脱北VTR

2017年10月19日 09時47分12秒 | 業界のかけら


先日、ある番組で脱北者の女性に密着したVTRをオンエアした。

北朝鮮から中国に逃げ込んだ後、
拉致され無理やり妻にされていた女性を
家族の留守中に、
脱北者支援団体が救い出し、
韓国まで逃げるという、
映画さながらの始まりだった。

さらにその逃避ルートがスゴい。

中国国内を南下、
山越えでラオス国内に入り、
川を渡ってタイに密入国。
そこでタイ警察に自首して、
韓国に強制送還される・・・
という想像もしなかったルートだった。

このVTR、番組スタッフが撮ったものではない。
韓国の支援団体が撮っていたものだ。

これがよく撮れている。
険しい山中を逃げる様子はもちろん、
車中で安堵して眠る女性の寝顔や、
要所要所で心情を聴いているなど、
まるでドキュメンタリーのディレクターが撮ったような質だった。

なぜ支援団体が、
ここまでしっかり脱北の舞台裏を撮影しているのか
不思議に思ったのでスタッフに聞いたところ、
彼らは北朝鮮の事情を世界に発信すると同時に、
このVTRを今回のように各国の番組に「売る」ことによって、
活動資金を得ているということだった。

なるほど。
そういうことだったのか。

そういう目的で、
VTRを撮っている支援団体はたくさんあるんだろうなあ。
僕は知らなかった。


 
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