【J1採点&寸評】新潟×鹿島|悪夢の3分間。ロスタイムに2失点し、新潟がまさかの逆転負け
五十嵐創(サッカーダイジェスト)
2015年07月12日
内容では圧倒するも、決定機を逃して……。
【警告】新潟=L・シルバ(19分) 鹿島=なし
【退場】新潟=なし 鹿島=なし
【MAN OF THE MATCH】金崎夢生(鹿島)
【試合内容】
新潟が最後の最後で逆転を許した。2-1でリードしていた90+4分。土居に同点弾を奪われ、その2分後に遠藤に決勝点をねじ込まれた。
試合は、ほぼ90分間に渡って新潟ペースで推移した。立ち上がりから新潟の連動したプレスがハマり、中盤でボールを奪っては素早いカウンターにつなげた。31分に先制点を奪われた後も、すぐさま指宿のゴールで同点に追いつき、さらに42分にはカウンターでゴール前に走り込んだ小泉の一撃で逆転に成功する。
しかし、試合を決める3点目が奪えなかった。後半もカウンターを軸にチャンスを作ったが、55分に山本、59分には加藤が決定機で枠を外した。
そして、迎えたアディショナルタイムの90+4分。単調なロングボールを跳ね返せずに金崎にシュートを打たれ、ポストの跳ね返りに詰められて失点。さらに、90+6分には、またも金崎に突破を許して、最後は遠藤の左足で止めを刺された。
内容で圧倒しただけに、新潟にとっては痛恨の黒星となった。
【チーム採点・寸評】
新潟 6
局面の競り合いで常に先手を取り、こぼれ球も拾って90分間に渡って圧倒していた。しかし、決定機を決めきれず。最後の最後で水がこぼれた。
鹿島 5.5
新潟のプレッシャーに押され、内容的には見るものなし。ただ、ロングボールを執拗に放り込み、ラスト3分間で逆転した執念は次節以降につながる。
【新潟|採点・寸評】
GK
21 守田達弥 5.5
ロスタイムの2失点は、いずれもGKにとっては厳しいもの。CKからのクロスに飛び出しながら、ボールに触れなかった前半の失点が痛かった。
DF
24 川口尚紀 6
ゴリゴリと身体を当てて押し込んでくる金崎にも怯まず、激しく寄せて対抗。逆サイドに流れた相手にもしぶとく付いて行き、守備面では及第点の仕事をした。
4 舞行龍ジェームズ 5.5
巧みなカバーでピンチの芽を摘み取る一方、無理につなごうとしてボールを奪われる場面も。プレーの判断には、まだ課題が残る。
3 大井健太郎 5.5
セットプレーで昌子に競り負け、先制点を奪われる。終盤は金崎やダヴィに身体を寄せてなんとかしのいでいたが、最後までは踏ん張れなかった。
7 コルテース 5
精力的なオーバーラップでパスコースを作っていたが、同点に追いつかれた後に急激に集中力がダウン。金崎に突破されて決勝点につなげられた。
MF
8 レオ・シルバ 6.5
セカンドボールを拾い、プレスバックもこなした。また、タメも作って攻撃でも貢献。中盤での存在感は圧倒的で、とても病み上がりとは思えなかった。
25 小泉 慶 6.5
ピッチを所狭しと走り周り、ボール保持者にプレッシャーをかけた。猛然とゴール前に走り込、カウンターで決めた2点目も見事だった。
13 加藤 大 5.5
スペースに侵入してボールを受ける技術はさすが。ただ、スタミナが切れて来るとパスの精度が目に見えて落ちた。59分の決定機も決めたかった。
23 山本康裕 5.5
CKで好クロスを供給し、精力的にアップダウンして守備でも奮闘。それだけに、55分に迎えたフリーの決定機を外したのが痛すぎた。
FW
11 指宿洋史 6.5
加藤の落としをダイレクトで叩き込んだミドルは圧巻。昌子や植田のマークをものともせず、身体を張ったポストプレーで起点になった。
9 山崎亮平 5.5
前線からのプレスやタメを作るキープは効いていたが、指宿との距離感がやや遠く、ゴール前のチャンスに顔を出せなかった印象も。
交代出場
MF
18 成岡 翔 5
決定的な3点目を狙ってエリア内に飛び込むも、クロスがあと一歩合わず。ジョーカーとしての役割を果たせなかった。局面の競り合いでも後手を踏んでいた。
DF
5 前野貴徳 -
