最後の書き込みから暫く余りに多忙でBLOGすることが出来なかった。
標記のように先週末は、西日本縦断の大旅行であった。金曜日に出前授業に名古屋へ出向いた後、土曜には長岡宮朝堂院前の門闕跡の発掘調査現場を見学した。改めて長岡京の持つ革新性に大いなる感動と確信を覚えて週初めには大宰府に向かった。大宰府では開館したばかりの九州国立博物館や発掘調査中の水城跡の調査現場を訪れ、国立博物館の使命や「学術調査」の課題を強く感じた。
その間、長岡宮発見の門闕跡について大宰府調査研究指導委員会の先生方とお話しをし、高い評価を得て認識に自信を深めたが、一方で、この素晴らしい(まだ十分に資料が公開されてないので、日曜日の現説後に正確なコメントをこの誌上で発表するつもりである)遺跡の価値を全く理解しない行政当局の呆れるばかりの対応に怒りを覚えつつ、今日を迎えた。
ところがさらに寂しい情報が今朝の三重県版の新聞に踊った。今夏私たちの大学も一部発掘調査に参加した現場の新聞報道である。どんな内容でどのように発表されたのか、全く知らなかったが、「これでは遺跡が可愛そう!」と言いたくなるほど、小さく小さく地方版に紹介されていたのだ。
もう少しで見落とすくらい小さく!学術調査だから、当然、その目的、成果、現状、課題などが語られたと思うのだが報道はほとんど何も触れていない。どうしてだろう・・・。あれだけ頑張って土方をし、土方の直ぐ下から見つけた柱穴なのに・・・。柱穴の中に居並ぶ「人柱」の写真にただただ呆然として写真を見る以外になかった。そして伝えられる内容の貧弱さに、この報道によって、どれだけ国民にこの「学術調査」の目的が伝えられたのだろうか?と考え込まされてしまった。
遺跡の情報公開とは何か?長岡・斎宮両調査のあり方から改めて深刻に考えさせられた1週間だった。いずれの調査についても、今私が何か発言すると「せっかく見せたのに・・・」と非難の矢が飛んできそうなので沈黙せざるを得ないが、考古学の発掘調査と遺跡保護・保存という古くて新しいテーマを考える上で貴重な反面教師を見せてもらった1週間であった。
そんな時またまた衝撃的な圧力がわたしたちのささやかな研究会にも及んできた。これまた、どうして世の中こんなに世知辛くなったの!と大声を上げたくなるような恥ずかしいものだった。これまた正面から批判するとどこかへ飛び火しそうなので、止めておくが、日本列島全体にも言える、小心者が権力を持つとろくなことがない!という典型的な事例である。学問が次第に様々な権力によって息苦しくなって行っている今日この頃である。
とにかく少しづつお話ししていきたいと思っています。
久しぶりの yaasanblogでした。
標記のように先週末は、西日本縦断の大旅行であった。金曜日に出前授業に名古屋へ出向いた後、土曜には長岡宮朝堂院前の門闕跡の発掘調査現場を見学した。改めて長岡京の持つ革新性に大いなる感動と確信を覚えて週初めには大宰府に向かった。大宰府では開館したばかりの九州国立博物館や発掘調査中の水城跡の調査現場を訪れ、国立博物館の使命や「学術調査」の課題を強く感じた。
その間、長岡宮発見の門闕跡について大宰府調査研究指導委員会の先生方とお話しをし、高い評価を得て認識に自信を深めたが、一方で、この素晴らしい(まだ十分に資料が公開されてないので、日曜日の現説後に正確なコメントをこの誌上で発表するつもりである)遺跡の価値を全く理解しない行政当局の呆れるばかりの対応に怒りを覚えつつ、今日を迎えた。
ところがさらに寂しい情報が今朝の三重県版の新聞に踊った。今夏私たちの大学も一部発掘調査に参加した現場の新聞報道である。どんな内容でどのように発表されたのか、全く知らなかったが、「これでは遺跡が可愛そう!」と言いたくなるほど、小さく小さく地方版に紹介されていたのだ。
もう少しで見落とすくらい小さく!学術調査だから、当然、その目的、成果、現状、課題などが語られたと思うのだが報道はほとんど何も触れていない。どうしてだろう・・・。あれだけ頑張って土方をし、土方の直ぐ下から見つけた柱穴なのに・・・。柱穴の中に居並ぶ「人柱」の写真にただただ呆然として写真を見る以外になかった。そして伝えられる内容の貧弱さに、この報道によって、どれだけ国民にこの「学術調査」の目的が伝えられたのだろうか?と考え込まされてしまった。
遺跡の情報公開とは何か?長岡・斎宮両調査のあり方から改めて深刻に考えさせられた1週間だった。いずれの調査についても、今私が何か発言すると「せっかく見せたのに・・・」と非難の矢が飛んできそうなので沈黙せざるを得ないが、考古学の発掘調査と遺跡保護・保存という古くて新しいテーマを考える上で貴重な反面教師を見せてもらった1週間であった。
そんな時またまた衝撃的な圧力がわたしたちのささやかな研究会にも及んできた。これまた、どうして世の中こんなに世知辛くなったの!と大声を上げたくなるような恥ずかしいものだった。これまた正面から批判するとどこかへ飛び火しそうなので、止めておくが、日本列島全体にも言える、小心者が権力を持つとろくなことがない!という典型的な事例である。学問が次第に様々な権力によって息苦しくなって行っている今日この頃である。
とにかく少しづつお話ししていきたいと思っています。
久しぶりの yaasanblogでした。