会計スキル・USCPA

会計はビジネスの共通語。一緒に勉強しましょ。

人食い族は進化論を説明するか

2009-11-29 11:26:11 | 生活
経済やビジネスの話題からちょっと離れ過ぎてますな。上海や、プサンに行ったあとは旅行の余韻なんて3日で吹っ飛ぶ感じだったんですが、ロンドンは結構引きずる感じなんですね。老後はアジアのどっかの物価の安い国に移住でもするか、と思っていたんですが、ちょっと違うかも、とも感じてしまいましたね。

ロンドンで、ロンドンアイとかいうどでかい観覧車に乗ったんですが、そのてっぺんあたりでこの都市を眺めると、この観覧車より高い建物がほとんどない。高層ビルが建っていないんですね。見渡す限り。せいぜい30階建てがいいところ。これは他の都市と大いにちがうところですな。こういうところにも、英国のあちこちにあるこだわりを感じさせて、抗しがたい魅力というんですかね。



ヒースロー空港へ帰りの地下鉄が込んでて、途中で乗ってくるアジア系女性3人組がいまして、能天気に笑いながらお互いの写真を撮っている。こういうノリは日本人しかいないと思っていると、結局同じアシアナ便で帰国する日本人。ハハ。一人背が高くて、髪を後ろで束ねた、とってもタイプのコがいて、うちの会社の保健センターにいる私が密にあこがれている女性にそっくり。

ついつい見とれていると、向こうも気がついて、何やらお互いに視線を意識しあう微妙な状況に。インチョンのトランジットで並ばされるんで、ちょうど前後になって声をかけるチャンスがやってきて、あと一秒、と言うときに、空港のオフィサーが間に入って、『はいここからこっちの列ね』と私を連れ去ってしまったのでした。

彼女は東京方面じゃなかったらしく、たぶんインチョンから関空に飛んだんでしょうが、それっきり。

なんでやねん。

プサンでも、上海でもいらんやつから声掛けられるのに。

とまあ、なんか、すっきりしない感じが最後に残ってることも引きずる原因になってるんですが(あほか)、



ロンドンで見つけた気になる記事を最後に紹介して通常モードに戻りますかね。

Brain-eating tribe enriches understanding of mad cow disease

A cannibalistic ritual in which the brains of dead tribespeople were eaten by their relatives has triggered one of the most striking examples of rapid human evolution on record, scientists have discovered.

死んだ人間の脳を親戚が食べる習慣のある部族がいて、その習慣が、ヒトの進化させた例とみることができるんじゃないか、ってことなんですな。なんじゃそれ。

In the middle of the 20th century the Fore tribe of the Eastern Highlands province of Papua New Guinea was devastated by a CJD-like disease called kuru, which was passed on by mortuary feasts in which the brains of the dead were consumed.

20世紀の半ばに、クルと呼ばれる狂牛病に似た病気に大やられしたパプアニューギニアの部族があって、その病気は遺体の脳を食べることでうつって行った。

Although the practice was banned in the 1950s and kuru has disappeared, it has left an imprint on the tribe’s DNA. Research has now identified a genetic mutation unique to the Fore that protects against the brain disease and which has spread swiftly through the population by natural selection.

もやはその習慣は禁止され、クルも消えてしまったが、その脳の病気を防ぐ遺伝子がその部族の中に残っていることが発見されたっていうんですな。その部族にしか見られないものなんだそうで、遺伝子は自然淘汰を通じて、急速に広がった。


Oral histories provided by elderly members of the Fore tribe suggest that kuru emerged in the early 20th century and developed into a serious epidemic with an annual mortality rate of more than 2 per cent in some villages.

口頭による伝承では、クルは20世紀の前半からみられ、だんだん拡がって年間の死亡率が2%を超える村まで出てきた。全人口の2%がこれで死んでいったってことですかね。

In the new study scientists analysed the DNA of more than 3,000 people from affected and unaffected parts of the Eastern Highlands, including 709 who had taken part in cannibalistic rituals and 152 who had died of kuru.

研究ではその地方の3000人のDNAを分析したってことで、

The variant in the prion protein gene, called G127V, appears to have emerged about 1800 and then became advantageous with the arrival of kuru.


うち1800人に対クル遺伝子が見つかったそうなんですね。


結構な比率です。


Professor John Collinge, the director of the prion unit, said: “It’s absolutely fascinating to see Darwinian principles at work here. This community of people have developed their own biologically unique response to a truly terrible epidemic. The fact that this genetic evolution has happened in a matter of decades is remarkable.”

ダーウィン原理(自然淘汰説ってことですね)が、ここでも働いている。ほんの数十年でそれがおこったことはすごい。

なるほど。確かにすごいですなあ。怖い病気が発生してもそれを防止するシステムが人間の遺伝子に発現して、それがまたたく間に広がる。

ただ、ちょいとひっかかりがありまして、

自然淘汰説でいいのか、ってことなんですが、

自然淘汰では、その、突然変異によって生まれた有利な遺伝子を持っているヒトが生き残り、持たないヒトが死ぬことによって、生き残るものが生き残る、という理論なんですな。この事例だと年間2%程度死ななかったのに、遺伝子を持っていない数十年の間に、その遺伝子を持っていないヒトが淘汰されていったとはいえないんじゃないですかね。

いや、50年間2%の人間が死に続ければ、こんな感じになるのかな。だんだん遺伝子を持っている人間の比率が多くなる。全体の2%の人間がクルで死に続ければあり得ますか。

そもそもダーウィン説には疑問を呈されていて、単なる突然変異、自然淘汰でだけでは進化は説明できないんじゃないか、ってわけで。つまり、でたらめに変化していったら人間みたいなのができた、なんてアリエネーっていうことで、

実際に生きて生活している中で身につけた特性が、遺伝子として子孫に引き継がれるんじゃないかという獲得形質の遺伝、なる説もあって・・・、

と私は一般書でずいぶん前に読んだ本での知識なんですが、

この記事では、自然淘汰説については、その事例として説明されるのかも知れませんな。ただ、突然変異についてはどうですかね。たまたま、クルに強い遺伝子が突然変異で発生して広がった、というのは出来過ぎで、クルの蔓延んによって、遺伝子にそれに対抗する変異への圧力が生まれたと考える方が、シロート的には納得できるんですが。

今年はダーウィンの種の起源が出版されてから150周年だそうで。あ、それと生誕200年なんでした。

アメリカ人の半分は・・・ ダーウィン生誕200年

まあ、たまには、生命の来し方をじっくり考えてみるのも良いですな。

さて、この辺でロンドンシリーズは終わりにして、切り替えてゆきますか。