と言われたかつての鹿島は、柔軟性に長けていた。相手の弱点を見極め、そこを突いてリズムを作る巧さがあった。今のチームには、そうしたしたたかさが戻ってきた印象もある。

「相手の弱いところは徹底的に突こうとミーティングでも話します。ただ、それを選手がピッチ上で表現できる判断力と技術が、なにより素晴らしい。監督がしっかり示せば選手は動いてくれるという実感は、かなりありますね」

 ここまでの7試合でリードされたのは7節・仙台戦と敗れた10節のG大阪戦のふたつ。他の多くの試合では、先制点を活かしながら上手く時間を進め、追加点を奪って勝ち切っている。

 また、仙台戦を巧みな交代策で逆転勝利に結びつけたのも見逃せない。2点を先行された35分にカイオ、ハーフタイムに金崎と突破力のある選手を入れて揺さぶりをかけ、80分に送り出した土居が決勝点を決める劇的なシナリオを演じたのだ。

「僕はまず0-1で負けている時を考えながらメンバーを選びます。そういう時にひとりで突破できる選手は武器になるし、起用のタイミングや時間帯も、いろいろシミュレーションしながらやっています」

 石井監督はそう言うが、前半の早い段階でカードを切るのは決断力がいる。まだ監督としてのキャリアは浅いものの、選手やコーチ時代に身体に染み付いた鹿島イズムが、勝負師としての勘を育んできたのだろう。

監督交代で生じた危機感が、チームの総合力アップを促進。


植田の身体能力は非凡だが、個人戦術は発展途上。「ポジショニングやコーチングを改善できるようにアプローチしていく」と石井監督は言う。写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

ポイント5)若手を含めた選手層の底上げ

「今までは中心選手だけが声を出したり、チームを引っ張る形でしたが、若い選手も普通に声が出るようになりました。プレーにも遠慮がなくなって、ノビノビとやれている。全員の力が合わさっていると思いますね」

 石井監督がそう言うように、監督交代によって生まれた危機感や競争原理は、若手にも好影響を与えている。出場機会を得られていない選手もトレーニングに集中して取り組んでいるため、チームに良い雰囲気が漂っているのだ。

 タイトルを狙ううえでチーム全体のレベルアップは重要で、指揮官もこの点について「選手全員の総合力を上げるのが一番ポイントになると思っています。若い選手の意識は変わりましたが、まだ個人戦術が欠けている。練習から1対1で簡単に負けないという意識をしっかり持たせて、レベルを上げていきたい」と力を込める。

 警告累積や予想外の怪我人に見舞われた時に、「メンバーが代わって戦力が落ちてしまうようでは厳しい」。そうした苦境を乗り切るために、右SBの伊東やCBの植田といった準レギュラークラスの成長を促すだけでなく、「30人全員の総合力を上げること」に継続して取り組んでいくという。


石井監督下での戦術解析を行うサッカーダイジェストWebである。
非常にわかりやすく、納得する部分が多い。
勝利を積み重ねておることも当然のように感じる。
この路線を継続し、なんとしてでもタイトルを獲りたい。
石井監督を新指揮官に任命したクラブを信じておる。

連勝は途切れてしまったが、1stステージのリベンジを胸に選手たちは闘志を高めている

2015年09月18日 | Weblog
[鹿島]もう一つの5連戦
 前節(明治安田J1・2nd第10節)のG大阪戦(1●2)で2nd第9節・川崎F戦(3○1)から始まった5連戦が終わった。

 3つの異なる大会が併行して進むスケジュールのなか、鹿島が残した成績は3勝1分1敗。3戦目、4戦目、5戦目が中2日で進行する厳しいスケジュールだったことを考えれば、まずまずの成績かもしれないが、G大阪に敗れたことは痛恨。選手たちは気持ちを切り替えていた。

 川崎F戦から始まった5連戦は終わってしまったが、じつはもう一つの5連戦が鹿島には残されている。それが1stステージで敗れた相手との5連戦だ。そこで、石井正忠監督は川崎F、G大阪、甲府、浦和、神戸と続く5節は、必ず勝とうと選手たちに呼びかけてきた。連勝は途切れてしまったが、1stステージのリベンジを胸に選手たちは闘志を高めている。
(鹿島担当 田中滋)


