【第2ステージ展望】鹿島編|ダヴィの復帰で巻き返しへ!
カテゴリ:Jリーグ・国内
五十嵐創(サッカーダイジェスト)
2015年07月02日
【第1S総括】不安定な守備が、低空飛行を続けた要因。
CBと左SBを兼任した昌子(中央)の奮闘も実らず。無失点試合はわずかふたつと、守備の安定感は欠けていた。 写真:サッカーダイジェスト写真部
J1第1ステージは浦和の無敗優勝で幕を閉じたが、前半戦の17試合を全18チームはいかに戦ったのか?
『サッカーダイジェスト』の各チーム担当記者が、6月27日で最終節を迎えた第1ステージを振り返り総括するとともに、第2ステージに向けた各チームの動きと見どころを解説する。
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鹿島アントラーズ
第1S成績:8位 勝点:22 6勝4分7敗 27得点・25失点
ポイント1)第1ステージの出来を点数で表わすと?
40点
優勝候補に推されながら、一度も上位戦線に絡めなかった。その最大の要因は、守備が不安定だったことだろう。ACLも含めた公式戦で2度しか無失点試合がなく、リーグ戦での失点数25はリーグワースト6位タイ。中盤のプレッシングの甘さや、昌子や植田、ファン・ソッコといったCBのポジショニングの悪さが目立ち、セットプレーでも失点を重ねた。
27得点を挙げた攻撃はまずまずの評価を与えられるが、CFを定められずに苦しんだ印象も残る。開幕の頃は新加入の高崎と金崎が務め、シーズン途中からは怪我から復帰した赤と途中加入のジネイも加わった。
しかし、いずれの選手も確固たる地位を築くまでには至らなかった。もっとも可能性を感じさせたジネイも、16節・横浜戦で全治8か月の大怪我を負い、第2ステージも絶望だ。
ポイント2)第1ステージのチームMVPは?
柴崎 岳
チームが低空飛行を続けるなか、常に高いパフォーマンスを維持。精度の高いパスと飛び出しで攻撃に変化をつけた。流れのなかからのラストパスが増えてくれば、さらに言うことなしだ。
ポイント3)第2ステージでの巻き返しや台頭が期待される選手は?
土居聖真
巧みなテクニックを活かしてバイタルエリアでボールを受け、ドリブルでゴールに迫る機会が増えている。本人も得点へのこだわりが強まっており、第2ステージではより多くのチャンスに絡んでくれるだろう。
セットプレーのキッカーも任され、チーム最多の7アシスト。柴崎は間違いなく、チームの要だ。 写真:サッカーダイジェスト写真部
【第2S展望】ダヴィの復帰と若手の奮起を起爆剤に!
第2ステージでの巻き返しは、若手の奮起も不可欠。川崎戦でJ1デビューした鈴木隆らの活躍に期待がかかる。 写真:佐藤明(サッカーダイジェスト写真部)
ポイント4)第2ステージの目標と達成への青写真は?
残されたすべてのタイトル
残されたすべてのタイトル獲得が目標だ。第2ステージの優勝はもちろん、その先のチャンピオンシップ。ナビスコカップと天皇杯でも頂点を狙っている。
それらの目標を達成するうえで、最大の修正ポイントは前述のとおり守備だろう。前線や中盤でのプレスはもちろん、ボランチのプレスバックや最終ラインの連係を高めて、不用意な失点を減らしたい。そのうえで、昌子や植田といったCB陣のセットプレーのよるゴールが増えてくれば、勝点は伸びていく。
また、ダヴィの復帰というプラス要素を最大限に活かしたい。昨季の終盤を怪我で欠場しながら10ゴール・7アシストをマークしたエースが戻ってくれば、前線の確固たる基準点ができる。彼自身の個人による突破はもちろん、負担の減った2列目の攻撃力もより活かされるだろう。
ポイント5)第2ステージに向けた補強ポイントと新戦力獲得の動きは?
補強ポイントのひとつであるCBは、使いながら育てていくフロントの方針を踏まえると昌子や植田の成長待ちが現実的だ。山本が離脱中の左SBも、昌子や西のコンバートで凌いでいくだろう。
つまり、補強の動きはなく、現有戦力の成長以外にチーム力アップは見込めない。ただし、先に挙げた昌子や植田以外にも、サイドハーフの豊川やSBの伊東、鈴木隆など好素材は揃っている。彼ら若手の台頭でチームを上昇気流に乗せたい。
文:五十嵐創(サッカーダイジェスト編集部)
1stステージの総括と2ndステージの展望を記すサッカーダイジェストの五十嵐氏である。
ともかく不甲斐ない戦いであった前半戦は守備の不安定にあると言う。
実際に不用意な失点が多く、完封が2試合とは、言葉に出来ぬほど酷いものと言えよう。
ただ、源の負傷から始まり、植田の五輪予選招集、脩斗の負傷とDFラインを固定しきれなったという部分もあったかとは思う。
とはいえ、それでも失点はもう少し減らせたのではなかろうか。
後半戦については、ダヴィの復帰、また山本脩斗も戻ってきたということで、コマは揃う。
補強の声こそ聞こえぬが、先日鹿島でのデビューをした隆雅やU-22日本代表にて好調を魅せたユキ、U-18日本代表でタイトルを得て帰ってきた久保田和音など、若き力に期待がかかる。
リーグ戦タイトル、ナビスコ杯、天皇杯と国内タイトル全てがスタートする後半戦にて巻き返したい。
楽しみにしておる。