もう少しグラミン銀行について。
理念が素晴らしいことに加えて経済の基本事項が含まれているような気がします。
いろんな側面を考えるにはグラミン銀行への批判を参照するのが良いですかね。ここから引っ張ってきます。
『グラミン銀行というと、連帯保証人の仕組みをきつくしたような相互監視による取り立てや、日本の消費者金融並みの高金利から、日本における消費者金融や商工ローンのようなものとして解説されることもあります。また、グラミンは銀行ビジネスとして隆盛を誇っており、それに対して“違和感”を感じる方もいらっしゃるようです』。
日本の消費者金融や商工ローンとどこが違うのか。
消費者金融は使途が消費ですね。借りたお金は生活に必要な、あるいはお楽しみのためのモノやサービスの購入に使われます。費消されてしまうんですね。グラミン銀行は消費を助けるためのお金を貸すわけではありません。そもそも貧困女性に貸し出すわけで、お金を使ってしまえば返済できなくなります。グラミン銀はミシンを買ったり,卵を産ませるための鶏を買ったり、仕入れをするための資金を貸すのです。
商売をするための資金を貸すと言う意味では商工ローンと同じなのか。
これも違いますね。商工ローンは商売のプロに貸します。グラミン銀は商売に素人な貧困層に限定して貸し出しをするんですね。
もっと決定的な違いは、
グラミン銀行が独自の哲学を持っていることでしょう。これ、素晴らしいので全文紹介します。
①クレジットは基本的人権である
②人は誰でも機会さえ与えられればよりよい生活をしようとする能力と意欲を持っている。
③貧困は外から規定され、人工的・社会的に作り出されたものである
④人々が銀行に行くのではなく、銀行の方が人々のもとに行く
⑤グラミン銀行の原則、原理は極めて単純で,不変であるので私達は組織を柔軟に運営することができる。
⑥貧しい人々が信用に値しないのではなく、既存の銀行が人々に値しないのである。
重要なのは(そして胸に迫るのは)③でしょうか。貧困は本人が怠けていたり能力が劣るから、ではなく作り出されたものだ→だから解消することも可能なのだ、だから解消するのだ、という流れです。この問題はもう少し奥が深いのですが、先に進みます。
『「あれは無尽講だよ」「かつての日本にもあった仕組みで、たいしたものじゃない」「回収率の高さは、つまり貧者からの搾取である」といった声を聞くことも、実際にこれまでに何度かありました。』
無尽講は違いますよね。身内でお金を出し合って交代で費用の支払いにあてるのですが,やはり資金は費消されてしまいます。貧者からの搾取、これもピンボケですね。グラミン銀行はあくまで銀行なので貸したお金は回収します。グラミン銀行はまず借り手に、借りたお金はしっかり返済しなければならないことを教えるのだそうです。
貧困から抜け出させるために、→経済活動の一プレーヤーとして活動させる、→だから経済規律を借り手に教え込む →グラミン銀行もあくまでビジネス主体として存在する(創業者は慈善が貧困対策に効果が無いと考えています。返済不要な資金は費消されてしまい単に慈善に依存するだけで貧困であることは変わらないんですね)。
理念が素晴らしいことに加えて経済の基本事項が含まれているような気がします。
いろんな側面を考えるにはグラミン銀行への批判を参照するのが良いですかね。ここから引っ張ってきます。
『グラミン銀行というと、連帯保証人の仕組みをきつくしたような相互監視による取り立てや、日本の消費者金融並みの高金利から、日本における消費者金融や商工ローンのようなものとして解説されることもあります。また、グラミンは銀行ビジネスとして隆盛を誇っており、それに対して“違和感”を感じる方もいらっしゃるようです』。
日本の消費者金融や商工ローンとどこが違うのか。
消費者金融は使途が消費ですね。借りたお金は生活に必要な、あるいはお楽しみのためのモノやサービスの購入に使われます。費消されてしまうんですね。グラミン銀行は消費を助けるためのお金を貸すわけではありません。そもそも貧困女性に貸し出すわけで、お金を使ってしまえば返済できなくなります。グラミン銀はミシンを買ったり,卵を産ませるための鶏を買ったり、仕入れをするための資金を貸すのです。
商売をするための資金を貸すと言う意味では商工ローンと同じなのか。
これも違いますね。商工ローンは商売のプロに貸します。グラミン銀は商売に素人な貧困層に限定して貸し出しをするんですね。
もっと決定的な違いは、
グラミン銀行が独自の哲学を持っていることでしょう。これ、素晴らしいので全文紹介します。
①クレジットは基本的人権である
②人は誰でも機会さえ与えられればよりよい生活をしようとする能力と意欲を持っている。
③貧困は外から規定され、人工的・社会的に作り出されたものである
④人々が銀行に行くのではなく、銀行の方が人々のもとに行く
⑤グラミン銀行の原則、原理は極めて単純で,不変であるので私達は組織を柔軟に運営することができる。
⑥貧しい人々が信用に値しないのではなく、既存の銀行が人々に値しないのである。
重要なのは(そして胸に迫るのは)③でしょうか。貧困は本人が怠けていたり能力が劣るから、ではなく作り出されたものだ→だから解消することも可能なのだ、だから解消するのだ、という流れです。この問題はもう少し奥が深いのですが、先に進みます。
『「あれは無尽講だよ」「かつての日本にもあった仕組みで、たいしたものじゃない」「回収率の高さは、つまり貧者からの搾取である」といった声を聞くことも、実際にこれまでに何度かありました。』
無尽講は違いますよね。身内でお金を出し合って交代で費用の支払いにあてるのですが,やはり資金は費消されてしまいます。貧者からの搾取、これもピンボケですね。グラミン銀行はあくまで銀行なので貸したお金は回収します。グラミン銀行はまず借り手に、借りたお金はしっかり返済しなければならないことを教えるのだそうです。
貧困から抜け出させるために、→経済活動の一プレーヤーとして活動させる、→だから経済規律を借り手に教え込む →グラミン銀行もあくまでビジネス主体として存在する(創業者は慈善が貧困対策に効果が無いと考えています。返済不要な資金は費消されてしまい単に慈善に依存するだけで貧困であることは変わらないんですね)。