先週のガンバ戦にて過密日程の五連戦を終えた鹿島である。
しかしながら、川崎戦から始まった、ガンバ、甲府、浦和、神戸戦はすべて1stステージにて敗れた相手。
ここに勝利することは非常に重要と言えよう。
残念ながら、ガンバには惜敗したが、甲府、浦和、神戸に連勝したいところ。
強い気持ちにて勝利を積み重ねるのだ。
期待しておる。

意地と意地のぶつかり合いをぜひとも見せてほしいものだ

2015年09月18日 | Weblog
【J1 2ndステージ第11節 甲府 vs 鹿島 プレビュー】3試合ぶりの勝利でJ1残留安全圏に達したい甲府。第2ステージ首位に返り咲きたい鹿島
Text by 元川 悦子



2015年J1第2ステージも残り7試合。タイトル争いもJ1残留争いも日に日に熱を帯びつつある。

まずタイトル争いの方だが、目下、第2ステージ首位を走るのは勝ち点24のサンフレッチェ広島。彼らは年間勝ち点で第1ステージ王者・浦和レッズに並び、得失点差で上回ってトップに立っている。

その広島を追走するのが、勝ち点22で2位につける鹿島アントラーズだ。鹿島は7月の石井正忠監督就任後、6連勝という快進撃を見せていたが、9月12日の前節・ガンバ大阪戦で1-2の苦杯を喫し、足踏み状態を強いられた。常勝軍団としてはその停滞感をいち早く打破し、再び勢いに乗らなければならない。次の19日のアウェー・ヴァンフォーレ甲府戦は非常に重要な一戦と言える。

迎え撃つ甲府にしても、前節・川崎フロンターレ戦を落とし、3試合ぶりの黒星を余儀なくされた。年間勝ち点は29のままで、J2降格圏に沈む16位・松本山雅FCとの差は7と、1ポイント詰められてしまった。松本山雅を筆頭に下位グループが着実に追い上げ体制に入りつつあるため、甲府が万が一、ここから勝ち点を上積みできないと、逆転J2降格という可能性もゼロではない。逆にここで勝ち点3を手にすれば、ほぼ安全圏に到達できると言っていい。そういう強いモチベーションを持って、鹿島相手に全力を注ぎたいものだ。

その甲府は年間通算得点20・失点34と、ゴール数も失点も少ないのが特徴。ただ、絶対の自信を誇る堅守が最近、崩れがちなのが気になる。2節前の8月30日の柏レイソル戦で2失点、前節・川崎戦で3失点とらしくない戦いぶりを見せており、佐久間悟監督も守備の修正には力を入れてくるだろう。

鹿島は今季通算7得点のカイオ、6点の金崎夢生、土居聖真、赤崎秀平がいて、どこからでもまんべんなく点が取れるチーム。それを封じることから甲府の勝ち点3獲得の道はスタートする。最終ラインを統率するベテラン・山本英臣、土屋征夫らの奮闘がこれまで以上に強く求められる。

そのうえで、今季途中加入ながら6ゴールをマークしているエース・バレーが爆発すれば文句なしだ。バレーは3節前の8月22日のヴィッセル神戸戦、そして前節と持ち前の得点感覚が鋭くなってきた印象が強い。その助っ人ブラジル人をチーム全体が後押しするような方向に持っていけば、いい試合ができるはずだ。2節前にゴールを奪っている阿部拓馬のゴール前の嗅覚にも大きな期待を寄せたいものだ。いずれにしても、5月2日のアウェー戦で挙げた1-0の勝利を再現すべく、彼らは惜しみないハードワークを90分間見せ続けるしかない。

けれども、鹿島の方も2連敗は許されない。石井監督もガンバ大阪戦の反省を踏まえてこの一戦に備えてくるだろう。今回の鹿島にとって心強いのは、絶対的司令塔の柴崎岳が出場停止から戻ってくること。前節は小笠原満男と山村和也のボランチコンビで戦ったが、やはり柴崎がいない分、相手を脅威に陥れる一瞬のひらめきや針の穴を通すようなスルーパスは少なかった。小笠原と柴崎がコンビを組めば中盤も安定し、攻守両面でバランスがよくなるのは間違いない。

