テレビと出版のかけひき

2017年07月20日 11時06分20秒 | 業界のかけら

テレビ番組制作者は考える。
「売れている本の情報を番組で扱いたい。
 しかも、最初にウチの番組で扱わせてほしい」

出版社は考える。
「テレビで紹介されると本は売れる。
 だから1つでも多くの番組で取り上げてほしい」

そんな両者の思惑でかけひきが始まる。

番組側は出版社や著者に交渉する際は必ず尋ねる。
「最近、他の番組の取材を受けたか。
 近々受ける予定はあるか」と。
別番組で先に紹介されてしまったら、
情報の価値が格段に落ちてしまうからだ。

最近、ある番組である本の著者に出てもらうことになった。
本人に確認すると、1つだけ番組取材は受けたが、それ以外は無いという。
取材を受けた番組とこちらの番組ではかなり内容が異なるので、
著者の出演をお願いすることにした。

ところが、
収録少し前に、
その著者が別番組に、
こちらの番組よりも大々的な形で出演するという情報が入ってきた。
しかもオンエアはこちらより先。最悪の事態だ。

担当ディレクターが著者を問い詰めると・・・
「出版社から別番組に出ることは言うなと言われた」

出版社の思惑はわかるが、汚い手を使うなあ。

この手の悪い評判はすぐにまわる。
そのうちいろいろな会議で言われるはずだ。
「あの出版社には気をつけろ」と。