会計スキル・USCPA

会計はビジネスの共通語。一緒に勉強しましょ。

日本のエコノミックヒットマン?

2009-09-21 09:48:46 | 資源・インフラ
エコノミックヒットマン(EHM)の続編が本屋に置いてあったんで、買って読んでるんですが、昔のEHMとしての経歴を振り返ってて、前著よりいろんな他の議論との関連も書かれてます。スティグリッツの著書を読んでみると、自分の考えていることと同じジャン、とびっくりしたそうですな。

彼のEMHとしての経歴はアジアで始まるわけですが、インドネシア。スハルトと組んでメタメタにする。スハルトを抱き込んで、インドネシアの開発を進める。インドネシアに不利な条件で開発を進め、借金漬けにしたあげく破綻させて管理下に置く、・・・というやつですな。。

先の大戦で、日本はインドネシアの資源を目指して進軍した、ってな話もありましたが、アメリカさんは開発経済、援助の名を借りて実質的に借金によって経済支配する戦略をとったわけです。著者の主張ですが

で、それに関連して、今日はちょいと東チモールについて。

著者によれば、東チモールはインドネシアとは独立していたが、宗主国のポルトガルがひいたあと、スハルトが侵略して20万人の大虐殺をやる。スハルトの侵略をフォード大統領とキッシンジャーはお墨付きを与えていたとかで(公開情報なんだそうですな)。

政治的には反共の名のもとに、経済的にはコーポレートクラシー(多国籍企業)の利益のために独裁者の暴虐も支持、って文脈です。

その後の東チモールがどうなったか。これが本題で。アルジャズイーラです。

Aid 'fails to help E Timor's poor'

A decade after East Timor broke away from Indonesia, prompting one of the most expensive UN-led nation-building initiatives ever, little of the billions spent on the country has contributed to its development, new research has found.

巨額の資金支援をしながら、国連主導で東チモールをインドネシアから独立させて10年たって、どうもその資金が東チモールの発展には使われていないんじゃないか、と指摘しているんですな。

East Timor has received $8.8bn in aid and assistance, including peacekeeping, since 1999, but less than 10 per cent of that has made its way into the East Timorese economy.

80億ドルの10%しか、東チモールの経済には流れていない。

But despite that money, data from the International Monetary Fund, the World Bank and various UN agencies paints a picture of widespread and enduring poverty.

独立から貧困率も上がっているんですね。テキスト版ではここまでですが、ビデオ版では、実際に貧困率が上がっていると説明しています。何千億円もつかっといてなんじゃい、ってことですね。何に使われているか、安全保障や、高いコンサルタントフィー。コンサルタント、これ、エコノミックヒットマンのことでんな。テキスト版にはないんですが、ビデオ版では指摘してますな。

コンサルタントって、資源国の独裁者をうまく抱き込む秘密工作員とか、テキトーにレポートを書いて無茶な開発計画を正当化する悪徳弁護士みたいなヤツ、ということを暗に指す言葉のようで、ジェフリーサックスもわざわざ指摘しています。怪しいコンサルタント、という意味と、政府がらみのエンジニアリング会社、開発コンサルタント会社が当然その背景にいるということまで含んだ指摘ですね。

ジェフリーサックス インタビュー

先進国や国連からの援助や借款は別に東チモールの人たちを助けたいんじゃなくて、資源が欲しい。コーポレートクラシーの開発を進めたい。生活向上に使う金なんかあるか、って理屈はそれなりですが、著者が問題視しているのは、開発援助に乗って借金まみれになったあげく、結局人々の生活水準がされに貧しくなるってとこなんで。援助など無い方がはるかに幸せやろ、っていうことですな。今も受け継がれるエコノミックヒットマンの活躍、ってのが結論。


さて、国連が資金を垂れ流して、オーストラリアやニュージーランドの軍や、コーポレートクラシーに還流させていている、として、国連の予算を一番出しているのは誰なのよってことになると、

我が国はどうなってるんでしょうか。

ナンカ、チョーのどかなんですけど。

日本国民の皆様へ ありがとう!

日本人にはエコノミックヒットマン、居そうにないですな。でも、本当に必要なのは水や電気なんでしょうな。

こういう地道な支援が良いことは間違いないにせよ、国連や世銀への出資に見合うだけの見返りを得ているのか、ってのは問題で、

こんなんもあるわけでして、

オーストラリア - 平和維持者か石油略奪者か

著者が書いているんですが、結局、軍派遣による実効支配なり、脅しなり、独裁者にあたえる地位保全が結構大きかったりするようですな。

まあ、敗戦国で、他国の安全保障には貢献しにくい日本には、金だけださせて、おすそわけ程度でって感じでしょうか。

新日鉱HDが豪州・東チモール間の洋上に有望鉱区

 新日鉱ホールディングス<5016>(東1)は27日、傘下のジャパンエナジーが27日までに豪州・東チモール共同開発海域で石油・天然ガス探鉱鉱区の権益の一部を譲り受け、共同開発事業に参画すると発表した。
 対象鉱区は、豪州の北西部,東チモールとの間にある洋上で、鉱区面積約3741平方キロメートル。取得権益は15%で、探鉱期間は09年8月~2011年1月。試掘井を4坑掘る予定。対象鉱区の周辺には油田がある有望鉱区であり、新たな油田の発見を期待しているという。