精力的にプレスをかけ、カウンターの場面ではゴール前にも顔を出した。とはいえ、チャンスを決めきれず。パスミスも散見された。
FW
19 鈴木武蔵 -
前線からのプレスとスピードを活かしたカウンターを期待されてロスタイムにピッチに登場。しかし、目立った仕事はなく、出場後にチームは2失点した。
監督
柳下正明 5.5
カウンターで脅威を与えられる山崎を下げた采配には、少し疑問が残る。ただ、試合内容は評価できる。今後もこれを継続したい。
執念のパワープレーで勝点3をもぎ取る。
【鹿島|採点・寸評】
GK
1 佐藤昭大 5.5
32分のファインセーブなど、セービングは終始安定。一方で1点を追う終盤に焦って闇雲にフィードする場面もあった。もう少し落ち着きが必要だ。
DF
22 西 大伍 5.5
前線でタメが作れない影響から、前半は攻撃面での効果的なプレーはなかった。遠藤投入後はオーバーラップが増えるも、クロスの精度を欠いていた。
23 植田直通 4.5
指宿にポストプレーで起点を作られ、得意の空中戦でも完敗。不安定な守備を見かねた指揮官に61分に交代させられた。
3 昌子 源 5.5
CKから先制点をゲット。本職の守備ではスピードを活かしたカバーリングでピンチを救ったが、相手のシュートミスに助けられた場面も多かった。
16 山本脩斗 5.5
縦に仕掛けるシーンは数えるほどで、攻撃面では印象なし。守備でもたびたび裏を突かれてピンチを迎えていた。
MF
5 青木 剛 5
新潟のプレッシャーに屈し、まったくビルドアップに参加できず。こぼれ球もL・シルバと小泉に拾われ、まるで存在感を示せなかった。
40 小笠原満男 5.5
効果的な縦パスは少なかったが、劣勢のなか守備で奮闘。粘り強く相手に身体を寄せて安易に縦パスを出させなかった。
7 カイオ 5
17分にCKに合わせてフリーでヘッドを放つもボールは上へ。以降は押し込まれて守備の時間が長くなり、持ち前の突破力を発揮できなかった。
33 金崎夢生 6.5
フィジカルの強さを活かした強引な突破でチャンスメイク。土居の同点弾につながるシュートを放ち、直後にはコルテースをかわして遠藤の決勝点を演出した。
8 土居聖真 6
パスの供給を得られずに沈黙していたが、最後に大仕事。ポストの跳ね返りに詰めて同点弾を挙げた。
FW
18 赤秀平 5.5
厳しく寄せられて起点を作れず。ドリブルで持ち込んだ序盤の決定機も、シュート直前で小泉に阻まれた。
交代出場
MF
25 遠藤 康 6.5
ボールを収めてタメを作り、反撃の糸口を作る。90+6分には金崎の横パスを受け、まさに値千金の決勝点を決めた。
FW
11 ダヴィ 6
ロングボールのターゲットになり、チャンスを創出。土居の同点弾につながった金崎のシュートは、このブラジル人の落としが起点だった。
DF
14 ファン・ソッコ 5.5
危険な位置でのファウルが多かった印象。結果的に出場以降は失点していないが、安定していたとは言い難い。
監督
トニーニョ・セレーゾ 6
ダヴィの投入でロングボールの放り込みにシフト。相手が決定機を外すという運も味方し、苦しみながらも勝点3をものにした。
サッカーダイジェストの五十嵐氏による新潟戦の寸評である。
MOMでもある夢生と決勝ゴールのヤスに高評価が与えられておる。
やはり、夢生はなくてはならぬ存在と改めて思わされた。
これだけのフィジカルとテクニックを兼ね備えた選手はそうはおらぬ。
鹿島の軸として長く活躍して欲しい。
また、ヤスはカイオや夢生にはないものをチームにもたらせる。
西との連携も深く、右サイドを活性化させた。
決勝点もなっとくと言って良かろう。
また、聖真とダヴィにも良い評価が与えられておる。
聖真は、同点弾もさることながら、枠を耐えられなかったが惜しいシュートを二つはなっており、攻撃力に磨きがかかってきた。
ダヴィの投入がこの大逆転を呼び込んだことは周知の事実。
アバウトなロングボールを自分たちのものに出来ることは大きい。
ダヴィと夢生の連携はこれからの鹿島に於いて大きな武器となろう。
試合内容については、語るべきものが少ない試合でも勝利を掴み取った選手の力は大きい。
