知り合いから勧められて読んだ。
不思議な小説だ。
さして劇的なわけでもなく、
日常のスケッチの連続のようだが、
一度読み始めると止まらなくなる。
つまり上質のエンターティメントということなのだろう。
残念なのは、
帯に大書された「感動」の文字や、
書店ポップの「泣いた」的な読者の感想。
読み終えて「そうか?」と思う。
今の出版界では「感動」「泣ける」という言葉が訴求力があるようだが、
それにしてもなあと思う。
勧められるまでこの本がまったく視野に入らなかったのは、
実はそんな帯や書店ポップのせいだった。
売り文句は難しい。
安売りすると逆効果だ。