放送作家であり、
映画『おっぱいバレー』の原作者でもある、
水野宗徳さんの新作。
テレビ業界を舞台にした連作短編集だ。
小説のパーツの一つ一つは、
さすが現役の放送作家が書いただけあって、
同じテレビ業界で働く僕が見ても、
リアリティがある。
それでいて、そのパーツを組み上げて作った全体は、
なんというか「夢物語」なのだ。
しかしそれは、けっして悪いことではない。
むしろ良質なエンターティメントの証であると思う。
唯一の心配は、
この小説の内容を鵜呑みにして、
テレビ業界に入ってくる奴がいると大変だということだ。
ここまで現実のテレビ業界は甘くはない。
気をつけて下さい。