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PENTAX 3X(トリプルエックス)

2012年02月09日 | カメラ

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PENTAX LXは、旭光学創業60周年を記念して作られたプロユースカメラです。

発売は、1980年、絞り優先AE&マニュアル露出のカメラです。

LXは、アラビア文字で60を意味します。

このカメラの最大の特徴は、防塵、防滴構造を取り入れた事です。

今では、プロユース、ハイアマチュアのカメラでは当然ですが、この当時では、画期的と言うより、無謀とも言える試みでした。

ただし、この当時は、防塵、防滴などと言う言葉は無くてただ単に防水と言ってました。

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当時、PENTAXファンでなかった私は、カメラだけ防水にしても意味ねえだろ、レンズはどうするんだ、等と思っていました。

なにしろ、当時は、カメラ、特に「一眼レフ様を雨にさらす」等、考えられなかったほどカメラの地位は高かったのです。天気が良くて家族が揃ったら外に出て記念写真を撮ろう、そう言う時代でした。

つまり、カメラ様の都合に合わせて使っていたのです。

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しかし、カメラ様に都合を合わせられるアマチュアは良いのですが、プロはそうも行きません。

雨の日や水辺での撮影は、使い勝手の悪い専用のレインプロテクターを使うしかありませんでした。

日常生活用防水のLXの登場は衝撃的でした。

ほぼ同じ時期に発売した、Nikon F3も信頼性に優れたカメラとして有名ですが、雨には弱かったようです。

PENTAX LX、Nikon F3、共に1980年発売の絞り優先AE機ですが、どちらも約20年間、製造販売された事まで共通しているのは、興味深い物があります。(ヤバイ、書いていたらF3も欲しくなっちゃった)

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もう一つの特徴は、ハイブリッドシャッターです。

マニュアル時のX接点(1/75秒)より高速では機械式、X接点より低速及びAEの時は、電子制御式シャッターです。

つまり電池が切れても撮影出来るのです。(1/75秒より速ければ)

この辺もプロユースを意識した設計になっています。ライバルのF3は、機械式より精度が良いと言う理由で電子制御のみと割り切っています。

ここまで詰め込んでもボディのみ570gと非常に軽くコンパクトです。

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このLXは、貰い物ですが、長年使用していなかったのでかなり調子が悪く東京新宿のPENTAXフォーラムでオーバーホールしてもらいました。

http://www.pentax.jp/forum/

20年以上前のカメラなのにとても丁寧に対応してくれてその場でPENTAXファンになりました。サポート期間が過ぎると門前払いのC社とは偉い違いです。

私のLXは前期型ですが、前期型は電気基板がもう無いので購入するなら後期型をお勧めします。

前期、後期の見分け方は、

http://www.pentax-fan.jp/BODY/LX_CHG.html

PENTAX全体は、上記の元のページのここが詳しいです。

http://www.pentax-fan.jp/

LXは、巻き上げの感触が素晴らしいカメラです。巻き上げて空シャッターを切っているだけで至福の時を味わえます。

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LXを貰った時付いていたレンズはズームレンズ、しかもカビカビ。LXには単焦点レンズが似合う!と思いハードオフに行ったらジャンクコーナーにこのMXが有りました。

50mm、F2.0レンズ付で7.35k。安い!触らせてもらった所、外観は並ですが、機械は特に問題なし、モルトも張り替えたばかり、露出計もOK、レンズもキズ、カビ無し、金属製の鏡胴で大変お買い得でした。

多分、ハードオフの店員がMXの価値を知らなかったのでしょう。掘り出し物です。レンズどころかMXまでGETしてしまいました。(しかしLXに50mm F2.0は似合わないので後日、50mm F1.4を買った)

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後日、PENTAXフォーラムで点検して貰った所、極低速が若干不安定、高速シャッターが若干遅い、しかし実用には支障無しとの事でした。

MXも前期、後期型が有りこれは後期型でした。受光素子が替っており、後期型の方が改良されていて良いようです。

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MXは、OM-1より軽く、コンパクトなカメラを作れ!と言う号令の元、開発されたカメラです。

幅、高さ、奥行き共に0.5mm、OM-1より小さく、重さは15g軽くなっています。ただし、M-1及び初期のOM-1は、490gとMXより5g軽いです。OM-1の初期と中期以降の20g差は、モータードライブの取り付け有無の差でしょうか?ちょっと私は解りません。

OM-1(M-1)の1972年発売に対し、MXは1976年と4年の開きが有るので同じ土俵では語れませんが、数値以上に大きさ印象とも違います。この辺は後日比較したレポートを書きます。

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こうなると最後の「X」 KXが欲しくなります。これは、オークションで手に入れました。

外観は、まあ美品の方でしょう。メカも大丈夫です。ただし露出計は不動でした。空シャッターしか切らないのでまったく無問題です。

KXは、1975年発売で、それまで名機PENTAX SP等で使っていたM42スクリューマウントを捨てKマウントに変えた最初の機種です。マウントを変えた事でそれまでのファンから相当の反発が有ったと思います。

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ペンタプリズム中央の窓から絞りの数値を読む事が出来ます。ファインダー内にはシャッタースピードの表示も出て非常に使いやすいカメラです。これは、LX、MXも同じです。

しかし大きさは、Nikon F2とタメを張れるくらい大きいです。重さは631gとF2より200g軽いですが、OM-1(初期)より140g重いです。

僅か一年後にMシリーズが発売になっているので小型、軽量の時代の波に乗れなかった悲劇のカメラと言えそうです。しかし無理に小型化されてなく信頼のある熟成されたメカを使っているので耐久性は高いと思います。

これで、PENTAX 3X(トリプルエックス)の回を終了します。


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