カツオブシとカビ

2009年08月18日 08時29分59秒 | チシキのかけら

発酵学の小泉武夫先生の話をうかがう機会があった。

短い時間ではあったが、
興味深い話の連続。

その中のひとつを挙げるとすれば、
カツオブシの話である。

カツオブシは発酵食品。

そう言われて驚いた。

カビつけのカビにより、
たんぱく質が分解され、
うまみ成分であるアミノ酸に変わる。
この部分が発酵なのだそうだ。

なるほど。

このプロセスに関する知識はあったが、
これもまた「発酵」であるということは見落としていた。

普通、日本の発酵食品というと、
納豆、味噌、酒、漬物、なれずしなどを思いつくが、
カツオブシも発酵食品だったのだな。

さらにカツオブシのカビには、
他にも優れた働きがあるという。

ひとつは「脂を分解」。
刺身で食べると脂の多いカツオだが、
カツオブシで出汁をとっても脂が浮かないのは、
カビが脂を分解しているからだそうだ。

そしてもうひとつの働きが、
「乾燥を促進」
カビは水分を吸収する。
なので、カビ付けを繰り返すことで、
あそこまで乾燥するのだという。
しかも空気や日光による乾燥と違い、
カビを使った場合、
均等に乾燥が進んでいく。
そこが最大のメリット。

やるな、カツオブシのカビ。

身近な食品の中にも、
驚異はまだまだ潜んでいる。