yaaさんの宮都研究

考古学を歪曲する戦前回帰の教育思想を拒否し、日本・東アジアの最新の考古学情報・研究・遺跡を紹介。考古学の魅力を伝える。

河西回廊踏査-11 不思議な中国郵便事情の条

2012-10-08 13:07:11 | 歴史・考古情報《日本》-1 宮都
 今回も又たくさんの書籍を購入した。いつものことだから驚くこともないのだが、訪れた町々、遺跡遺跡で様々な書籍を買うことになった。今回はカバンが小さかったので余り買わないでおこうと思っていたのだが、二度と来ることのないところだから情報はたくさん仕入れていきたいのでどうしても買ってしまう。

 とは言っても私の買う量などしれていて、その五倍は買うのが妹尾さん、そして二倍買うのが橋本さんと田中さんである。聞くところによると彼らのご自宅には(或いは別に借りているお部屋には)2万冊以上の本があるとか。私の数千冊など足下にも及ばない。



敦煌から送れた本はたったこれだけ。一箱5㎏以内で3箱だからわずか15キロ足らず。この倍くらいの本をカバンに入れて持ち帰ったから、当然これで本棚の一段が埋まってしまう。

 ところが近年の航空事情はとても厳しくなっており、これら購入した書籍を飛行機で持ち帰ることが非常に厳しくなってきたのである。国際戦はスーツケース二個でそれぞれ23㎏以内、手荷物は1個で10㎏以内なのである。もちろん普通の旅行ならこれで十分なのだが・・・。今回も結局中国の上海で1個3000円のカバンを1個買い足して、それぞれ20㎏余にして飛行機に積み込んだ始末。

 もちろんこれでも足りないから実は旅も最終段階であった敦煌で郵送することにしたのである。

 これがまた、皆さん手慣れたもので、町の郵便局のカウンターを占領して、ロビーに書籍を積み上げて、郵便局から箱やらテープやらマジックやらハサミを借りて梱包するのであった。ところがここが中国らしいところ。大都会では一箱20㎏は詰めるのに、敦煌では5㎏しかダメだという。それもやっと一箱20㎏に調整して容れ終わったところで言い出すのである。

 「エエッツ!!なんでー?」

みんな大ブーイングなのである。しかしそこはそれ中国。頑固なのである。頑として聞かない。渋々せっかく作った箱のテープを破り、書籍を取り出して、今度は一箱5㎏以内に入れ直すのである。5㎏というとわずかしか入らない。書籍は大体一冊1㎏前後はあるから、微妙な重さに調整することはとても難しい。そもそもそれまで体力の限りを尽くして梱包していたのでもう根性がないのである。最初はぎりぎりまで量って容れていたのだが、「もういいや」になってきて、ある箱はガラガラ、ある箱はギリギリとなったのである。そんなものだからいざ郵便局員さんの所に差し出すと微妙にオーバーしているという。



どこに我が家の住所があるか判ります?よくもこんな調子で日本まで届いたな!と思う。

また、「エエッツ?そんな!!」

となるのである。こんなことを繰り返すものだから、ナナなんと郵送だけでほぼ半日かかった。その上こんなことを踏査の団員の半分に当たる5人ほどがやるのだから、田舎の郵便局は麻痺!!もちろん地元の方も出しに来るのだが、なかなか出せないでいる。あのくだらない尖閣列島の問題がまだ表面化していなかったからよかったものの、今時そんなことをしていたら石でも投げられたのではないかと言うくらいの惨状だった。

 やっと荷物ができて住所などを書く段になってまた問題が!箱にうまく書けないのである。おまけにボールペンしかないので、字が薄いのである。差出人の住所と名前を書くことになっているので、そのとき泊まっていたホテル住所に西安から運転してきてくれているドライバーの名前を書いて出すのだが、これが殆ど読めない!!

「ホンマニこんなことで着くのやろか?」

全く信じていなかったのである。本代だけでも3000元(約40000円),送料が一箱200元。合計3600元もかかった荷物が行方不明になるのではないかという疑いの気持ちが一杯湧いていたのだが、もうそんなことどうでもよかった。クタクタ、ヘトヘトになってホテルに帰ったのである。

 ところがである。学者というのは本当に変人である。この後上海になぜ立ち寄ったかというと、行きつけの!!本屋で本を買うためなのである。私はさすがに財力も気力も失せかけていたので持ち帰れる分しか買わなかったのが、某二人の先生方は、「奥さんに怒られる!」と言いながら、本屋から郵送した上、空港でギリギリの23㎏×2を買って帰ったのであった。なお、驚くなかれ!

「行きつけの本屋さん」!!というとおり、本屋の店員が二人の日本人をよく知っているのである。

さて、その書籍、予定では1ヶ月後に着くという。しかし9月末には届かなかった。

「やっぱりダメかな!?」

「40000円パーかな?」

とあきらめかけていたのである。すると先のお二人の内の一人からメールが来て、無事届いたという。

「僕のは??エッツ僕のだけ行方不明!?悲しい!」

と思っていたら家から電話があり、今日(10月4日)中国から二箱荷物が届いたという。



我が家に届いた時には箱はかなり破れていたのである。きっと投げ飛ばされたに違いない。よくぞご無事で!!


「エッツ???2箱?」
「3箱なんだけど!」
「やっぱりあれはダメか!」

そうなんです、最後に気力がなくなって梱包した荷物は梱包もいい加減だったので、局員さんが一度開けて梱包し直していたのです。おまけにその荷物に書いた日本の住所がとても字が薄くて、自分でもよく読めない!

「やっぱりあれはダメだったか?」ま、2箱届いただけでも奇跡だから・・・。

こんな思いでいたら、ナナなんと、翌日もう一箱が奇跡的に届いたのである。中国郵政事情恐るべし!侮ってはいけないよ!!(ちなみに敦煌の郵便局のお姉さん達は愛想は悪いのだが、とても親切だったのである。彼女たちの名誉のために付け加えておく。)

ま、いずれにしろ、学者の本好きは当然とはいえ、普通の人が見たら超異常なのである。我が家もまた本の置くところがまたまたなくなってきたのである。

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