先日、ある番組で脱北者の女性に密着したVTRをオンエアした。
北朝鮮から中国に逃げ込んだ後、
拉致され無理やり妻にされていた女性を
家族の留守中に、
脱北者支援団体が救い出し、
韓国まで逃げるという、
映画さながらの始まりだった。
さらにその逃避ルートがスゴい。
中国国内を南下、
山越えでラオス国内に入り、
川を渡ってタイに密入国。
そこでタイ警察に自首して、
韓国に強制送還される・・・
という想像もしなかったルートだった。
このVTR、番組スタッフが撮ったものではない。
韓国の支援団体が撮っていたものだ。
これがよく撮れている。
険しい山中を逃げる様子はもちろん、
車中で安堵して眠る女性の寝顔や、
要所要所で心情を聴いているなど、
まるでドキュメンタリーのディレクターが撮ったような質だった。
なぜ支援団体が、
ここまでしっかり脱北の舞台裏を撮影しているのか
不思議に思ったのでスタッフに聞いたところ、
彼らは北朝鮮の事情を世界に発信すると同時に、
このVTRを今回のように各国の番組に「売る」ことによって、
活動資金を得ているということだった。
なるほど。
そういうことだったのか。
そういう目的で、
VTRを撮っている支援団体はたくさんあるんだろうなあ。
僕は知らなかった。