2ndステージ大躍進を期待しておる。
五十嵐創(サッカーダイジェスト)
2015年07月12日
内容では圧倒するも、決定機を逃して……。
【警告】新潟=L・シルバ(19分) 鹿島=なし
【退場】新潟=なし 鹿島=なし
【MAN OF THE MATCH】金崎夢生(鹿島)
【試合内容】
新潟が最後の最後で逆転を許した。2-1でリードしていた90+4分。土居に同点弾を奪われ、その2分後に遠藤に決勝点をねじ込まれた。
試合は、ほぼ90分間に渡って新潟ペースで推移した。立ち上がりから新潟の連動したプレスがハマり、中盤でボールを奪っては素早いカウンターにつなげた。31分に先制点を奪われた後も、すぐさま指宿のゴールで同点に追いつき、さらに42分にはカウンターでゴール前に走り込んだ小泉の一撃で逆転に成功する。
しかし、試合を決める3点目が奪えなかった。後半もカウンターを軸にチャンスを作ったが、55分に山本、59分には加藤が決定機で枠を外した。
そして、迎えたアディショナルタイムの90+4分。単調なロングボールを跳ね返せずに金崎にシュートを打たれ、ポストの跳ね返りに詰められて失点。さらに、90+6分には、またも金崎に突破を許して、最後は遠藤の左足で止めを刺された。
内容で圧倒しただけに、新潟にとっては痛恨の黒星となった。
【チーム採点・寸評】
新潟 6
局面の競り合いで常に先手を取り、こぼれ球も拾って90分間に渡って圧倒していた。しかし、決定機を決めきれず。最後の最後で水がこぼれた。
鹿島 5.5
新潟のプレッシャーに押され、内容的には見るものなし。ただ、ロングボールを執拗に放り込み、ラスト3分間で逆転した執念は次節以降につながる。
【新潟|採点・寸評】
GK
21 守田達弥 5.5
ロスタイムの2失点は、いずれもGKにとっては厳しいもの。CKからのクロスに飛び出しながら、ボールに触れなかった前半の失点が痛かった。
DF
24 川口尚紀 6
ゴリゴリと身体を当てて押し込んでくる金崎にも怯まず、激しく寄せて対抗。逆サイドに流れた相手にもしぶとく付いて行き、守備面では及第点の仕事をした。
4 舞行龍ジェームズ 5.5
巧みなカバーでピンチの芽を摘み取る一方、無理につなごうとしてボールを奪われる場面も。プレーの判断には、まだ課題が残る。
3 大井健太郎 5.5
セットプレーで昌子に競り負け、先制点を奪われる。終盤は金崎やダヴィに身体を寄せてなんとかしのいでいたが、最後までは踏ん張れなかった。
7 コルテース 5
精力的なオーバーラップでパスコースを作っていたが、同点に追いつかれた後に急激に集中力がダウン。金崎に突破されて決勝点につなげられた。
MF
8 レオ・シルバ 6.5
セカンドボールを拾い、プレスバックもこなした。また、タメも作って攻撃でも貢献。中盤での存在感は圧倒的で、とても病み上がりとは思えなかった。
25 小泉 慶 6.5
ピッチを所狭しと走り周り、ボール保持者にプレッシャーをかけた。猛然とゴール前に走り込、カウンターで決めた2点目も見事だった。
13 加藤 大 5.5
スペースに侵入してボールを受ける技術はさすが。ただ、スタミナが切れて来るとパスの精度が目に見えて落ちた。59分の決定機も決めたかった。
23 山本康裕 5.5
CKで好クロスを供給し、精力的にアップダウンして守備でも奮闘。それだけに、55分に迎えたフリーの決定機を外したのが痛すぎた。
FW
11 指宿洋史 6.5
加藤の落としをダイレクトで叩き込んだミドルは圧巻。昌子や植田のマークをものともせず、身体を張ったポストプレーで起点になった。
9 山崎亮平 5.5
前線からのプレスやタメを作るキープは効いていたが、指宿との距離感がやや遠く、ゴール前のチャンスに顔を出せなかった印象も。
交代出場
MF
18 成岡 翔 5
決定的な3点目を狙ってエリア内に飛び込むも、クロスがあと一歩合わず。ジョーカーとしての役割を果たせなかった。局面の競り合いでも後手を踏んでいた。
DF
5 前野貴徳 -
精力的にプレスをかけ、カウンターの場面ではゴール前にも顔を出した。とはいえ、チャンスを決めきれず。パスミスも散見された。