そのうえで、積極的な攻めを繰り出す必要がある。ガンバ戦では赤崎と土居が2トップを組み、金崎と遠藤康が2列目を形成したが、今回は並びを多少なりとも変えてくる可能性もある。そこで注目したいのが、ガンバ戦でプロ初ゴールを挙げたルーキーの鈴木優磨。左サイドからのクロスをダイビングヘッドでゴールに結びつけたユース上がりの点取屋の一撃で、前節の鹿島は息を吹き返したところがあった。この新人を石井監督があえてスタメンに抜擢するのか、前回同様スーパーサブとして使うのかは興味深い点だ。鹿島では過去にも柳沢敦(現コーチ)や小笠原、柴崎と高卒新人を思い切ってスタメンに抜擢し、成長させるという大胆なアプローチが繰り返し行われてきた。そういう伝統をよく知る石井監督だけに、リスクを冒してチャレンジすることも考えられる。非常に楽しみだ。

鹿島にとっては第2ステージ制覇、年末のJリーグチャンピオンシップ参戦、甲府の方はJ1残留を引き寄せるという意味で、非常に重要なゲームに他ならない。意地と意地のぶつかり合いをぜひとも見せてほしいものだ。

元川 悦子
もとかわえつこ1967年、長野県生まれ。夕刊紙記者などを経て、94年からフリーのサッカーライターに。Jリーグ、日本代表から海外まで幅広くフォロー。ワールドカップは94年アメリカ大会から4回連続で現地取材した。中村俊輔らシドニー世代も10年以上見続けている。そして最近は「日本代表ウォッチャー」として練習から試合まで欠かさず取材している。著書に「U-22」(小学館)「初めてでも楽しめる欧州サッカーの旅」(NHK出版)ほか。


「常勝軍団としてはその停滞感をいち早く打破し、再び勢いに乗らなければならない」と記すJSPORTSの元川女史である。
「ガンバ戦では赤崎と土居が2トップを組み、金崎と遠藤康が2列目を形成」など、本当にガンバ戦を観ていたのか疑問残る記述がある。
元鹿島番の記者として応援したい気持ちを萎えさせ、残念な気持ちにさせられる。
とはいえ、こうして注目してくれることは重要であろう。
2ndステージ優勝のためには落とすことの出来ぬ試合が続く。
気持ちを込めて戦いたい。
楽しみな一戦である。

鹿島ユース、アジア・チャンピオンズ・トロフィーU-18勝利

2015年09月18日 | Weblog
鹿島ユース白星 ACTU18
サッカーのアジア・チャンピオンズ・トロフィーU-18(18歳以下)は17日、カシマスタジアムで1次リーグ第4戦の1試合を行った。B組の鹿島ユースはPVF(ベトナム)と対戦し、3-1で白星を挙げ、首位を維持した。通算成績は3勝1敗、勝ち点9。

鹿島ユースは前半21分にDF篠崎輝和のゴールで先制。前半ロスタイムに直接FKを決められ同点とされたが、後半に篠崎の2点目、DF白井亮のゴールで突き放した。

鹿島ユースの1次リーグ第5戦は10月14日、敵地でプノンペン・クラウン(カンボジア)と戦う。 

◇1次リーグ▽B組
鹿島ユース(9) 3-1 PVF(ベトナム)(2)
1-1
2-0


アジア・チャンピオンズ・トロフィーU-18にてPVFに勝利した鹿島ユースである。
これは嬉しい。
アジアの頂点を目指し、勝利を積み重ねるのだ。
期待しておる。

シャルケ・篤人、Bitte新CMオンエア

2015年09月18日 | Weblog
内田篤人が優しい言葉で主婦の疲れを癒やす…「Bitte」新CMがオンエア

バリスタに扮した内田はエプロン姿で主婦に労いの言葉を…

 江崎グリコ株式会社は18日、シャルケ所属のDF内田篤人が出演するチョコレート菓子「Bitte(ビッテ)」の新CM、『内田バリスタ』篇を22日(火)から全国でオンエア開始することを発表した。

