家人(大)が突然、もう10年以上前に行ったある店のことを話し出した。
あれは我が家3人と両家の母親を招いての、
ちょっとあらたまった食事で、
それならばと某ホテル内の懐石料理店に行った。
その時のことで家人(大)が今でもよく覚えていることがあるという。
我が家の家人(小)は左利きなのだが、
食事を始めてすぐそれに気づいたフロアの責任者と思しき人間が、
僕たちのテーブルの担当者に、
「あちらのお子様は左利きだから」という旨を指示していたそうだ。
そしてその直後から、
家人(小)にだけは左利きでも食事がしやすいかたちに対応が変わった。
「何を食べたかはもう忘れちゃったけど、
このことだけははっきり覚えていて、
今でもあの店はいい店だよなあと思うんだよね」