FW
19 鈴木武蔵 -
前線からのプレスとスピードを活かしたカウンターを期待されてロスタイムにピッチに登場。しかし、目立った仕事はなく、出場後にチームは2失点した。
監督
柳下正明 5.5
カウンターで脅威を与えられる山崎を下げた采配には、少し疑問が残る。ただ、試合内容は評価できる。今後もこれを継続したい。
執念のパワープレーで勝点3をもぎ取る。
【鹿島|採点・寸評】
GK
1 佐藤昭大 5.5
32分のファインセーブなど、セービングは終始安定。一方で1点を追う終盤に焦って闇雲にフィードする場面もあった。もう少し落ち着きが必要だ。
DF
22 西 大伍 5.5
前線でタメが作れない影響から、前半は攻撃面での効果的なプレーはなかった。遠藤投入後はオーバーラップが増えるも、クロスの精度を欠いていた。
23 植田直通 4.5
指宿にポストプレーで起点を作られ、得意の空中戦でも完敗。不安定な守備を見かねた指揮官に61分に交代させられた。
3 昌子 源 5.5
CKから先制点をゲット。本職の守備ではスピードを活かしたカバーリングでピンチを救ったが、相手のシュートミスに助けられた場面も多かった。
16 山本脩斗 5.5
縦に仕掛けるシーンは数えるほどで、攻撃面では印象なし。守備でもたびたび裏を突かれてピンチを迎えていた。
MF
5 青木 剛 5
新潟のプレッシャーに屈し、まったくビルドアップに参加できず。こぼれ球もL・シルバと小泉に拾われ、まるで存在感を示せなかった。
40 小笠原満男 5.5
効果的な縦パスは少なかったが、劣勢のなか守備で奮闘。粘り強く相手に身体を寄せて安易に縦パスを出させなかった。
7 カイオ 5
17分にCKに合わせてフリーでヘッドを放つもボールは上へ。以降は押し込まれて守備の時間が長くなり、持ち前の突破力を発揮できなかった。
33 金崎夢生 6.5
フィジカルの強さを活かした強引な突破でチャンスメイク。土居の同点弾につながるシュートを放ち、直後にはコルテースをかわして遠藤の決勝点を演出した。
8 土居聖真 6
パスの供給を得られずに沈黙していたが、最後に大仕事。ポストの跳ね返りに詰めて同点弾を挙げた。
FW
18 赤秀平 5.5
厳しく寄せられて起点を作れず。ドリブルで持ち込んだ序盤の決定機も、シュート直前で小泉に阻まれた。
交代出場
MF
25 遠藤 康 6.5
ボールを収めてタメを作り、反撃の糸口を作る。90+6分には金崎の横パスを受け、まさに値千金の決勝点を決めた。
FW
11 ダヴィ 6
ロングボールのターゲットになり、チャンスを創出。土居の同点弾につながった金崎のシュートは、このブラジル人の落としが起点だった。
DF
14 ファン・ソッコ 5.5
危険な位置でのファウルが多かった印象。結果的に出場以降は失点していないが、安定していたとは言い難い。
監督
トニーニョ・セレーゾ 6
ダヴィの投入でロングボールの放り込みにシフト。相手が決定機を外すという運も味方し、苦しみながらも勝点3をものにした。
サッカーダイジェストの五十嵐氏による新潟戦の寸評である。
MOMでもある夢生と決勝ゴールのヤスに高評価が与えられておる。
やはり、夢生はなくてはならぬ存在と改めて思わされた。
これだけのフィジカルとテクニックを兼ね備えた選手はそうはおらぬ。
鹿島の軸として長く活躍して欲しい。
また、ヤスはカイオや夢生にはないものをチームにもたらせる。
西との連携も深く、右サイドを活性化させた。
決勝点もなっとくと言って良かろう。
また、聖真とダヴィにも良い評価が与えられておる。
聖真は、同点弾もさることながら、枠を耐えられなかったが惜しいシュートを二つはなっており、攻撃力に磨きがかかってきた。
ダヴィの投入がこの大逆転を呼び込んだことは周知の事実。
アバウトなロングボールを自分たちのものに出来ることは大きい。
ダヴィと夢生の連携はこれからの鹿島に於いて大きな武器となろう。
試合内容については、語るべきものが少ない試合でも勝利を掴み取った選手の力は大きい。
2ndステージ大躍進を期待しておる。