 2013年の『ビビビッテ』篇、2014年の『コーヒーに合う』篇に続き3年連続での同商品CM起用となった内田。今回のCMは、バリスタとなったエプロン姿の内田が、家事など日頃頑張っている主婦に、優しい笑顔で労いの言葉をかけながら、コーヒーと「Bitte」をサーブし、至福のくつろぎ時間をプレゼントするという内容となっている。

内田篤人「僕には無理でした」新CMでラテアート
[2015年9月18日6時16分]


グリコ「Bitte」の新CMに出演が決まった内田篤人(江崎グリコ提供)

 日本代表DF内田篤人(27=シャルケ)がチョコレート菓子「Bitte(ビッテ)」の新CMに出演することが17日、江崎グリコから発表された。

 同CMには3年連続の出演で、今回はコーヒーを提供するバリスタに扮(ふん)する。カフェラテのミルクに絵を描く、ラテアートにも挑戦している。22日から全国で放送される。

 CM撮影後のインタビューで内田はバリスタ役について「普段着ることはないし、実際にラテアートをやらせてもらったけど、僕には無理でしたね(笑い)」と話した。

内田篤人が「ビッテ」新CMで主婦を癒すバリスタに“変身”
15/9/18 07:00



 シャルケのDF内田篤人が江崎グリコのチョコレート菓子「Bitte(ビッテ)」の新テレビCMに出演することが明らかになった。今月22日より全国でオンエア開始となる。

 3年連続の出演となった「ビッテ」の新テレビCM『内田バリスタ』編は、内田がバリスタに“変身”し、家事などで疲れた主婦に優しく労いの言葉をかけながらコーヒーと「ビッテ」を差し出し、至福のくつろぎ時間をプレゼントするというストーリー。日頃の疲れを癒してくれる内田の優しい笑顔に注目だ。

 3回目の「ビッテ」CM撮影となった内田は、シャツに蝶ネクタイとエプロンを身に付けたオシャレなバリスタ姿で登場。これまでと比べてセリフ付きの演技が多かったが、ソファに倒れ込む女性に向かって「がんばってますね」とささやくシーンでは、共演者の女性に「下手でも笑わないでね」と声をかけながら、さまざまなトーンで練習していたという。

「ちゃんと休むことも大事ですよ」「これで一息」「主婦、休みませんか」など、笑顔とともに優しい言葉をどんどんかけていく内田に監督からは「演技ばっちりですよ!」とお褒めの言葉も。演技をするうえでは「僕は結婚したばかりなので、まだ奥さんの苦労というのは分からないですが、母親の姿は見てきたので、そういう姿をイメージしながら挑んだ」そうで、「今日はもう自分に100点をあげたい」と笑っていた。

―日頃がんばってくれている主婦をコーヒーと「ビッテ」で癒してあげるというストーリーでしたが、演技をするうえでどんなことを気を付けましたか?
「僕は結婚したばかりなので、まだ奥さんの苦労というのは分からないですが、母親の姿は見てきたので、そういう姿をイメージしながら挑みました」

―内田さん自身がお母様に感謝していることは?
「僕はサッカーばかりやっていたので、送り迎えや洗濯もやってくれていました。ユニフォームも泥んこでしたし、小中高ほとんど一回も遅刻せずに起こしてくれました。時間が少ない中でも、自分とコミュニケーションをしっかり取ってくれて、自分のやりたいことをやらせてくれていましたし、お母さんに感謝しなきゃいけないと思います」

―世の中のがんばっている主婦の皆さんに一声かけてあげるならどんな言葉をかけますか?
「1日24時間では足りないんじゃないかなと思うくらい働いてくれていますし、束の間の休憩では是非『ビッテ』とコーヒーで癒されてほしいなと思います」

