稽古とマスク

2023年01月22日 11時09分27秒 | コメディのかけら
舞台役者の多くは今も、
マスクを着けて稽古をしている。

稽古期間中に感染者が出たら、
稽古の中断もありうるし、
最悪の場合、準備が間に合わず、
初日が遅れるということもあるからだ。

しかし通常の不織布マスクでは口元がみえない。
これでは演技に支障を来す。

そこで口元の部分だけ透明なアクリルで覆われたマスクを使う。

確かに口の動きは見えるが、これはこれで厄介な代物だという。

まず不織布マスクに較べて呼吸がしにくい。

呼気や飛沫でアクリル部分が曇る。
それが見えてしまうのが、なんとも不快。

ここまでは僕でも想像がつくが、役者に言わせると、厄介な事態は他にもある。

大きく口を動かすセリフが続くと、どうしてもマスクがズレてしまう。
だからセリフを言い終えた後、マスクを直す。

でも本来、それはその役にとって必要のない動きだ。
その瞬間、役者の意識は役柄を離れてしまうということである。

これは演じている身としては、なんとも厄介な事態だ。

4月から屋内でのマスクは原則不要という話も出ているが、
演劇の稽古場はどうしていくのだろうか。
 
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