―今日の撮影の出来は点数を付けるとズバリ何点ですか?
「まず言わせてほしいのが、(この『ビッテ』のCM撮影の時期は)毎年オフに入っているんです。でも、この撮影を乗り切らないとオフじゃないんですよ、僕は。この仕事をしっかり終わらせて、リラックスしたい! だから今日はもう自分に100点をあげたいと思います(笑)」


Bitteの新CMが流れるシャルケの篤人である。
バリスタに扮して労いの言葉をかけるとのこと。
ピッチでの躍動はお預けであるが、テレビ画面にて篤人の姿を観られるのは嬉しいもの。
しばらくはこの映像にて我慢したい。
9月22日が楽しみである。

ドルトムント・パク・チュホ、初出場にて劇的決勝ゴール

2015年09月18日 | Weblog
[EL]香川途中出場のドルトムント、苦しみながらもパクの劇弾で公式戦10連勝
15/9/18 04:16

[9.17 ELグループリーグ第1節 ドルトムント2-1クラスノダール]

 ヨーロッパリーグ(EL)は17日、グループリーグ第1節を行い、MF香川真司の所属するドルトムント(ドイツ)はホームでクラスノダール(ロシア)に2-1で競り勝ち、白星発進した。公式戦7試合ぶりのベンチスタートとなった香川は1-1の後半開始から途中出場。チームは後半アディショナルタイムの劇的決勝点で今季公式戦無傷の10連勝を飾った。

 連戦を考慮し、12日のハノーファー戦(4-2)から先発4人を入れ替えたドルトムント。香川のほか、MFユリアン・バイグル、MFヨナス・ホフマン、GKロマン・ビュルキがベンチスタートとなり、代わってMFアドナン・ヤヌザイ、MFゴンサロ・カストロ、MFパク・チュホ、GKロマン・バイデンフェラーが先発した。

 先制したのはアウェーのクラスノダールだった。前半11分、FWフェドル・スモロフがドリブルで左サイドを深くえぐってマイナスに折り返し、FWパベル・ママエフが右足で合わせた。出はなをくじかれた格好のドルトムントは反撃に出るが、なかなか攻撃に勢いが出ない。

 前半34分、マンチェスター・ユナイテッドからレンタルで加入後公式戦初先発となったヤヌザイのスルーパスからMFヘンリク・ムヒタリアンがシュートを放つが、GKがセーブ。同39分にはヤヌザイの右CKにファーサイドのFWピエール・エメリク・オーバメヤンが合わせたが、これもGKに阻まれた。

 それでも前半アディショナルタイム、パクの左クロスにDFマティアス・ギンターが頭で合わせ、1-1の同点に追いついた。左インサイドハーフで先発し、ドルトムントで公式戦初出場となったパクのアシストで試合を振り出しに戻すと、後半開始からDFマルセル・シュメルツァーに代わって香川が出場。パクが左サイドバックにポジションを下げた。

 後半16分にはカストロに代わってバイグルがピッチに入る。徐々に攻勢を強め、後半20分にはムヒタリアンの横パスを香川がワンタッチで流し、ヤヌザイが反転しながら右足を振り抜く決定機をつくったが、GKの好セーブに阻まれた。後半27分、オーバメヤンに代えてFWアドリアン・ラモスを投入し、交代枠を使い切ったドルトムント。試合を支配しながら勝ち越しゴールが遠かったが、試合終了間際に劇的な幕切れが待っていた。

 後半アディショナルタイム、中央のMFイルカイ・ギュンドガンが右サイドに展開し、ギンターがゴール前にクロス。ニアでラモスがつぶれたファーサイドからパクが飛び込み、ダイビングヘッドでゴールに押し込んだ。パクは新天地でのデビュー戦で移籍後初ゴールを含む1ゴール1アシスト。ドルトムントが苦しみながらも2-1で競り勝ち、これでトーマス・トゥヘル監督の下、公式戦10戦10勝となった。


劇的決勝ゴールを決めたドルトムントのパク・チュホである。
試合終了間際のアディショナルタイムにダイビングヘッドで押し込んだとのこと。
また、同点弾もアシストしており、初出場で大活躍の結果を残した。
これは素晴らしい。
単なるカップ戦要員では終わらせぬ予感をさせる。
これからの活躍を期待しておる。